※この作品はR-18です。

欲望のネギ   作:おっさん

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第48話:「麻帆良の美食と、隠された優越感」

 麻帆良学園の夕暮れは、どこか独特の熱気を帯びている。四〇万人を動員するという超巨大学園祭『麻帆良祭』の足音が近づくにつれ、生徒たちの活気は日に日に増していた。

 中等部の職員室。放課後の喧騒が遠くに聞こえる中、僕は机に向かい、三年A組の担任としての事務作業をこなしていた。表向きは「ウェールズ出身の、心優しく真面目な英国紳士の若き教師」。生徒や同僚からの信頼も厚く、優等生を演じきる毎日は悪くない。

 だが、僕の内心は全く違う。

 

(さて、今日はお化け屋敷の備品発注を済ませて……夜は誰を抱こうか。ハルナにたっぷり白濁インクを注ぎ込んでやるのもいいが、和美の処女子宮に監視ゴーレム用の種付けをするのも捨てがたい。いや、やはりエヴァの極上マゾボディを徹底的にいたぶるか……?)

 頭の中で、自分が従者(奴隷)へと作り変えたヒロインたちの肢体を思い浮かべ、下半身に熱が集まるのを感じていた。健全なラブコメなど反吐が出る。僕はこの圧倒的な力で、この世界のヒロインたちを全てエロティックに支配し、僕だけの快楽の園を築き上げるのだ。

 そんな下劣な妄想を紳士の微笑みで隠していると、横から声が掛かった。

 

「いやあ、ネギ先生。今日も遅くまで熱心ですなぁ。さすがは若手のエースだ」

 

 声をかけてきたのは、学年主任を務める新田先生だった。五十代。少し薄くなった頭髪と、疲労の色が濃い顔つきは、学園祭の準備に追われる中間管理職の悲哀を漂わせている。

 

「いえいえ、新田先生こそお疲れ様です。学園祭が近いので、生徒たちが怪我をしないよう計画書を念入りにチェックしていたところですよ」

 

 僕は柔和な笑みを浮かべ、完璧な敬語で返答した。

 

「感心だねえ。三年A組なんて、メイド喫茶だのノーパン喫茶だのと暴走しかけていたから心配していたんだが……ネギ先生のおかげで『お化け屋敷』という健全な出し物に落ち着いてくれて、私も胸を撫で下ろしているよ」

 

(くくっ……健全、ね。暗闇と密室の吊り橋効果を利用して、まだ手を出していない純潔のクラスメイトを合法的に襲い、洗脳するための狩り場だとは夢にも思っていないだろうな。まあいい)

 内心の嘲笑を微塵も顔に出さず、僕は静かに頷いた。

 

「ええ。生徒たちも張り切っていますから、良い思い出になると思います」

「うむ。ところでネギ先生、これから少し食事でもどうだい? 実は、この近くに美味い点心を出してくれる穴場の店があってね。日頃の労いも兼ねて、私が奢るよ」

 

 五十代の同僚からの食事の誘い。本来ならさっさとダイオラマ魔法球に帰って女体を貪りたいところだが、学年主任との良好な関係は、僕の暗躍をカモフラージュする上で非常に有用だ。

 

「本当ですか? それは大変嬉しいお誘いです。ぜひ、ご一緒させてください」

 

 僕は英国紳士らしく、優雅に一礼して誘いを受けた。

 学園都市の広大な敷地を歩き、新田先生に案内されたのは、路地裏にひっそりと佇む『超包子(チャオバオズ)』という中華料理の店舗だった。立ち上る湯気と、食欲をそそる香辛料の匂いが漂ってくる。

 

「さあ、ここだよ。ここの肉まんとラーメンは絶品でね。……おや?」

 

 暖簾をくぐると、厨房の奥でせっせと湯気を立てている見覚えのある後ろ姿があった。少しぽっちゃりとした、母性を感じさせる柔らかな体型。額に汗を浮かべながら、手際よく料理を作っているのは、僕のクラスの生徒である四葉五月(ヨツバ サツキ)だった。

 

「いらっしゃいませー! ……あ! 新田先生! それに、ネギ先生も!」

 

 サツキはこちらに気づくと、パッと花が咲いたような明るい笑顔を見せた。

 

「こんばんは、四葉さん。こんなところでアルバイトをしていたのですね。とても似合っていますよ」

 

 僕は紳士的な口調で褒め称えた。彼女はクラスでも目立たない部類だが、料理の腕は確かだと聞いている。エヴァですら彼女の料理には一目置いているほどだ。

(なるほど……十八歳にして、この異常なまでの包容力と母性オーラ。Aカップでありながら、あの安産型の腰つきと肉感。……俺の守備範囲は広い。こういう家庭的な女を孕ませて、毎日俺のためだけに飯と快楽を提供させるのも悪くないな……)

 僕の脳内の変態的なセンサーが、サツキを新たなターゲットとしてロックオンしかけた、その時だった。

 

