※この作品はR-18です。

欲望のネギ   作:おっさん

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第72話:天才の誤算と、裏切らざる裏切り者

 麻帆良祭、運命の3日目。

 超鈴音(チャオ・リンシェン)が企む『全世界への魔法暴露』という歴史改変の計画を阻止すべく、俺たちはついに本格的な迎撃態勢を整えていた。

 だが、単に魔法を使ってドンパチをやれば、それこそチャオの思惑通りに魔法の存在が世間にバレてしまう。そこで俺が利用したのは、我が3-Aのクラスメイトたちの異常なまでの『ノリの良さ』と、雪広あやかの底なしの『財力』だった。

 

「さあ皆様! クラスの総力を挙げて、この麻帆良祭最大のイベントを成功させますわよ!」

 

 あやかの号令と莫大な資金提供により、学園都市全域を巻き込んだ超特大のゲリラ・アトラクション――『火星ロボ軍団 vs 学園防衛魔法騎士団』の開催がでっち上げられたのだ。これで、これから起こるいかなる魔法的現象も、破壊活動も、全ては「大掛かりなショーの演出」として一般生徒の目をごまかすことができる。

 一方その頃、学園長室では、近衛木乃香と桜咲刹那が、学園長である近衛近右衛門に事態の報告を行っていた。

 

「報告はわかったぞい、刹那君や」

 

 報告を受けた学園長は、深刻な事態にもかかわらず「このあとも後はワシらに全て任せて、安心して学園祭を楽しんできなさい」と、子供をあしらうような態度を見せた。

 だが、そこに俺の使い魔であるカモミール・アルベールが、葉巻を咥えながら不敵な笑みを浮かべて割り込んだのだ。

 

「チッチッチッ……わかっちゃいねえな学園長さんよ。あんた達に任せたらダメなことは歴史が証明済みなんだぜ?」

 

 カモは独自の裏ルートで掴んだ情報網をチラつかせながら、一枚の書類をバンッと机に叩きつけた。

 

「ついてはこれを用意してもらいてぇ。本国のクラウナダ異界国境魔法騎士団の第17倉庫に大量に死蔵されてるハズだ」

 

 それは、生徒たちを魔法騎士に仕立て上げるための特殊な魔法具のリストだった。

 

「あんたにその程度の交渉を本国とできる力があることも承知してる。転移魔法で空輸すれば夕方に間に合うハズだ」

「これを最低1000セット……できたら2500セット頼むぜ」

 

 完全に『悪役』の顔で凄むカモの姿に、背後に立つ木乃香と刹那は「カ…カモさん…」「悪役や……」と顔を引きつらせていた。

 

「なぁーに、世界に魔法がバレることに比べたら簡単なこったろ?」

 

 カモの容赦のない脅迫まがいの交渉により、学園長も重い腰を上げざるを得なくなった。これで、対抗するための物理的な『手駒(エキストラ)』の武装は完了だ。

 しかし、俺たちのこの組織的な動きを、天才にして未来人であるチャオが察知しないはずがなかった。

 彼女は予定していた作戦時間を大幅に早め、空を覆い尽くすほどの大量の火星ロボ『T-ANK-α3』――通称「田中さん」軍団を、学園都市のあちこちへと投下し始めたのだ。

『フハハハハッ! よくぞワタシの用意したスペシャルイベントに乗ってくれたネ! ワタシこそが火星の首領、超鈴音だヨ!』

 学園中のスピーカーから、ノリ良く悪役を演じるチャオの高笑いが響き渡る。

 そして、投下された田中さん軍団が一斉に放ったのは、恐るべき『脱げビーム』だった。

 

「きゃああああッ!?」

「うそっ、服が消えたぁっ!?」

 

 ビームを浴びた一般の女子生徒や魔法教師たちの衣服が、次々と光の粒子となって分解され、学園中の至る所で柔らかな裸体が白日の下に晒されていく。

 

(……素晴らしい。実に眼福ですね)

