※この作品はR-18です。

スキル《人畜 無害》で無双する!誰も敵意を向けないので、乳も尻も触り放題のハーレムを堪能します   作:kokoko146666

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第二話:戦闘

 フィノ「じゃ、ここからは君の冒険スタートってことで!」

 

 悠「いやいや待て待て、俺まだ現実を受け入れきれてないんだけど……」

 

 フィノ「ふふふ~。でも、時間は待ってくれないよ?」

 

 光球──いや、精霊のフィノは空中でくるくる回りながら軽口を飛ばす。その姿は浮いてるだけなのに、妙に楽しそうで腹立たしい。

 

 けれど、この草原で唯一会話が通じる相手だ。文句は言いつつも、心細さの中で、俺は自然とフィノの存在を頼っていた。

 

 数時間後──

 

 草の道を歩き続けた俺は、地図も方角もわからぬまま、気づけば緩やかな丘にたどり着いていた。

 

 空は、ほんのりオレンジに染まりはじめている。

 

 悠「……そろそろ、どっか泊まれる場所探さないと、マジで詰むな」

 

 フィノ「うん、日没すぎると魔物が活性化するから、下手に動かないほうがいい。……あ、でも安心して。ほら、あそこ」

 

 フィノがフワリと飛び、丘の先を指す。見れば、数十メートルほど下に、冒険者風の人影が見えた。篝火を囲んで休憩しているようだ。

 

 悠「人……! やっとまともな人間だ!」

 

 フィノ「ふふっ、これぞ異世界名物“街道での出会い”ってやつだね。冒険者や商人が街と街の間で泊まるために、半野営することがあるの。とりあえず話しかけてみよっか?」

 

 悠「……うん」

 

 緊張で喉が渇く。

 

 でも、ここで引き返してたら、一生この世界で何もできない。

 

 深呼吸して──俺は、彼らの元へと歩を進めた。

 

 篝火のそばにいたのは、ミントグリーンの瞳をした、ポニーテールの少女。

 

 細身の剣を脇に置きながら、赤く焼けた空をぼんやり見上げていた彼女は、俺の気配に気づくと、ふわりと微笑んだ。

 

 ???「……あれ、旅人さん?」

 

 悠「あっ、えっと……その、すみません。日が暮れそうで……、その、少しだけ火を……」

 

 少女「もちろん。よかったら、こっち来て」

 

 彼女はまるで旧知の友人にでも話しかけるようなトーンで、何の警戒もなく俺に隣の丸太を指差した。

 

 (あれ……? 普通、初対面の男に、こんなに……)

 

 違和感はあった。

 

 でも、それよりも何よりも──

 

 彼女のその笑顔に、俺は救われた気がした。

 

 しばらくして──

 

 フィノ「ん~、これスキル《無害》の効果、もう出てるねぇ」

 

 悠「……やっぱり、あれも?」

 

 フィノ「うん。普通は初対面で焚き火分けてくれたとしても、警戒の目くらいは向けるはず。あれは“好意”じゃなくて、“警戒できない”って状態だよ」

 

 悠「……でも、ありがたいよ。誰にも拒絶されないって、こういう感覚なんだな……」

 

 フィノ「そう。でも忘れないで。“好かれてるわけじゃない”ってこと。あくまで“嫌われない”だけ」

 

 悠「……うん」

 

 だけど、それでも──

 

 今は、これでいいと思った。

 

 少女「そういえば、まだ名前聞いてなかったね。私はエルナ。エルナ・クラリッサ。冒険者やってるんだ」

 

 悠「……俺は、ユウ。日辻 悠(ひつじ ゆう)」

 

 エルナ「ユウ……ふふ、変な名前。でも、ちょっと呼びやすいかも」

 

 篝火の火が、揺れる。

 

 彼女の目元が、オレンジ色に染まっていた。

 

◇ ◇ ◇

 

 パチ……パチ……

 焚き火の赤が、夜の暗さをかろうじて押し返していた。

 

