ひろ子の隣で横になるも、不覚にも男は眠ってしまった。
男は名誉挽回のため、2回戦に挑むが…。
このストーリーの原点となる記憶が、この日から男の心の奥底に淀み、
長年、男を苦しめ続ける。
惨めさと絶望感に包まれて、ひろ子に背を向けて眼を瞑っていた男は、不覚にも眠りに落ちてしまっていた。
──どれほど時間が経ったのだろうか。
下腹部にぬるりとした感触を覚え、男は「はっ」と目を覚ました。
首を起こして下半身に視線を向けると、ギョッとする光景が飛び込んできた。
ひろ子が、男のチ◯ポを咥え、嬉しそうにしゃぶっていたのだ。
「な、何をしているんだ……!」
驚愕の声をあげる男に、ひろ子は唇を離して微笑みながら答えた。
「あ、起きた?また勃ってきたよ。ホント、大きいね。フフフ。」
そう囁くと、手で熱を帯びた肉棒を上下にシゴき、舌で亀頭を舐め回す。
敏感なカリをチロチロと舐め上げられるたびに、男の身体は思わずビクッと震えた。
そして、口を開け真上からチ◯ポを咥え込み、ジュボッ!ジュボッ!と激しく顔を上下させ亀頭を吸い上げる。今度は顔を捻りながらローリングさせるように、上下に動かし肉棒全体を刺激する。フェラチオも極上のテクニックだ。
堪らずうめき声を漏らす男を見て、一旦、口を離し、亀頭の裏筋のあたりを舌先で刺激する。そして、チ◯ポの根本から亀頭の先端まで一気に舐めあげる。
男の眼を見つめながら、愛おしそうに口や舌で男の敏感な部分を刺激するフェラチオテクニックを存分に披露したひろ子は満足そうに「気持ちいい?」と笑顔で聞いてくる。
男が無言で頷くと、さらに、ひろ子の舌はゆっくりと胸元へ移動し、男の乳首を舐め回し、チュッ、チュッと吸い上げた。
めったにされることのない甘美な刺激に、男は声を上げそうになるのを必死に堪えていた。
ひろ子はみぞおちや脇腹などに舌を這わせ、ビクッとなる男の反応を楽しんでいるようだ。
再び、下半身に移動したひろ子は男根を握りしめ、囁くように言う。
「なんか液がいっぱい出てるんだけど……」
覗き込むと、亀頭の先端からは凄まじい量の透明な液体が流れ出ていた。
彼女がチ◯ポを握って上下にシゴくたびに糸を引き、男の腹へと滴り落ちていく。
(やばい……このままではフェラチオと手コキでイカされてしまう)
焦りを覚えた男は、慌ててひろ子のオ〇〇コへ手を伸ばした。
そこは既に灼けるように熱く、愛液でぐっしょりと濡れそぼっている。
男は指を滑り込ませ、クリトリスを擦り、膣の中をかき回す。
「あぅんっ!いやん!」
ひろ子は腰を突き上げ、歓喜の声を上げた。
愛液で溢れたオ〇〇コは、男の指を離すまいと締め付ける。
男は中指を折り曲げ、女の感じる秘部を擦り上げる。
ひろ子はたちまち反応して、大きな喘ぎ声をあげる。
しばらく男に感じる秘部を弄られ続けられた彼女はたまらず哀願する。
「ね、ねえ……もう入れてぇー!我慢できない!」
それは2回戦の始まりを告げる声だった。
しかし、男の胸には拭いきれない不安が渦巻いていた。
眠っている間にされたフェラチオでは、亀頭を舐め回された上に激しく吸われ、そして乳首まで舐められて感じさせられたチ◯ポはすでにビンビンに勃起して限界近くまで昂ぶっていたからだ。
ビクンビクンと脈打ち、透明な液体を垂れ流している状態──まさに暴発寸前だった。
(もう少しインターバルを置かないと……)
そう思った矢先、ひろ子が期待に満ちた笑顔で無邪気に告げる。
「2回目だから、今度は長持ちだよね!」
今度こそ、その大きなチ◯ポで私をイカせてよ!と言わんばかりだ。
その一言は、男にとって残酷な宣告に等しかった。
「マジか……」
諦めに似た呟きを漏らし、男は仕方なくひろ子の要求に応じ、ひろ子に覆いかぶさった。
