エヴァンジェリンの別荘内にある、ダイオラマ魔法球の内部。擬似的に構築された荒野の空間に、空気を切り裂くような打撃音と、魔力が衝突する爆音が連続して響き渡っていた。
「甘いぞ、バカ弟子!」
エヴァの小さな手が空を薙いだ瞬間、絶対零度の冷気がネギの右腕に絡みついた。防御のために前に出していたネギの腕が、瞬く間に白く凍りつき、次の瞬間にはエヴァの無造作な裏拳を受けてパキンッと甲高い音を立てて粉々に砕け散った。
血肉と骨が氷の破片となって舞い散る。だが、ネギの切断面からドス黒い魔力が噴き出すと、わずか数秒で失われた右腕が肉芽を盛り上げて完全に修復された。
「修復が遅い! 戦闘中に数秒の隙を見せることが何を意味するか、教えてやったはずだ!」
叱りつけながら、エヴァはすでにネギの懐深く、完全に死角となる位置へと潜り込んでいた。
(速い……っ!)
辛うじてエヴァの放つ刺突のような連撃をガードするネギ。しかし、それはエヴァの計算通りだった。ガードに回したネギの新しい腕は、蛇のような滑らかな動きで絡め取られ、圧倒的な遠心力と共に巨体が宙を舞う。
「がはっ……!」
地面に叩きつけられるよりも早く、ネギの顔面にエヴァの容赦ない踵落としが叩き込まれた。
ゴシャッ! という生々しい音と共に、ネギの顎の骨が粉砕される。
「……ッ!」
ネギは痛みを顔に出すことすら許されず、砕けた下顎を膨大な魔力で強引に繋ぎ合わせながら、虚空瞬動でなんとか距離を取ろうと後方へ跳躍した。
「だから、修復が遅いと言っておるのだ!」
「——!?」
距離を取ったはずの着地点。その背後には、すでに腕を組んだエヴァが待ち構えていた。
* * *
安全圏からその凄惨な戦闘訓練を見下ろしていたカモミールは、咥えていた葉巻を落としそうになりながら呆れ声を上げた。
「なんか、兄貴も完全に人間辞めてるな〜……。腕が吹き飛んでも数秒で生えてきやがる」
「化け物同士の戦いだぜ、ありゃあ」
隣に座る犬上小太郎も、頬杖をつきながら呆れたように同意する。
「ネギ先生は超さん対策の特訓で、『闇の魔法』を限界まで常時展開し続けていましたから」
メイド服姿の絡繰茶々丸が、淡々と分析結果を口にした。
「その副作用と適応により、現在のネギ先生は、意識しなくても魔力を流すだけで肉体が自動修復されるようになっているようです」
「けっ、吸血鬼の真祖とどつき合って平気な顔してるなんざ、もう立派な魔族だな」
茶々丸の肩に座るチャチャゼロが、鼻で笑いながら吐き捨てた。
* * *
一通りボコボコにされ、全身の骨を砕かれては再生するという地獄の訓練を終えたネギが、息を乱すこともなくエヴァと共に歩いてきた。真新しい血と土埃で服はボロボロだが、その肉体には傷一つ残っていない。
「ところで……なぜここに小太郎が?」
ネギは不意に視線を上げ、見学席で茶をすする小太郎を指差した。
「お前の弱点を克服するためだ、バカ弟子」
エヴァは腕を組んだまま、小太郎を顎でしゃくった。
「お前は『写輪眼』というチートの恩恵で、武術にしろ魔法にしろ、見様見真似で単発の技を使いこなすことには長けている。だが、それらを流れるように組み合わせる『技の連携(コンボ)』や、相手の変則的な動きへの対応が絶望的に下手くそだ。付け焼き刃の限界だな」
「……」
「それを克服するには、決まった相手だけではなく、様々なタイプの相手と実戦をこなすしかない。小太郎の野性的な体術も、お前には良い経験になるはずだ」
的確な指摘だった。写輪眼のコピー能力に頼りきっていたネギの弱点を、武の達人であるエヴァは完全に見抜いていたのだ。
「分かりました。それはマスターの言うとおりの正論ですので、素直に我慢して特訓を受け入れましょう」
ネギは恭しく頭を下げた。だが、その直後にスッと冷たい笑みを浮かべる。
「ですが……さきほど僕を存分にボコボコにしてくれた『お礼』が先です」
「な……?」
ネギのその声色に、エヴァの背筋にゾクッとした不安、いや、期待の電流が走った。
エヴァが身構えるよりも早く、ネギの腕がブレた。
パァァンッ!!