 隣の丸太には、冒険者の少女――エルナが座っている。

 剣を手の届く場所に置き、肩にかけたマントを直す仕草すら絵になるほど、どこか凛としていた。

 

 エルナ「ユウって、不思議な人だね。旅人なのに、魔物避けも持ってないし、地図もないなんて。」

 

 悠「……はは、色々あってさ……。」

 

 思わず苦笑いが漏れる。

 フィノは遠巻きに光を漂わせながら、焚き火の煙に紛れていた。

 

 エルナ「でも、今日は安心していいよ。街道沿いだから、魔物も滅多に出ないし……私もいるから。」

 

 悠「……そうだね。ありがとう、エルナ。」

 

 彼女の笑顔が、ほんのひとときだけ、この世界の恐ろしさを忘れさせてくれる。

 

 フィノ「うんうん、いいねぇ、青春っぽい~。」

 

 悠「お前は黙ってろ。」

 

 ふっと、頬をなでる風が止んだ。

 同時に――空気が、重く変わる。

 

 エルナの表情が一瞬で引き締まった。

 

 エルナ「……ユウ。焚き火を離れて。」

 

 悠「え?」

 

 エルナ「いいから。」

 

 彼女はすっと立ち上がり、剣の柄を握る。

 マントの裾が、ひらりと翻った。

 

 フィノ「……おーっと、来ちゃったねぇ。」

 

 悠「な、何が……?」

 

 耳を澄ます――

 草を裂くような、微かな音。

 

 月明かりの下。草むらが、ゆらりと動いた。

 

 エルナ「……来る。」

 

 次の瞬間、焚き火の明かりをかすめて、何かが低く唸った。

 

 悠「……っ!」

 

 毛並みの荒い、獣の姿が浮かび上がる。

 四肢を伏せ、背を丸め、獲物を睨む眼。

 

 フィノ「スラッシュビーストだね。夜行性で群れを作ることもある……単体でも厄介だよ。」

 

 悠「っ……エルナ、一人でやれるのか……?」

 

 エルナの瞳が、焚き火の光を映して揺れる。

 剣を構える肩が、わずかに震えた。

 

 エルナ「……余裕だって言いたいけど……連戦続きで魔力が……。」

 

 ズ……ッ

 

 獣がにじり寄る。

 唸りが低くなる。

 草の上を滑るような足音が、耳を刺す。

 

 悠(俺には……何もできない……。)

 

 手には武器もない。

 技も知らない。

 立っているだけで、足が震えている。

 

 ――ギャアアッ!

 

 咆哮が、草原の夜気を切り裂いた。

 

 エルナ「来るッ!」

 

 焚き火の周囲を風がうなる。

 エルナが剣を閃かせ、獣と正面からぶつかり合う――

 

 しかし、悠の足は一歩も動けなかった。

 

 エルナの剣が、青白い軌跡を描いて獣の肩を浅く裂いた。

 だが、獣は怯まない。逆に興奮したように、低い唸り声を洩らした。

 

 エルナ「くっ……!」

 

 もう一度踏み込もうとした彼女の動きが、わずかに鈍る。

 荒い息。震える肩。――限界が近い。

 

 フィノ「……マズいね。脚を狙えば止まるけど、あの子の剣じゃ力が足りない。」

 

 悠「……じゃあ……どうすれば……。」

 

 フィノ「どうするの? 君は武器も力もない――。」

 

 悠(そんなの、わかってる……!)

