小太郎とクウネルの死闘が終わり、興奮冷めやらぬ闘技場に、再び銅鑼の音が鳴り響いた。
まほら武道会、2回戦第2試合。
リングに向かい合って立つのは、我がクラスの長瀬楓と古菲だ。
「いざ、尋常に勝負でござるよ、クーフェイ殿!」
「望むところアル! 楓の強さは分かってるネ、でも負けないアルよ!」
身長181センチ、Eカップの豊かな胸を晒巻きで揺らす長身の忍者と、Fカップをチャイナドレスに包んだ中国武術の達人。同じクラスの友人同士でありながら、互いの実力を認め合う武闘家としての真剣な眼差しが交錯する。
だが、勝負の行方は火を見るより明らかだった。
楓は、あの龍宮真名でさえ一目置くほどの実力者だ。純粋な戦闘力、身体能力、そして隠密技術において、今の古菲では到底及ばない。先の龍宮戦のようにチャオ・リンシェンが意図的に負ける(隙を見せる)ような裏工作もないため、番狂わせが起きる要素は皆無だった。
「ニンニン! 甘いでござる!」
「あいたぁっ!?」
試合は終始、楓のペースで進んだ。古菲の鋭い拳法を軽やかな体術でいなし、死角からの正確な一撃を叩き込む。古菲も持ち前のガッツと身体能力で粘ったが、最後は楓の投げ技によって場外へと弾き飛ばされ、決着がついた。
(……見事な戦いぶりでしたね、楓さん。そして古菲さんも、よく頑張りました)
観客席の暗がりから、俺は紳士的な笑みを浮かべて二人を見下ろしていた。
しかし、内心ではドス黒い欲望が渦巻いている。
(負けて悔し涙を流している古菲さん……とてもそそられますね。彼女の純粋な武術家としてのプライドが傷ついた今夜あたり、ベッドの中でたっぷりと『慰めて』あげましょう。僕の極太の魔力(チンポ)を彼女の奥深くまで注ぎ込み、敗北の悔しさを極上の快楽で上書きしてあげるのです)
今夜の濃厚な調教メニューを決定し、俺は満足げに舌舐めずりをした。
『さぁさぁ、熱戦が続きますまほら武道会! 続きまして2回戦、第3試合! ネギ・スプリングフィールド選手、対、高音・D・グッドマン選手!』
和美のアナウンスが響き、俺の出番が告げられた。
俺はゆっくりとリングへと上がる。
対面には、アメリカのジョンソン魔法学校でオールAを取ったという優秀な魔法生徒、高音・D・グッドマンが、闘志をむき出しにして立っていた。
彼女は1回戦の第5試合で、ロボットの田中さんを相手に勝利を収めたものの、激しい攻撃によって服をボロボロに破られ、豊かなおっぱいを大観衆の前に晒すという屈辱を味わわされている。
「オーッホッホッホ! 1回戦では思わぬハプニングに見舞われましたが、今回はそうはいきませんわよ、ネギ先生!」
「それは何よりです、高音さん。僕も、全力であなたのお相手を務めさせていただきます」
表面上は爽やかな教師の笑みを浮かべつつ、俺は内心で気合を入れ直した。
(前回は古菲の治療に行っていて、そのおっぱいを見逃してしまったからな。……この試合で、僕の手で直接剥いて、その素晴らしい果実を拝ませてもらうとしましょう)
『はじめ!』
試合開始の合図と同時だった。
「見なさい、わたくしの真の力を!」
高音は纏っていた魔法使いのローブを勢いよく脱ぎ捨てた。
その下から現れたのは、通常の衣服ではない。彼女の足元の影が生き物のように這い上がり、彼女の素肌を覆い尽くしていく。
黒い影の物質が、彼女の豊かな胸の谷間から太ももまで、ボディラインを残酷なほどに浮き彫りにしながらピッタリと密着し、ボンテージのような、あるいは影の鎧のような扇情的な姿を形成した。
「これぞわたくしの操影術・近接戦闘・最強奥義! 『黒衣の夜想曲(ノクトゥルナ・ニグレーディニス)』ですわ!」
(ほう……)
俺の『写輪眼』が、瞬時にその魔法の構造と術式を完璧に解析していく。
自身の影を式神として肌に密着させ、物理的・魔力的な装甲とすると同時に、自身の身体能力を大幅に引き上げる攻防一体の高度な魔法。
なるほど、確かに便利で強い。エヴァの闇の魔法の『術式兵装』にも似たアプローチだ。俺の写輪眼は、その術式の構成をあっさりと学習し、自分のデータベースへと保存した。
だが、写輪眼が解析したのは、その強さだけではない。
この魔法には、俺にとって『最高に都合の良い欠点』が存在していた。
(影の装甲を肌に直接密着させているということは、術者本人が気絶し、魔力供給が途絶えれば、解呪されてしまう。……そして、ローブを脱ぎ捨てた今の彼女は、影の装甲の下には何も着ていない、ということだ)
