「デビューライブの時からファンでした! 大好きです!」
彩恵より二、三個歳下っぽい女の子が、興奮した様子を隠しもせずピョンピョンと跳ねていた。
女の子はフリフリのワンピースに身を包み、ツインテールを高めに結い、リボンやら星のチャームやらでデコレーションしたポーチを肩から下げていて、気合を入れておめかししたのが一目瞭然だった。
そんな可愛らしいファンに、彩恵は落ち着いた様子で手を握ってあげた。
「ありがとう。この前のライブ、最前列にいた子よね」
彩恵の方はホットパンツにオフショルのTシャツ姿で、なんならファンの子の方がアイドルらしい煌めいた格好かもしれない。そんなラフなスタイルでも彩恵のオーラは存分に発揮されていて、目の前でそれを浴びるファンは小鹿のように震えていた。
「え⁉︎ お、覚えてたんですか⁉︎ やばい、どうしよう死んじゃう……」
「可愛いうちわ作ってきてくれてたから印象的だったの。私のファンでああいうの作ってきてくれる人少ないから、嬉しかった。今度テレビで新曲やるから応援してくれる?」
「ああう……ぜ、絶対見ます録画しますリアタイします! 頑張ってくだひゃい!」
「ええ。またライブで会いましょう」
最後にギュッと強く握って、彩恵は手を振り女の子を見送った。
そしてすぐに別のファンが来る。休む暇もなく次から次へと訪れるファンに、彩恵は嬉しそうな顔を一度も崩さず丁寧に対応した。内心、文句を垂れ流しているだろうが、相変わらず表面上は清らかで頼もしい。
ふと、彩恵の両隣のレーンを見るとそこには彩恵と同じタイミングでデビューしたアイドル達がいて、彼女達もファンとの貴重な交流を楽しんでいる……ように見えた。
彼女達の前にもファンが並んでいるが、彩恵と比べるとその列は少なく、人気の違いが可視化されているせいで、彼女達は時折、彩恵に対して冷たい視線を飛ばしていた。
同期組合同イベントのため、仕方のない部分はあるものの、彼女達には申し訳なく思う。
もちろん、周囲の視線に気づいているであろう彩恵に対しても。
◆
一部が終わると彩恵はイベントホールの外に出て、裏手にある小さな水道でひたすら手を洗っていた。
「そんな洗う? みんなお前のファンなんだぞ」
「別に潔癖症でもないし、うちのファンが汚いとも思わないけど、何故かみんな手汗凄いのよ。女の子でさえベチョッとしてる。おまけにやたら手、スリスリしてくる人とかいるし、流石に不快」
確かにちょっと嫌かもしれない。俺は彩恵ファンでもあるから複雑な心境だ。
「控室戻るか?」
「他の子達に睨まれるから、ここで時間潰すわ」
「そうか。なんかあったら連絡くれ」
「たった今スマホ無くしたからそこ居て」
「……はい」
どうやら拒否権はないようで、彩恵と共に壁にもたれて時間を潰すことになった。裏手のため面白いものは何もなく、目の前の塀と雑草を眺める以上の暇つぶしがない。それでも控室に戻るよりはマシらしい。
「この手の交流会、苦手か?」
「ええ。普段よりファンと距離近いから力抜くタイミングがないの。ずっと気が張ってる感じ」
精神的な疲れが大きいようで、曇った表情を浮かべている。
「でも昔より減ったわよね。前はサイン会とか、CDの手渡し会とか多かったのに」
「人気出始めてから減らしてもらった。最近物騒な事件も多いから身の安全のためにー、とかなんとか言って」
「あなたが減らしてたんだ。前から私がこういうの苦手って気づいてた?」
「いや、単純に彩恵がお手軽アイドルみたいな扱い受けてほしくなかったから、徐々に敷居高めの売り方に変えたんだ。実際そっちの方がお前のイメージに合ってて、ウケも良い」
「やるやん」
「お手軽な相槌打つな」
適当にツッコむとクスクスと彩恵が笑う。
個人的な趣向だが、芸能人は身近に感じるより手の届かない場所で輝いていてほしい。アイドルやアーティストは尚のこと。
観客席やスマホの画面から『あんな風になれたら』と憧れている時が一番楽しくてワクワクするのに、昨今の芸能人はやたらこちら側に干渉してくるし、干渉しやすい場所まで降りてくる。
勝手な解釈だが、俺の中で間宮彩恵は手の届かない一等星だ。今後も握手会やサイン会については考え直してみよう。
「あと何分ぐらいで戻ればいい?」
彩恵に訊ねられて腕時計を見た。
「十五分ぐらいだな」
「なら間に合うか」
ポツリと呟くと彩恵は俺の前でしゃがみ込み、何も言わずに俺のズボンのファスナーを下ろしにかかる。
俺は咄嗟に彼女の手を掴んで止めた。
「当然みたいな流れで触るなよ。遊んでる暇ねえって」
「十五分もあるのに? この間なんか五分で出てたじゃない」
「ろ、六分は耐えたし……」
自分で言ってて悲しくなる。しかし彩恵は特に気にせず言った。
「それでも二回はイケる。ずっと駄弁ってるだけなのもつまんないし、リフレッシュさせて」
「俺のを抜いたところで、お前のリフレッシュにはならない」
「なるわ。あなたを虐めてる時が私史上一番楽しい」
彩恵は満面の笑みで言い切った。