 俺は闘技場の屋根の上から、パニックになりながら胸や股間を隠す女子生徒たちの淫靡な姿を『写輪眼』に焼き付けながら、ほくそ笑んだ。チャオのこの悪ふざけのような兵器、後で設計図ごと没収して、俺の調教ルームの設備に追加させてもらうとしよう。

 だが、チャオの攻勢はただの悪ふざけでは終わらない。

 

「……ターゲット確認。排除する」

 

 時計塔の屋上。身長184cm、Eカップの豊かな胸を持つ龍宮神社の巫女・龍宮真名が、冷徹な瞳で二丁の大型拳銃を構えていた。

 ズガンッ! と放たれた銃弾は、防衛に向かっていた魔法先生たちの強力な結界をいとも容易くすり抜け、彼らの身体に直撃する。しかし、血は流れない。彼女の撃っているのは『時間跳躍弾』。被弾した者を強制的に数時間から数日後の未来へとタイムスリップさせることで、魔法教師という強力な戦力を完全に無力化、文字通り「戦場から消し去る」という恐るべき戦術だった。

 さらに、学園の地下中枢では、絡繰茶々丸がその驚異的な演算能力を用いて、学園都市の広域結界システムに対する深刻なハッキング攻撃を仕掛け、防衛網を内側から食い破っていた。

 

「させないでござるよ、真名!」

 

 次なる教師を狙撃しようとした真名の背後に、強烈な殺気と共に巨大な手裏剣が飛来した。

 極限のサイドオープン忍装束に身を包んだ、Eカップのくノ一・長瀬楓だ。

 

「……楓。お前が出てきたということは、ネギ先生の指示ということか」

「いかにも。主殿の命により、お主の銃撃はここで止めるでござる!」

 

 真名は表情を変えずに銃口を楓へと向ける。銃撃戦のプロフェッショナルと、達人クラスの忍術使い。互いの実力を認め合うクラスメイト同士の、激絶な死闘の火蓋が切られた。

 一方、学園の広場では、Fカップを揺らす中国拳法の使い手・古菲(クーフェイ)が、大量に量産された茶々丸ボディの戦闘ロボット軍団を相手に、猛烈な気功波と拳撃を叩き込んで暴れ回っている。

 従者となったヒロインたちが学園都市内で激戦を繰り広げ、チャオの軍勢を食い止めている間。

 

「……さて。地上の小競り合いは彼女たちに任せておいて、僕は大ボスを屈服させに行きましょうか」

 

 俺は見上げた。

 遥か上空、高度4000メートル。厚い雲の向こうに浮かぶ巨大な飛行船――チャオが陣取る移動要塞にして、世界中に魔法を暴露するための魔法発動施設だ。

 俺はチート魔力を脚に集中させ、時間を操る厄介な未来人を今度こそ完全に雌として支配するため、大空へと跳躍した。

 

 

****

 

 

 絡繰茶々丸の恐るべきハッキングと演算能力により、麻帆良学園都市を覆う強固な広域結界がついに破られた。

 その結界の綻びを縫うようにして、超鈴音の支配下にある六体の巨大な『鬼神』が学園都市へと飛来し、破壊の限りを尽くそうと襲いかかる。

 それを地上で食い止めているのは、広域指導員であるタカミチ・T・高畑と、京都神鳴流の剣士・桜咲刹那だ。タカミチはスーツ姿のまま、目にも止まらぬ神速の徒手空拳で鬼神の巨体を殴り飛ばす。刹那は愛刀『夕凪』を抜き放ち、木乃香を守るために身につけた絶技で鬼神の死角を斬り裂く。

 

(……ふん。この期に及んでも、あのタヌキ爺……学園長の近衛近右衛門は自ら動こうとはしませんか)

 遥か上空から地上の激戦を見下ろしながら、俺は呆れを通り越して冷笑した。

 上空4000メートルに浮かぶ飛行船。

 風が吹き荒れる甲板で、俺はついに諸悪の根源である未来人・超鈴音と対峙した。

 彼女は信じられないものを見るように目を見開き、口を開いた。

 

