スキル《人畜 無害》で無双する!誰も敵意を向けないので、乳も尻も触り放題のハーレムを堪能します 作:kokoko146666
昼下がりのギルドは、朝方よりも落ち着いていた。
受付カウンターには依頼者らしき老人がひとり、窓口の奥で紙に何かを書き込んでいる。
掲示板の前では、数人の冒険者が肩を並べて依頼書を吟味していた。
エルナ「初心者向けで軽めのやつなら……ここかな」
彼女は指で掲示板の中ほどをなぞり、一枚の依頼をそっと引き抜いた。
悠「えっと……“スライムの巣調査と、個体数の簡易討伐”?」
エルナ「うん。スライムは小さな魔物だけど、巣を作って増えると厄介になるから、定期的に掃除されてる。森の浅い場所だし、危険度は低め」
悠「なるほど」
目を通す限り、報酬も銀貨2枚程度と地味だが、俺たちの“初仕事”としてはちょうどよさそうだった。
エルナ「じゃあ、これ受けに行こ」
カウンターに依頼書を提出すると、窓口の女性が軽く頷いた。
受付嬢「スライム巣駆除ですね。対象はウィローの林、北端のくぼ地。規定数は3体以上の撃破と、痕跡の記録提出になります」
悠「記録って……どうやって?」
受付嬢「はい、こちらの記録石をお使いください。討伐した魔物の残滓を触れさせれば、討伐証明が蓄積されます。戻ったらカウンターへ」
悠「わかりました」
記録石──握りこぶしくらいの大きさで、うっすらと魔力がこもっている感触がある。
小さな袋に入れて腰に吊るすと、妙に“それっぽい”雰囲気になった気がした。
エルナ「初仕事、緊張してる?」
悠「まあ……ちょっと」
エルナ「大丈夫だよ。スライムは基本的に単体じゃ何もできないし、君、反応いいから意外と動けるタイプかも」
悠「……ほんと?」
エルナ「うん。昨日見てて思った。危ない場面で、すっと入ってきてくれたし」
昨日──あのスラッシュビーストとの戦い。
あの時の、彼女の目と声を思い出す。
悠「……ありがとう」
エルナ「ふふ。じゃあ、いこっか。森は西門のほうが近いよ」
ふたり並んでギルドを出ると、日差しがほんの少し柔らかくなっていた。
西門から外へ出ると、風景ががらりと変わった。
石畳の通りが土に変わり、道の両脇には背の高い草と、風に揺れる葉のざわめき。
木々の間から差し込む光が、まるで緑のカーテンのように揺れていた。
エルナ「ここをまっすぐ。十分も歩けば、ウィローの林に入るよ」
悠「なんか……“冒険”って感じだな」
エルナ「ふふ。初めてだもんね、ちゃんとした依頼で外出るの」
歩幅を合わせるようにして並んだまま、林道を歩いていく。
前を歩くエルナのポニーテールが、風に揺れるたびにふわりと揺れて、彼女の肩越しにかかる光がやけに印象に残った。
すると、耳元でひそひそ声が。
フィノ「……なんか、いいねぇ。デートじゃん、これ」
悠「……違う」
思わず小声で返してしまう。
フィノ「違わないよ〜。かわいい子と森デートでしょ。ふたりきり。しかもその子、君のこと全然警戒してない。やばくない?」
悠「だから、それは……《無害》の効果で」
エルナ「ん? なにか言った?」
悠「い、いや、なんでもない!」
慌ててごまかす。しまった、声が出てたか。
エルナは少しだけ首をかしげて、それでも何も言わなかった。
悠(……やっぱ、フィノって俺以外には見えてないんだよな)
ギルドでもそうだった。誰も不審がらないのは、きっと《無害》が効いてるからだ。
でもそれでも、“独り言を話してるやつ”に見えてるのは間違いない。
フィノ「いいじゃんいいじゃん。そういうの、むしろ天然っぽくてモテるんじゃない?」
悠「……今は仕事中だって」
少しだけ気を引き締め直して、エルナの横に並び直す。
ふたりで黙って歩く時間が、不思議と心地よかった。
やがて、道の先が開ける。
エルナ「……あった。あれが、スライムの巣」
目の前に広がっていたのは、窪地になった草地の一角。
土の色が濃く染まり、木の根元や石の裏に、粘液のような光沢が見えている。
エルナ「慎重にいこう。スライムは鈍いけど、油断してると粘液で武器が滑るから」
悠「了解」
腰の袋にしまった記録石を確認し、そっと息を整えた。
窪地のまわりをぐるりと回りながら、ふたりでスライムの巣を確認していた。
