※この作品はR-18です。

原作知識とトリップと(完結)   作:かりん2022

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親友の為に

「御当主様2人いるの? 傑2人いるの?」

「パパでいいよ。本人も希望してたし」

 

 優が混乱して様子で問う。

 五条先生は優を落ち着かせるようにぽんぽんと背を叩いた。

 

「パパ負けちゃう?」

「どうだろ。術式二つ持ちと戦うのはきついかもね」

「パパ勝って」

「そうだね。勝ちたいね」

 

 何せ宿儺を五条は見ていない。見ていないものに対して、判断を下すことはできない。そして、目の前の子どもは次期当主。いい加減なことは言いたくなかった。

 

 さて、その間も、というか五条が育休だからこそ、任務が多い乙骨である。

 依頼の最中に、教祖姿の夏油傑が現れた。写真は事前に確認していたし、すぐにわかった。

 

「やあ、乙骨くん! 私は夏油 傑だよ!」

「夏油さん!? 夏油さんですか!?」

「優には会ったかい? 私が子供なんてびっくりだよね!」

「あの、お話があります。色々聞きたいことが!」

「これはね、悟に式神の作り方を教えてもらったんだ。今はメッセージを伝えるぐらいしかできないけど、熟達すれば双方向で通信可能らしい。君も優に聞いてみるといい」

「ああ、つまり手紙なんですね」

 

 仕方なく乙骨は記録する体制に移る。どうやら、優は先に教祖の夏油に会っていたらしい。

 

「優には監視の目が消えた時にこっそり悟に伝えるように頼んでいたけれど、どうやら私の死体を狙っている者がいるらしくてね。灰原が死んだ等級違いの依頼も、私や悟に大量の依頼を押し付けて疲弊を狙ったのも、全部その人らしい。1000年に渡って暗躍して六眼を殺してきた実績を持つと言うし、してやられたって感じだよね。私は少々怒っている。それはそれとして、非術師が嫌いなのもほんとだけどね。術師だからって、私の体を盗んでそれで悟を傷つける計画だったと聞いて怒らないわけではないよ。それに日本人が丸ごと呪霊になったら術師だって困るだろう。全く、天元様を操られたら困るなら、守秘義務込みで縛りを結べばよかったじゃないか! 天元様を操れる事を知られたくないからって、わざわざ呪詛師に追い込んで別件で秘匿死刑とか、あんまりだと思わないかい!? 護衛任務失敗は申し訳なかったけれども、もっといい方法あったよね!? そのくせ自分達は天元様を操りますなんて、ダブルスタンダードもいいところだよ!」

 

 グッとツッコミを堪えた乙骨。

 情報が多い。六眼を殺してきたとか聞いてない。

 そして夏油を意図的に呪詛師に誘導していたと言うこともほぼ確定か。

 

「乙骨くんは悟に何かあったら優が育つまで当主代理に任命されるそうじゃないか。五条家の血を引いててとても有能だと悟が褒めていたよ。悟なら勝てると信じているけれど、何かゴタゴタしているようだし、君にも一応伝えておくよ」

 

 待って聞いてない。五条先生と親戚ってマジで?

 

「要は、あいつは私の死体を狙っているんだろう? なら、私が死体になれば回収に動くわけだ!」

 

 待って嫌な予感がする。

 

「そこでこの指輪だ! じゃじゃやーん! 女の子になる呪具ー! なんか裏事情に詳しい人が持ってたらしい指輪!! これはね、男を女に変えてしまうんだ」

 

 あっ

 

「うっかりこれを使われた私が、非術師に乱暴されて自害。わかりやすいシナリオだと思わないか」

 

 大丈夫なのか。大丈夫じゃないから優が生まれているのではないか。乙骨はハラハラした。

 

「心配かい? 相手は天元様と同格の術師なのだからね。でも大丈夫! この指輪で変えられた術師はね、どんなマッチョも可憐な女の子になって、術式が使えなくなるんだ! 元は子供の術式を強化するための指輪なのかな? 総監部って怖いもの持ってるよね。 つまり! 私の体を乗っ取っても、戦えなくなってしまう! 自分の頭の良さに惚れ惚れするね!」

 

 ドヤ顔してる場合じゃないが。大丈夫? これループしてない? これで出来た子供が将来過去に飛んでない? というかその「事情通」が羂索じゃない? あっ この時の2人の子供が六眼呪霊操術になるからそう誘導した?

 

「でも罠とばれてはいけないからね! しーだよ、しー」

 

 罠とバレてもそのままお持ち帰り一択だと思うんですけど。

 

「あっ この指輪は危険だからね。悟に使われたりしたら目も当てられない。だから、私が使った後は責任持って信頼できる人間に預けて身を隠してもらうよ」

 

 信頼できる人間って誰ですか。それも羂索の手のものだったりしませんか。

 っていうか、仮にその呪具使って元に戻せると仮定しても、それもって身を隠されちゃったら元に戻れませんよね?

 それに、夏油さんが術式使えなくなっても、呪霊操術持った子供産むまで孕まされるだけだ思うんですけど。あっ 優くん。あっなるほど。

 

「悟には、安心するように伝えてね。迷惑かけてばかりの私だけど、大丈夫。君を傷つけさせはしないから。私、頑張るよ」

 

 優しい顔で、きゅっとスマホを握る手を握る。

 そして教祖夏油は人形の紙人形になった。

 

 乙骨はスマホの動画を五条に送信。

 

 そして急いで学校に戻った。

 

 

「あーもー最悪!!! 動画がハックされたのか、乙骨がメッセージ受け取ったの見られたのか、元から知ってたのか、全部かはわからないけどさ、もう情報広まってる!! 撹乱目的か結構広範囲に広まってる!! 夏油を女にしたのは総監部ではなく自爆ではないか、なんて文句言ってきてるけどさぁ! じゃあ傑に道具渡したのは誰なんだよ!!! なんだこの怖い呪具!!! 呪詛師まで情報広まってるからなんとしてもこっちで確保して破棄しないと!」

「五条先生……」

「とりあえず捜索するけど……傑ー!!!!!!!!」

 

 本当はこんなこと思ってはいけないのだろうけど。

 夏油さんは一回五条先生のお嫁さんになって痛い目みるべきだと思ってしまう乙骨だった。実際痛い目、見たんだろうなぁ……。あ、未来の夏油さんも探さないとなんだ。呪霊祓ってる場合じゃないな。

 

 混乱は収まりそうもない。




マシュマロ
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