ハズレスキル『発情』が最強種にだけクリティカルヒット!? 人間には効かないゴミスキルを使ったら、赤龍がドMな爆乳美女になって「種付け」を懇願してきた件 作:kokoko146666
蒼海公国ヴェネーラの地下深く。
表社会の喧騒と海風から隔絶されたこの場所には、黄金と魔導の光に彩られた、背徳的な楽園が広がっていた。
地下カジノ『黄金の海月(ゴールド・ジェリー)』。
選ばれし者しか足を踏み入れることを許されないVIPルームに、俺たちは通されていた。
重厚な扉が閉ざされた瞬間、外の喧騒が嘘のように消え失せる。
部屋を支配しているのは、甘く、重く、そして肺腑を焦がすような紫煙の香りだった。
「……ふぅー……」
彼女は長いキセルを指に挟み、ゆっくりと紫色の煙を吐き出した。
その向こう側にある瞳が、俺たちを射抜く。
人間種のように見える。だが、違う。その瞳の奥には、人間には決して宿らない妖しい光――魔性の光が揺らめいている。
裏社会の女帝、ネレイド。
この街の闇を統べる支配者だ。
「本物ね。素晴らしい魔力だわ」
彼女はテーブルの上に置かれた『海神の涙』を一瞥しただけで、そう断言した。
鑑定のルーペなど使っていない。ただ、紫煙越しに眺めただけだ。
「なら、話は早い。これを買い取ってくれ。言い値でいい」
俺が単刀直入に告げると、ネレイドはくすりと笑った。
その笑みに、俺の背筋がゾクリと震える。まるで、蜘蛛の巣にかかった獲物を見るような目だ。
「焦らないで、可愛い坊や。……確かにその石は国宝級よ。買い取ってあげてもいいけれど」
彼女がゆっくりと立ち上がり、ヒールの音を響かせて俺に近づいてくる。
濃厚な香水の匂いが、俺の鼻孔をくすぐる。
彼女は俺の目の前で立ち止まり、冷たい指先で俺の胸板をツツッとなぞった。
「私が本当に欲しいのは……『石』じゃないの」
彼女の視線が、俺の背後にいる二人――ヴァミとシルヴィアに向けられ、再び俺に戻る。
「そこにいる強大な力を持つ美女を手懐け、侍らせるその器……。そして、貴方自身から溢れ出る規格外のエネルギー。……ゾクゾクするわ」
ネレイドは恍惚とした表情で唇を舐めた。
「貴方を手に入れれば、最強の武力が手に入る。貴方が私のものになれば、後ろの二人も自動的に私の兵隊になるでしょう? 石なんて、そのオマケに過ぎないわ」
「……あぁん?」
ドッ、と室温が跳ね上がった。
ヴァーミリオンだ。彼女の髪が炎のように逆立ち、灼熱の殺気がネレイドを襲う。
「誰のものを欲しがっているのですか、この泥棒猫。旦那様は私のものです。その汚い手を離さないと、この店ごと消し炭にしますよ?」
「……ん。邪魔。噛み殺す」
キィィィン……。
反対側からは、シルヴィアが絶対零度の殺気を放つ。
最強種二体の威圧。普通なら、失禁して気絶するレベルだ。
だが、ネレイドは眉一つ動かさなかった。
「ふふっ、元気なワンちゃんたちね。でも、今は飼い主同士の話をしているの。静かにしていてちょうだい」
彼女は最強種を「ワンちゃん」呼ばわりし、俺に向き直った。
「お断りだ。俺は誰かの下につく気はないし、嫁たちを道具にする気もない」
俺はヴァミたちを手で制しながら、きっぱりと断った。
さあ、帰ろう。交渉決裂だ。
そう思って踵を返そうとした時――悪魔の囁きが聞こえた。
「あら、残念。……一生分の『食費』がタダになるチャンスだったのに」
ピタリ。
俺の足が止まった。
背後の二人の気配も固まる。
「……なんだって?」
「賭け(ギャンブル)よ、坊や」
ネレイドはテーブルに戻り、新品のトランプの封を切った。
シャララッ……とカードが切られる音が、静寂な部屋に響く。
「『ポーカー』で私に勝てたら、その石を貴方の言い値で買い取ってあげる。さらに……私が経営するこの街の全てのレストラン、ホテルを『一生無料』で利用できる権利(VIPパス)をあげるわ」
「なっ……!?」
その条件は、今の俺たちにとって、核弾頭級の破壊力を持っていた。
「ご、ご主人様! 一生無料ですって!? あのお魚もお肉も、食べ放題ということですか!?」
ヴァミが俺の肩を激しく揺さぶる。その瞳は、宝石よりも輝いていた。
「……ん。魅力的。食費、浮く。……マグロ、食べ放題……」
シルヴィアもゴクリと喉を鳴らす。
今の俺たちにとって、最大の課題は「食費」だ。最強種二人のブラックホールごとき胃袋を満たすには、オーク狩りや国宝の切り崩しではいつか限界が来る。
だが、「一生無料」なら。
それは、俺たちの未来永劫の安泰を意味する。
「……で、もし俺が負けたら?」