 

 それでも――

 目の前で必死に戦う彼女を、見捨てるなんて――できない。

 

 スラッシュビーストが跳ねた。

 鋭い爪が、エルナの肩を掠め、赤い飛沫が焚き火に散った。

 

 エルナ「っ……ああっ……!」

 

 倒れる――その背を、俺の足が飛び越えていた。

 

 悠「……っ、うおおおおおっ!!」

 

 無我夢中だった。

 気づけば、茂みを蹴って、彼女と獣の間に割り込んでいた。

 

 フィノ「ユウッ!? 馬鹿ッ、やめ――!」

 

 獣の目と、俺の目が合う。

 次の瞬間――

 

 ……何も、起きない。

 

 獣は俺を一瞥すらせず、すっと横に首を向けた。

 俺の存在など、はじめから無かったかのように。

 

 悠「……え……?」

 

 恐怖が一瞬だけ薄れた。

 その隙に、視界の端で何かが転がるのが見えた。

 

 ――朽ちた木の枝。

 

 俺はそれを掴むと、獣の背中に飛びつき、無我夢中で振り下ろした。

 

 バキッ!

 

 獣の頭が揺れ、低い唸り声が漏れた。

 

 エルナ「ユウ……!? 何を――」

 

 悠「俺が……俺がやる!」

 

 枝が砕ける感触と、獣の体温が手のひらを焼く。

 枝が折れた。今度は落ちていた石を握った。

 

 何度も、何度も――背中を、首筋を叩きつけた。

 

 ギャアッ……!

 

 獣が低い悲鳴をあげ、地面に崩れ落ちる。

 

 エルナは茫然と、その様子を見ていた。

 

 悠「……はぁ……はぁ……!」

 

 フィノ「……すご……。これが《無害》の本質……“敵視されない”って、こういうことなんだ……。」

 

 俺の手のひらに、血がついていた。

 

 獣の体はもう動かない。

 

 それでも――

 心臓だけが、狂ったように暴れていた。

 

◇ ◇ ◇

 

 ……静かだった。

 

 焚き火の赤は弱くなり、夜気に揺れる火の粉が頼りなく空へ昇っていく。

 

 スラッシュビーストの死骸のそばに、俺は座り込んでいた。

 足元には砕けた枝と、血のついた石。

 震える指先で、それを何度も見つめてしまう。

 

 エルナは、少し離れたところで肩を押さえていた。

 魔法で止血したのか、血はすでに滲んでいない。

 それでも、あの強い瞳は、どこか怯えたように揺れていた。

 

 フィノ「……どう? 生きてる実感、ある?」

 

 焚き火の奥で、フィノがふわりと浮いていた。

 月明かりを背に、光球の輪郭が揺れている。

 

 悠「……これが……俺が殺した命か……。」

 

 小さく呟いた声が、夜気に溶ける。

 

 フィノ「君がやらなきゃ、彼女が死んでたよ。」

 

 悠「わかってる。……でも……。」

 

 頭の奥がぐらりとする。

 胃の底が冷たくなる。

 でも、手のひらの感触だけは、どこにも逃げてくれない。

 

 エルナが、そっとこちらに近づいてきた。

 彼女の瞳が、焚き火に照らされて揺れる。

 

 エルナ「……ユウ、ありがとう。……本当に、ありがとう。」

 

 かすれた声。

 その一言で――胸の奥が、ふっとほどけた。

 

 悠「……俺がいなかったら……エルナは……。」

 

 フィノ「そう。君の《無害》は、敵には攻撃されない。」

 

 悠「……ズルい力だな……。」

 

 フィノ「うん。でも孤独でもある。戦場のルールから、君だけ外れてるんだよ。」

 

 言葉が、冷たく心に刺さった。

 自分だけ“被害を受けない”。

 だから誰も、俺を“戦力”としては見ない。

 

 それでも――

 

 悠「……でも、助けられた。……俺でも……。」

 

 焚き火の火が、小さくパチリと弾ける。

 東の空が、わずかに青みを帯びてきた。

 

 誰かに必要とされたこと。

 自分の存在が、誰かを救えたこと。

 

 ――それが、たまらなく、嬉しかった。

 

 悠「……これが……俺のスキルか……。」

 

 フィノ「そうだよ。君だけの力。……どう使うかは、君が決めるんだ。」

 

 朝が、もうすぐ来る。

 

 命を奪った手を握りしめて、俺は心の奥で、何かを決めた。

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