Abbey Lover 転生ショタ淫魔のオーバーロード 作:ショタが成長するのはいやおじさん
走る。走る。ただ走る。
淫魔の騎士ベツヘレムは脇目も振らずに逃げ走った。
本人は認めないが、半世紀前の人間の英雄たちとの決戦の時も、王亡き後、我先に逃げることで生き延びた男である。
「ありえない。ありえない。なぜ、どうして、半淫魔如きが、あんな強大な力を……!」
十年ほど前に、戯れに誘惑した貴族の娘から産まれた落とし子が、名高い聖女を堕落させたと聞いて、臣下の列に加えてやろうと考えた。それが間違いだった。
「こんなことなら他の息子たちや家臣どもを引き連れてくるべきだった」
かぶりを振る。難度50から70程度の者たちを何人矢面に立たせたところで、奴からすれば物の数ではない。遠方に派遣中の将軍たちを集結させても叶うかどうか。
自分の最強の魔法を容易く打ち消す魔法行使能力もさることながら、殴打に対してまったく反応できなかった。
「あれではまるで」
己の居館に辿り着き、騎士ベツヘレムは逃げ延びたことに安堵しながら、玉座にへたり込み、埒外の力を見せた末子に思いを馳せる。
「まるで?」
「それはもちろん。魔神の
「そんなホラー映画で逃げた先でモンスターと出くわした犠牲者みたいな……比喩でもなんでもなく、その通りの状況だった」
理解不能の状況に、考える前に体が動く。ベツヘレムは飛び跳ねると、再び逃げ出した。秀麗な美貌を恐怖に歪め、涙と鼻水を垂れ流しながら、力の限りに足を前へと進める。
少し考えれば、どうして相手が逃げるのを妨げないのか、疑問の一つも覚えただろうが、恐慌のあまり考えが及ばない。
逃げて、逃げて、逃げた先で怪物に出くわして、また飛び上がって逃げてを繰り返す。
「ねえ。そろそろ飽きてきたから聞くんだけど。アンタってさ、今、どこを走ってるの?」
「どこ? どこだと? それは当然……どこだ?」
怪物の言葉を切っ掛けに、ベツヘレムは眩惑から解き放たれる。
「種明かしをすると。ずっと同じ場所をグルグルと回ってただけなんだよね」
そこは自分の屋敷でもなければ、走っていたはずの道でもなく、とっくに逃げ出したはずの神殿だった。
「幻術! 幻術か! どこからだ、どこから私は幻術の中に囚われていた!」
目を見開いて絶叫する。
「はっははははは! そうとも、おかしいと思ったんだ。我が大魔法を相殺するだなどと、よくも謀ってくれたな。今度こそ喰らうがいい《
「いや。それは本当だってば」
性懲りもなく魔法を放とうとしたのを、ウクルは呆れながら相殺する。
「……幻術」
「ちがうよー」
心折れた面相で、ベツヘレムはへたり込む。
「なんなのだ貴様は」
理解できないモノを見る目で、ベツヘレムは己の息子をぼんやりと眺める。
自分の種からとんだ鬼子が生まれたものだ。他の息子たちは尋常のインキュバスなので、この幼児の見た目をしたインキュバスだけが何もかもおかしい。
「んー。そうだなあ。一番通りが良い肩書はやっぱりフールーダの弟子かなあ」
「第七位階詠唱者!」
思わぬ答えに目を剝く。初耳が過ぎる。
「あ。そこ知らなかったんだ」
「知っていたら、逸脱者の弟子なんて厄物に近寄るものかよ。だが、待て、なぜ半淫魔が宮廷魔術師の弟子になんてなっているんだ」
そこからして理解を越えている。
「魔法が全てに優先する変わり者だからですかねえ。あ、師匠の方がね。ボクは女の子の方が上だから。誤解しないでよ」
「そこは普通の淫魔なのだな。少し安心したよ」
「そりゃあね」
二人笑い合う。片方はやけっぱちに、もう片方は心底から楽しそうに。
「さあ。もはや逃げも隠れもしない。殺せ!」
「くっころ女騎士みたいなこと言い出したな」
あれだけ見苦しく逃げ回っておきながら、急に潔い態度に出るベツヘレムに、ウクルは「コイツの情緒どうなってるんだ」と呆れてしまった。
第一、なんで殺すと思っているのか。
「殺さないよ?」
「何だと。ふん。お優しいことだな。やはり修道女に育てられて、宮廷魔術師に師事すると、半淫魔でも人の心とやらを育むのか」