乾いた破裂音がダイオラマに響き渡る。ネギの大きな平手が、エヴァの小さな尻を容赦なく打ち据えたのだ。
「ああっ!? ば、バカ弟子、何をするっ!」
顔を真っ赤にして怒鳴りつけるエヴァ。しかし、不思議なことに彼女の足はその場から一歩も動かなかった。魔法でネギを吹き飛ばすことも、瞬動で逃げることもできるはずなのに、ただ太ももを震わせてその場に立ち尽くしている。
パァンッ! パパァンッ!!
「ひゃああっ! ぁんっ、こら、やめっ……!」
ネギは反抗するエヴァの言葉を無視し、無表情のまま何度も何度もその尻に強烈なスパンキングを見舞い続けた。
「……お幸せに、マスター」
その光景を見て、茶々丸が小さく呟く。
「けっ、見事な変態ドマゾっぷりだな」
チャチャゼロが呆れ返り、小太郎に至っては「また始まったよ」といつもの事として完全に気にも留めていない。
「口では偉そうなことを言っても、体は正直ですね」
何度目かのスパンキングでエヴァのスカートと下着をずり下げたネギは、赤く腫れ上がった小さな尻の割れ目に、すでに限界まで猛り狂っていた自身の剛直を無造作に突き入れた。
「ひぎぃっ! あ、あぁあああっ!」
「尻を叩かれただけで、もうこんなに濡れて僕を迎え入れてますよ、マスター」
エヴァの秘所は、ネギの言う通り強烈な愛液でドロドロに濡れそぼっており、太い肉棒を吸い込むように歓迎していた。
「ち、ちがっ、これは、お前が勝手にっ……あぁんっ、ふぁあっ、そこっ……!」
快感に抗えず、誇り高き吸血鬼の真祖が甘い嬌声を上げる。
どれほど武術や魔法の技量でネギを上回ろうと、こと「雌」としての本能においては、エヴァはすでにネギの完全な奴隷だった。口では反抗的な、誇り高いドマゾの真祖への、濃密で過激な調教の時間が始まった。
*****
「パンッ! パンッ! パンッ!!」
ダイオラマ魔法球に構築された荒野に、肉と肉が激しく打ち据えられる破廉恥な音が響き渡る。
ネギは、四つん這いにさせたエヴァの背後に覆い被さり、獣のような猛烈なスピードで腰を打ち付けていた。だが、彼の両手はエヴァの腰や肩を掴んでいない。
ネギの両手は、背後からエヴァの小さな胸へと回り込み、限界まで勃起して硬く尖った二つの『乳首』だけを、指の腹で容赦なく強く抓り、掴んでいたのだ。
「ひぎぃっ! あぁっ、あぁっ!」
それは、常軌を逸した暴力的な交尾姿勢だった。ネギが背後から重い腰を打ち付けるたび、そのすさまじい衝撃でエヴァの小さな身体は前方へと吹き飛ばされそうになる。だが、ネギが乳首をガッチリとホールドしているため、前に逃げようとする彼女の肉体は乳首を支点にして強引に引き戻される。
つまりネギは、激しく突き上げるエヴァの身体を、彼女の『乳首』への牽引力のみで固定しているのである。
「あぁっ! いやっ、やめろバカ弟子っ! 乳首がっ、お前の突きで引っ張られて、千切れるっ!!」
一突きごとに、乳輪の肉が限界まで引き伸ばされ、ちぎれんばかりの激痛が走る。
だが、ネギの魔力と絶え間ない凌辱によって完全にドマゾの変態へと作り変えられた真祖の吸血鬼の肉体は、その極限の『苦痛』を、脳内で致死量の『快楽』へとダイレクトに変換していた。
「ひぃっ、ちぎれ、あぁあぁっ! き、きもちいいいぃっ!!」