つまり、気絶させれば全裸に剥ける。
「いきますわよ!」
高音が影の装甲の力を借りて、驚異的な速度で踏み込んでくる。
遠距離からは無詠唱で『魔法の射手』を牽制として放ち、それに紛れて重い打撃を繰り出してくる。攻防のバランスが取れた、非常に厄介な戦法だ。
俺は彼女の魔法の射手を風楯で弾き、打撃を体術で受け流した。影の装甲の防御力は高く、中途半端な攻撃ではダメージを通すことができない。
(便利な魔法ですが……優先すべきは、彼女を『気絶』させること。ぴったりと肌にフィットしている装甲ならば、直接手で触れて、内部に直接魔法を叩き込んでやればいい)
俺の脳内で、極めて変態的かつ合理的な攻略法が完成した。
「くっ、ちょこまかと……っ!」
高音が苛立ち紛れに大振りの回し蹴りを放ってきた。
俺はその蹴りを紙一重で躱し、極限まで姿勢を低くして、彼女のがら空きの懐へと一気に『瞬動』で肉薄した。
「しまっ……!?」
驚愕する高音。だが、彼女が防御の姿勢をとるより早く、俺はワザとらしく足をもつれさせたフリをして、前方に大きくのめり込んだ。
「おっとっと……! 危ないっ!」
「きゃああっ!?」
ドサッ!
俺は高音に抱きつくような体勢になり、両手を彼女の身体の『最も柔らかい部分』へと強かに押し当てた。
影の装甲越しであっても、そのGカップはあろうかという巨大で豊かな双丘の感触が、俺の両手のひらに生々しく伝わってくる。
「んむっ……!?」
「あ、すみません高音さん! 足が滑ってしまって……っ!」
俺は慌てたような声(もちろん演技だ)を出しながら、その豊満なおっぱいを、これでもかとばかりにガッツリと揉みしだいた。
「ちょっ……! き、貴方、どこを触って……っ! 離しっ……!」
顔を真っ赤にして抵抗しようとする高音。
だが、俺の目的はセクハラ(それも重要だが)だけではない。
胸をガッツリと鷲掴みにし、影の装甲に直接触れたこの『ゼロ距離』の状態から、俺は密かに練り上げていた魔法を無詠唱で解放した。
(『魔法の射手・雷』……3矢!)
バチィィィィィンッ!!
「あがぁぁぁぁぁっ!?」
俺の両手から放たれた3発の雷の矢が、高音の胸部装甲を透過し、彼女の肉体へ直接、強烈な電撃を叩き込んだ。
至近距離からの雷属性の直撃。人間を殺さずに気絶させるには、これ以上ない最適解だ。
高音は白目を剥き、全身を激しく痙攣させて、そのまま力なく俺の腕の中へと崩れ落ちた。
そして――術者が気絶したことで、魔法への魔力供給が完全に断たれる。
シュゥゥゥ……と音を立てて、彼女の肌を覆っていた『黒衣の夜想曲』の影が、煙のように霧散して消え去った。
残されたのは。
闘技場のど真ん中で、気を失った高音・D・グッドマンの『完全なる全裸』の姿。
そして、その全裸の彼女を抱きかかえ、豊かな素肌のおっぱいを両手でしっかりと鷲掴みにしている俺の姿だった。
『…………え?』
数千人の大観衆が、あまりの光景に静まり返る。
「……はっ!?」
数秒後、電撃の麻痺から微かに意識を取り戻した高音が、目を覚ました。
自分の肌を撫でる冷たい風。
大観衆の突き刺さるような視線。
そして、自分の裸の胸を、満足げな顔で揉みしだいているネギ先生の手。
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!?」
高音は顔を茹でダコのように真っ赤にして絶叫し、俺を力任せに突き飛ばした。
そして、両腕で必死に豊かな胸と股間を隠しながら、涙目で俺を睨みつけた。
「せ、責任、取ってくださいぃぃぃぃっ!!」
捨て台詞のようにそう叫ぶと、高音は全裸のまま脱兎のごとくリングから飛び降り、選手控え室へと逃げ出していった。
『お、おおおおおっと!? 予期せぬ、予期せぬハプニングゥゥゥ!?』
実況の和美が慌ててマイクで叫ぶ中、俺はリングの中央にポツンと取り残された。
だが、その手には、先ほどまで揉みしだいていた極上のおっぱいの感触が、しっかりと残されている。
「……ええ。いずれ、僕のベッドの上で、たっぷりと責任を取らせていただきますよ。高音さん」
俺は誰にも聞こえない声で変態的な決意を呟きながら、高らかに宣言される『勝者、ネギ・スプリングフィールド』のアナウンスを、紳士的な笑みを浮かべて受け入れるのだった。