※この作品はR-18です。

ハズレスキル『発情』が最強種にだけクリティカルヒット!? 人間には効かないゴミスキルを使ったら、赤龍がドMな爆乳美女になって「種付け」を懇願してきた件   作:kokoko146666

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第24話:英雄の介入

 ズズズズズンッ……!!

 

 俺の頭上で、凄まじい質量同士がぶつかり合う音が響いた。 地面がクモの巣状にひび割れ、俺のくるぶしまでが土にめり込む。

 

 重い。  流石は「剛獣」と呼ばれる陸の最強種だ。  全長50メートル、体重はおそらく数トン。その踏みつけは、プレス機そのものだ。  レベル215まで上がったステータスでようやく拮抗できるレベル。気を抜けば、俺ごとペシャンコにされかねない。

 

「……ぐっ、ふんっ!」

 

 俺は全身の筋肉を軋ませ、さらに魔力を注ぎ込んで、鋼鉄の蹄を押し返した。

 

「ブモッ……?」

 

 頭上で、ベヒーモスが不審げな鼻息を漏らした。  虫ケラを踏み潰したつもりが、地面の凹凸に引っかかったとでも思っているのだろうか。

 

「……あ、あんた……?」

 

 足元で、ガーネットが呆然と俺を見上げていた。  彼女の瞳は涙で濡れ、顔は恐怖で青ざめている。右足はエレナの魔法で氷漬けにされ、地面に縫い付けられたままだ。

 

 俺は片手でベヒーモスの足を支え、脂汗を垂らしながらも彼女に笑いかけた。

 

「遅くなって悪かったな、ガーネット。……怖かったろ?」

 

「う、うん……怖かった……。死ぬかと……」

 

「もう大丈夫だ。俺が来たからな」

 

 俺は空いている左手で、ベヒーモスの蹄の側面を全力で殴りつけた。

 

 ガギィンッ!!

 

 硬質な音が響き、巨獣の体勢がわずかに崩れる。  その隙に俺はバックステップで距離を取った。

 

「ブモオオオッ!?」

 

 ベヒーモスはよろめきながら数歩後退し、不機嫌そうに蹄を鳴らした。 その姿は、まさに動く要塞。感情などない、ただ破壊のためだけに存在する鋼の塊に見える。

 

「な、なんだあいつは!? ベヒーモスの攻撃を、受け止めた!?」

「ま、まさか……あの時の『荷物持ち』か!?」

 

 背後の高台から、勇者アレクシオスと重戦士ガルドの驚愕の声が聞こえた。  俺は肩越しに振り返り、彼らを冷ややかに見据えた。

 

「よお、英雄サマご一行。随分と無様な逃げ足だったな」

 

「き、貴様……死んだはずじゃ……!」

 

「勝手に殺すな。地獄の底から這い上がってきたんだよ。……お前らに、ツケを払わせるためにな」

 

 俺の言葉に込められた殺気に、勇者たちがたじろぐ。 だが、今はあいつらの相手をしている場合じゃない。まずは目の前の「壁」をどうにかしなければ。

 

 ベヒーモスが再びこちらを向き、鼻孔から高温の蒸気を噴き出した。  殺る気だ。  邪魔な異物を、今度こそ粉砕するつもりだ。

 

「……ご主人様、加勢する」

「旦那様、私たちが焼き払いましょうか?」

 

 左右から、シルヴィアとヴァミが飛び出してきた。

 

「ああ、頼む! 少し時間を稼いでくれ! 俺はガーネットを確保する!」

 

 俺は地面に膝をつき、ガーネットの凍りついた足に手を当てた。  魔力を流し込み、物理的に氷を砕く。

 

 パリンッ!

