※この作品はR-18です。

スキル《人畜 無害》で無双する!誰も敵意を向けないので、乳も尻も触り放題のハーレムを堪能します   作:kokoko146666

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第十一話:掃除

 エルナと別れたあと、街の通りをひとりで歩く。

 

 朝の市場は活気に満ちていて、露店の店主たちが威勢よく声を張り上げていた。

 焼きたてのパンの香り、乾いた木箱が擦れる音、人々の足音と笑い声──どれも、どこか懐かしい。

 

 (ああ、やっぱり異世界なんだな……って思う)

 

 エルナと過ごしたあの夜は、夢のようだった。

 けれど、こうして日常に戻ると、妙に現実感が増してくる。

 

 肩に乗るように浮かんでいる、光の粒──フィノが、くるりと回転して俺の顔を覗き込んだ。

 

 フィノ「うっし、悠。いい朝だね〜? 昨夜はよく寝れたって顔してるぅ〜」

 

 悠「うるさい。声がでかい」

 

 フィノ「ふふん、照れてる照れてる」

 

 通りを歩く人々には、フィノの姿は見えていない。

 もちろん、俺が独り言を言っていても、誰も怪しむことはない。《無害》があるから。

 

 ギルドに入ると、朝から混雑していた。

 

 冒険者たちの怒号や笑い声、武器のきしむ音。

 俺はその中をすっと通って、掲示板の前へ。

 

 目立たない。というか、見えてはいるけど、印象に残らない。

 やっぱり、俺はどこまでも“無害”な存在らしい。

 

 フィノ「お、あれ見てみ。あーゆーのから始めんのがいいんじゃない?」

 

 掲示板の中段、地味な文字で書かれていた。

 

 【王国騎士団への雑用派遣:1日任務(※初心者可)】

 

 悠「……地味だけど、まあ良さそうかも」

 

 掃除、整理整頓、搬入の手伝い──明らかに戦闘とは無縁の内容。

 

 他に目立った候補もなく、その紙を剥がして受付に向かう。

 

 受付には、柔らかい茶髪の女性がいた。

 目が合った……気がしたけれど、すぐに書類に目を落とされた。

 

 受付嬢「えっと、はい、雑用ですね。えー……王国直属の“銀翼騎士団”様からの依頼になります」

 

 フィノ「おっ、名前カッコよくない? 銀翼騎士団……キラキラしてそう〜」

 

 悠「静かにしろ、もう」

 

 受付嬢は淡々と説明を続ける。

 

 受付嬢「今日は副団長殿もいらっしゃるとのことなので、問題を起こさないように、指示に従って、黙々と働いてくださいね」

 

 悠「はい」

 

 契約書にサインをして、小さなバッジを受け取る。

 

 “本日限りの臨時補助員”という印が刻まれたそれを胸元に留めると、どこか責任感が生まれた気がした。

 

 ギルドを出て、王城方面へ。

 

 通行許可証の提示を求められることなく、門をくぐる。

 

 ──やっぱり、騎士団の敷地内でも《無害》は通用するらしい。

 

 石造りの建物、整備された訓練場、擦れた靴音。

 

 場違いな気配に包まれながらも、誰からも疑問の視線を向けられることはなかった。

 

 悠(……これ、ほんとにすごいな)

 

 剣を構える騎士、走り込む訓練兵たちの間を、俺はまるで風のように通り過ぎていく。

 

 それでも、仕事の指示はちゃんと通る。

 

 案内役の兵士が無言で手を振り、資料室や物資庫の整頓を任される。

 

 黙々と、書類を並べる。ほこりを払う。

 椅子を運び、食糧箱を並べ、剣の収納棚を直す。

 

 不思議と苦ではなかった。

 

 働くという感覚が、初めてこの世界で自分の手に馴染んだ気がした。

 

 そして、午後。

 

 兵士に案内されて向かったのは、やや装飾の多い石造りの一室だった。

 

 ──副団長室。

 

 案内役「本来、あなたに割り当てられていた業務ではありませんが……副団長殿から“ついでに”と直接依頼がありました。ご在室中ですが、遠慮なく作業を続けてくださいとのことです」

 

 悠「……了解しました」

 

 ノックして、静かに扉を開ける。

 

 中には──ひとりの女性がいた。

 

 凛とした立ち姿。長く束ねた銀髪。細身の体にフィットする騎士服。

 

 その姿は、まるで空気を切り裂く刃のように鋭く、それでいてどこか静けさを纏っていた。

 

 ──副騎士団長、リシア=ヴァルディ。

 

 リシア「……好きに掃除して。私は構わないから」

 

 顔をこちらに向けただけで、すぐに書類に視線を戻す。

 

 悠(え、在室なのに……ほんとに俺が、掃除するのか?)

 

 フィノ「“ついで”に部屋まで任せるって、普通じゃ考えられないよ〜? けど、警戒が全くされてない空気になってる……これが無害のすごさだね」

 

 室内には、鎧や剣だけでなく──

 貴族らしい化粧瓶や、机の隅に畳まれた衣類。

 ソファの肘掛けには、たぶん昨日着ていたらしいシャツ。

 その脇には──明らかに、下着。

 

 悠「……」

 

 リシアは何も言わない。

 こちらを見ようとすらせず、黙々とペンを走らせている。

 

 そんな中、俺はこの散らかった部屋を掃除し始めるのだった。

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