拍子抜けしたベツヘレムは苦笑する。これなら泡を喰って逃げ出す必要もなかった。
「これはちょっとした好奇心なんだが、貴様、私より魔法が達者と見えるが、一体、第何位階まで使えるんだ? よもや師と同じ第七位階とは言うまい?」
ベツヘレムとしては冗談のつもりだった。だが真実はその上を行く。
「第八位階だよ」
「は?」
「だから第八位階だってば」
「冗談……ではないのか。そうか、第八位階、第八位階か」
呆然とした様子で、淫魔の騎士は第八位階という言葉を繰り返す。魔法に自信がある彼だからこそ、その異常さが理解できる。
「やはり魔神」
もはやそうとしか思えない。かつて仕えた淫魔の王の再来。ベツヘレムは瞑目して頷くと、意を決して立ち上がる。
「ではな。我が子よ。もはや会うことはあるまい。さらばだ」
別離の言葉を告げ、ベツヘレムは踵を返す。そして、神殿の外へ歩き出そうとしたところで、ウクルの放った鎖の魔法に足をとられて、勢いよく前のめりに倒れる。
「あのさ。なんか良い話っぽく終わらせてるけど、ボクがいつアンタを許すって言ったよ」
「なに、さっき、確かに殺さないと」
「当たり前じゃん。殺すのはいつでもできるんだから、ただで殺すのはもったいないでしょ?」
その言葉を耳にした途端、脳裏を駆け巡った嫌な予感に突き動かされ、淫魔の騎士は全霊で逃げ出そうとした。
「こらこら。さっきの潔さは何だったのさ」
そんなもの、死ぬより酷い目に合わされるのが明白だからだ。
だが、無情にもその背中をウクルの足が踏みつけて、這いつくばってでも逃れようとするベツヘレムの体を地面に縫い付けてしまった。
「ねえ、パパ、聞いてよ。ボクってね、基本原則として、女の子たちには優しく、紳士的に、愛をもってをモットーに接してるんだよ。ラブ&パッションだね。やっぱり、お互いに合意のイチャラブックスが最高なんだよ」
踏みつけられながら、息子の性的嗜好を聞かされる拷問に処されたベツヘレムは、首の骨が折れそうな勢いで頷いた。
何とか迎合して、相手の翻意を促そうといじらしい努力を重ねる。
「でもさ。偶には趣向を変えて、 #合意なし で #超ひどい #責め苦 を伴う #しつけ と洒落込むのも悪くない。前々から、乱暴に扱っても心が痛まない、都合のいいオモチャが欲しいと思ってたんだ。ありがとう。パパ!」
ベツヘレムの背筋を怖気が走る。
何を言っているのかは分からないが、言わんとしていることは不思議と分かる。
「貴様! インキュバスの癖をして、男色の気でもあるのか!」
「違う違う」
心外とばかりに早口で相手の勘違いを打ち消す。
「こんな話を知ってるかな。インキュバスとサキュバスは実は同じ物であり、女の姿で搾り取った精液を、男の姿でばら撒いているという説を」
「そんなはずがあるか!」
「うん。まあ。そうなんだよね。『ユグドラシル』の運営はこの説は採用しなかったみたいで、それとも上手いことゲームシステムに落とし込めなかったのかな、インキュバスはインキュバスだし、サキュバスはサキュバスだ」
両者密接な関係を持ちつつも独立した別個の種族になっている。
けれど、ユグドラシル開発チームとしても、この伝説をすっかりと捨ててしまうのは惜しかったと見える。
インキュバス周りのデータを読み込んでいた際に発見したのだが、とあるサブクエストでイベントNPCのインキュバスが、性転換してサキュバスに変身した事例があった。
それも変身魔法による一時的な変化ではなく、不可逆かつ永続的な転身である。
wiki執筆者の主観によるとの但し書きがされた上でだが、ゲーム中では細部はボカシて描写されていたが、ストーリーの流れ的にTSの要因は夢の中でメス堕ちさせられたからではと考察されていた。
「だからまあ。一つ物は試しと言うことで」
「やめ……やめろ……!」
自分の中だけで完結しながら、理解不能なことを語る物狂いの足下、ベツヘレムは怯えた目をして暴れるが、ウクルはまったく取り合わなかった。