「ネギ先生、どうやって戻って来たアルか?」

「いえ、戻って来てなどいませんよ」

 

 俺が涼しい顔で答えると、彼女はさらに顔をしかめる。

 

「カシオペアは、どうしたアルか?」

「2日目の23:59に外しました」

 

 その言葉に、チャオの瞳孔がスッと収縮した。

 彼女の計画。それは、俺に渡したタイムマシン『カシオペア』のタイマーを遠隔操作し、祭りの3日目に、俺という最大のイレギュラーを『一週間後の未来』へと強制的にタイムスリップさせるという盤外戦術だった。

 

「……どうやって気づいたアル」

「答えると思いますか?」

 

 俺は鼻で笑って切り捨てた。千雨のハッキングで計画の全貌などとうの昔に筒抜けなのだ。

 質問を諦めたチャオは、今度は戦いを避けるように……いや、明らかに時間稼ぎをするように、俺への『説得』を始めた。

 

「先生、ワタシと一緒に世界を救うヨ。魔法使いの存在を公表することで、救える人はずっと増えるネ。悲劇をなくすために、アナタの力が必要アル」

 

 真剣な眼差しで、崇高な理想を語るチャオ。

 だが、その言葉は俺の心に一ミリの響きも、感動ももたらさなかった。

 

(……くだらない。世界平和? 悲劇の回避? 知ったことですか)

 俺の目的は、この原作の世界を徹底的にエロティックに破壊し、ヒロインたちを淫靡な肉便器として屈服させることだけだ。もし彼女が「世界を救うついでに、先生の変態的なハーレム作りに協力するネ」とでも言ったのなら、まだ話を聞いてやる可能性はあっただろうが。

 俺のあまりにも冷めきった、欲望と支配欲しか宿っていない興味なさげな瞳を見て、チャオは絶句した。

 そして、彼女は一人、確信する。

 

(……コイツは、違う。目の前のコイツは、ワタシの知っている『優しくて自己犠牲をいとわないネギ・スプリングフィールド』では絶対に無いネ……!)

 

「……交渉は決裂ネ」

 

 チャオが構えをとる。

 タイムマシンによる時間跳躍を近接戦闘に織り交ぜる、超常の武術。

 だが、俺にはすでに『カシオペア対策』の答えを出していた。

 

「解放"エーミッタム"」

 

「『千の雷』!!」

 

 雷の暴風の10倍以上の威力を誇る、究極の雷撃魔法。俺はそれを、なんと『二つ』同時に解放した。

 凄まじい稲妻が飛行船の甲板を白く染め上げる。だが、俺はそれをチャオには放たない。

 

「『術式固定(スタグネット)』……『掌握(コンプレクシオー)』!」

 

 負の感情をエネルギー源とする『闇の魔法』。俺は二つの究極魔法を、強引に己の肉体へと取り込み始めた。

 俺の考えたカシオペア対策。それは極めてシンプルだ。

 人間の知覚速度、相手が時間を跳躍するスイッチを押すその思考よりも遥かに速い速度で、何もさせずにブチのめす。

 本来、原作における『雷化』は、ただ闇の魔法で魔法を取り込んだだけで成し得るものではない。天才である本来のネギが独自に編み出した、極めて高度なオリジナル技術だ。

 俺はそんな天才ではない。だが……こちとら十倍のチート魔力がある。さらに、カシオペアを使って魔法球の中で無限の『時間』を確保し、吸血鬼エヴァンジェリンから直接『闇の魔法』の過酷な指導を受けることができた。

 無限の試行錯誤と、死にかけるほどの苦痛の果てに、俺は力技で『雷化』の境地へとたどり着いたのだ。

 

(おかげで、闇の魔法を過剰使用しすぎて、今の僕はほぼ人間を辞めてるぜ!)

