スキル《人畜 無害》で無双する!誰も敵意を向けないので、乳も尻も触り放題のハーレムを堪能します 作:kokoko146666
王都アルゼノア──。
それは、異世界アステレアの中心に位置する巨大な街だった。
城壁は高く、門は分厚く、街道沿いには数え切れないほどの商人と冒険者が行き交っている。小高い丘の上から見下ろしたとき、俺は思わず息を呑んだ。
悠「……これが、“異世界”か」
一歩踏み出すたび、土と石の感触が足裏に伝わる。遠くに鐘の音が響き、道端では獣耳の商人が果物を売っていた。魔法で動く荷車や、浮遊する灯りの球──幻想的な風景のすべてが、“現実”として目の前にある。
フィノ「アルゼノアは転移者たちにも人気の“スタート街”だよ。依頼も人材も多いし、情報も豊富。ここを拠点にするのは正解~♪」
悠「……まぁ、まずは“生きていける場所”を確保しないとな」
手持ちの金は、昨日エルナと倒した魔物の素材を小銭に換えて残った数枚の銀貨。飯と宿で消えるまで、あと数日分といったところか。
フィノ「というわけで、はい、最初のイベント! じゃじゃーん!」
浮かび上がった目的地──それは、街の中心に位置する冒険者ギルドだった。
門構えは大きな石造り。屋根には剣と翼の紋章。中からは、武具を打つ音と、酒場の喧騒のような賑わいが漏れてくる。
悠「……こっちで言うところの“職安”みたいなもんか?」
フィノ「イメージ的にはそんな感じ。でももっと殺伐としてるかも。依頼をこなすことで報酬が得られて、信用度=ランクが上がっていくんだよ」
ギシ……と重い扉を開けると、すぐに熱気が押し寄せた。
鎧を着た男たちが酒を飲み交わし、魔法使い風の女が依頼掲示板を読み上げ、カウンターには金髪の受付嬢が忙しそうに応対していた。
場違い感がひしひしと肌に刺さる。
(……正直、怖い)
けど──ここを越えなきゃ、この世界で何も始まらない。
勇気を振り絞って、カウンターに向かう。
悠「……あの、すみません。冒険者になりたいんですけど……」
受付嬢「はい、初登録ですね? ギルドカードの発行には身分確認とスキル確認が必要になります。少々お時間いただきますがよろしいですか?」
悠「はい」
淡々とした口調だったが、彼女の目に敵意はなかった。というより──俺のことを“気にしていない”ようにすら感じた。
受付嬢「では、魔力認証を行います。こちらに手を」
台座のような水晶に、右手をかざす。次の瞬間、淡い光が立ち上り、目の前にステータスウィンドウが浮かび上がった。
【ステータス:日辻 悠】
職業:なし
年齢:21
スキル:《無害》
受付嬢「……ふむ。スキルは《無害》、ですね。はい、大丈夫です」
さらっと流された。
悠「あれ……内容、確認しなくていいんですか?」
受付嬢「特に危険性のあるスキルではないと判断されましたので」
悠「……そっか」
フィノ(小声)「ふふふっ……ほらね。“読まれても疑問に思われない”って、けっこうすごくない?」
悠(……これが、《無害》の効果か)
受付嬢「ギルドカードの発行、完了しました。こちらをお持ちください」
そう言って差し出されたのは、金属製の小さな板だった。俺の名前、年齢、そして“スキル《無害》”と刻まれた情報が簡素に記されている。
悠「……ありがとうございます」
カードを受け取る手が、少しだけ震えていた。なんというか、“ここにいていい”と証明されたような気がした。
受付嬢「ギルドランクは初期の『F』。今後は依頼をこなして信用を積めば昇格していきます。無理のない範囲で挑戦してみてください」
悠「はい」
受付の女性が俺の前から目を離し、次の客に応対を始めた瞬間、肩の力が抜けた。
(……誰も、俺を疑わない)
街でも、ギルドでも。それは安心でもあり、妙な居心地の悪さでもある。
フィノ「ふふ、あっさり終わっちゃったねぇ。まぁ、《無害》って、危険性の説明すら“する気にならない”スキルだからなぁ」
悠「説明しても、きっと“ふーん”で終わる感じなんだろうな」
フィノ「うん。スキルの内容まで読める水晶でも、使う側の人間が“その価値に気づこう”ってしなきゃ、何も変わらない。……だからこそ、君みたいな人間が使うと、破壊的になるんだよね」
悠「やっぱチートなのかな、これ……」
フィノ「ぶっちゃけ、使いよう次第では、どの戦士より強いと思うよ? だって昨日の魔物、真正面から近づいて、叩き落とせたじゃん。普通はありえないよ」
昨日──
スラッシュビーストの背に飛び込んで、首筋に石を叩きつけた感触が蘇る。
エルナの肩に咲いた、あの血の色。
(俺が……助けられたんだ)
いまだに信じられない。
でも、あの瞬間、あの選択をしたのは紛れもなく俺だ。
そして彼女は──
「……ありがとう」って、笑ってくれた。
フィノ「さーて。登録も終わったし、次は依頼受ける? それともエルナちゃんに会いにいく?」
悠「なっ、なにを……!」
フィノ「ふふっ。気になるんでしょ?エルナちゃんのこと」
悠「そんなんじゃ──」
でも、言い切れなかった。
胸の奥が、どこかざわめいたのを、否定できなかった。
受付横の壁には、無数の依頼が貼り出されていた。中には簡単な雑用もある。だが今の俺には、どれも手が出せそうにない。
(どうせなら、誰かと組めたら……)
そんな考えがよぎった時だった。
ふと、掲示板の前に立つ見慣れた後ろ姿が、目に入った。
細身の背中にポニーテール。片手には細剣。昨日、俺が命を賭けて守った──
エルナ「…………」
彼女が、そこにいた。