「《
一つの魔法がベツヘレムを悪しき夢へと誘う。
襲い来る眠気に抗えず、ベツヘレムは悪夢の国へと沈んで行った。
続けて《
かつて5歳のウクルが血の宿命に目覚めたこの場所が、淫祀邪教の儀式場となって久しい。
悪夢にうなされる淫魔の騎士を祭壇に横たえると、四肢を鎖の魔法で拘束し、ウクルは一つの呪文を唱える。
「《
ユグドラシルには公称6000以上の魔法があるとされるが、その中にはイベント専用の魔法もある。ウクルが使った魔法もその一つで、効果は夢の中に入り込むという物だ。
ゲームの中ではこれが付与された魔法の道具を使って、悪夢に悩まされているイベントNPCの夢の中へと入り込み、そこで待ち構える夢魔系のボスを倒して、被害者を救うという、まあまあベタな内容のクエストである。
ゲーム時代は夢の中という体裁のダンジョンエリアに移動していただけだったようだが、この世界では本当に人の夢の中へと入り込める。
これまでにも、これを使って他人の夢の中に入り込み、好き放題に女を犯してきた、実績のある魔法だ。
「うん。淫魔相手に使うのは初めてだったけど、問題なく機能するみたいだね」
ウクルはベツヘレムの夢の中に遠慮なく土足で踏み込んだ。
「クソガキが! 私に何をした!」
その途端に罵声を浴びせ掛けられる。
ベツヘレムの面影を残す女が、美しい顔を怒りと恐怖とで歪めながら、自分の身に起きた怪現象の元凶と思われる存在へと噛みつく。
「こんにちは美人さん。綺麗な顔が台無しですよ。なんて。あはは。自分の性別が変わってしまうというのも、ある種の悪夢と言えるよね」
ウクルは女を揶揄いながら、その顔をしげしげと眺める。
「男の時はあんまり似てるとは思わなかったんだけど、女性化させたら、途端にボクと似てきたな」
ウクルと同じ銀の髪に雪白の肌。確かな血の繋がりを感じさせる。もしもウクルに姉がいたなら、こんな顔をしているのかもしれない。
要素だけを抜き出せば、華奢な妖精めいた姿になってもおかしくなかったのだが、そこはやはり淫魔であるからか、乳も尻も腿もムッチリと肉が付いた、男の欲を煽るエロティックな肢体となっている。
第三位階魔法《
それによって、ベツヘレムを女に変えたのだ。
御丁寧に角の形もインキュバスの物からサキュバスの物に変わっている。
もちろん、夢は夢である。
これまでも人間や人狼、魔女に対して、この魔法で外見年齢を操作したり、膨乳、ふたなり化の肉体改造を加えた時も、夢の外の肉体には何の影響も見られなかった。
だがしかし、夢魔とも呼ばれる淫魔は、半ばまで夢の世界の住人である。
「だからまあ。これは実験なんだよね」
夢魔たる存在を、夢の中で変質させれば、それは現実世界にも適応されるのではないか。ずっと前から頭の片隅にあった問い掛けだ。
モロに人体実験なので、これまでは倫理的な問題から、実際に試すのは見送って来た。
そこへ恰好のモルモットがやって来たわけで。
「そりゃ、やるしかないでしょ」
説明されたベツヘレムは顔を青褪めさせる。
「そうだ。私には娘もいるぞ。貴様の姉だ。そいつをやろう。だから私を助けてくれ」
だがウクルが斟酌することはなかった。容赦なく改造を続ける。
「んー。白ギャルも好いんだけど。銀髪にはやっぱり褐色の肌が映えるね!」
途端にチョコレート色の皮膚に変わる。
「ついでに服装も変えちゃおっか。今の格好も女騎士っぽくて風情があるんだけど、今日の趣旨からするとズレがあるんだよね。もっとフェミニンな」
悪戯心半分、助平心半分。良いことを思いついたとばかりに、ウクルは笑って手を叩いた。
「そうだなあ。あはは。生き恥ウェディング行っちゃおうか!」
女体化ベツヘレムの妖冶たるその肢体を、極めて卑猥な衣装が飾る。
頭には無垢なるヴェールが乗り、レース編みの長手袋とタイツとが手足を清楚に隠している。対して、胴体は下着とすら認めがたいような、ごく細い帯か紐のような物が、かろうじて秘所を覆い隠しているだけの露出っぷり。