痛い。苦しい。だが、たまらなく気持ちいい。
強烈な痛覚が全身の神経を焼き切り、エヴァは白目を剥きながら何度も何度も絶頂を繰り返す。乳首から伝わる激痛と、最奥を抉られる快感の板挟みになり、もはや彼女の口からは言葉にならない嬌声と大量の涎だけが垂れ流されていた。
そんなエヴァの狂態を見下ろしながら、ネギはさらに自身の肉体にドス黒い魔力を巡らせた。
「マスターの吸血鬼としての本能を、もっと引き出してあげましょう。僕の魔族化も、かなり進んできたようですからね」
ズブブブッ……! と、エヴァの胎内に埋まっているネギの剛直が、不気味な脈動を打って膨張を始めた。
『闇の魔法』の常時展開と肉体の適応。それに伴う魔族化の進行は、ネギの男性器をより凶悪なものへと進化させていた。サイズがある程度、可変するようになったのだ。
ネギの意志に応え、肉棒は限界を突破してさらに太く、そして長く成長していく。
「あ、ぁ……っ!? うそ、おま、なかで、おおきくっ……!」
最終的にそれは、長さ30センチにも及ぶ、黒光りする極太の魔性の杭へと変貌を遂げた。
身長わずか130センチしかないエヴァの幼児体型に、30センチの極太チンポである。物理的な許容量を完全に超越した凶器が、内臓を押し除け、子宮口をこじ開け、エヴァの小さな胎の最奥をゴリゴリと無慈悲に突き進んでいく。
吸血鬼の回復力、ドマゾな肉体が子宮に犯される危険な行為すらエヴァを感じさせている。
「ひぃっ!? あぁっ、痛いっ! 痛いっ!! 腹が、お腹が破れるっ! 手加減しろっ!!」
あまりの質量と暴力的な侵入に、エヴァは恐怖で泣き叫んだ。自分の下腹部が、ネギの巨大な亀頭の形に合わせてボコボコと異様に波打っているのが視界の端に映る。
「では、サイズを元に戻しましょうか?」
「いやだっ! 駄目だっ! 手加減するなっ!!」
痛みに泣き叫びながらも、エヴァは狂ったように首を横に振り、自ら尻を突き出してその極太の凶器を迎え入れようとした。
完全に容量オーバーの肉棒に抉られ、子宮を直接かき回される圧倒的な満腹感。誇り高き吸血鬼の理性はすでに消え失せ、ただ巨大な雄の力で内部から破壊されることを望むだけの、発情しきった肉便器に成り下がっていた。
「もっとっ! もっと奥までっ! 私の子宮を、お前の太いので、もっと滅茶苦茶に抉ってくれぇっ!!」
「ご要望通りに」
パンッ! パンッ! パンッ!!
ネギの腰のストロークが最高潮に達する。エヴァの小さな身体には到底収まりきらない巨大な肉棒が、荒々しく出入りを繰り返す。
抜き差しされるたびに、彼女の秘所からは白く泡立った大量の愛液が撒き散らされ、荒野の土をドロドロに汚していく。
乳首を抓るネギの指の力も限界まで強まり、エヴァの身体は前後に激しく弾けた。
「あぁあああっ! くるっ、いくっ! バカ弟子の太いの、お腹のなかで、あぁああああっ!!」
究極の痛みと快楽が臨界点に達した瞬間、エヴァは全身を弓なりに反らせ、この日最大の絶頂を迎えた。
同時に、ネギの凶悪な極太の亀頭がエヴァの子宮の最深部にガンッと突き当たる。
「——受け取りなさい、マスター」
ドクンッ!! ドクンッ!! ビュルルルルルルルッ!!!