 

「あ痛っ……!」

 

「歩けるか?」

 

「だ、ダメだ……。感覚がねぇ……」

 

 ガーネットが顔を歪める。凍傷と、矢のダメージが深い。  この場所に置いておくのは危険だ。

 

「……仕方ない。捕まってろ」

 

 俺はガーネットを軽々と持ち上げ、片腕で抱きかかえた。  作業着越しに、豊満すぎる双丘が俺の胸板に押し付けられるが、今はそれを楽しんでいる余裕はない。

 

「よし、行くぞ!」

 

 俺は戦場へと視線を戻した。

 

「消し飛びなさい! 『紅蓮の吐息(クリムゾン・ブレス)』!」

 

 ヴァミが口から灼熱の業火を吐き出す。 岩さえも溶かす超高温の炎が、ベヒーモスを飲み込んだ。

 

 だが――。

 

「ブモッ!」

 

 炎が晴れた後、ベヒーモスは無傷だった。 鋼鉄の皮膚が赤熱することすらなく、平然としている。ただ「煙たい」と言わんばかりに鼻を鳴らすだけだ。

 

「なっ……!? 私の炎が通じないですって!?」

 

 ヴァミが驚愕に目を見開く。

 

「……ん。なら、物理で砕く」

 

 シルヴィアが巨大な氷の魔剣を生成し、音速で肉薄した。 側面からの斬撃。 硬度と速度を乗せた一撃は、山をも両断する威力があるはずだ。

 

 ガギィィィンッ!!

 

 悲鳴のような音が響き、シルヴィアの氷剣が粉々に砕け散った。

 

「……っ! 硬い。手が痺れた」

 

 シルヴィアが顔をしかめて後退する。 ベヒーモスの横腹には、白い傷一つついていなかった。

 

「……マジかよ」

 

 俺は舌打ちした。 聞いてはいたが、ここまでとは。 魔法無効化(アンチ・マジック)の皮膚と、物理攻撃を弾き返す絶対防御。 最強種二人がかりで傷一つつけられない。

 

「ブモオオッ!」

 

 ベヒーモスが咆哮し、ヴァミたちを無視して俺の方へ向き直った。 どうやら、最初に突進を止めた俺を「最大の敵」と認識したらしい。 ドシンドシンと地響きを立てて迫ってくる。

 

「……やるしかないか」

 

 俺はガーネットを抱え直すと、地面を蹴った。 逃げるんじゃない。 向かっていくんだ。

 

「うわあああっ!? 真正面から突っ込む気かあんた!?」 「舌噛むなよ!」

 

 俺はベヒーモスの鼻先へと肉薄し、渾身の右ストレートを叩き込んだ。

 

「らああああぁぁっッ!!」

 

 ドゴォォォォォンッ!!

 

 拳が鋼鉄の皮膚にめり込む。 凄まじい衝撃音が響き渡り、ベヒーモスの巨体がわずかに揺らいだ。

 

 だが、それだけだ。

 

 俺の拳がジンジンと痺れている。 まるで巨大な山脈を素手で殴ったような感覚。 ベヒーモスは、無感情な赤い瞳で俺を見下ろしている。 「それがどうした?」と言わんばかりだ。

 

(……ダメだ。硬すぎる)

 

 レベル215の筋力で殴っても、HPバーが数ミリ減るかどうかのレベルだ。 これじゃ、倒すのに何日かかるか分からない。その前にこちらの体力が尽きる。

 

 ベヒーモスが前足を上げた。 次は確実に潰すという殺意。 物理も、魔法も、小細工も通じない。 この絶対的な「盾」を前に、俺たちには打つ手がないように思えた。

 

 ――いや。  一つだけ、ある。

 

 外側が硬いなら、内側から溶かせばいい。 物理攻撃が効かないなら、生物としての根本――「本能」をハッキングして、その鎧を脱がせればいい。

 

「……ガーネット、しっかり捕まってろよ」

 

「えっ? な、何する気だよ……?」

 

 俺はベヒーモスの巨体を見上げた。 その鉄壁の防御を、俺の「スキル」で貫けるか。 だが、これしか方法はない。

 

「こいつの鎧(プライド)を、無理やり剥がしてやるんだよ」

 

 俺は右手に全魔力を集中させた。 拳に込めるのは、破壊の力ではない。 生物の理性を焼き切り、強制的にメスへと変える波動。

 

「行くぞッ!!」

 

 ベヒーモスの蹄が振り下ろされる直前。 俺はガーネットを抱いたまま、その懐――ゼロ距離へと飛び込んだ。

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