午前中の爽やかな空気に包まれた、郊外にある寂れた住宅街。足早に進めていた歩調を次第に緩めた自分は、先の戦闘に直面した女性キャストの白鳥レダをなだめるために足を止めていく。だが、彼女は動揺どころか荒事に慣れた様子で落ち着きを払っており、色気を増幅する褐色肌と肉厚なグラマラス体型、そして男を“餌”として認識する艶やかな表情で微笑みながら喋り掛けてきたものだった。
「わたしの事を護ってくれたのよね? ありがとう、カンキくん。格闘術の心得はあるって聞いていたけれど、期待以上の腕前で感心しちゃったわ~」
「お褒めに預かり光栄です。こうして誰かを護れる技術を、俺も我ながら誇らしく思いますよ」
「ウフフ、謙遜しちゃって可愛いのね。真面目で優しいオトコのコが、いざという時に強くて頼りになる。こんなシチュエーションで惚れないオンナなんかいるわけがないじゃない。一目惚れしちゃったわ~。もう大好き、あなたのこと」
「あ、ありがとうございます。秘密結社のエージェントになった手前、レダさん達を護れるよう尽力するつもりです」
「すっごく誠実な人。愛らしくて、わたしが護りたくなっちゃう。改めまして、わたしは白鳥レダ。28歳の年上オンナだけど、わたしの事はタメで話してくれていいわよ」
「そ、そう? じゃあ……よろしく、レダ」
「あぁんっ」
!?
突然の喘ぎ声に、自分は呆然とした。その声がまたお手本のような艶めかしい声音だったので、聞いているこちらが恥ずかしく思えてしまえる程だった。一方でレダは褐色肌に紅潮の紅色を浮かべながら、色っぽい眼差しと微笑でこちらを捉えてきたものだ。
「あら、ごめんなさいね。年下の可愛らしいオトコのコからタメで呼んでもらえて、つい興奮しちゃった」
「えっと、驚かせてごめん……」
「謝らないで頂戴。むしろ、わたしのために戦ってくれたご褒美よ? でも、そうねぇ……命を懸けてくれている仕事に対して、それ相応の“慰労”が無いと、用心棒のあなたとしても張り合いがないわよね。そういうわけで……」
レダは悪戯に満ちたいやらしい微笑と共に、こちらを真横にあった路地裏へと引っ張り込んできた。半ば無理やりなそれに自分が困惑していると、彼女はこちらの手を取ってくる。
ローズピンクのウエストベルト付きマイクロミニワンピース。その誘惑的な下半身へと手を近付けたレダは、そのまま何の躊躇いもなくこちらの手を自身の秘部へと密着させてきた。彼女のショーツ越しに伝わってきた温もりと感触を受けて、自分は一気に心拍数を上げながら動揺する。そんな様子を愉悦の極みとも言える表情で眺めてきたレダは、豊満な乳房と肉厚な体つき、そして色気を帯びた声音で引き続きアプローチを行ってくる。
「指、動かして?」
「え? こ、こう……?」
「あんっ、いいわ。ウブな手つきがくすぐったくて堪らない。もっと頂戴? カンキくんの感触……」
布越しでも感じられるレダの割れ目や突起を、自分は訳も分からず撫で掛けた。指先の表面が彼女の秘部を摩擦する度に、自分の性欲が溢れ出してオスの本能が掻き立てられる。段々と愛撫に馴染んできた自分がレダに擦り寄ると、彼女もまた打算的な笑みを浮かべながら身体を近付けて二人は密着する。
外界で行為に及ぶ背徳感を伴いながら、二本指でレダの秘部を刺激し続ける。次第にも彼女はこちらの首元に両腕を回してくると、二人だけの快楽へと
自分も彼女に応えて舌を捻じ込み、互いに舌を交わらせたディープキスが唾液の音を響かせる。直にもレダはこちらの股間を触り始めると、やらしく撫で掛けたそれはカチャカチャとベルトを緩め、こちらを路地裏の塀に向かい合わせながらその言葉を口にしてくる。
「力を抜いて頂戴」
「でも、レダ。ここは外だよ」
「だからどうしたの? それがいいんじゃない」
ズボンと下着をずらし、いきり立ったペニスがボロンッと零れ出す。それを見たレダが感嘆の声を上げていくと、慣れた手つきで勃起したそれを握り締め、塀に手をつくこちらのペニスをしごき始めたものだ。
亀頭から根本まで、満遍なくしごき上げる熟練の技。レダの手慰みに自分は抵抗の意思すら忘れ、彼女の慰労に全神経を注いでいた。レダはこちらの背面に身を寄せて、後ろから覗き込むような形でペニスを擦り続ける。今も快楽で悶える男のあられもない姿に、彼女は絶頂に近い高揚を抱いていたに違いない。
間もなくと迎える最高潮の波。自分が本能のまま腰を前後に動かすと、直後にも到達した快感の頂点と共に一直線を描く射精が塀にぶちまけられた。前日も前々日も彼女達に搾り取られた精子だが、彼女達の魅力を前に量と勢いは増すばかり。レダのテクニックで敢え無く絶頂した自分は、息を切らしながらも声を抑えて興奮の鼻息を鳴らしていく。