 

「『術式兵装』……!!」

 

 轟音と共に、俺の全身が眩い白雷そのものへと変貌した。

 肉体だけではない。脳のシナプスを流れる電気信号すらも雷の速度に同調し、『思考速度』までもが落雷の領域へと引き上げられる。

 

「なっ……!?」

 

 チャオが時間跳躍のスイッチを押そうとした、そのコンマ数秒の世界が、俺にはスローモーションのように見えた。

 音よりも速く。俺は一瞬でチャオの眼前に肉薄し、思考速度も含めた雷化の力で、彼女の展開した未来の超科学シールドを雷を纏った拳で紙クズのようにブチ破った。

 

 

****

 

 

 上空4000メートルの暴風が吹き荒れる飛行船の甲板。

 闇の魔法によって極限まで高められ、思考速度すらも落雷の領域へと到達した『雷化』の超絶機動。俺の放った白雷の拳は、未来の超科学シールドをいとも容易く貫通し、超鈴音(チャオ・リンシェン)の懐に隠されていた『カシオペア2号機』を、その絶対的な防壁ごと一瞬にして粉砕した。

 

「ガァッ……!?」

 

 バチバチと火花を散らして砕け散るタイムマシンの残骸と共に、チャオの小さな身体が甲板の上を無様に転がっていく。

 勝敗は、誰の目にも明らかだった。時間跳躍という最大のチートを失い、さらに身体にも深刻なダメージを負った彼女に、勝ち目など万に一つも残されていない。

 俺は雷のオーラを纏ったままゆっくりと歩み寄り、冷徹な目で見下ろした。

 だが、未来から世界を救うためにやってきたというこの天才少女は、血を吐きながらもまだ、その瞳から抗う光を失ってはいなかった。

 

「ハァッ……ハァッ……。規格外すぎるネ……」

 

 チャオは震える足で無理やり立ち上がろうとしながら、口の端の血を拭った。

 

「だからと言って、簡単には諦められないアルよ……! ワタシには、どうしてもやらなきゃいけないことがあるネ!」

 

 そう叫ぶと、彼女は何かを強く念じるように、低く、呪詛のような言葉を呟き始めた。

 

「……呪文回路解放……封印解除……!」

 

 その瞬間だった。

 

「……!」

 

 チャオの全身……首筋から頬、そして服の下の肌にまで、禍々しい幾何学的な紋様が赤黒く浮かび上がったのだ。

 俺の『写輪眼』が、その紋様の正体と、彼女の体内で起きている異常な現象を即座に見抜いた。

 

(……なんだ、あれは)

 本来、魔法の素質を持たない彼女の肉体に、無理やり人工的な魔法の回路――インプラントのようなものが埋め込まれている。そして今、その呪文回路が限界を超えて稼働し、彼女の生命力そのものを削りながら、強制的に魔力を絞り出しているのだ。

 その光景を見た瞬間、俺の胸の中にドス黒い怒りがドロリと沸き上がった。

 

(……俺のハーレム要員に、ふざけた真似しやがって)

 彼女の崇高な自己犠牲の精神など、知ったことではない。俺が怒っているのは、いずれ俺の淫靡な調教によってドロドロに溶かされ、俺の精液を注ぎ込まれるための極上の『肉便器』となるはずの彼女の美しい肉体が、得体の知れない人工回路の過負荷によって傷つけられているという事実に対してだ。

 所有物に対する、身勝手で歪んだ独占欲。

 

(もし生きて、チャオの身体にその呪文回路とやらを植え付けた奴に会うことがあったら……絶対に、八つ裂きにして殺してやりましょう)

 俺は冷たい怒りを瞳に宿し、一歩踏み出した。

 彼女の決死の足掻き。しかし、そんな身体を削るような真似をこれ以上続けさせるわけにはいかない。

 

「……それは、一刻も早く倒してあげましょう」

「うおおおおッ!!」

 

 魔力を暴走させて飛びかかってくるチャオ。だが、俺は雷化のスピードで彼女の背後へと一瞬で回り込むと、手刀に重い魔力を込め、彼女のうなじへと無慈悲に振り下ろした。

 

