※この作品はR-18です。

欲望のネギ   作:おっさん

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第37話:忠犬の首輪、あるいは歪んだ愛の結晶

ダイオラマ魔法球の中に、人工の朝が訪れた。

ここは外界とは時間の流れが異なる隔絶された空間。一度足を踏み入れれば、内部時間で24時間は外に出ることができない。

昨夜、ネギによるエヴァンジェリンへの徹底的な「教育」と、明日菜への公開調教が行われたこの場所で、再びメンバーが顔を揃えていた。

 

「ふぁ~あ……よう寝たわぁ」

「お、おはようございます、お嬢様……」

 

近衛木乃香は伸びをし、その足元には、どこか落ち着かない様子の桜咲刹那が控えている。

神楽坂明日菜はすでにボンテージ姿から制服(といっても、ネギの趣味で下着は履いていないが)に着替えており、絡繰茶々丸とチャチャゼロは、主人の傍らで静かに待機している。

そして、その主人であるエヴァンジェリンは──。

 

「……ッ、い、痛い……」

 

ソファに座り、不自然に腰を浮かせながら顔をしかめていた。

昨晩、ネギに「お仕置き」と称して真っ赤になるまで尻を叩かれ、朝まで責め抜かれた後遺症だ。プライドの高い吸血鬼にとって、これ以上の屈辱はないはずだが、その表情にはどこか艶っぽい血色が差している。

 

「おはようございます、マスター。お尻の具合はいかがですか?」

「……黙れ、バカ弟子。誰のせいだと思っている」

 

ネギが爽やかに挨拶すると、エヴァはにらみつけたが、その迫力は以前よりも鳴りを潜めていた。

 

「さて、24時間のタイムリミットまで、あと少し時間があります。せっかくですから、昨日の成果を確認しておきましょう」

 

ネギは木乃香と刹那に向き直った。

 

「木乃香さん、刹那さん。貴女たちの新しい契約……そのアーティファクトを見せていただけますか?」

「うん、ええよ! いくで、せっちゃん」

「は、はいっ! ……覚悟はできています」

 

刹那は悲壮な、しかしどこか期待に満ちた表情で前に進み出る。

木乃香が呪文を唱えた。

 

「『アデアット』!」

 

カッ、と魔法陣が輝く。

次の瞬間、刹那の着ていた袴や服がすべて弾け飛んだ。

 

「きゃんっ!?」

 

現れた姿に、エヴァとチャチャゼロが絶句する。

 

「な……ッ!?」

「おいおい、嘘だろ……?」

 

そこにいたのは、全裸の刹那だった。

身につけているのは、首に巻かれた重厚な黒革の首輪と、そこから伸びる一本の鎖のみ。

そして、背中からは隠し続けてきた白い翼が強制的に広げられ、恥部も翼もすべてが白日の下に晒されている。

アーティファクト『忠犬の首輪と身代わりの指輪(コッラーレ・カニス・エト・アヌルス・ヴィカリウス)』。

 

「うぅ……くぅ……」

 

刹那はその場に四つん這いになり、恥ずかしさに顔を伏せながらも、お尻を高く突き出し、小刻みに震えている。

その姿は、剣士の凛々しさなど欠片もなく、完全に主人に媚びる「雌犬」そのものだった。

 

「……おい、ボーヤ」

 

エヴァンジェリンが引きつった顔でネギを振り返る。

 

「なんだ、あのアブノーマル極まりないアーティファクトは」

「素晴らしいでしょう? 刹那さんの『忠義』が形になったものです」

「ふざけるな! どう見てもただの変態プレイではないか!」

 

エヴァが声を荒らげる。

 

「全裸に首輪で四つん這い……しかも翼まで強制開放だと? あそこまで倒錯した道具、契約者の資質だけで選ばれるわけがない! 間違いなく、貴様の歪んだ欲望が影響しているはずだ!」

 

エヴァの指摘はもっともだ。

主人の魔力(欲望)が契約に干渉し、アーティファクトの形状を決定づけることはあり得る。ましてやネギのような強大な魔力と性欲の持ち主ならば尚更だ。

しかし、ネギは涼しい顔で首を横に振った。

 

「何を言っているんですか、マスター。これは木乃香さんと、刹那さんの美しい『愛の形』ですよ」

「はあ!?」

 

ネギは刹那を指差して解説する。

 

「見てください。彼女は『お嬢様を守りたい』という強迫的な忠義心と、『本当の自分(異形)を晒して受け入れてほしい』という被虐願望を併せ持っていた。それが純粋に結晶化した結果が、この『飼い犬』スタイルなのです」

「詭弁だ! どう聞いても貴様の性癖だ!」

 

チャチャゼロも叫ぶ。「テメェ、絶対面白がってるだろ!」

だが、当人たちはそれどころではない。

木乃香は、鎖の持ち手を握り、嬉しそうに刹那の頭を撫でている。

 

「よしよし、せっちゃん。かわええよ~」

「はぅ……っ! ワン、わふぅ……♡」

 

刹那は言葉を発する権利を失っているため(許可がない限り)、犬のように喉を鳴らして主人の手に頬を擦り寄せる。

 

「機能テストもしておきましょう。木乃香さん、躾(しつけ)をお願いします」

「はーい。……せっちゃん、気持ちようなろな?」

 

木乃香の手が、刹那の無防備な胸や、股間へと伸びる。

 

「んくぅッ! わんっ! くぅ~んッ!」

 

愛する主人に弄られる快感。

衆人環視の中で、全裸で可愛がられる背徳感。

刹那の秘部は瞬く間に濡れそぼり、愛液を芝生に垂らす。

 

「いくよ、せっちゃん」

 

木乃香が指使いを激しくする。

 

「あうッ! わんッ! わんッ!!」

 

ビクンッ!

刹那が体をのけぞらせ、盛大に絶頂した。

その瞬間、放出された快楽エネルギーが光の粒子となり、木乃香の左手の薬指に収束する。

透き通った桜色の『指輪』が生成された。

 

「おお……」

 

茶々丸が感嘆の声を漏らす。

 

「快楽を防御魔力に変換……効率的かつ、強固な守りです」

「見ましたか、マスター」

 

ネギは勝ち誇ったように言った。

 

「刹那さんが感じれば感じるほど、木乃香さんは守られる。彼女の絶頂は、お嬢様への献身そのものなのです。これほど純粋で、献身的な愛がありますか?」

「……頭が痛い」

 

エヴァはこめかみを押さえた。

 

「愛だの献身だのと言いながら、やっていることは公開オナニーと変わらんではないか……」

 

しかし、目の前で繰り広げられる百合の狂宴と、それを支配するネギの満足げな表情を見て、エヴァは悟った。

この男に常識や倫理を説いても無駄だ。

この男は、世界中のヒロインをこうして自分好みに歪め、堕としていくつもりなのだ。

 

「……ま、私には関係ないことだ」

 

エヴァはそっぽを向くが、その頬は赤い。

自分も昨夜、似たような(あるいはもっと酷い)目に遭わされたことを思い出してしまったからだ。

 

「さあ、時間が来ましたよ」

 

ネギが手を叩くと、ダイオラマ魔法球のゲートが開いた。

24時間が経過したのだ。

 

「帰りましょう、僕たちの学園へ。……まだまだ、やることは山積みですからね」

 

ネギは邪悪に微笑み、新たな「忠犬」と「飼い主」、そして「調教済みの吸血鬼」たちを引き連れて、光の中へと歩き出した。

修学旅行編で得た戦力は、ネギのハーレム計画を盤石なものにしていた。

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