両足を抱え込み、大きく開かせると、熱く脈打つチ◯ポを蜜を垂れ流す淫穴にあてがった。
ひろ子を見ると眼を輝かせて、挿れるのを待ち侘びているようだ。
男は覚悟を決め、ゆっくりと腰を押し付けた。
先程と同じように、ひろ子のオ〇〇コは愛液で満ち溢れ、なんの抵抗もなくチ◯ポをズブズブと呑み込んでいく。
「あああぁぁーーーっ!いいっー!気持ちいいーー!!」
快感に突き上げられたひろ子の声は、先の一戦を凌ぐほど激しく、より艶めかしい響きへと変わっていた。
男は必死に呼吸を整え、無心で腰をゆっくりと動かす。
だがそのスローなピストンに物足りなさを感じたのか、ひろ子は切羽詰まった声で催促する。「ねえ……もっと早くぅ!」
(まずい……今のリズムですらギリギリなのに…これ以上は…)
心の中で呻く男。しかし、ひろ子は「ねえ!」と更に声を張り上げる。
「……わかったよ」
絶望を滲ませながら答えた男は、体位を変え、両足を肩に担ぎ上げるように抱えて深く突き入れた。この体位で根元まで完全に埋没したチ◯ポの亀頭は、子宮を直撃する。
最初はゆっくりと突いていた。だが、ひろ子が「もっと!」と催促する気配を見せると、男は一気に激しく腰を打ちつけた。
「あぐっ! ひいぃーー!」悲鳴のような声が部屋に響き渡る。
男は構わず突きまくり、淫らな音が部屋中に響いた。
「ジュブッ!ジュブッ!ジュブッブッ!」と淫らな音をたてながら、ひろ子の声は苦痛を越えて歓喜に変わり、狂おしい喘ぎへと昇華していく。
「アッ!アッ!アアッ!気持ちいい!気持っちいぃーー!」と短く叫ぶひろ子。
顔を真っ赤に紅潮させ、快感に呑み込まれているようだ。
このまま、ピストンを続けられれば、容易にひろ子を絶頂に導けるのだが…。
またしてもひろ子の期待を大きく裏切るように男のチ◯ポの感度は、激しいピストンに10秒程で、またしても限界が迫る。
「ああ、も、もう…これ以上は…!」男は急激に訪れた射精感に堪らず、またしてもチ◯ポを引き抜いた。
「あああっ、なんで……」
悲哀の声を漏らすひろ子。男は目を閉じ、無言で耐える。
頂点へと登り詰めようとしていたひろ子の熱は、チ◯ポを抜かれたことで無惨に断ち切られ、快感の余韻すら置き去りにされた。まるでお預けを食らったように、欲望だけが宙に浮いたまま燻ぶる。
眼を瞑って、じっと身体を震わせている男を見つめながら、
しばらくの沈黙の後、ひろ子が大きく息を吐き、呆れたように問いかけた。
「ねえ、どうしたん? またイキそうなん?」
「す、すまない……」歪んだ表情で、絞り出すように答える男。
ひろ子の期待に応えようと再び起き上がり、ビクンビクンと今にも暴発しそうなチ◯ポを濡れそぼる淫穴に挿入したものの、すでに限界寸前で腰を1回でも動かせば一瞬で果ててしまう──その恐怖が背筋を走り、呼吸は浅く早く乱れる。込み上げ続ける射精感を必死に押し殺し、歯を食いしばり、じっと堪える男。
ひろ子の膣壁にヒクヒクと締めつけられるたび、今にも暴発しそうな圧力に全身が震える。
男は脚を突っ張らせ、痙攣するようにブルブルと震えながら必死に堪えていた。
目をきつく閉じ、歯を食いしばりながら、全身を硬直させて必死に堪える男の姿をしばらく見ていたひろ子は、諦めと白けを滲ませ、小さく囁いた。
「もう……いいよ、出していいよ。」
男は情けなさに顔を歪めながらも、既に限界を迎えた男には他の選択肢はなかった。
「コクッ」と頷き、意を決して狂ったように腰をひろ子のオ〇〇コに打ち付け始めた。
「あぐっ!…」 「あひいぃーーー!いやぁーー!」
突如、始まった痛烈なピストンに、ひろ子は息もつけず…次の瞬間には耐えきれず絶叫をあげる。
「ひぃっ!ああん!いやあぁーー!だめぇえーー!」
