※この作品はR-18です。

欲望のネギ   作:おっさん

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第39話:終わらぬ絶頂の密室と、新たな波乱の幕開け

 

 外界から完全に隔絶された、麻帆良学園の地下に広がるダイオラマ魔法球の内部。ネギの欲望の城と化したその密室に、鼓膜を劈くような高笑いが響き渡っていた。

 

「くくっ……あーっはっはっはっ! 傑作、まさに傑作だな、ぼーや! この私を出し抜き、力で屈服させた憎き大悪党が、よもや同人誌描きの小娘の『インク壺』として散々搾り取られる羽目になるとはな! ああっ、笑いすぎて腹が痛いぞ!」

 

 金髪の小柄な吸血鬼――エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルは、豪奢なソファの上で腹を抱えて転げ回っていた。彼女の視線の先には、つい先ほどまで早乙女ハルナの底なしの性欲と創作意欲に付き合わされ、文字通り「インク」を搾り取られ続けていたネギの姿がある。

 普段は冷静沈着で紳士的な仮面を被っているネギだが、ハルナの狂気的なアーティファクトの仕様と、修羅場に突入した彼女の底なしの要求には、流石の彼も疲労困憊……というわけではなかったが、傍から見れば女に食い物にされている滑稽な図に見えたのだろう。

 

「……マスター。ずいぶんとご機嫌ですね」

 

 ネギは静かに、しかし明確な怒りを孕んだ足取りでエヴァンジェリンへと歩み寄った。その瞳には、かつて彼女から奪い取った絶対的な支配者の光が宿っている。

 

「機嫌も良くなるさ! お前のような変態が、自分の蒔いた種で身を滅ぼしかけているんだ。こんな愉快な見世物はない。せいぜいあの小娘の股間で、干からびるまで搾り取られるがいいさ!」

 

 エヴァンジェリンは挑発的に牙を剥き出しにして笑う。600年の時を生きる高潔な吸血鬼としてのプライドは、どれだけ身体を弄ばれようとも決して折れることはない。

 しかし、その強靭な意志とは裏腹に、彼女の肉体はすでにネギの暴力的な快楽に完全に調教されていた。

 

「干からびる、ですか。……ええ、確かに普通の人間ならそうなるでしょうね。ですがマスター、あなたが僕に教えたあの魔法……『闇の魔法』について、少し面白い発見があったんですよ」

 

 ネギはソファに転がるエヴァンジェリンの細い足首を掴み、乱暴に引き寄せた。

 

「なっ……貴様、何をする気だ! 離せ!」

「お仕置きですよ、マスター。偉大な僕の師匠が、弟子を笑いものにしたんですから。たっぷりと教育し直してあげないと」

 

 エヴァンジェリンの小柄な身体が、ネギの膂力によって軽々と組み敷かれる。彼女は必死に抵抗し、ネギの腕を爪で引っ掻き、鋭い牙で噛みつこうとする。だが、エヴァンジェリンの10倍の魔力量を誇り、写輪眼で全てを見切るネギにとって、魔力を封じられた彼女の抵抗など児戯に等しかった。

 ビリッ、という無惨な音と共に、エヴァンジェリンの衣服が乱暴に引き裂かれる。あらわになった透き通るような白い肌に、ネギは一切の躊躇なく、自らの猛り狂う欲望を突き立てた。

 

「ああっ……! ぎっ、ぐぅ……! き、貴様ぁっ! こんな乱暴な真似……許されると、思って……っ!」

 

 潤滑も何もない、暴力的なまでの挿入。普通であれば激痛に顔を歪める場面だ。しかし、エヴァンジェリンの身体は違った。ネギに騙され、憎悪を抱き、許せないと思いながらも、乱暴に抱かれれば抱かれるほどに強烈な快感を感じてしまう、筋金入りのマゾヒスティックな肉体へと作り変えられてしまっているのだ。

 激痛が走ったはずの瞬間、彼女の口から漏れたのは、苦痛の悲鳴ではなく、甘く甲高い嬌声だった。

 

「ひぃっ……! あ、ああっ……! や、やめろ……抜かっ、抜けぇっ……!」

「口ではそう言いながら、中はこんなに僕を歓迎して、激しく絡みついてきているじゃないですか。本当に素直じゃないな、マスターは」

 