視界には、塀にべったりと付着した白濁液が広がる光景。そしてペニスを握るレダの褐色肌が見え、それは今も勃起した一物をいやらしく包み込んでいたものだ。
一息を入れた自分達は、寂れた住宅街を再び歩き出していた。特に美女からの施しを受けた自分は、スッキリした心持ちで午前中のそよ風を浴びていた。レダとの出会い、小規模の戦闘、美女による手慰み。この短時間で様々な出来事を体験した自分がそれらを思い返すように黙りこくっていると、ふとレダは黒色のドクターバッグを提げた姿で顔を覗き込みながら言葉を投げ掛けてくる。
「ウフフ、まだ余韻に浸っているのかしら? そんなにわたしのおててが気持ち良かったの~?」
「それはもう、最高だった……。頑張って戦った甲斐があったよ」
「カンキくんだって荒仕事ばかりじゃ嫌でしょ? こういう“イイ事”も味わっておかないと、人生やってらんないわ。わたしだってそう。カンキくんがえっちな気分でムラムラしている姿を眺めるのが今の楽しみなんですもの」
「いざ言葉にされると、何ともお恥ずかしい……」
「あらぁ~、恥ずかしがってるカンキくん可愛い~。そんな反応されちゃったら、もっといじめたくなっちゃうわぁ~」
レダは妖艶な笑みを浮かべながら、こちらの腕に擦り寄ってきた。その際に自身の豊満な乳房を何度も擦り付け、更には衣類越しに谷間へとめり込ませてくる。彼女のアプローチに自分はまたもや本能の高揚を覚えつつ、慌てて話題転換を切り出した。
「そ、そういえばレダはこれからお仕事と言っていたけれど、それって不良達から離れるための方便だったの?」
「お仕事があるのは本当の事。今からあちこち回るから、カンキくんは用心棒としてわたしに付き添ってもらえるかしら」
「任せて。特にレダは魅力的な女性だから、近付いてくる男達は俺が追い払うよ」
「あぁん、カンキくんってば頼りになるわぁ~。それじゃあ早速、お仕事に向かいましょうか」
レダの護衛という名目で始まった、彼女とのお出掛け。最初に訪れた場所は、現在地から徒歩で10分程の距離にある公園だった。そこはブルーシートや工作物の小屋などが見受けられる一帯であり、近寄り難い雰囲気を醸し出している。自分が躊躇いを見せる一方でレダは平然と敷地に踏み込んでいくものだったから、自分もまた彼女の後を追うように公園へと進入した。
レダが姿を現すや否や、辺りで座り込んでいたホームレス達が彼女へと集まってきた。自分はレダを護るために急ぎ駆け付けたものの、彼女がそれを優しく阻止しながら伝えてくる。
「大丈夫よ、カンキくん。彼らはわたしの仲間なの」
「仲間?」
「わたしも元はホームレスだったのよ。ここにいる人達は、その時に支え合った仲間達。だから大丈夫、心配しないで頂戴」
「それじゃあ、ここに来たのは仲間達に会うため?」
「半分正解。わたしの目的は、ホームレスである彼らの“診察”をするために来たのよ」
「診察?」
「わたし、こう見えて医者なの。それも、世間を忍ぶさすらいの闇医者」
レダは陰りを落とした怪しい表情を垣間見せてから、パァッと艶やかな笑みを浮かべてホームレス達へと声を投げ掛けていった。
「こんにちは~! 白鳥レダです~! 健康診断に来ました~! 皆さん、列に並んでお待ちくださ~い!」
レダの呼び掛けを受けて、ホームレス達は嬉しそうな様子で彼女の前に列を作った。レダはドクターバッグを地面に置き、それを開いて準備を進めていく。バッグの中身は医療で用いられるのだろう器具や道具がぎっしりと詰まっており、彼女は聴診器やデンタルミラーなどを用意しながらホームレス達の健康診断を開始した。
レダの健診は、とても鮮やかな手並みだった。ホームレス達の健康状態をくまなく確認し、メモを取りながらそれに応じた治療や処置、薬の処方などを施していく。先程まで見せていた淫魔の如き一面は微塵も感じさせず、現在は一人の医者としての実直な一面で物事の対処にあたっていたものだ。
彼女の様子を付近で見守る最中、こちらに近付いてきたホームレスの男性が親しい調子で喋り掛けてくる。
「君は見ない顔だね。
「いえ、俺は彼女の護衛として付き添っている者です」
「護衛ねぇ。確かにここ最近は物騒になってきたから、白鳥ちゃんのようなレディが一人で歩いていると危ないからねぇ。それにしても、良い身体をしているね君。日頃から鍛えているんだろう?」
