ハズレスキル『発情』が最強種にだけクリティカルヒット!? 人間には効かないゴミスキルを使ったら、赤龍がドMな爆乳美女になって「種付け」を懇願してきた件 作:kokoko146666
蒼海公国ヴェネーラの港には、かつての活気が戻っていた。
海を支配していた白鯨レヴィアタン姉弟が、俺の「支配下(ハーレム)」に入ったことで、魔物による被害がピタリと止んだからだ。
沖を行き交う商船の汽笛が、復興のファンファーレのように響いている。
そんな平和な港を見下ろす、ホテル『ロイヤル・オーシャン』のテラス席。
俺たちは優雅な朝食を楽しんでいた。
「……ん。美味しい。このエビ、プリプリ」
シルヴィアがフォークで器用に伊勢海老の中身をくり抜き、口に運んでいる。
隣ではヴァミが、山盛りのステーキ(朝から)を平らげていた。
「海もいいですが、やはり肉ですね。潮風を浴びながら食べる肉は格別です」
そして、俺の正面には――。
「あらあら、レヴィ。口の周りにソースがついてるわよ?」
「んむ……。お姉ちゃん、とって……」
人間形態の姉レヴィアタンが、弟のレヴィの口元をナプキンで拭ってあげている。
微笑ましい姉弟の光景だ。
レヴィの股間に鎮座するマグナム級の膨らみさえ見なければ、だが。
「ふふっ、商売繁盛で何よりですわ♡」
ネレイドが紅茶を注ぎながら、上機嫌で微笑んだ。
彼女のシノギである海運業も完全復活し、さらに『海神の涙』を言い値で買い取ってくれたおかげで、俺たちの懐もかつてないほど潤っている。
まさに順風満帆。
だが、俺には一つだけ確認しておかなければならないことがあった。
「(……ステータス・オープン)」
俺は紅茶を飲むふりをして、こっそりと空中にウィンドウを展開した。
先日の「姉弟連結」という、倫理観の彼方へ消え去った行為の結果を確認するためだ。
【名前】キサラギ・ユウ
【種族】人間(竜と狼と鯨の伴侶)
【レベル】215
「ぶふっ!?」
俺は紅茶を吹き出しそうになった。
レベル215。
前回の145から、一気に70も上がっている。
最強種を二体(姉と弟)同時に相手取った結果、経験値の入り方がバグったらしい。
【新規獲得スキル】
『海王の抱擁』:水中呼吸可能。水圧無効。泳ぐ速度が魚類を超える。
『無限の体液(タイダル・ウェーブ)』:精力が尽きなくなる。射出量を自在にコントロール可能。
『サイズ可変(イチモツのみ)』:対象の受け入れ許容量に合わせて、自身のサイズを最適化できる。
「(……人間辞めてるな、俺)」
特に下の二つ。完全にエロ特化じゃないか。
ともあれ、これで陸海空、どのフィールドでも戦える身体になったわけだ。
俺が一人で戦慄していると、ネレイドがスッと表情を引き締め、一枚の羊皮紙をテーブルに置いた。
「……さて、ユウ様。楽しいお食事の途中ですが、ご報告があります」
「なんだ?」
「例の勇者パーティ『暁の剣』の足取りが掴めました」
ピクリ。
その名を聞いた瞬間、ヴァミとシルヴィアの手が止まった。
場の空気が、一瞬で張り詰める。
「……どこにいる?」
「西です。山岳地帯にある『鋼鉄都市アイゼン』。ドワーフ族が治める工業国家に滞在しているようです」
ドワーフの国か。
武器や防具の生産で有名な場所だが、観光に行くような場所ではない。
「目的は?」
「ギルドからのSランク指定依頼……陸の最強種、剛獣ベヒーモスの討伐です」
ベヒーモス。
陸上においては無敵の強度を誇ると言われる伝説の魔獣だ。
その突進は山を砕き、その咆哮は大地を割るという。
「……ベヒーモスか。奴らは絶対にまともには戦わないぞ」