 ネギは容赦なく、獣のように腰を打ち付け始めた。密室に、肉と肉が激しくぶつかり合う卑猥な音が響き渡る。

 

「あ、あぁっ……! ふあぁっ……! こ、殺してやる……絶対に、貴様を、八つ裂きに……あっ、ああっ、そこっ、だめぇっ!」

 

 エヴァンジェリンはネギの胸ぐらを掴み、憎悪に満ちた瞳で睨みつける。その言葉には一切の嘘偽りはなく、本気でネギを殺してやりたいと願っている。人間は、そして誇り高き吸血鬼は、そう簡単に屈服などしない。心は決して折れず、常に反逆の刃を研いでいる。

 だが、その強靭な心が抵抗を試みれば試みるほど、ネギが与える暴力的な摩擦は彼女の神経を焼き切り、強制的な絶頂へと導いていく。開始からわずか数分で、エヴァンジェリンはビクビクと全身を痙攣させ、一回目の絶頂を迎えた。

 

「はぁっ……はぁっ……! ば、化け物め……っ!」

「化け物、ね。そう言えば……」

 

 ネギはエヴァンジェリンの奥深くに楔を打ち込んだまま、薄暗い笑みを浮かべて語り始めた。

 

「『闇の魔法』は、負の感情をエネルギー源とするため、多用すると人間を辞め、魔物になってしまうというリスクがありましたね」

「……それが、どうした……っ! 貴様も、いずれ醜い肉塊に成り果てる運命だ……ひっ、動くな……!」

「ええ、確かに僕の身体も、少しずつ人外へと変質しているのを感じます。ですが……僕の場合、どうやらその影響が、下半身へ著しく現れているようなんですよ」

 

 ネギは自身の腹部から下腹部にかけて視線を落とし、愉快そうに喉を鳴らした。

 

「先ほど、ハルナさんにインクとして散々絞り取られました。普通なら、いくら僕でも枯渇する量です。ですが……何回出しても、一瞬で次が生成されるようになりました。湧き水のように、無尽蔵に僕の中に溜まっていくんです」

「なっ……!?」

「ハルナさんのおかげで、自分の身体の限界が完全に壊れたことに気づけました。だから……」

 

 ネギはエヴァンジェリンの耳元に顔を寄せ、悪魔のような冷酷さで宣告した。

 

「このまま抜かずに、あなたの奥深くに10回……連続で注ぎ込んであげますよ。僕の無限の精液で、その生意気な口が利けなくなるまで、たっぷりと溺れさせてあげます」

「ふ、ふざけるなっ! 10回だと!? 私の身体がもつわけがないだろう! やめろ、やめろぉぉぉっ!!」

 

 エヴァンジェリンの絶叫が響く。彼女は本気で恐怖し、渾身の力でネギを押し退けようとした。だが、ネギの鋼のような腕は彼女を逃さず、さらに激しく、容赦のないピストンを再開した。

 

「ああっ!? いやぁっ! あぁっ、あぁあっ! くるっ、また、いくっ、いかされるぅっ!」

「さあ、一回目です、マスター。しっかりと受け止めてください!」

 

 ネギの凶悪な一撃が最奥を突き上げ、熱い白濁がエヴァンジェリンの胎内に激しくぶちまけられる。

 だが、それは地獄の始まりに過ぎなかった。ネギの予告通り、彼のモノは萎える気配を一切見せず、放出と同時に新たな精液を充填し、すぐさま次の絶頂へとエヴァンジェリンを強制連行していく。

 

「あぎぃっ! ひぃっ、やめっ、おねが、いやぁっ! 貴様なんて……絶対に、認めてたまるかぁっ!」

 

 罵倒しながら、涙と涎を撒き散らし、エヴァンジェリンは幾度も幾度も果て続ける。彼女の心は最後までネギを拒絶し、反逆の意志を燃やし続けていたが、その抵抗すらもネギにとっては至高のスパイスであり、狂宴は果てしなく続いていった。

 

 

 

 ***

 

 

 

 一方その頃。麻帆良学園の女子寮、3年A組の生徒たちが暮らす区画の一室。

 出席番号21番、那波千鶴と、出席番号28番、村上夏美が同室で暮らす部屋は、いつもの穏やかな夜を迎えている……はずだった。

 

