※この作品はR-18です。

欲望のネギ   作:おっさん

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第3話:図書館島の秘密と、裸身の脱出劇

深夜の麻帆良学園。

静寂に包まれた図書館の巨大な正門前に、ネギと数名の女子学生たちの姿があった。

今回の探索メンバーは、ネギに加え、神楽坂明日菜、綾瀬夕映、古菲、佐々木まき絵、長瀬楓の『バカレンジャー』5人と、近衛木乃香である。

一方、宮崎のどかと早乙女ハルナは、何かあった時の連絡係として地上に残ることになった。

「では、皆さん。くれぐれも無理はしないように。危険だと思ったらすぐに引き返しますよ」

ネギはランタンの灯りを手に、心配そうな表情で生徒たちを見回した。

あくまで「生徒の安全を第一に考える引率教師」の仮面を被りながら。

「わかってるってば先生。さっさと行こ!」

明日菜が先陣を切って、重厚な扉を押し開ける。

地下への階段を降りながら、綾瀬夕映が淡々とした口調で説明を始めた。

「……この図書館は、明治時代の中頃、学園の創設と一緒に建てられた世界最大規模の施設です」

「ほう、それは凄い」

「……ですが、二度の世界大戦中、戦火を避けるために各地から大量の本が集められ……蔵書の増加と共に、地下への増改築が繰り返されました。今では図書館の全貌を誰も把握していないそうです」

(……全貌を把握していない、だ?)

ネギは眉をひそめずに頷きながら、内心で毒づく。

建築法もへったくれもない、完全なる違法建築だ。

地下深くまで無秩序に広がる迷宮。物理的な工事だけでこれだけの空間を維持できるはずがない。

間違いなく、空間拡張や構造強化の魔法がふんだんに使われている。

(魔力の残穢が濃くなっていく……。ここは学園の『胃袋』みたいなもんだな)

ネギは『写輪眼』を薄く開眼させ、壁の向こうに張り巡らされた魔力回路を解析しながら進む。

複雑怪奇な迷路だが、彼の目には魔力の流れが道標のように見えていた。

行く手を阻む崩落箇所や、底の見えない穴。

しかし、生徒たちは驚くべき身体能力でそれらを突破していく。

中国武術の達人である古菲(クーフェイ)や、忍者の末裔である長瀬楓はわかる。

だが、新体操部所属とはいえ、ただの女子大生である佐々木まき絵が、リボンを梁に巻き付けてターザンのように穴を飛び越える様は、どう考えても物理法則を無視していた。

(……この世界の住人、身体スペックがおかしいだろ。魔力強化もなしでこれか?)

ネギは呆れつつも、自身は浮遊魔法を足元に展開し、優雅に、かつ危なげなく彼女たちの後を追った。

もちろん、生徒たちには「身軽な先生」と思わせる程度の動きに抑えて。

迷宮の奥深く。

巨大な扉を開けた先に、広大な空間が広がっていた。

部屋の中央、祭壇のような場所に一冊の本が浮いている。

あれが目的の『頭が良くなる魔法書』らしい。

だが、それを守るように、巨大な石の巨人が立ちはだかっていた。

図書館の番人、ゴーレムだ。

「で、出たぁーっ! 怪物よっ!」

「落ち着いてください! 下がって!」

ネギは両手を広げ、生徒たちを庇うポーズを取る。

だが、その視線はゴーレムの全身を舐めるように走査していた。

(……なるほど。自律型に見せかけて、遠隔操作されているな)

ゴーレムの核から伸びる魔力の糸。それは遥か上方、学園長室の方角へと繋がっている。

あの古狸、夜更かしして生徒たちの冒険を監視し、あまつさえゲーム感覚で介入してきやがったか。

ゴーレムは攻撃を仕掛けてくるわけでもなく、床を指差した。

そこには色とりどりの円が描かれたマットが敷かれている。

ツイスターゲームだ。

どうやら、このゲームに勝たなければ先へは進めないらしい。

「な、なによこれ? 戦うんじゃないの?」

「……どうやら、ゲームで勝負しろと言っているようですね」

ネギは困ったような顔で肩をすくめる。

かくして、バカレンジャーvsゴーレムの、奇妙な対決が始まった。

「右足、赤!」

「左手、緑!」

ルーレットが回るたび、彼女たちは苦しい体勢を強いられる。

短いスカートが捲れ上がり、健康的な太ももや下着が露わになる。

明日菜の引き締まったお尻が夕映の顔に押し付けられ、木乃香の柔らかな胸がまき絵の背中に密着する。

(……絶景かな)