エヴァの小さな胎の奥底へ、ネギの莫大な魔力を孕んだ濃厚な精液が、まるで消火ホースのような恐ろしい勢いと量で叩き込まれた。
熱く粘り気のある生命の奔流が、悲鳴を上げる子宮をパンパンに満たし、収まりきらなかった白濁がエヴァの下腹部をボコボコと膨張させていくのだった。
*****
子宮の最奥へ白濁の激流を注ぎ込んだネギは、ゆっくりと極太の剛直を引き抜いた。
「はぁっ、あぁっ……っ」
中出しされたばかりのエヴァは、地面に突っ伏したまま、だらしなく開かれた股間から精液をポタポタと零している。
そんな彼女の急所——先ほどの激しいピストンと愛撫で充血し、親指の先ほどに肥大しきったクリトリスを指差しながら、ネギは冷酷な笑みを浮かべて告げた。
「一回出したので、ここに一本針を刺します」
ネギの手には、いつの間にか銀色に鈍く光る鋭い針が握られていた。
「ふ、巫山戯るなっ!」
息も絶え絶えになりながらも、エヴァは顔を上げて怒鳴りつけた。しかし、口では激しく拒絶しながらも、彼女の身体はその場から一歩も逃げようとしない。
「自分で広げて、刺しやすいようにしてください」
ネギが静かに命令を下す。
「そ、そんな事するはずないだろっ! 私は誇り高き真祖の……っ!」
怒りに満ちた拒絶の言葉を叫ぶエヴァ。だが——その言葉とは裏腹に、彼女の両手は意思を持たない操り人形のように下半身へと伸びていた。
「あ、あれ……? ちがっ、私は、こんなこと……っ」
エヴァは自分自身の行動に混乱し、涙目になりながらも、両手の指で自らの秘裂を大きく左右に押し広げた。精液と愛液に塗れた鮮やかなピンク色の粘膜と、赤く怒張したクリトリスが、ネギの目の前に無防備に突き出される。
完全に言葉と身体の動きが別々になっていた。口では立派な吸血鬼としてのプライドを保とうとしているが、肉体はすでにネギの命令に絶対服従するドマゾの変態へと作り変えられているのだ。
「素直で良い子ですね」
ネギは一切の躊躇なく、露出したエヴァのクリトリスの先端に、鋭い銀の針をブスリと突き刺した。
「——ッッッ!!!」
音にならない絶叫。
最も敏感な急所を鋭利な金属が貫通する激痛。しかし、今のエヴァの狂った肉体は、その強烈な痛覚すらも致死量の快楽へと変換してしまう。
「あぁあああああああっ!!」
ただ針を刺されただけ。それだけで、エヴァは白目を剥き、全身を激しく痙攣させて凄まじい絶頂に達した。両脚をガクガクと震わせ、口から大量の涎を撒き散らす。
ネギはその耳元に顔を寄せ、悪魔のように甘く囁いた。
「今日は中出しする度に、この針が増えます。……あと何回、出して欲しいですか?」
その問いかけに、快楽に完全に狂いきったエヴァの顔が、ゆっくりと口を開いた。
「もっとっ……何回でもっ、私の中にぃっ!」
「ヒィーッ! 痛いっ! 止めてくれっ! 違うっ! もっと強くっ!」
ダイオラマ空間に、肉を裂くような鋭い打撃音が響き渡る。
ネギの右手に握られた四角い特殊な鞭が、エヴァの白い背中や尻を容赦なく打ち据えていた。角ばった鞭の形状が、滑らかな肌を叩くたびに容赦ない苦痛を刻み込む。そして同時に、彼の下半身はエヴァの奥深くへ極太の剛直を叩き込み、激しいピストンを繰り返している。
「あぁっ! 痛いっ! 痛いぃっ! やめろバカ弟子っ! もっと奥までっ! 抉ってくれぇっ!」
鞭打たれる激痛と、内部から子宮を破壊されるような快感。極限の情報量に脳を破壊されたエヴァの言葉は、完全に支離滅裂だった。拒絶と懇願が入り混じり、自分でも何を言っているのか分かっていない。
しかし、その顔は――どうしようもないほど快楽に狂い、蕩けきっていた。
「……けっ。口では嫌がってても、あの顔を見りゃ一目瞭然だな」