「……はぁ。まさか、魔法なんてものが本当にあったなんてね。未だに信じられないよ、私」

 

 ベッドに腰掛けた夏美が、大きなため息をつきながら天井を仰いだ。

 彼女たちは先の京都への修学旅行で、図らずも魔法の存在を知ってしまった「魔法バレ」組である。あの金髪の吸血鬼、エヴァンジェリンから受けた特別講義の内容は、今でも夏美の脳裏に鮮明に焼き付いている。

 

『いいか、小娘ども。魔法の存在を一般人に知られた場合、その者は記憶を消されるか、あるいは……一生、オコジョなどの動物に変えられてしまうという掟がある』

 その言葉の恐ろしさに、夏美は連日生きた心地がしていなかった。平凡を愛する彼女にとって、そんな世界の裏側の秘密を抱え込むことは、あまりにも荷が重すぎた。

 

「あらあら、夏美ちゃんったら。そんなに気を張っていたら疲れちゃうわよ。温かいお茶でも淹れましょうか?」

 

 ルームメイトの千鶴は、Gカップの豊かな胸を揺らしながら、おっとりとした微笑みを浮かべて立ち上がった。彼女は夏美とは対照的に、この異常な事態に対しても全く動じず、持ち前の豪胆さとマイペースさを崩していない。

 

「ちづ姉は凄いね、全然平気そうだし……。私なんて、いつ喋っちゃってオコジョにされるかと思うと、夜も眠れなくて……」

「ふふっ。だって、悩んでも仕方のないことでしょう? それに、あのエヴァンジェリンさんも、むやみに私たちをどうこうするつもりはないみたいだったし」

 

 千鶴が急須にお湯を注ごうとした、その時だった。

 ――ガタァッ!!

 突然、部屋の窓枠に何かが激突する鈍い音が響いた。

 

「ひゃっ!? な、なに!?」

 

 夏美が悲鳴を上げてベッドから飛び退く。ここは寮の上層階だ。鳥がぶつかることはあっても、今の音はもっと重い、まるで獣が叩きつけられたような音だった。

 

「あら……? ベランダに、何か倒れているみたいね」

 

 千鶴は全く動じる様子もなく、ゆっくりと窓際へ歩み寄り、カーテンを開けた。

 そこには、小さな黒い影がうずくまっていた。一見すると子犬のようだが、その毛並みや骨格は、明らかに「狼」のそれであった。全身には痛々しい擦り傷や打撲の痕があり、荒い息を吐きながら気絶している。

 

「こ、犬……? いや、狼!? なんでこんな高層階のベランダに!?」

「あらあら、可哀想に。随分と傷ついているみたいね。手当てをしてあげないと……」

 

 千鶴は窓を開け、躊躇なくその小さな狼を抱き上げようとする。母性本能の塊である彼女にとって、目の前の傷ついた存在を放置するなどあり得ないことだった。

 

「ちょ、ちょっと待ってちづ姉! 触っちゃ駄目だよ!」

「どうして? 放っておいたら死んでしまうかもしれないわ」

「そうじゃなくて! こんな上の階に、怪我した狼が急に落ちてくるなんて、絶対におかしいよ! ……もしかして、これって『魔法』に関係する生き物なんじゃないの!?」

 

 夏美の言葉に、千鶴の手がピタリと止まる。

 エヴァンジェリンの講義が脳裏をよぎる。魔法の存在を知れば、オコジョにされる。もしこの狼が魔法世界の住人で、これに関わってしまったら、自分たちは今度こそ取り返しのつかない事態に巻き込まれるのではないか。

 

「……確かに、普通じゃないわね。でも」

 

 千鶴は優しく微笑んだまま、怪我をした小さな狼の身体を、自らの豊かな胸に抱き寄せた。

 

「怪我をして苦しんでいる子を見捨てるなんて、私にはできないわ。魔法の掟がどうであれ、目の前の命を助けるのが先よ」

「ちづ姉……!」

 

 夏美は頭を抱えた。千鶴のこの母性は、時に常識すらも凌駕する。こうなってしまった千鶴を止めることは、誰にもできない。

 この小さな狼――脱走を企て、力尽きてこの部屋に転がり込んできた『小太郎』が、彼女たちの日常をさらに狂わせる存在になることなど、この時の二人はまだ知る由もなかった。

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