ネギは「頑張れ!」と応援するフリをしながら、その光景を脳裏に焼き付けていた。

汗ばんだ肌、食い込む布地、苦悶と羞恥に染まる表情。

学園長の趣味の悪さには呆れるが、このシチュエーションを提供してくれたことには感謝してもいい。

だが、学園長(ゴーレム)の操作は容赦がなかった。

ありえない角度への指示が飛び、ついにバランスを崩した生徒たちは、将棋倒しになって崩れ落ちた。

「きゃあああっ!」

その瞬間、床が抜け落ちる。

全員が真っ逆さまに暗闇へと落下していった。

「……痛たた……」

気がつくと、ネギたちは別の空間にいた。

広大な書庫。壁一面に本が並び、居住スペースのような設備まで整っている。

キッチン、トイレ、そして数日分の食料。

「ここは……噂に聞く『幻の地底図書館』ですね」

夕映が眼鏡を直しながら呟く。

ネギは周囲を見渡した。

出入り口は見当たらない。壁には強力な遮断結界が張られている。

(……完全に『缶詰』にする気か)

机の上には、それぞれの苦手科目のテキストが山積みになっていた。

つまり、「勉強が終わるまでここから出さない」という学園長の教育的指導だ。

外部への連絡も遮断されている。

「そんなぁ~! アタシたち、閉じ込められちゃったの!?」

「くそっ、あのジジイ……!」

明日菜が天井に向かって吠える。

ネギもまた、内心で歯噛みしていた。

閉じ込められるのは構わない。

だが、この監視の目の多さはどうだ。

至る所に『遠見の水晶』の反応がある。

学園長は、ここでの生活を24時間監視するつもりだ。

これでは、夜這いも、イタズラもできないではないか。

(あんな可愛い子たちと一緒に閉じ込められて、指一本触れられないだと? 生殺しにも程があるぞ、クソ狸!)

ネギの怒りの矛先は、勉強を強制されることではなく、エロいことができない環境に向けられていた。

それから二日間。

地獄の缶詰勉強会が続いた。

ネギは教師として、彼女たちの勉強を見なければならない。

わからないところを教え、励まし、時には夜食を作って振る舞う。

生徒たちからの信頼度はうなぎ登りだが、ネギの性欲はフラストレーションで爆発寸前だった。

二日目の夜。

勉強に疲れた生徒たちは、書庫の奥にある泉で水浴びをすることになった。

もちろん、ネギは「私は向こうで本を読んでいますから」と紳士的に背を向けた。

だが、それで終わるネギではない。

物陰に隠れ、指先で小さな術式を描く。

『光屈折(ルクス・フラクティオ)・潜望鏡(ペリスコープ)』

空気の密度を操作し、光を屈折させることで、視界だけを泉の方へと飛ばす。

これなら魔力感知にも引っかかりにくい。

ネギの視界に、湯気(実際は冷水だが)の向こうの光景が映し出された。

(……おお……)

そこは桃源郷だった。

神楽坂明日菜の、鍛え上げられたしなやかな肢体。豊かな胸とくびれた腰のラインが、水滴を弾いて輝いている。

近衛木乃香の、白く柔らかなマシュマロボディ。恥ずかしそうに胸を隠す仕草が、逆にそそる。

那波千鶴にも匹敵しそうな、古菲の意外なほどの巨乳。

長瀬楓の、モデルのようにスラリとした長身と、引き締まった腹筋。

佐々木まき絵の、小柄ながらもバランスの良い新体操体型。

そして、綾瀬夕映の……小ぶりだが愛らしい幼児体型。

(神よ、感謝します。前言撤回、この世界は最高だ)