純白のセクシーランジェリーめいたウェディングドレス、あるいはその逆で、純白のウェディングドレスめいたセクシーランジェリー。
もはや裸の方が恥ずかしくないような有様であった。
ベツヘレムは瞠目した。なんと斬新なデザインか。
淫魔の王を称する彼をして、これほどスケールの大きな、ドスケベな衣裳は思いつきもしなかった。
元より、この世界の未発達な紡績・織物・縫製技術では不可能な、それこそ夢のような技術を濫用してようやく現実に出来る代物ではある。
もちろん、転生者が持ち越した、前世世界で考案された知識が出所なのだが、そんなことは知る由もないベツヘレムは、同じ淫魔として、その発想に打ちのめされた。
「父が娘を子が母を、犯し犯されるのが淫魔の習いとは言え、父親を女に変えて、これを犯したのは、後にも先にも貴様だけだろうよ」
魔法で負け、体術で負け、ついには淫魔としての有り様でも負けた。
いまや、ベツヘレムがウクルに向ける視線は、上位者を仰ぎ見る眼差しだった。
「サキュバスの角が何のためにあるか知ってるかな」
ベツヘレムの敗北宣言とも言える言葉に、ウクルは少し考えた後で、ヴェールから突き出た女淫魔の角を撫でながら、そんな一見すると無関係の言葉で返した。
そして解答を待たずに一気に行動に移す。
「それはね。喉の奥を力いっぱい犯すためにあるのさ!」
俗に言うイラマハンドルである。
角を掴んで頭を下げさせると、その口の中に硬く勃起した男根を強引に捻じ込む。喉の奥を貫通して食道まで達する無理やりの口淫。
「あ゛っか゛っう゛ぉえっ」
相手がえずくのもお構いなしに、力任せに腰を前後に往復させて、独りよがりなチンポの快楽を追及する。
そして一息に上り詰めると、景気づけの一杯とばかり、小便でもするように盛大に射精して、喉の奥から胃の腑へと直接ザーメンを送り込んだ。
そのまま最後の一滴が出切るまで、相手の喉奥をチンポで占拠する。納得が行くまで堪能したところで、ブルンっと音を立てて、ようやく長大な肉棒が引き抜かれる。
解放された女は涙を浮かべ、ザーメン交じりの鼻水と涎を垂らしながら、ゼヒューっゼフーっと全力で息を吸う。
その眼前に亀頭が突き出される。
「ほら。何を休んでるの。お掃除がまだでしょ」
ベツヘレムはこの期に及んで一瞬の躊躇を示したが、すぐにもう一度イラマチオを強制されるよりは、自発的にフェラチオをした方がマシだと判断して、ウクルの未だ硬さを保つペニスに舌を這わせた。
自分がするのは初めてだが、これまで散々に女たちにさせて来ただけはあって、心得た物だった。
ずぶっ……ずぶずぶ! ぷつっ……ずんっ!!
精液と胃液が一通り、舌を使ってこそげ落とされた頃合い、ウクルは女淫魔を仰向けに寝かせると、今度は下の口へと自分の男根を捻じ込んだ。
そのまま硬い処女地を掘り耕す。
処女の相手も手馴れた物で、正常位の態勢で腰を振る。
なにより性行為に特化したサキュバスの肉体はすぐに順応して、快楽の善がりを全身で上げると、湿り気を帯びる火照った膣壁から、間も無く快楽の涙を流し始める。
射精、絶頂、射精、絶頂。互いに互いの精気を奪い合う。淫魔同士のセックスは子供の陣取り遊戯にも似ている。
女にされた騎士の乳房には既に無数の噛み跡が刻まれ、一方の妖童の背中には女の刻んだ爪跡が見える。
一進一退の攻防の最中、そうっと伸ばされたウクルの尻尾が、無心でアン、アンと喘いでいるベツヘレムの首を、不意にキュっと締め上げる。その死角からの攻撃に、女淫魔は白目を剥いて、一際大きく絶頂した。
「おっと。勢いあまって吸い過ぎちゃったか。萎びてきた。けど、大丈夫、吸い取った以上に与えてあげるから」
「あっ♡ お゛っ♡ ん゛ほぉ~~~♡」
ミイラ一歩手前の状態から、過剰に注がれた精気による過回復で、ベツヘレムは苦悦半ばに身悶えた。
「お帰り♡ じゃ、もう一回、逝こうか♡」
エナジードレインで死ぬ限界ギリギリまで精力を搾り取り、藻掻き苦しんでいる所へ、今度は許容量以上の精気を叩き込む。
これを何度も繰り返すのだった。