ベッドは前後に激しく軋み、「ジュブッ!ジュブッ!ジュブッ!」と淫らな音が部屋中にこだまする。
愛液まみれのチ◯ポが出入りするたびに、白濁した淫汁がまとわりつき、溢れた淫汁は彼女の肛門をまで流れ落ちていった。
だが、その最後の力を振り絞った激しいスパートも、15秒と持たずに男は絶頂を迎える。
先程と同様に本能のままに精を放つことのみが男の頭を支配する。
男は頭が真っ白になっていく感覚に陥りながら、射精という最高の気持ち良い瞬間に身を委ねる。
「うおおおっーー!イクッ!」男は断末魔のような叫びとともに全身を痙攣させた。
それは、耐えに耐え、封じ込めてきた射精の衝動を──本能のまま一気に解き放つ時がとうとう訪れたのだ。──男が待ちわびた瞬間だった。
頭の中は真っ白になり、もう何も考えられない、時間すら止まったように感じる。全身の感覚が一気に弾け飛び、ただ射精という本能の一点に収束していく。
「ドピュッーーー!ドピュッ!ドピュッ!」
オ〇〇コから引き抜かれた肉棒を握り締め、男はおびただしい量の白濁したザーメンを亀頭から迸らせ、彼女の腹から胸まで撒き散らす。
男は顔を仰け反らせ、ハアハアと荒い呼吸の中、肉棒を握りしめ、激しく前後にシゴく。
そのたびに、さらに幾筋もの精が噴き出し、止めどなく撒き散らされた。
だが、その陶酔の裏側には、あまりに早すぎるという絶望が、冷水のように容赦なく押し寄せていた。一瞬の至福の後に訪れる、底知れぬ空虚さ──それこそが、男の現実だった。
射精が収まりかけた頃、ひろ子は笑いながら言った。
「アハハ……また先にイッちゃったね。」
──その一言は、男の胸を深くえぐった。
男が精液を拭き終えると、ひろ子はそそくさと立ち上がり、無言で浴室に向かった。
ドアが閉まる音のあと、シャワーの水音が部屋に響き渡る。
テーブルに腰掛けた男は、うなだれたままぼんやりと天井を見ていた。
そして、「はあぁぁぁぁーーーーーーーーー」と大きなため息をついた。
全身から力が抜け、情けなさと絶望感が押し寄せてくる。
──その時だった。
シャワー音に混じって、隣室から男女の笑い声が聞こえてきた。古いアパートの壁は薄く、声はくぐもった感じで聞こえてくる。
男は「まさか…!!!?」と思い、壁に耳を押し当て隣の様子を伺った。
「なあ、隣……セックスしてたよな?」はっきりと男の話す声が聞こえる。
「うん。この部屋、壁が薄いから。女の人、すごい大きな声出してた」
「でもさ、途中で静かにならなかった?」
「うん……しかも『なんで抜くの!』って女の人が怒ってた。あれ、聞こえたよね」
「ははぁ……多分、イキそうになって抜いたんだろ」
「『またイキそうなん?』って言ってるのも聞こえた。完全に呆れてたよね」
くすくすと笑い声が漏れ、それがだんだん大きくなっていく。
「時間も短かったな……2、3分?あっという間に終わったって感じ」
「うん。女の人、いい声出してたのに、可哀想」
「極めつけは『いいよ、出して』でしょ。……あれは完全に諦めの声だった」
「そのあと男の人が『うおおー!イクッ!』って……あれは笑った!」
「ギャハハッ! 早漏ってやつか!」
「最低だね……下手で早いとか、女の人がほんと気の毒」
二人の会話と爆笑が壁越しに男の胸に突き刺さる。
「最後のセリフ聞こえた?」
「いや」
「『また先にイッちゃったね』ってみたいな事、女の人が言ってた」
「ギャハハッ! それ、女から早漏って言われてるんじゃね!?情けねぇーー。」
「キャハハーーウケるぅーー!」
男女の会話と笑い声が、氷の刃のように男の胸を切り裂いた。
男は体中の力が抜けたように、呆然としながら壁から耳を離した。
(なんてことだ…全部……聞かれてた……俺の声も、ひろ子の言葉も、早かったことも…)