遠くからその有様を眺めていたチャチャゼロでさえ、呆れを通り越して認めてしまうほどだった。
「あんなに幸せそうなツラで犯されてる吸血鬼なんて、前代未聞だぜ」
誇り高き『闇の福音』の面影はどこにもない。そこにあるのは、愛する雄に痛めつけられ、犯されることの喜びに満ち溢れた、一匹の雌の顔だった。
そうして終わりの見えない極限の調教と交尾が続く中――。
エヴァの小さなクリトリスに突き立てられた銀の針の数は、片手の数をとうに超え、彼女の急所を異様な金属のオブジェのように飾り立てていたのだった。
*******
エヴァンジェリンに対する常軌を逸した極限の調教――吸血鬼の真祖を完膚なきまでに雌として屈服させる蹂躙劇を終えた後。ダイオラマ魔法球の荒野には、再び荒々しい打撃音が響き渡っていた。
「オラオラァッ! どうしたネギ! 動きが単調だぜ!」
「くっ……!」
ネギの視界の端を、犬上小太郎の小柄な影が獣のような速度で駆け抜ける。
『闇の魔法』の使用を自ら封じ、純粋な体術と基礎魔法のみでの実戦訓練。それは、写輪眼による「見様見真似」の限界を思い知らされる戦いだった。
小太郎の動きには、型がない。野性の勘と天性の身体能力から繰り出される変則的な連撃は、単発の技をコピーして繋ぎ合わせるだけのネギの防御の隙を、容赦なく突いてくる。
(クウネル……いや、アルビレオ戦に備えて、こいつを鍛えすぎましたね……!)
ネギは内心で舌打ちをした。
かつてネギは、学園長の目を欺きつつアルビレオを打倒するための駒として、小太郎に過酷な特訓を課していた。その結果、小太郎の戦闘力は飛躍的に向上しており、闇の魔法を抜きにした状態のネギでは、決定打を与えられず仕留めきれないレベルにまで達していたのである。
もちろん、魔族化が進んだ現在のネギには反則的な自動回復力があり、チート級の魔力総量もある。長期戦に持ち込めばスタミナと魔力の差で最終的にはネギが圧勝するだろう。だが、短期的には小太郎の変幻自在な連撃に攻めあぐね、防戦一方に回る場面が目立っていた。
「まだまだだな、バカ弟子」
不意に、後方から呆れたような声が降ってきた。
ネギが小太郎との距離を取って視線を向けると、そこには先ほどまで股間を針だらけにされ、白濁と愛液まみれになって狂っていたはずのエヴァが、すっかり衣服を整え、腕を組んで偉そうに立っていた。吸血鬼の超回復力と、ネギの精液(魔力)を腹いっぱいに吸い込んだことで、いつの間にか調教のダメージから完全復活を遂げていたのだ。
(あのクソ生意気なロリババァ……今度また、腹の中が熱くなるほどたっぷりと極太の浣腸をしてやりますからね)
ネギは内心でドス黒い凌辱のアイデアを巡らせたが、実戦で小太郎を仕留めきれていない現状では、その言葉を直接言い返すことはできなかった。
「……マスターの言う通りです。技の連携や変則的な相手への対応力は、一朝一夕には身につきませんね」
「分かっているならいい。今後は小太郎だけでなく、刹那や古菲、楓といった近接戦闘の専門家たちとも、ローテーションで実戦訓練を積むことだな」
エヴァの提案に、ネギは素直に頷いた。
ヒロインたちとの「実戦訓練」は、単なる戦闘技術の向上だけでなく、彼女たちのアーティファクトを酷使させ、さらなる快楽による支配を深める絶好の口実になる。
「——その件に関して、一つご報告があります」
と、そこでずっと計測機器に向かっていた絡繰茶々丸が、静かな声でカットインしてきた。
「どうした、茶々丸?」
「はい。先ほどの訓練データを解析していたのですが……マスターの魔力総量が、以前の計測時よりも明確に増加しています」
「な、何だと?」
エヴァが目を丸くして驚愕の声を上げた。
