魔法少女(格闘タイプ)が平和を守ったその陰で、ひっそりと失業した元幹部さんの新しいお仕事 作:米ビーバー
脳内出力が文章化出来たら投稿するので滅茶苦茶遅筆になると思います()
過去に『ペスメーノス』と呼ばれる組織が存在した。
ギリシャ語で「堕ちる」とかそういう意味を持つ、らしい。よく知らんけど
組織に所属した人間はまぁ、下っ端社員から下積みしたり、幹部候補生とかは幹部の人にスカウトされたりする。どこにでもある会社……うん、会社「だった」。
―――今は、もう「ない」
『ペスメーノス』の目的は「人の心の闇を照らし出すこと」
社訓みたいな感じで貼り出されていたこのフレーズが「ガチ」であったことを知る社員は……実のところ少ない。
『ペスメーノス』は、簡単に言うと「魔法少女モノにでてくる悪の組織」だった。
何故そんなことを知っているかというと……かく言う自分も、「幹部候補生」に抜擢され、眼鏡の似合うすごいキリッとしたキャリアウーマン然としたおば―――お姉さんの後ろについて回っていたのだ。
目の前でキャリアウーマン風お姉さんががっつり異形フェイスに変身してピッチリタイトなラバースーツ姿になっていく様を見た時の俺の心境を想像して欲しい。
ご褒美?うん、まぁ……オフィススーツがパァン!して一糸まとわぬ姿からラバースーツ姿までの変身バンクって、アニメであるじゃん。
アレマジで一瞬なんだわ。がっつりガン見とかそもそも無理ゲーなの。
後ろで隠れる場所探しながら目の前に立つ女幹部さんのタイトスカートを見てたらその姿が一瞬でラバースーツのケツになんの。色々すごいね(語彙が足りない)
あー……話がそれたね。
まぁ、そういう感じの「悪の組織」があったわけよ。
んで、当然いたのね。
―――魔法少女。
こう、杖からびー!!って感じのビーム飛ばすやつじゃなくて、拳で語る肉弾タイプの魔法少女。フィニッシュはなんか不思議なビーム放ってたけど、基本格闘戦で戦ういたいけな少女なのよ。ありえない速度で跳ねまわって、キックで戸建て住宅くらいの大きさの怪人ぶっとばすの。ありえなくね?最初見た時思考とまったわ。
―――で、まぁ6回くらい「社外活動する」→「魔法少女出てくる」→「幹部と怪人が戦う」→「怪人が倒されて撤退」を繰り返したら、
なんか、専属上司だったお姉さんが「解雇」されたって聞かされて、別の人の配属になったのね。うん、唐突だったね。でもまぁ、何ていうの?
「あっ(察し)」ってなったよね(諦め)
二人目の上司は「糸目が印象的な男の人」だったのよ。胡散臭い印象が凄かったけど、まぁ慇懃な態度で腰の低い感じの言い回しが多かったんでそれもあったんじゃないかな?
で、最初の顔合わせの時に「仕事を引き継いでください」って言われてポンと【アイテム】を渡されてね。「幹部候補生」から「幹部見習」に昇格したんだわ。
―――まぁそっから半年ほどで会社無くなったんだけどね!!
糸目の上司は「幹部になったんだから自由行動で仕事をやってください」って言って放任主義を貫いて勝手に行動し続けてこっちのことはどうでもいい感じで
んで、そんなこんなの間も魔法少女は2人くらいだったのが4人に増えて
で、ウチの社長と魔法少女のリーダーっぽいのが単独で一騎打ち状態になって
で、ウチの社長が説得されてしまって(謎)
糸目の上司が社長を裏切って
社長の力を取り込んだ糸目が盛大に暴走して
で、会社跡地(更地)が出来上がりました()
で、まぁそうしてフリーターになったわけ。
ただね……『ペスメーノス』ってさっきも言ったように普通の会社じゃなかったのよ。なんで、「職歴」に書いても認知されないから、「空白の数年間」が履歴書に出来上がるの。
もうね、どんだけ好印象でも面接で終わるのよね(諦観)
そんな「詰んでる」状況で、どうしようもないんだからさ―――
―――「真っ当ではない職業」になってもおかしな話ではないよね?って話なんだ。
「では先生。お願いしますね」
“先生”と呼ばれて意識を浮上させる。内面に潜って過去を鑑みるのを止めて、目の前に目を向けると、助手と称して様々な手続きとか雑務全般をこなしてくれている女の子が【患者】を連れてくる。
懺悔室のような、声だけが届く個室の中に一人の男性がふらふらとした様子で入って来る。商社のサラリーマンといった様子の男は疲れ切った表情をしていた。
「では―――貴方の【悩み】を打ち明けてください」
女の子に促されるようにサラリーマンらしき男はぽつぽつと語り始めた。
―――まぁ、何処にでもある話だ。
「仕事が辛いけれど、同僚に迷惑が掛かるから休めない」
「上司の態度が酷いけれど、誰にも相談できない」
そのうち男は「上司が」「上司が」とブツブツ繰り返すだけになっていった。
頃合いと感じた俺は懺悔室の様な個室へつながるもう一つのドアを開けて男の横に立った。
手には紙巻きたばこの半分ほどの長さの銀色の棒。
コレは『ペスメーノス』の幹部として昇格されたときに渡された「仕事道具」であり、会社が消滅したんで返す必要がなくなった代物であり、