俺は慎重に尋ねた。
ネレイドはカードを配りながら、妖艶に微笑んだ。
「貴方の『所有権』を私に頂戴」
「所有権?」
「ええ。貴方は私の生涯の奴隷(ペット)になるの。すべてを私に捧げる……。私の許可なく言葉を発することも、死ぬことすら許されない。ただ忠実な犬になりなさい」
ハイリスク・ハイリターン。
魂を賭けた勝負だ。
普通なら断る。だが――。
(今の俺のレベルは145だ)
俺は拳を握りしめた。
最強種二人の力を取り込み、人間を超越した身体能力。
そして何より、新規獲得したスキル『野生の勘』がある。
これは、危機や好機を本能的に察知する第六感だ。運の要素が強いポーカーなら、このスキルがあれば負けるはずがない。
「旦那様、やめておいた方がいいです。この女、胡散臭い魔力の匂いがします」
ヴァミが不安げに袖を引く。
「……ん。罠の気配。噛み殺して逃げたほうが早い」
シルヴィアも警戒を解かない。
彼女たちの直感は鋭い。分かっている。
だが、俺の中にある「最強種を従えている」という慢心が、判断を曇らせた。
それに、このまま逃げ帰れば、明日の食費すらないのだ。
「いいだろう。その勝負、乗った」
俺はソファに座り込んだ。
ネレイドの口元が、三日月のように吊り上がるのを、俺は見逃していた。
◇
「契約成立ね。……でも、そこの美女お二人が手出しをすると怖いから、これを書いてもらうわ」
ネレイドが懐から取り出したのは、古びた羊皮紙だった。
そこには血文字のような赤いインクで、複雑な魔法陣が描かれている。
『神の誓約書(ゲッシュ・スクロール)』。
神代の魔法がかかった契約書で、一度サインすれば、たとえ最強種であろうと破ることはできない絶対の拘束力を持つアーティファクトだ。
「条件はシンプルよ。『勝負は一対一』。『第三者の介入禁止』。介入しようとすれば一定時間意識を失うわ。そして『敗者は勝者の所有物となり、いかなる命令にも逆らえない』」
俺は内容を確認し、ペンを取った。
サラサラと署名する。
その瞬間。
カシャンッ……。
耳元で、鎖が鳴るような音がした。
羊皮紙が淡く発光し、俺とネレイド、そして後ろで見守るヴァミとシルヴィアの魂に、見えない鎖が巻き付いた感覚が走る。
心臓がドクンと跳ねた。
これで、後戻りはできない。俺が負ければ逃げ場はない。だが、勝てば一生安泰だ。
「さあ、始めましょうか」
ディーラー役には、公平を期すために魔法仕掛けの自動人形(ゴーレム)が用意された。
ネレイドの息がかかっていない、純粋な機械だ。これならイカサマのしようがない。
ゲームは、1対1のテキサス・ホールデム。
チップの持ち点は同額。どちらかが破産(バースト)するまで続くサドンデスだ。
――第1局。
カードが配られる。
俺は手札をめくる。
……悪くない。『A』と『K』だ。場に出たカードと合わせれば、高確率で強い役ができる。
俺の『野生の勘』も、「行け」と告げている。
(よし、ここは少し強気に賭けるか)
俺はチップを積み上げた。
「レイズだ」
ネレイドは表情一つ変えず、キセルをふかした。
自分のカードをチラリと見る。
「……降りるわ(フォールド)」
パサリ。
彼女は迷いなくカードを投げ捨てた。
俺が勝った。だが、得られたチップは参加料(アンティ)のみ。
手応えがない。まるで暖簾に腕押しだ。
――第2局。第3局・・・
奇妙なことが続いた。
俺の手札に強力な役が入った時に限って、ネレイドは勝負を避けるのだ。
まるで、俺の手札が透けて見えているかのように、開始早々に降りてしまう。
(……慎重なタイプなのか? いや、それにしては勘が良すぎる)
俺の背中に、冷たい汗が伝う。
ヴァミとシルヴィアも、後ろで息を呑んでいるのが分かる。
そして、流れが変わったのは第5局だった。
配られた俺の手札は『2』と『7』。さらにマークもバラバラ。
ポーカーにおける最悪の手札。いわゆる「ゴミ」だ。
だが、ポーカーは心理戦だ。強い役が入っているフリをして、大量のチップを賭けて相手を降ろせば、ゴミでも勝てる。
俺は無表情を装い、チップを大量に上乗せした。
心臓の鼓動を抑え、呼吸を整える。俺のポーカーフェイスは完璧なはずだ。
「レイズだ。……まさか、また降りるのか?」
挑発してみる。
すると、ネレイドは妖艶に微笑み、俺の目をじっと見つめた。
その瞳の奥で、幾何学模様の光が、時計の針のように回転しているのが見えた。
「いいえ。受けるわ(コール)。……さらに上乗せ(レイズ)よ」
カチャン、カチャン……。
彼女は山のようなチップを押し出した。
ドクンッ!