俺は確信を持って言った。
レヴィアタン討伐を「囮が使えないから」という理由で断った連中だ。
逆に言えば、陸上で、しかも相手が単調な突進攻撃を得意とするベヒーモスなら――。
「囮が有効だ。迷宮のような岩場に誰かを置き去りにして、ベヒーモスの注意を引きつけている間に、遠距離から魔法で削る……そんな絵図が目に浮かぶ」
俺の脳裏に、かつて自分が足を折られ、赤龍王の前に転がされた時の光景がフラッシュバックする。
あの絶望。あの痛み。
あれを、また誰かに味わわせるつもりか。
「……行くぞ」
俺は立ち上がった。
「俺のような被害者を、これ以上増やしたくない。それに、そろそろあいつらに『ツケ』を払わせる時だ」
レベル215の今なら、勇者アレクシオスごとき、指先一つでひねり潰せる。
だが、ただ殺すだけじゃ生温い。
奴らが築き上げてきた「英雄」という虚飾の名声を剥ぎ取り、社会的に抹殺してやる。
「ふふ、そうおっしゃると思いましたわ」
ネレイドは予想通りと言わんばかりに微笑んだ。
「では、旅の支度を整えましょう」
彼女はチラリと、レヴィアタン姉弟を見た。
「この子たちは、ここに置いていくのがいいでしょうね」
「えっ! ボクも行く! お兄ちゃんと一緒がいい!」
レヴィが身を乗り出し、俺の腕にしがみついた。
股間のふくらみが俺の腕に当たる。相変わらず元気だな、お前。
「ダメよ、レヴィ」
姉レヴィアタンが、弟を優しく、しかし力強く制した。
「私たちは海の生き物よ。人間形態になれるとはいえ、陸地の深部、ましてや乾燥した岩山や砂漠に行くのは負担が大きすぎるわ。魔力切れで干からびてしまうかもしれない」
「うぅ……」
「それに……この海を守るのが、私たちの仕事でしょう? ユウ様が安心して帰ってこられる場所(港)を、私たちが守らなくちゃ」
姉鯨は、しっとりとした瞳で俺を見つめた。
「私はここで、ユウ様の帰りを待っています。……いつでも新鮮なお魚と、私の身体を用意しておきますから♡」
「私もですわ。資金援助や情報収集は、この街から行います。私たちのことは『便利な現地妻』だと思って、いつでも頼ってくださいませ♡」
ネレイドと姉鯨。
大人の女二人が、包容力たっぷりに送り出してくれる。
なんて頼もしい「後方支援(現地妻)」だろうか。
「……分かった。この街は任せたぞ」
「はーい……。お兄ちゃん、絶対帰ってきてね?」
「それはとっておかなくていい! お姉ちゃんに処理してもらえ!」
俺はレヴィの頭をガシガシと撫でた。
「というわけで、行くのは俺と、ヴァミ、シルヴィアの三人だ」
「はいっ! 久しぶりの旅ですね!」
「……ん。ドワーフの街、美味しいものある?」
ヴァミとシルヴィアが立ち上がる。
炎の龍と、氷の狼。
陸上戦において、これ以上ない最強の布陣だ。
◇
数時間後。
俺たちはネレイドが用意してくれた最高級の馬車に乗り込み、ヴェネーラの街門をくぐろうとしていた。
見送りには、ネレイドとレヴィアタン姉弟が来てくれている。
「行ってらっしゃいませ、ユウ様!」
「気をつけてね~♡」
「お兄ちゃーん! 浮気しないでねー!」
手を振る彼女たちに、俺も手を振り返す。
ここに来て本当によかった。
金も、力も、そして帰るべき場所も手に入れた。
馬車が街道を走り出す。
窓から見える景色が、青い海から、険しい山岳地帯へと変わっていく。
「さて……」
俺は視線を前方に向けた。
その瞳に、決意の光を宿す。
「待ってろよ『暁の剣』……今度こそ、お前たちの化けの皮を剥いでやる」
復讐の舞台は、海から陸へ。
鋼と熱の国で、因縁の再会が幕を開ける。