千雨と茶々丸が学園結界を裏から乗っ取り、そのリソースを『認識阻害魔法』へと全振りしたあの日。エヴァの魔力を抑え込んでいた呪縛はすでに消え去り、彼女は学園内で全盛期の力を振るえる状態になっている。
「馬鹿な。私はすでに全盛期の魔力を取り戻しているんだぞ? 吸血鬼の真祖として何百年も生きてきて、今さら魔力の絶対量(キャパシティ)の限界値が引き上がるなどあり得ない!」
「ですが、事実です。……おそらく、訓練の度にネギ先生の血を吸っていた結果と思われます」
茶々丸が淡々と推測を告げる。
「ぼーやの血……?」
エヴァはハッとしてネギを見た。
ネギの体内には、エヴァの10倍という桁外れのチート魔力が宿っている。その規格外の魔力を孕んだ血を、訓練(という名の調教)のたびに吸い続けていたことで、固定されていたはずのエヴァ自身の魔力の上限値が、文字通り限界突破して引き上げられてしまったのだ。
「なるほど、僕の血がマスターの力を底上げしたと……」
「——ご報告はそれだけではありません」
茶々丸のレンズが、僅かに光を反射した。
「さらに不可解な現象ですが……何故か、それに比例してネギ先生の魔力も増えています」
「……はい?」
ネギは思わず素っ頓狂な声を出した。
「ネギ先生は訓練中、無意識の暴走を防ぐために、常に一定の割合で魔力を使うようにリミッターを設定されていますが、その『使用している魔力の絶対値』が増加しています。また、回復にかかるスタミナの推移から計算しても、全体的な魔力総量が跳ね上がっているのは間違いありません」
その言葉を聞いた瞬間、ネギの脳裏に嫌な予感が閃いた。
(……まさか。あの時の、クソ神の加護って……『今も継続中』なのか?)
転生時、神はネギに『エヴァンジェリンの10倍の魔力』というチート能力を与えた。
ネギはてっきり、それが「転生時点でのエヴァの魔力×10」で数値として固定されているものだと思っていた。だが、茶々丸の報告が事実だとすれば話が変わってくる。
エヴァの魔力が増えれば、それに連動して『現在進行形のエヴァの魔力の10倍になるように、オートでネギの魔力も増幅される』という、とんでもない自動更新システムが組み込まれていたのだ。
(ふざけんな! エヴァが強くなるたびに、僕の魔力まで10倍の比率で増え続けるってことか!? ますます化け物じみて目立つじゃないか!)
ネギは内心で神に悪態をついたが、表情には一切出さなかった。
「……おそらく、『闇の魔法』を常時使用していることによる、魔族化の進行のせいでしょう。魔力回路が変質し、拡張されているのかもしれませんね」
ネギはもっともらしい理由を口にして、その場を誤魔化した。
「なるほど。お前はもう半分バケモノだからな、あり得る話だ」
エヴァも特に疑うことなく納得した様子だった。
(まあ、どーせ元の『エヴァの10倍』の時点でも、造物主(ライフメーカー)みたいな規格外のラスボスに見つかったら一発アウトなんだ。だったら、逆にオートで増え続けてくれる分には、圧倒的な暴力として都合が良いか)
ネギはすぐに思考を切り替えた。
チート魔力がどこまでインフレしようと構わない。圧倒的な力があれば、それだけ世界を、そして女たちを理不尽に支配できるのだから。
「よし。魔力が増えたなら、その分しっかりと消費して扱いに慣れないといけませんね。……というわけでマスター、今日の『補習』はまだまだ続きますよ」
「なっ、バカ弟子! 私はもう十分……ひゃあっ!」
ネギは楽観的な笑みを浮かべながら、再びエヴァの小さな身体を強引に引き寄せた。
果てしない魔力の探求と、終わりのない淫虐の特訓は、こうして魔法世界の扉を開くその日まで際限なく続いていくのだった。