俺の心臓が跳ね上がった。
なぜだ? 今まで慎重だった彼女が、なぜここで乗ってくる?
ハッタリがバレているのか? いや、まさか。
ここで降りれば大損害だ。引くに引けない。
「……コールだ」
カードオープン。
俺はブタ(役なし)。ネレイドは『ワンペア』。
低い手だが、俺よりは上だ。
「あら、残念ね。勇気あるブラフ(嘘)だったけれど」
ごっそりとチップを持っていかれる。
手元の山が崩れる音を聞きながら、俺は確信した。
(おかしい……。俺が強い時は降りて、俺が弱い時だけ攻めてくる……)
そこからは、一方的な蹂躙だった。
俺がどんなに良い手を引いても、彼女は戦わない。わずかなチップを捨てるだけで回避する。
逆に、俺が勝負に行こうとした時だけ、彼女は必ず俺を上回る手札を持っている。
『野生の勘』が警鐘を鳴らし続けている。
『勝てない』『逃げろ』と。
だが、具体的な「イカサマ」の手口が見えない。カードに細工はない。ディーラーも機械的だ。
「どうしたの? 顔色が悪いわよ、坊や」
ネレイドが紫煙を吐き出しながら笑う。
その余裕が、俺の焦りを加速させる。
「……アンタ、何かやってるな?」
「失礼ね。私はただ、『見ている』だけよ」
彼女は自分の瞳を指差した。
その魔性の瞳が、怪しく輝く。
「さあ、ラストゲームよ」
俺の手元に残ったチップは、あとわずか。
配られたカードは……絶望的なほど弱い。
対するネレイドは、勝利を確信した笑みを浮かべている。
「オールイン(全賭け)よ」
彼女が全てのチップを押し出す。
俺に選択肢はない。受けるしかない。
「……コール」
カードが開かれる。
俺の手はワンペア。
ネレイドの手には――『フルハウス』が輝いていた。
「チェックメイトよ、私の可愛いワンちゃん」
◇
ボォッ!!
テーブルの上の羊皮紙が、青白い炎を上げて燃え尽きた。
「ぐ、ぁ……っ!!」
俺の首に、焼けるような痛みが走る。
見れば、黒い魔力の紋様が首輪のように浮かび上がっていた。
隷属の証。
身体が……鉛のように重い。ネレイドに対して敵意を持とうとすると、脳が拒絶反応を起こす。逆らえない。
「貴様ッ! よくも旦那様を!」
ヴァミが激昂し、炎を纏って飛びかかろうとした。
シルヴィアも氷の牙を剥き出しにする。
「殺す……! 噛み千切ってやるッ!」
だが、ネレイドは座ったまま、涼しい顔で指を鳴らした。
「おっと。動かないでちょうだい」
キィィィィンッ!