巣穴と見られる地面の割れ目。粘液の痕。周囲の地形。
エルナは慣れた手つきで確認し、俺はその横で記録石を取り出して反応を確かめる。
エルナ「……この感じなら、あと1体くらい残ってるかも」
悠「こっちにも痕跡ある。こっち側から出入りしてるっぽい」
エルナ「じゃあ、林の奥側を見てみよっか。細いけど獣道っぽいのあるし」
彼女が指さしたのは、窪地を回り込むように伸びた、半ば草に隠れた獣道だった。
木の根が浮き、道幅は人がひとり通れるかどうかの狭さ。
先を行くのはエルナ、俺がその後ろに続く。
──その時だった。
エルナがふいに立ち止まった。
エルナ「……っ!」
悠「うわっ、ご、ごめ──っ!」
俺の身体が、前のめりに崩れる。
足場が滑った。バランスを崩した拍子に、俺の体がそのまま、エルナの背に密着する。
胸が、背中に。腹が、腰に。脚が、ふとももに。
全身が、ぴったりと。
エルナ「っ……ん……!」
息が漏れる。
その声が、思ったより色を帯びていて、俺の心臓が跳ねた。
急いで身体を離す。
悠「ご、ごめん! 足が……」
エルナ「だ、大丈夫……こっちこそ、急に止まっちゃって……」
彼女は顔を背けたまま、小さく笑っていた。
その笑顔に、どこかぎこちなさが混じっていたのを、俺は見逃さなかった。
──あれは。
ほんの一瞬だったが、彼女の身体が、確かに震えた。
拒否ではない。
あれは、明らかに“反応”だった。
エルナ「……こ、こっち。スライムの痕跡、まだ続いてる」
声は普通だった。
でも、耳が赤くなっているのが見えた。
悠(……やっぱり、感じてた……?)
俺はまだ、何もしていない。ただ、ぶつかっただけ。
でも、エルナの身体は──
フィノ(耳元で)「ふふっ、効いてる効いてる〜」
悠(……違うだろ)
思わず、目を伏せた。
これはスキルのせい。
自分の意志とは関係ない。
でも……だからこそ、彼女の戸惑いが、胸に刺さった。
獣道の先、ぬかるんだ地面の中央に、それはいた。
透明な膜の中に、淡く光る核。ずるりと動く粘体──スライム。
悠「いた」
エルナ「うん。……距離、詰めるよ」
細剣を抜きながら、彼女は低く構える。
スライムはのそのそとした動きだが、跳ねたり分裂したりすれば面倒だ。正面から刺し込むのが基本らしい。
エルナ「私が注意を引くから、後ろに回って核を狙って」
悠「了解」
エルナが一歩前に出ると、スライムの膜がぶるんと揺れた。
ぴちゃ……と音を立てて、跳ねる。それは攻撃なのか、ただの反応なのか。
だが俺には、飛びかかってくる気配はない。
悠(……やっぱり、《無害》が効いてる)
相手は俺を認識しているのに、襲おうとしない。
そのまま、静かに背後へ回り込む。エルナの声が飛ぶ。
エルナ「今!」
悠「っ!」
手にしていた小型の刃を、スライムの後方に突き立てた。
ぶしゅっ、と粘液が弾け、核が潰れる音がした。
スライムの身体が、一瞬ぷるりと震え──そのまま崩れるように沈んだ。
悠「倒した……!」
エルナ「うん、完璧!」
ふたりの息が重なり合った。
記録石を取り出し、液に触れさせる。淡く光って、討伐記録が刻まれる。
これで、規定の三体目。依頼達成だ。
ギルドに戻ると、受付嬢が記録石を確認し、報酬の銀貨二枚と小さな紙袋を差し出してきた。
受付嬢「依頼達成、おめでとうございます。こちらが報酬と、簡単な補給品になります」
悠「ありがとうございます」
受け取った袋の中には、携帯用の傷薬と小さな干し肉が入っていた。
冒険者にはありがたい配慮らしい。
エルナ「ふぅ……終わったね」
ギルドの外に出た瞬間、エルナが軽く伸びをした。
光の中、彼女の笑顔がやけに眩しく見えた。
悠「ありがとう、今日は本当に助かった」
エルナ「ううん、こっちこそ。……ユウって、意外と戦いやすいかも」
悠「え?」
エルナ「なんだろ、背中預けても“ぜんぜん気にならない”っていうか。……変な意味じゃなくてね?」
慌てて付け足す彼女の頬が、少しだけ赤くなった。
エルナ「でも、すごく戦いやすかったのは本当。また、組もうね」
その一言が、妙に嬉しかった。
誰かと一緒に動くこと。信頼されること。
そんな感覚が、ゆっくりと自分の中に染み込んでくる。
悠「……うん、ぜひ」