※この作品はR-18です。

スキル《人畜 無害》で無双する!誰も敵意を向けないので、乳も尻も触り放題のハーレムを堪能します   作:kokoko146666

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第一話:転移

 ──水曜日の午後だった。

 

 大学の三限が終わり、教室の席を立ったのは最後だった。いや、誰かが話しかけてくるわけでもないし、急ぐ理由もなかった。

 

 「……今日も、喋ってないな」

 

 ポツリと漏れた独り言が、イヤホンの中のBGMにかき消された。キャンパスの廊下をすり抜けて、学生たちが談笑しながら帰っていく。

 

 その輪の中に、俺の姿はない。

 

 人と話すのが嫌いなわけじゃない。ただ、話しかけられないだけ。目が合っても、すぐに逸らされる。会話に割って入っても、気づけば空気になる。

 

 ──きっと、俺みたいなのは“いなくても困らない”んだろう。

 

 鞄を片手に、駅前のコンビニへ向かう。

 

 甘すぎないカフェオレでも買って、帰りにアニメの録画を観よう。昨日投稿されたMAD動画もチェックして──そうだ、フォロワー数がやっと300人超えたんだっけ。

 

 「……ま、現実で友達ゼロだけどな」

 

 苦笑しながら、自動ドアに手を伸ばした。

 

 その時──

 

 「……ん?」

 

 空気が、歪んだ気がした。

 

 自動ドアの奥にあるはずの棚が、にじむように揺らぐ。

 

 耳鳴りのような、機械のノイズのような音が、後頭部の奥から響く。温度感覚が狂い始め、足元から感覚が遠のいていく。

 

 (なにこれ、立ち眩み……?)

 

 ぐらりと視界が傾き、ドアに手をついた。

 

 けれど──触れたはずの扉が、そこに“なかった”。

 

 俺の手は、空を掴んでいた。

 

 そのまま、光が、溢れた。

 

 目を焼くような、純白の光。

 

 前も、後ろも、上も、下も、分からなくなっていく。

 

 耳の奥で、誰かの声が響いた。

 

 ──「選ばれし魂よ」──

 

 思考が、切り離されていく。

 

 世界が、崩れる。

 

 そして、俺は──

 

 どこか“違う場所”へ、落ちた。

 

 

 

 

 ──風が、吹いていた。

 

 頬を撫でる、やけに生々しい風。

 

 肌寒さと草の匂いが、意識の底から現実を引きずり戻してくる。

 

 悠(ゆう)「……ここ、どこだ……?」

 

 体を起こす。見渡せば、視界いっぱいの草原だった。背の低い花が、風に揺れている。

 

 空は異様なほど青く、雲が一つもない。聞いたことのない鳥のさえずりが、遠くの空を飛び交っていた。

 

 悠「……夢、じゃないよな」

 

 痛みを確かめるように、腕を抓る。

 

 ──ちゃんと痛かった。

 

 服は、さっきまで着ていた大学のパーカーとジーンズのまま。カバンもある。スマホは……圏外。再起動しても、変わらない。

 

 悠「何がどうなって……」

 

 そのとき、視界の端に、ふわりと光が差した。

 

 直径15センチほどの、淡く光る“球体”が、空中を漂っていた。

 

 悠「なっ……なに、これ……!?」

 

 その光球が、くるりと一回転したかと思うと──しゃべった。

 

 ???「やっほー。ようこそ、選ばれし魂くん」

 

 悠「えっ……え?」

 

 ???「あ、自己紹介しとくねー。私はフィノ。転移者サポート精霊。今後のチュートリアル、全部私が担当するから、よろしく~」

 

 悠「精霊……? え、本当に、異世界ってこと……?」

 

 フィノ「YES! ここは“アステレア”っていう世界。剣と魔法と、モンスターと、ギルドと、イチャイチャと、バトルと──」

 

 悠「最後の“イチャイチャ”は関係ないだろ……」

 

 フィノ「いやいや、重要。異世界転移者の人生において“異性との出会い”は基本です!」

 

 悠「テンプレかよ……」

 

 悠は立ち上がる。体はちゃんと動くし、怪我もない。けれど、地面は柔らかい草で覆われ、空は知らない色で広がっている。どこをどう見ても、そこは“日常”ではなかった。

 

 フィノ「じゃあ、まずは君のステータス見てみようか。ほら、画面出してー。心の中で“ステータス”って唱えると、出るよ」

 

 悠「……ステータス」

 

 次の瞬間、視界に青白いウィンドウが現れた。

 

【ステータス:日辻 悠】

職業:なし

称号:《転移者》

年齢:21

スキル:《無害》──他者から敵意・拒絶・警戒を向けられない

 

 悠「……無害?」

 

 フィノ「そう。The・スルー力。どれだけ怪しい行動しても、怒られない! 攻撃されない! 叱られない!」

 

 悠「いや、いやいやいや、なんだよこれ……バトルスキルとか、ないの?」

 

 フィノ「ノンノン。戦闘力ゼロ。魔法適性もゼロ。でも、君は“誰からも敵視されない”んだよ。これ、普通に最強じゃない?」

 

 悠「いや、どこがだよ。使い道わからん……」

 

 フィノ「ふっふっふ。まぁ、じきにわかるよ。“無害”ってのがどれだけヤバいか。ふふ……」

 

 悠「……なんで含み笑いすんだよ」

 

 フィノ「いや、なんか久々に“面白そうな奴”来たなって」

 

 悠「うわ、絶対ろくな目に遭わないパターンのやつだ、これ」

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