その笑顔に見惚れている間にファスナーは完全に下ろされ、パンツの前開きから取り出される。まだ頭の垂れた俺の息子を彩恵は小さく舐め出した。
「れろ……ちゅるっ。ちょっとおしっこの匂い」
そう言って躊躇いもなく先端を舐め回し、俺の反応を楽しんでいる。
こっちに背徳感を背負わせに来るセリフと動作にまんまと腰が震えて、俺は背中を壁に預けて彩恵に身を委ねた。
徐々に立ち上がる息子から一旦口を離し、彩恵は玉に舌をそわせた。
「金玉って舐めれたら感じるの?」
「そんなに、だけど……」
「えろくてビンビンになっちゃう?」
「は、はい」
「素直でよろしい。もっと舐めてほしかったら頭撫でて」
即座に頭を撫でると、彩恵は気持ち良さそうに目を細め、口に咥えて優しく刺激した。
「あむっ、んぷっ、ぢゅぅ……♡ はむはむっ……ちんちん、どんどん大きくなってる。裏側まで濡らすわね。……ぢゅる、れちゅう……♡」
俺の股間に頭を押し付ける勢いで舌を這わせ、付け根まで唾液を塗りたくられた。
上から眺めているだけで沸騰しそうなほど身体が興奮する。先端が真っ赤に染まり、限界以上に肥大化すると彩恵は立ち上がった。
そして俺に迫るように壁に手を突き、ホットパンツから伸びる肉付きのいい太ももを竿に押し当てた。
「口ばっかりじゃ飽きちゃうし、こっちでシゴいてあげる」
「衣装汚れるって」
「変に暴れないようにギュッてするから大丈夫。最悪、自腹で買うわ」
「これから二部だぞ」
「すぐに拭けばいいでしょ。ほら、早く。男の人って、太ももとかも好きなんでしょう?」
躊躇う俺を無視して、彩恵は太ももの間に竿を挟み込んだ。
吸い付くような肌の感触と、胸に挟むより強い圧感に声をあげそうになった。
咄嗟に彩恵の背中に腕を回して我慢すると、彩恵は俺が暴発しないようゆっくりと腰を動かす。
「ん……んっ……これであってる?」
「知らんっ。柔らか……っ」
「気持ち良さそうだし、大丈夫か。痛かったら言って」
壁と彩恵に挟まれ身動き出来ない状況が、一方的に犯されているようなシチュエーションに思えて屈辱的かつ心地良かった。
背中に回した腕に次第に力が入る。もっと彩恵の色香を味わいたくて、自然と彼女の目を見つめてしまっていた。
「何? そんなに見つめて。……キスしてほしいの?」
反射的に頷いてしまって、すぐに後悔した。今現在も一線を超えたスキンシップの最中だが、その一線を越えるともう後戻りできない気がした。
ただでさえ近い彩恵の顔がさらに近づいて、飲み込まれると覚悟したが、彩恵はコツンと優しく頭突きした。
「私、そんなにお手軽なアイドルじゃないのよ」
額にキスを落とされ、続けて耳に噛みつかれた。
「はむっ。ぢゅっ……ぢゅるるっ、ちゅむ、んちゅあ……じゅぷっぷ……♡」
「うぁ……っ」
「腰ピクピクしてるじゃない。くすぐったくて感じちゃう?」
「さ、囁くなって!」
「耳まで弱いんだ。もっとしてあげる」
唾液で中を満たすように耳まで犯され、未知の感覚に感度が高まっていくのを感じた。
「こうして腰ヘコヘコしてると本当にセックスしてるみたい。ドキドキする」
俺が心のどこかで思っていたことを彩恵が勝手に口にした。
身体を密着させて、より行為っぼい雰囲気を押し付けてくる彩恵に我慢できず、彼女のお尻に手を伸ばし、強く鷲掴んだ。そして彼女の身体を引き付けつつ、俺の方からも腰をぶつける。
竿が激しく抜き差しされて、その度に全身に電流が走った。
「だ、ダメだっ。イきそ……」
「んっ、ふ……♡ こんなガッツリお尻握られたの初めて。もっとパンパンされたいかも、なーんて」
甘く蕩ける声色。
俺のペースで動いているはずなのに主導権は握られたままで、お尻を掴む手に更に力が入る。柔らかい肉に指を食い込ませても彩恵は楽しげに口角を上げるだけだった。
「そろそろイく? ビューってする? 私の太ももまんこに。女の子孕ませる練習に使っちゃうんだ。悪いマネージャー。……でも、良い。受け止めてあげる。じゅるっ、んむぅ、ぢゅる、れろれろ……♡」
「彩恵、出るっ……!」
「おしっこ、びゅっぴゅー……♡」
最後まで耳を責めながら足に力を入れ、全力で搾り取ってくる彩恵に勢いよく解き放った。
滑らかな素肌の太ももの間で息子が脈打ってドクドクと垂れ流す。
何度も痙攣する俺の身体が落ち着くまで彩恵は静かに待ち、そっと引き抜いた。
「すごっ。こんなに出して……絶対、ズボンに匂いついた」
「だからやめとこうって言ったのに」
白濁としたとろみのある液体が彩恵の股の間に広がっていた。自分でも驚く量出ていて、ゾッとする。
徐々に冷静さを取り戻す俺に、彩恵はニコッと珍しいほど朗らかな笑顔を向けてきた。
「事務所帰ったらもっかいする?」
「もう十分出したって」
「今度は後ろからとか。どう?」
「……とりあえず無事に仕事終えてから考えよう」
「そうね。そういうことにしましょ」
俺の中で答えが決まっているのを見透かして、彩恵はもう一度俺の頬に口付けた。