「……坊や」

 

 ふと、店内の隅のテーブル席から、冷たくも威圧感のある声が響いた。

 見れば、そこには金髪の幼女――最強の吸血鬼であり、僕の肉便器でもあるエヴァンジェリンが、茶々丸を従えてラーメンを啜っていた。

「エヴァンジェリンさん……貴方も来ていたのですね」

 

 周囲に人がいるため、僕はあくまで教師として振る舞う。エヴァは箸を置き、僕だけに見える角度で鋭い視線を送ってきた。彼女の瞳の奥には、僕に対する恐怖と、マゾヒスティックな従属欲求、そして確かな「警告」の色が入り混じっていた。

 エヴァはすっと立ち上がり、僕のすれ違いざまに、周囲には聞こえないような微かな声で囁いた。

 

『……坊や。お前、あの娘(サツキ)にだけは手を出すんじゃないぞ。彼女の作るこの極上の飯が、お前の狂った調教のせいで不味くなったら……私が本気で困るからな』

 その言葉には、吸血鬼としての本気の殺気……いや、美食家としての執念が込められていた。

 

(……なるほど。エヴァがここまで言うか)

 僕は内心で舌を巻いた。確かに、僕の洗脳やアーティファクトの契約は、対象の精神と肉体を「僕への奉仕と快楽」へと完全に作り変えてしまう。和美はオナニーしなければまともに動けない痴女になり、古菲は強さを求めて僕の精液をねだる牝になった。もしサツキを同じように開発してしまえば、料理への純粋な探求心が、僕への異常な性欲に塗り潰されてしまう危険性が高い。

 

(それは俺にとっても損失だ。美味い飯は日々の活力を生む。……よし、サツキだけは例外として、手を出さずに保護してやるか。俺の胃袋と、エヴァの機嫌を損ねないためにな)

 

「……ご心配なく。僕も、美味しいものは好きですからね」

 

 僕が小声で返すと、エヴァは「ふん」と鼻を鳴らし、再びラーメンに向き直った。

 

「ネギ先生? どうかしましたか?」

 

 新田先生が不思議そうに首を傾げる。

 

「いえ、なんでもありません。エヴァンジェリン君がきちんと夕食をとっているか確認していただけです。さあ、座りましょう」

 

 席につき、新田先生のお勧めの肉まんとチャーハン、そしてラーメンが運ばれてきた。

 

「お待たせしました! 超包子特製メニューです! たっぷり食べてくださいね!」

 

 サツキがニコニコと笑いながらテーブルに皿を並べる。

 僕は一口、肉まんを頬張った。

 

「……ッ!!」

 

 美味い。想像を絶する美味さだった。ふんわりとした皮の中に、溢れんばかりの肉汁と旨味が凝縮されており、噛むたびに口の中で至福の味が爆発する。ラーメンのスープも、深いコクがありながらも後味はすっきりとしており、計算し尽くされた完璧なバランスだった。

 

(なんだこの美味さは……! ロンドンの三ツ星レストランすら軽く凌駕しているぞ!? これが十八歳の少女の作る料理だと!? 確かにエヴァが手を出すなと忠告するわけだ。この料理が食えなくなるのは、人類にとっての損失だ)

 僕が感動に打ち震えていると、店の入り口の戸が再びガラリと開いた。

 

「やあ、新田先生。それに、ネギくんも一緒でしたか」

 

 現れたのは、無精髭にスーツ姿、くわえタバコが似合う男。元三年A組の担任であり、僕の友人でもあるタカミチ・T・高畑だった。

 

「おお、高畑先生! 奇遇ですな。こちらへどうぞ」

「タカミチ……こんばんは。奇遇ですね」

 

 タカミチが僕たちのテーブルに合流し、和やかな教師たちの夕食会が始まった。タカミチはサツキにいつものメニューを注文すると、僕の方を向いて目を細めた。

 

「ネギくん。さっきエヴァから少し聞いたんだが……君、随分と強くなったみたいじゃないか。ヘルマンとかいう悪魔を、圧倒的な力で粉砕したそうだな」

 

 タカミチの言葉に、新田先生が「えっ、悪魔!?」と目を丸くするが、タカミチは「ああ、比喩ですよ」と上手く誤魔化した。

 僕は謙遜するように、少し困ったような笑みを浮かべた。

 

「いえいえ、まだまだですよ。タカミチの足元にも及びません。今回は小太郎君の助けもありましたし、運が良かっただけです」

 

 口ではそう言いながら、僕はテーブルの下で足を組み直し、内心で暗く、邪悪な優越感に浸っていた。

 

(……まだまだ、だと? 冗談じゃない。俺はエヴァンジェリンの十倍の魔力と写輪眼を持ち、お前らのような凡人とは次元が違う力を持っているんだ。タカミチ、お前は何も知らないからそんな呑気な顔をしていられるんだよ)