見えない鎖が、ヴァミとシルヴィアの意識を奪った。
最強種の二人が意識を失ったかのように床に倒れる。
「『神の誓約』は絶対よ。第三者の介入はなしと誓約したでしょ?」
最強種であろうと、世界の理(ルール)には逆らえないのだ。
ネレイドが優雅に立ち上がり、ヒールの音を響かせて俺の元へと歩み寄ってくる。
ネレイドは俺の前に立つと、ハイヒールの爪先で俺の顎をくいっと持ち上げた。
「いい顔ね。絶望と、屈辱に染まった少年の顔……ゾクゾクするわ」
彼女の吐く甘い煙が、俺の顔にかかる。
「今日から貴方は私のモノ。私の犬として、すべて捧げなさい。……返事は?」
「……は、い……ご主人様……」
口が勝手に動く。
魂レベルで服従が刻み込まれている。
悔しい。情けない。
俺は……終わったのか?
一生、この女の奴隷として生きるしかないのか?
ネレイドは満足げに微笑むと、俺の肩を押し、ソファへと倒れ込ませた。
そして、ドレスのスリットから白く滑らかな太ももを露わにし、俺の上に跨った。
「さあ、まずは契約の儀式(キス)をしましょうか。……その後は、たっぷりと可愛がってあげるわ」
彼女の顔が近づいてくる。
真っ赤な唇。勝ち誇った瞳。
濃厚な香水の匂いが、俺の思考を麻痺させていく。
俺の思考は、絶望の中で必死に回転していた。
逆らえない。攻撃できない。敵意を持てない。
『誓約』の縛りは絶対だ。
だが――本当に「何も」できないのか?
禁止されているのは「危害を加えること」と「逆らうこと」。
攻撃はダメだ。殴ることも、魔法を撃つこともできない。
なら……「気持ちよくさせること」はどうだ?
これは攻撃ではない。愛の奉仕だ。
飼い主への、最大級の求愛行動だ。
それなら、誓約には抵触しないはずだ。
(……一か八かだ。やってやる……!)
俺は抵抗するふりをやめ、脱力した。
ネレイドはそれを「諦め」と受け取ったのだろう、油断しきった顔で唇を寄せてくる。
距離はゼロ。
俺はそっと、右手を彼女のドレスの中に滑り込ませ、太ももの内側に添えた。
「……ん?」
ネレイドが訝しげに眉をひそめる。
遅い。
俺のスキルは、接触すれば必中だ。
それに、今はレベル145。スキルの出力も桁違いになっているはずだ。
喰らえ。
そのすました顔を、快楽でドロドロに溶かしてやる。
「――『強制発情(ラスト・トリガー)』、最大出力(フルバースト)ッ!!」
ドクンッ!!
俺の手のひらから、視界がピンク色に染まるほどの衝撃波が放たれた。
それは物理的な破壊力を持たない、純粋な「性欲」の概念エネルギー。
ネレイドの下腹部に、ゼロ距離で叩き込まれた。
「――っ!?」
ネレイドの動きが止まった。
彼女の『魔眼』が、体内に侵入してきた膨大なエネルギーを視認してしまう。
だが、それは彼女の理解を超えるものだった。
龍と狼、二つの最強種すら陥落させた、特級の呪いにも似た快楽の奔流。
「あ、あぐっ……!? な、なに……これ……?」
ネレイドのクールな表情が、ガラガラと崩れ去っていく。
頬が一瞬で朱に染まり、瞳がトロンと濁る。
「熱い……ッ! お腹の奥が……焼けるように……ッ! だめ、私……支配者なのに……こんな……はしたない……ッ♡」
ガタガタと震えだし、彼女は俺の上でうずくまった。
太ももを擦り合わせ、苦しそうに、しかし艶めかしく喘ぐ。
「効いたか……!」
「はぁ……はぁ……ッ♡」
ギラリ、と。
涙で濡れた瞳で、ネレイドが俺を睨みつけた。
「……よくも……やってくれたわね、駄犬……♡」
彼女は俺の胸倉を掴み、引き寄せた。
その顔は怒っているようにも見えるが、口元からは涎が垂れ、完全に発情しきっている。
ドレスの下から、強烈な雌の匂いが立ち上ってくる。
「こんな……身体を火照らせて……どう責任をとるつもり……?♡ 熱いの……お腹の中、マグマみたいに熱くて……おかしくなりそうなの……ッ♡」
「くっ……!」
首輪が締め付けられる。
まずい。彼女の意識がある限り、俺は「所有物」のままだ。
そして、発情したご主人様が、ペットに求めることは一つしかない。
「命令よ……」
ネレイドが、甘く、そして絶対的な響きを含んだ声で告げた。
「私の火照りを……鎮めなさい。今すぐ、貴方のその棒で……私を慰めなさい……ッ♡」