「そうですね。彼女達を護ることが俺の役目なので、相応の鍛錬を積んでおります」
「頼りになるねぇ。こんな人が近くに居てくれれば、白鳥ちゃんも安全だ。君、名前は?」
「柏島歓喜と言います」
「柏島君ね。白鳥ちゃんの事、どうか頼んだよ」
「お任せください」
レダの健診は1時間以上を費やした。この公園で行う一通りの用事が済み、レダは旧友であるホームレスの仲間達と少し言葉を交わした後にこの場から立ち去っていく。自分もレダに付き添う傍らで、彼女は色気を思わせない爽やかな調子でそう喋り出してきた。
「さて、カンキくん。次の診察場所に向かうわよ」
「次?」
「わたしが担当している場所はあそこだけじゃないわ。他にも複数の場所を担当していて、そこに住んでいるホームレス達の健康診断をするのが今日のお仕事。でも、今はお昼の時間だしご飯でも食べましょうか」
そう言って訪れた場所は、更に徒歩で30分程の距離にある東京の市街地だった。自分達はファストフード店に入って食事を済ませると、レダはドクターバッグを片手に次の目的地を目指し始める。
電車を乗り継いで、更に徒歩で移動して到着した場所もドヤ街と呼ばれる一帯であり、外国人労働者が多く見受けられたその土地をレダは力強い歩調で突き進む。道中では彼女に声を掛ける男性達に絡まれたが、自分が立ち塞がることでけん制し、事なきを得た。そんな経緯を経て辿り着いた路地裏には十数名のホームレス達が住み付いており、少なからずの異臭がする場所でレダは医者としての面持ちを見せながら健診を行った。
その地での健診が終わると、レダは最後の場所と言って更なる移動を果たした。1時間以上をかけて到着した市街地には路上生活者が溢れており、通行人が強張った表情で通過していく中、レダはホームレスの一人一人と向かい合いながら健診を遂行する。
数時間に及ぶ仕事を終え、陽は既に落ち始めていた。夕暮れ時が迫る時刻を迎え、帰路につくレダは両腕を伸ばしながら喋り掛けてくる。
「ふぁ~、カンキくんお疲れ様~」
「レダもお疲れ様。プロのお手並みに驚かされたよ」
「んもぅ、カンキくんったら。プロとかそんなんじゃないわよ。社会の底まで落ちぶれた人間が、夢を諦め切れずに足掻き続けているだけ。やってることなんてただの違法なんだから、大したことじゃないわ」
「世の中は、善悪だけでは語れないことも多いと俺は思ってる。俺も、みんながボスと呼び親しむ親父の息子なんだなって感じるよ。だから、せめて俺の前では緊張しないで。レダがレダらしくいられるように、俺もレダの事を支えられるように頑張るから」
レダは足を止めてこちらを眺めてきた。どこか呆気に取られる表情もまた、初めて見る一面だった。
直にも彼女は、柔らかく微笑んでみせた。妖艶な褐色肌で口元を綻ばせ、優しい眼差しを向けながら歩み寄ってくる。それから「ありがとう」と一言を告げてくると、彼女はこちらの腕を引っ張り、付近の路地裏へと連れ込んでから向かい合ってきた。
「今日の護衛に付き合ってくれたお礼、欲しいでしょう?」
「お礼も何も、レダ達を護ることが俺の仕事でもあるから」
「あなたって本当に真面目なのね。ラミアとメーが認めただけはあるわ~。確かにカンキくんは逸材。ボスの息子とかは関係無しに、一人の人間として特別な存在よ。まるで、わたし達のようなオンナにとって都合良く生まれてきてくれたかのような、わたし達の心を満たしてくれる唯一無二のオトコ……」
レダはこちらの右手を取り、自身の秘部にあてがってきた。同時にして「あぁんっ」と声を上げる彼女の嬌声に自分は興奮を覚えながらも、先程の実践を思い出すように指を動かしてレダの秘部を撫で掛ける。
彼女を抱き寄せると、向こうの方からキスをねだってきた。自分はその期待に応えて唇を重ね合わせ、舌を絡めたディープキスを交えていく。秘部を愛撫する指には細心の注意を払い、神経を集中させて彼女の股間を余すことなく全面的に撫で掛けた。
白熱する行為はエスカレートし、自分は三本指でレダの秘部を包み込んでいく。レダもまたキス越しに甘美な声音を奏で続けると、次第にも目を合わせながら彼女は囁いてくる。
「触ってもらうの、大好きなの。おっぱいも、お尻も、あそこも……」
「じゃあ、これからは俺の方から触るようにするよ」
「あぁん、宣言されると余計に興奮しちゃう」
互いの舌が離れ合い、唾液の糸が繋がり合う。自分は指も離してレダを見下ろしていくと、そこには妖艶な色気を纏いながら満足気に微笑む彼女の姿が映り込んでいた。