千雨の自室での激しい交尾とハッキングから一夜明けた、麻帆良祭の初日。
学園中がお祭り騒ぎに沸き立つ中、僕は自室のデスクに座り、千雨から送られてきた膨大な解析データを冷徹な目で読み解いていた。
千雨のアーティファクト『淫電の配信網と絶対支配(レテ・オブスケーナム・エト・ドミナ・キベルネティカ)』。僕との激しいセックス配信によって80万人という規格外のリソース(視聴者)を得た彼女のハッキング能力は、未来人であるチャオ・リンシェンと葉加瀬聡美の強固なシステム防壁を、文字通り紙切れのように食い破っていた。
空中に展開されたホログラムモニターには、チャオの計画の全貌が克明に記されている。
(……なるほど。決行の時は、麻帆良祭の最終日。六月二十二日の午後七時三十七分、か)
僕はその時刻を見て、低く笑った。
その時間帯こそ、二十二年周期で蓄積された世界樹の魔力が、最も高まり放出される予測時刻と完全に一致している。チャオは初めから、この一瞬の魔力のピークに合わせて全ての計画を逆算し、行動していたのだ。千雨のハッキング能力のおかげで、敵の決行時間はおろか、部隊の配置からフェイクの陽動作戦まで、細かい予定の全てをピンポイントで特定することができた。
だが、僕は決して油断などしていなかった。
デスクの傍らに置かれた、銀色に輝く懐中時計型タイムマシン『カシオペア』へと視線を移す。
(チャオが、こんな強力なアイテムを『たった一つ』しか持っていないはずがない。ましてや、彼女は俺の存在を、歴史を狂わせる異端として強く警戒していたのだ)
僕が偉大なるサウザンド・マスターの息子でありながら、原作の枠組みを破壊し、ヒロインたちを次々と性奴隷へと作り変えている事実。その片鱗を感じ取っている未来人が、僕に対する牽制なしに、こんな重要アイテムをあっさりと手渡すはずがない。
(おそらく……俺がこの『カシオペア』を持っていた方が、チャオの計画にとって都合が良いから渡してきたのだ。例えば、俺が安易に時間跳躍を行えば、そこを未来の技術で隔離空間に閉じ込める罠が仕掛けられている、とか……。あるいは、俺の持つチート魔力をカシオペア経由で吸収・観測するシステムが組み込まれている可能性もある)
僕は金属の冷たい感触を指先でなぞりながら、思考を深めた。敵は天才だ。僕のチート魔力とアーティファクトの凶悪さを認識しているからこそ、彼女なりの『カウンター』を用意しているに違いない。
再びモニターに目を向ける。そこには、チャオがこの時代で準備した戦力の規模が表示されていた。
(……素晴らしい)
僕は思わず、感嘆の息を漏らした。
学園長である近衛近右衛門や、歴戦の魔法使いであるタカミチたち。彼ら魔法先生の厳重な監視網を完全に騙し、出し抜くための緻密な欺瞞工作。
さらに、麻帆良学園内部にとどまらず、世界中の『聖地』やレイライン(龍脈)すらも利用し、地球規模で魔法をかけようという途方もないスケールの計画。
それを実行するために用意された実働部隊は、脱げビームを放つ量産型ロボットが実に二五〇〇体。
さらに、麻帆良に封印された名も無き『鬼神』六体を支配し戦力としている。
そして極めつけは、世界樹の遥か上空、高度四〇〇〇メートルの成層圏で儀式を執り行う為の、空飛ぶ『祭壇』。
(なんという執念だ。たった一人の少女が、歴史の修正と『過去改変』という大いなる目的のために、これほどの途方もない準備を水面下で進めていたとは……)
過去を改変し、未来を変える。
彼女のその強烈な想いは、僕がこの世界で行っている『原作破壊』の精神と、根底で通じ合うものがあった。決められた運命(シナリオ)を拒絶し、己の力と意志で世界を塗り替える。その圧倒的なまでの覚悟の強さに、僕は敵でありながら惚れ惚れとしてしまった。
しかし、その賞賛は、僕の中で急速にどす黒く、下劣な『支配欲』へと変換されていく。
(……是が非でも、欲しいな)
僕の両目に、深紅の『写輪眼』が妖しく浮かび上がる。
未来を背負い、全人類の歴史を書き換えようとする孤独な天才少女。その気高き意志と、緻密な頭脳。
もし、その彼女の根幹にある『未来を救う』という崇高な目的を、僕の肉棒と魔法の力で完全にへし折り、快楽の泥沼へと沈めることができたなら。
(俺の無尽蔵の白濁を子宮の奥深くまで注ぎ込み、絶頂で脳髄を焼き尽くしてやる。人類の未来なんてどうでもいい。歴史の改変も、過去の罪も、全てを投げ出させて……『未来なんかより、ネギの精液が一番大切アル』と、泣き叫びながら俺の股間にすがりつかせてやりたい……!)
ゾクゾクと、背筋を這い上がるような暗い欲望が全身から溢れ出した。
神楽坂明日菜をアナル奴隷に堕とし、雪広あやかのノブレス・オブリージュを歪め、長谷川千雨をコスプレ配信のメス犬にした。だが、チャオ・リンシェンを屈服させることこそが、この学園における究極の『原作破壊』の総決算となるだろう。
「……六月二十二日、午後七時三十七分。君の作り上げた最高の舞台で、最高の絶望と快楽を与えてあげますよ、チャオさん」
僕はホログラムモニターを消去し、静かに立ち上がった。
麻帆良祭は、まだ始まったばかりだ。
決戦の刻まで、僕にはまだやるべきことがある。僕の愛しくも淫らな従者(奴隷)たちにたっぷりと魔力(精液)を注ぎ込み、万全の態勢を整えなければならない。
チャオとネギの血縁は、4親等以上離れてるはず