―――今の俺の生命線なのだ。
ドクンと何かが脈動するように、男の身体が跳ねてのけぞった。その胸の中央に、黒い塊がズルリと飛び出してくる。俺がその黒い塊に向けて銀色の棒を近づけると、銀色の棒の先端部分から虹色の光が飛び出し、まるで鍵のような形状に変化した。
ゆっくりと、銀色の棒から飛び出した「虹色の鍵」の先端を黒い塊に埋め込んでいく。
「―――その『闇』を、『曝け出せ』―――」
黒い塊に差し込んだ鍵をグルリと回せば「かちゃん」と音を立てて、
―――黒い塊がドロリと“溶けた”
溶けた黒い塊―――“闇”、または“欲望”と言い換えられるそれがドロリと溶けた【それ】は、そのまま放っておくとサラリーマンを包み込むように広がるのだが……
闇が拡がりきる前に、取り出した『匣』を開いてドロリと溶けた闇を閉じ込める。疲弊した顔だったサラリーマン風の男は先ほどまでと同じ疲れた顔だったが、ストレスのたまっていた表情に比べると、険の取れたような穏やかな表情になっていた。それを確認して、「匣」をとりあえず手元にあったガムテープでぐるっと一周括り付ける。
「―――有馬さん、コレ、しまっといて」
助手として控えている女性にそう言って「匣」を手渡すと、女性は恭しくそれを受け取り開かないようにガムテープの上からぎゅっと抱きしめる様に胸に抱いて退室していった。
―――実のところ、この【鍵】については詳しくは知らない。
【なんかよくわからないけどすごい便利なアイテム】として使っているに過ぎない。使うのにも個人設定みたいなのがあるらしく、俺にしか使えないか、或いは直属の上司である糸目の男か、前の幹部だったキャリアウーマンであれば使えるのかもしれない。ただ、他の人間が触れても虹色の鍵が出てこない、ただの『銀色の短い棒』に過ぎない。
『心の闇を顕現させ、本当に自分がやりたいことを曝け出す』
そんな風に説明されたし、実際に魔法少女との戦いでこの『鍵』をキャリアウーマンが使っていたこともあった。
その時は、ドロリと溶けた『心の闇』が、持ち主を包み込むように広がって呑み込み、本人の抑圧された欲望を実行するために相応しい姿の怪人としての『ガワ』になっていた。
さっき使っていた『匣』は、キャリアウーマンが帰ってこなかった闘いの前に使っていたもので、『心の闇を閉じ込めておくためのもの』らしい。閉じ込めることで溜め込むことが出来、それを自身に纏わせることで自分の中にある闇よりもっともっと強い闇【欲望】を纏うことが出来るらしい。所謂『ブーストアイテム』というものに使っていた。それでもまぁ、魔法少女相手に完敗したらしいが。
糸目の上司曰く、「彼女は『闇』を飲み込み過ぎた。身に過ぎた力によって自滅したんです」だそうな。
そのアイテムを、『封印用のアイテム』として使っている。集まった『心の奥のどす黒い闇』は、また別の使い道のために保管されているのだ。
例えば今回のように『ムカつく上司をぶっ〇してやりたい』だとかの【殺意】や【激怒】の感情などは、対戦方式のスポーツに挑む「どうしても今の実力では勝てないけど、“どんな手を使っても勝ちたい”」という連中が、リスクを覚悟で大枚はたいて買いにやって来る。所詮アングラのいかがわしいアイテムと高をくくっている者もいるが、契約書で「何が起きても責任取れませんよ」という文言の書類にサインするときに微妙に腰が引けているのを見ると、少し笑えて来るのだから不思議な話だ。
ともあれ、『コレが今の自分の天職である』 ―――たぶんだけど
《おまけ》
『ひーりんぐー!癒しの魔法少女セラフィア』
世の様々な悩みを抱えた人間の「心の闇」を暴いて拡げて「闇魔獣」に変化させ、
欲望のままに暴れさせて世界を支配しようとする闇の結社『ペスメーノス』
その『ペスメーノス』の闇が世界を覆うことを危惧した妖精が『癒しの力』を授けるため
下界に降り立った。
その妖精を狙う『ペスメーノス』の魔の手から妖精を救った少女に希望を見出した妖精は、その力を少女に託した。
その少女が『一子相伝の暗殺拳』の使い手だとは知らないままに……。
というドタバタスタートから始まる「癒しの力で相手の点穴を突く」ことで闇に染まった魔獣を粉☆砕!玉☆砕!大☆喝☆采!!して行く魔法少女とは名ばかりの「肉弾系魔法少女」
異色の魔法少女だったが「乙女は強く美しく、しなやかに清く逞しく」を決めセリフに駆け抜けた。
途中追加で3名ほど魔法少女が加わったが、どれもこれも魔法少女としては異色すぎたため、妖精が終始頭を抱えることになった。が、最後はなんか敵のボスを「説得」で改心させるというありえない展開と、幹部の裏切りによるブラックホール形成、ブラックホールの点を突いて崩壊させるという超展開の連続に、妖精も「もうどうでもいいや」となってしまい、魔法少女の力を返してもらったらさっさと自分の世界に帰って行った。
必殺技は「さいしょはぐー!ひーりんぐー!!」 はいそこパクリとか言わない
なお、本編には登場しない。