 タカミチの顔を見ながら、僕の脳裏には一人の少女の姿が鮮明に浮かび上がっていた。

 神楽坂明日菜。

 タカミチにずっと片思いをしており、タカミチ自身も彼女を大切に思っている、あの元気な少女。

 

(なあ、タカミチ。お前が大事に守ってきた純真な明日菜はな……今頃、俺が与えた極太のアナルプラグを尻の穴の奥深くまで突っ込まれて、多重絶頂に狂っているんだぜ? 俺の無尽蔵の精液を直腸に注ぎ込まれるたびに『もっと魔力を無効化させて……もっと気持ちよくしてぇ!』と涎を垂らして懇願する、ただの『淫魔の巣の女王』に成り下がっている。お前が手を出さずに綺麗に育ててきた果実は、俺が一番美味いところを、一番下劣な方法で食い尽くしてやったんだよ)

 タカミチの穏やかな笑顔を見るたびに、僕の胸の奥でサディスティックな歓喜が渦を巻く。親しい同僚の顔をして語り合いながら、彼の大切な女を裏で完全に支配し、肉奴隷として蹂躙しているという背徳感。これこそが、原作破壊の醍醐味だ。

 

「ネギくん? どうしたんだい、ニヤニヤして」

「あ、いえ。この肉まんが本当に美味しくて、つい顔が綻んでしまいました。お化け屋敷の準備で少し疲れていたものですから」

 

 僕は慌てて表情を引き締め、優等生の仮面を被り直した。

「ああ、お化け屋敷か」とタカミチが頷く。「君がクラスを上手くまとめてくれて助かっているよ。あのまま暴走していたら、学園長から大目玉を食らうところだったからね」

 

「僕も、生徒たちの自主性を尊重しつつ、どう導くべきか日々悩んでいるんですよ。教師としては、まだまだ未熟ですから」

 

 僕が殊勝な態度でそう言うと、料理を運んできたサツキが、会話を耳にして足を止めた。彼女は両手を胸の前でギュッと握りしめ、真っ直ぐな瞳で僕を見つめてきた。

 

「そんなことありません。」

 

 突然の大きな声に、僕とタカミチ、新田先生は目を丸くした。

 サツキは、少し頬を赤くしながらも、力強い言葉を紡ぎ始めた。

 

「ネギ先生は、いつも私たちを見守ってくれてます。」

「……え?」

 

 僕は戸惑った。彼女が何を勘違いしているのかは分からないが、おそらく僕が「自分は力不足の未熟な教師だ」と悩んでいると思い込み、彼女なりの精一杯の励ましを送ってくれているのだろう。

 サツキは、まるで慈愛に満ちた聖母のように、柔らかく、温かい笑顔を向けた。

 

(……なんだ、この圧倒的な光のオーラは。心が洗われるようだ。俺のような邪悪な変態には眩しすぎる……)

 僕がその純粋な優しさに気圧されていると、サツキは僕の背中に回り込み、

 バンッ!と、勢いよく僕の背中を平手で叩いた。

 

「ほらっ! 元気出して!恥ずかしいなんて思わないで、堂々としていてください! ネギ先生は、立派な私たちの担任なんですから!」

 

 その言葉は、裏で女子生徒たちを次々と性奴隷に堕としている僕の良心を(微かに残っていたとすればだが)チクリと刺した。しかし、同時に彼女のその真っ直ぐな眩しさが、この『超包子』の料理の隠し味なのだと確信した。

 

「……ありがとう、四葉さん。君の言葉とこの料理のおかげで、活力が湧いてきましたよ」

 

 僕は心からの(料理への)感謝を込めて微笑み返した。

 新田先生との食事を終え、タカミチに別れを告げて店を出る際、僕は厨房のサツキに声をかけた。

 

「四葉さん、本当に素晴らしいお味でした。麻帆良祭での君の料理も、心から期待していますよ」

 

 僕がそう言うと、サツキは額の汗を拭いながら、満面の笑みで答えた。

 

「はいっ! 任せてください! 麻帆良祭、絶対成功させましょうね、ネギ先生!」

 夜の冷たい風に吹かれながら、僕は学園のネオンを見上げた。

 

(サツキは俺の標的から外してやる。あの極上の飯を守るためにな。……さて、腹も満たされたことだし、ダイオラマ魔法球に戻るとするか。明日はお化け屋敷の設営だ。暗闇の中で、次はどの純潔を狩ってやろうか……)

 表の顔は生徒に慕われる優しき英国紳士。裏の顔は、絶対的な力と催眠でヒロインたちを犯し尽くす邪悪な支配者。

 僕の麻帆良祭は、誰よりも淫靡で、激しいものになる。

 タカミチの大事な明日菜も、木乃香も、夕映も、のどかも、全ては僕の股間で絶頂を狂乱するだけの牝だ。この絶対的な優越感を手放すことなど、到底できはしない。

 僕は低く、誰にも聞こえない声で下劣な笑い声を漏らしながら、夜の闇へと消えていった。

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