スキル《人畜 無害》で無双する!誰も敵意を向けないので、乳も尻も触り放題のハーレムを堪能します 作:kokoko146666
──掲示板の前に、彼女はいた。
ポニーテールを軽くまとめ、細剣を背に下げた冒険者姿の少女。
ミントグリーンの瞳が、依頼書のひとつひとつを真剣に読み込んでいる。
エルナだ。
昨日、一緒に焚き火を囲み、命を懸けた戦いを共にした――あの夜の面影が、ほんのりと残る横顔。
悠「……」
俺は迷った。
声をかけてもいいのか。
ただ一夜をともにしただけで、彼女にとって自分は“助けてくれた誰か”でしかないんじゃないか。
でも、そのまま通り過ぎることもできなかった。
あの夜、間違いなく、俺は彼女を――そして、自分を変えたのだから。
悠「……エルナ」
静かに名前を呼ぶ。
その瞬間、彼女の肩がふっと揺れ、すぐにこちらを振り返った。
エルナ「……ユウ?」
ミントグリーンの瞳が、俺を捉える。
その表情に、驚きと……ほんのわずかな、安心の色がにじんだ。
エルナ「わ……ほんとに会えた」
悠「うん、こっちもびっくりした」
お互いに少し笑って、それからどちらともなく目を逸らす。
悠「……無事でよかった」
エルナ「うん。ユウこそ。あの後、ちゃんと街に来れたんだね」
悠「うん。会えてよかったよ。朝起きたら、もう出発してたみたいだったから」
エルナ「そうだったんだ。……うん、ごめん。ちゃんと、挨拶すればよかったよね」
悠「いや、そんな……俺のほうこそ」
ぎこちないけど、居心地は悪くなかった。
どこか、互いに“昨日の続きを踏みにじりたくない”ような、そんな空気が漂っていた。
エルナ「実は、昨日のこと……まだちゃんと、お礼言ってなかったなって思ってて」
悠「え……」
エルナ「本当に、ありがとう。助けてくれて」
その声は、まっすぐだった。
照れ隠しも、よそよそしさもない。ただ、感謝を込めた真剣な眼差し。
悠「……そんな、大したことしてないよ。俺、何もできなかったし」
エルナ「でも、助けてくれた。私、あのままじゃ……」
彼女は言葉を飲み込んだ。
そして小さく笑って、続けた。
エルナ「……だから、またどこかで会えたらいいなって。思ってたんだ」
悠「俺も」
それは、言葉よりもずっと静かに――でも確かに、互いの心を近づける一言だった。
言葉が途切れた後も、ふたりの間に妙な間があった。
けれど、居心地は悪くなかった。
悠「……あのさ。もしよかったら、一緒に依頼、やってくれない?」
エルナ「え……?」
俺の言葉に、彼女はわずかに目を見開いた。
悠「いきなりじゃなくていいんだけど、ほら、初心者向けの雑用とかもあるみたいだし。俺、ギルド登録したばかりで勝手が分からなくて……一緒に行けたら、心強いなって」
少しの沈黙。
エルナは視線を掲示板に戻して、何かを探すふりをしながら、そっと口を開いた。
エルナ「……いいよ」
悠「え?」
エルナ「一緒に行こ。初心者向けなら……軽い依頼もいくつかあるし、ちょうど誰かと組もうかなって思ってたから」
そう言った彼女の目は、昨日より少しだけ柔らかかった。
エルナ「それに……」
言いかけて、やめた。
そして代わりに、小さく笑った。
エルナ「こっちも、君がそばにいてくれると、安心できそうだから」
その言葉に、胸が熱くなった。
《無害》のスキルがあるから、近づいても警戒されない。
でもこれは──たぶん、スキルじゃなくて、俺自身に向けられた“ありがとう”の続きだった。
悠「……うん。よろしく」
そう言った俺の顔が、少しだけ緩んでいたのを、自分でも感じた。
少し離れた通路の隅で──
フィノ「ふふっ、距離縮まってる縮まってる。エルナちゃん、意識しはじめてるね〜」
悠「うるさい、声でかいって」
反射的に返した瞬間、隣を歩いていた若い冒険者が、ちらりとこちらを見た。
冒険者「……なんだ、独り言?」
仲間らしき人物が笑いながら肩をすくめた。
冒険者仲間「いいじゃん。独り言多いやつもいるよ。変な奴だけど、危ない奴ではないだろ」
悠「……」
内心でゾッとした。
今、完全に“フィノに返事してる俺”を見られてた。
なのに、疑われない。怪しまれない。
……いや、そうか。
悠「……おい、フィノ。もしかして……お前って」
フィノ「気づいた?」
悠「……俺にしか、見えてないのか?」
フィノ「正解っ☆ 精霊だからね。この世界のルール上、“縁を結んだ人間以外には可視化されない”って仕様なのだ〜」
悠「お前、なんでそれ先に言わなかった……!」
フィノ「言うタイミングなかったし〜? まぁ《無害》のおかげで誰も気にしてないし、結果オーライってことで♪」
悠「……」
そうして、俺はまたひとつ──
この世界と、このスキルの異常さを、実感することになった。