特に射精の瞬間「うおおー!イクッ!」という絶叫を彼らに聞かれたことが、死にたくなるほどの恥辱だった。羞恥、屈辱、劣等感が怒涛のように押し寄せ、心をぐしゃぐしゃにかき乱す。
やがてシャワーを終えたひろ子が浴室から戻ってきた。呆然とうつむく男を見て
とひろ子が怪訝そうに尋ねる。「ん?どうしたん?」
男は顔を上げ、蒼白な顔で唇を震わせながら呟いた。
「……隣に、全部聞かれてたかも…。早いとか、すぐ終わったとか…男と女が笑いながら話してた…。」
ひろ子は一瞬きょとんとした後、肩をすくめて笑いながら言った。
「だって……それって本当だよ。!〇〇さん、すぐイクやん。早漏だよ。」
ひろ子は追い打ちのように、言葉を続ける。
「隣の女の子、20代前半で若いけど、彼氏に毎回1、2回はイカされてるよ。夜仕事だから普段は聞こえないけど、休みの日はたまに声が聞こえるもん」
その言葉は──20そこそこの若い男ですら彼女を何度も絶頂へ導いているのに、あなたはなぜ出来ないの?と突きつけられたも同然だった。
その一言は、隣室の笑い声以上に鋭く男の胸を抉った。
──早漏。
その烙印は、決定的な傷となって心に刻まれた。
しばらくして、男はその冷たく淀んだ空気に堪えられず、ひろ子に「帰る」とだけ伝えた。
帰りの仕度を始める男に、ひろ子は振り向きもせず、タオルで髪を拭きながら「じゃあね」とだけ言った。
その声と仕草には、男のチ◯ポの大きさに抱いていた期待が、結局は見かけ倒しだった──そう突きつけるような虚しさと嫌味が滲んでいた。
引き止めもせず、関心を失ったかのような態度。高みを極められなかったことへの無言の失望が、男の心をさらに押しつぶすかのようだった。
トボトボと歩きながら、家路につく男の背中には、重苦しい影が濃く落ちていた。
頭の中は、ひろ子の言葉と隣室からの笑い声が交互に蘇り続けるのだった。
ひろ子との初めての夜は、こうして情けなく幕を閉じたのだった。
それでも、男は街に飲みに出かけた時はひろ子のスナックを訪れた。
酒を飲んで楽しい時のひろ子は明るく、初めての夜の時のような雰囲気はまったくなかった。酔った勢いもあり、ひろ子のアパートで関係を持った。
だが結局、男に進歩はなく、悩ましい喘ぎ声に悩殺され、またしても一方的に果ててしまい、ひろ子を満足させられなかった。セックスに貪欲なひろ子は男への不満を口にした。
一度だけ、妻が実家に帰省するタイミングにひろ子を自宅に呼んだことがあった。
男のひろ子への感情は、もはや愛情ではなく、羞恥と屈辱から生まれた憎悪へと変わっていっていた。男はその鬱屈を晴らすかのように──自身の変態的嗜好を満たす目的とひろ子の恥ずかしい姿を克明に残したい欲望に駆られて盗撮を行った。
ひろ子に悟られぬよう部屋の片隅に隠しビデオカメラを巧妙に仕掛け、行為の一部始終を密かに録画した。
体位が変わるたびに、ひろ子のあられもない恥ずかしい陰部や歓喜の表情が映るように、アングルや角度を意識して行為を行っていた。そしてあの艶めかしい声も。
その甲斐もあって、男のコレクションの中でもひろ子の盗撮は秀逸の作品となった。
ただ、その映像にも、男にとって触れられたくない、心に深く刻み込まれトラウマとなった、ひろ子から浴びせられた「あの言葉」も記録されていたのだった。
──それこそが、ハードディスクの奥底に封印すると決意した映像だったのだ。
やがて、男が店を訪ねてもひろ子の態度は冷たくなり、関係を持とうとはしなくなった。
そんな時に男は会社からの指示で転勤となった。業務の引き継ぎや引っ越し準備等でひろ子に連絡はしたものの会うことは出来ず、また同時期に男は携帯電話を紛失してしまい、ひろ子とは完全に音信不通となってしまったのだった。
第5章に続く…。