「……あ」

 

 ドスッ、という鈍い音。

 チャオの決死の努力と覚悟は、圧倒的な力の差の前に文字通り『一蹴』された。彼女の瞳から急速に光が失われ、人工的な呪文回路の紋様がスッと消えていく。糸が切れた操り人形のように、チャオの身体が甲板に倒れ伏した。

 

「超さんっ!!」

 飛行船の心枢部――巨大な世界樹の魔力をコントロールする祭壇の奥から、悲鳴のような声が上がった。

 学年2位の天才にしてチャオの最大の協力者、葉加瀬聡美だ。彼女はチャオが倒れたのを見ても、涙目で歯を食いしばり、コンソールに向かって魔法発動の儀式を続けていた。

 

「ううっ……超さんの計画は、私が絶対に……ッ!」

 

 世界中の人々の認識を強制的に書き換え、魔法の存在を暴露する巨大魔法。その最終シーケンスが、今まさに起動しようとしている。

 だが、俺は雷化を解きながらも、葉加瀬を止めようとはしなかった。ただ腕を組み、冷ややかな目でその儀式を見守っているだけだ。

 

「……な、ぜ……」

 

 倒れ伏したまま、薄れゆく意識の中でチャオが微かに口を動かした。

 

「なぜ、ハカセを……止めない、アルか……」

 

 彼女は理解できなかったのだろう。俺が本気を出せば、葉加瀬の儀式など一瞬で粉砕できるはずなのに。

 

(……自分が負けたら、魔法の最終的な内容を『全世界への魔法の暴露』から『今日一日の世界平和』という無難なものへと変えるバックアップを用意していたことすら、この男には見透かされていたのか……?)

 チャオの脳裏に、そんな絶望的な推測がよぎる。確かに、彼女は自分が敗北した場合を想定し、世界樹の魔力を安全に消費させるためのダミープログラムを仕込んでいた。

 その時だ。

 

「……全て、ネギ先生の望み通りの方向へ進んでおります」

 

 静かな足音と共に、飛行船の甲板に一人の少女が姿を現した。

 メイド服に身を包んだ、科学と魔法の融合ロボット――絡繰茶々丸だ。

 

「茶々、丸……!?」

「茶々丸さんっ!? どうしてあなたが……!」

 

 チャオと葉加瀬が驚愕の声を上げる。

 彼女たちの目には、茶々丸が自分たちを裏切り、俺の側に寝返ったように見えたのだろう。実際、茶々丸の肉体と電子頭脳は、俺の淫靡な調教によってとっくに屈服しているのだから。

 だが、茶々丸は静かに首を振った。

 

「誤解しないでください。私は、自らの創造主たる超さんとハカセを裏切ってなどおりません」

 

 茶々丸はそう言い切ると、淡々とシステムの状況を報告した。

 

「ハカセの儀式により、世界樹の魔力を用いた『全世界への強制認識魔法』は発動フェーズに移行しました。……ただし、ネギ先生による『追加の要望』も、プログラムの深層に組み込み、叶えさせて頂きました」

「……追加の、要望……? どういう事ネ、ネギ先生……!」

 

 チャオが血を吐きながら、俺を睨みつける。

 俺は邪悪な笑みを浮かべ、懐から銀色の懐中時計――チャオから巻き上げ、今や俺の支配の象徴となった『カシオペア』を取り出した。

 

「どういう事か……ですか? ふふっ。それはですね、せっかくの世界規模の認識改変魔法に、僕にとって最高に都合の良い『常識の書き換え』を少しだけ混ぜ込ませてもらったというだけの話ですよ」

 

 俺はカシオペアの銀色の蓋をパチンと開いた。

 

「まあ、詳細については……これからこの『ダイオラマ魔法球』の中で、あなたと葉加瀬さんの身体に直接、たっぷりと時間をかけて『じっくりと』説明してあげましょう」

 

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