ネギは鼻血が出そうになるのをこらえながら、その光景を目に焼き付ける。

水面に揺れる乳房、互いに背中を流し合う指の動き。

この映像を録画できないのが悔やまれるが、脳内ハードディスクにはフルハイビジョンで保存された。

三日目の朝。

突如として壁が崩れ、あのゴーレムが再び現れた。

その手には、最初に見た『魔法書』が握られている。

「あ! あれがあれば帰れるかもしれない!」

「待てゴラァァッ!」

明日菜が飛び出し、ゴーレムに飛び蹴りを食らわせる。

不意を突かれたゴーレムが本を落とす。

それを夕映がキャッチした。

「逃げますよ! 出口はあっちです!」

一行は崩れた壁の奥に見えたエレベーターへと殺到した。

全員が乗り込み、ボタンを押す。

だが、ブザー音が無情に響いた。

『重量オーバーです。重量オーバーです』

「嘘でしょ!? 定員内なのに!」

「荷物が重いんやわ! テキストとか置いてき!」

持っていた勉強道具を全て捨てた。

だが、ブザーは鳴り止まない。

ゴーレムの足音が迫ってくる。

「まだ重いのかよ! どうすりゃいいんだ!」

「……服だ」

楓が冷静に言った。

「水を含んだ服は重い。脱ぐしかないでござる」

「ええええっ!?」

悲鳴が上がるが、背に腹は変えられない。

羞恥と生存本能の狭間で、彼女たちは決断した。

「うぅ……見ないでよネギ!」

「先生、後ろ向いてて!」

バサッ、バサッ。

濡れたシャツが、スカートが、床に投げ捨てられる。

狭いエレベーターの中で、次々と露わになる裸体。

ネギは壁に向いて立っていたが、エレベーターの扉は鏡面仕上げだった。

(……眼福)

鏡越しに、全てが見えていた。

恥じらいながら胸を隠す者、パニックで下着まで脱ぎ捨ててしまう者。

白、ピンク、水色、そして何もつけていない肌色。

ネギの視界は、肌色の洪水で埋め尽くされた。

教師として「見ていないフリ」を貫くには、鋼の理性が必要だったが、ネギは鋼の性欲でそれを乗り切った。

しかし、全員が下着姿、あるいは全裸になっても、ブザーは止まらなかった。

「なんでよーっ! もう脱ぐもんないわよ!」

「……もしかして、これですか?」

夕映が、抱えていた『魔法書』を差し出した。

全員の視線が集まる。

犯人はこいつか。

「捨てろーっ!!」

全員の絶叫と共に、魔法書は扉の隙間から外へと放り出された。

瞬間、ブザーが止まり、エレベーターが上昇を始める。

「「「はぁぁぁ……」」」

安堵のため息と共に、その場にへたり込む半裸の美女たち。

ネギは心の中で、この素晴らしい冒険のフィナーレに拍手を送った。

魔法書は手に入らなかったが、それ以上のものを得た探検だった。

後日。

期末テストの結果が発表された。

2年A組の平均点は、学年トップに躍り出ていた。

地底図書館での缶詰勉強の成果だ。

「やりましたね、皆さん! これで私もクビにならずに済みます!」

教室で歓喜する生徒たちを見ながら、ネギは安堵の息をつく。

だが、彼の思考はすでに別の場所にあった。

(今回の件で、学園長の実力の一端が見えた)

図書館島でのゴーレム操作。

あれは、単なる人形遊びではない。

数キロ離れた地下深くにまで届く精密な魔力操作、そして複数のゴーレムを同時に、かつ自律的に動かす並列処理能力。

今回の探索中、ネギは密かに『写輪眼』でその術式をコピーしていた。

(メルディアナの教師たちから盗んだ技術とは、洗練度が違う)

無駄がなく、美しいとさえ言える術式構成。

学園長・近衛近右衛門。

妖怪じみた見た目通り、その実力は底知れない。

油断すれば、こちらの正体などすぐに見抜かれるだろう。

(だが、得たものは大きい。このゴーレム操作術を応用すれば、俺の手足となる使い魔を作れるかもしれない)

ネギは眼鏡の奥で目を細める。

学園長の魔法ですらこれだ。

ならば、かつて「最強」と謳われた吸血鬼、エヴァンジェリンの魔法はどれほどのものなのか。

(やはり、次はエヴァだ。彼女の『闇の魔法』を手に入れなければ)

ネギの野望は尽きない。

トップの成績を収めたご褒美として、生徒たちに何をねだろうかと考えながら、彼は今日も変態的な計画を練り続けるのだった。

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