生精のフリーレン 〜白銀の奔流〜 作:迎乱のアナルハント
断頭台のアウラは、確信していました。
目の前のエルフがどれほど魔力を隠そうとも、500年以上を魔力の研鑽に捧げた自分を上回るはずがないと。
「――『服従させる魔法』(アゼリューゼ)」
アウラが掲げた「服従の天秤」が怪しく光り、フリーレンとアウラ、両者の魂が手の上に乗ります。アウラの魂が乗る皿は、その強大な魔力によって一気に沈み込み、対するフリーレンの皿は頼りなく浮き上がったままでした。 「私の勝ちね、フリーレン。その魂、永遠に私の操り人形にしてあげ・・・」
「アウラ、想像力が足りなかったね」
フリーレンが静かに告げた瞬間でした。
彼女が常時展開していた超一流の「隠蔽魔法」が、音を立てて解除されました。
ドォォオオォン!!
アウラの目の前で、空間を歪めるほどの凄まじい魔力による圧が膨れ上がりました。同時に、隠蔽されていた「負荷を代償に力を得る魔法(エヤクリアツィオーン)」の全貌が露わになります。
2メートルを超え、人間の胴体ほどもある極太の「槍」。そしてスイカをも凌駕する巨大な睾丸。全身から溢れ出す、銀河を思わせる濃密な魔力の奔流。
「な……………な、何、これ・・・・・・!?嘘よ、あり得ないわ! こんな・・・・・・こんな太くて、禍々しい魔力の塊なんて・・・・・・!!」
アウラの悲鳴が響く中、天秤は物理法則を無視した勢いで跳ね上がり、フリーレン側の皿が地面を叩き割るほどの重さで沈み込みました。アウラの魂は、その圧倒的な質量の前に、塵のように舞い上がります。
天秤が、完全にフリーレンへと傾きました。
「・・・・・・信じられない。私、七崩賢のアウラが・・・・・・こんな、下品で野蛮な魔力に屈するなんて………………ッ!」
アウラの全身がガタガタと震え始めます。服従の魔法が、発動主である彼女自身へと逆流していく。精神がフリーレンの支配下に置かれ、抗うことのできない絶対的な服従心が彼女の魂を塗りつぶしました。
フリーレンは、脈打つ自らの巨大な器官を携えたまま、冷徹な瞳でアウラを見下ろしました。
「アウラ、君たちの言う「全魔力」なんて、この魔法の「負荷」に比べれば安いものだよ。………………命令するね」
「あ、あ、あ……っ」
「「負荷を代償に力を得る魔法(エヤクリアツィオーン)」を使用して、全魔力を即時精子へ変換して全放出。アウラ、射精しろ」
アウラの目が、驚愕と絶望、そして強制的な生理反応によって見開かれました。
魔族の体は魔力そのものです。その「全魔力を精子へ変換する」という命令は、自らの存在そのものを白濁した生命の源泉へと作り替えるという、残酷な崩壊を意味していました。
「あ、あッ!体が、熱い!私の魔力が、ドロドロに、溶けて・・・っ!ああああーッ!!」
アウラの四肢から、胴体から、かつてない強烈な光が溢れ出しました。
全身が巨大な睾丸と化したかのような錯覚。身体の芯から、脊髄を突き抜けるような電撃的な快感が奔流となって彼女を襲います。
「あ、あ、は、はぁあああああ!気持ち、いい……っ、消える……………っ、私が、真っ白に、なっちゃうぅぅうッ!!」
アウラの体は、四肢が徐々に1.5メートルの陰茎へと変わり、そこから粘性を帯びた純白の液体が放出されて地面へ滴り落ちていきます。存在を構成する魔力が、臨界点を超えた「放出」によって外部へと緊急排出されていく。
絶頂の果ての開放感と、存在が消滅する安堵感。アウラの表情は、恐怖を通り越し、得も言われぬ恍惚の色に染まりました。
「あ、あ"、し、あわせ……つ!!!!???」
パァンッ!と、最期の魔力が弾けました。
そこにはもう、七崩賢のアウラの姿はありませんでした。ただ、彼女がかつて存在した場所には、巨大なクレーターを埋め尽くさんばかりの、温かく独特の臭気を放つ「生命の源泉」が湖のように広がっているだけでした。
「うッ……ふぅ。これで一人、片付いたね」
フリーレンは、事後の余韻で少しだけ赤らんだ顔を拭い、隠蔽魔法を再開しました。
フェルンが近くに寄ります。
「フリーレン様・・・・・・アウラが、あんなに幸せそうな顔で消えるなんて。皮肉ですね」
「そうだね。でも、これで魔王軍残党も少しは大人しくなると思うよ」
一行は、白く染まった戦場を後にしました。
シュタルクだけが、服に付いた「アウラの残骸」を必死に拭いながら、「・・・・・・もう、帰りたい」と小さく呟いていました。