TS娘が支配欲の強い先輩に無理やり孕まされる話 作:世界一位
「ここで待っててね。すぐに戻るから」
雑踏の中、唐突に響也先輩は人混みに消えた。
僕は一人、駅前の広場に取り残された。
週末の街は、楽しそうな家族連れやカップルで溢れかえっている。
その中で、僕はフリルのついた黒いワンピースを着て、ぽつんと立ち尽くしていた。
先輩がいない時間は、ほんの数分のはずだ。
けれど、その静寂が恐ろしかった。
(……見られてる)
通り過ぎる人々の視線が、すべて僕のスカートの中に注がれているような錯覚に陥る。
当然だ。今の僕は、外見こそ可愛らしい女の子を演じているけれど、その中身には異物――電動バイブが埋め込まれているのだから。
スイッチは『弱』のまま、微かな羽音のような振動を続けている。
「う、ぅ……」
僕は無意識に内股になり、スカートの裾をギュッと握りしめた。
落ち着かない。
自分が男なのか、女なのか。ここが公衆の面前なのか、断罪の場なのか。
先輩がいなくなった途端、自分の輪郭が溶け出してしまいそうな不安に襲われる。
(ぼくは、男だ。……男、なのに)
心の中で必死に繰り返す。
けれど、ショーウィンドウに映る僕は、どう見ても可憐な少女そのものだった。
――その時だった。
「……あれ? もしかして、雪兎か?」
心臓が、早鐘を打った。
聞き覚えのある声。時が止まったように、周囲の雑音が遠のく。
恐る恐る振り返ると、そこには中学時代のクラスメイト、高木が立っていた。
「あ……」
否定しなければ。人違いだと言わなければ。
けれど、喉が引きつって声が出ない。
僕が凍りついている間に、高木は驚いたように、けれど人懐っこい笑顔で近づいてきた。
「やっぱり雪兎だ! 久しぶりだなー。元気だった?」
「う、うん……」
裏返った声で、肯定してしまった。
その瞬間、自分の声の高さに違和感を覚える。
高木は僕の姿をまじまじと見つめ、しかし、僕が一番恐れていた言葉――「なんだその格好」「気持ち悪い」とは言わなかった。
「すげぇ変わったから一瞬わかんなかったけど……今のほうが雰囲気あるな」
「え……?」
「いや、なんつーか。前からちょっと女の子っぽいとこあったけどさ……今のほうが似合ってるよ。全然違和感ない」
悪意のない、純粋な称賛。
けれどその言葉は、どんな罵倒よりも鋭く僕の心を突き刺した。
(似合ってる……? 違和感が、ない?)
そんなはずはない。
僕は男だ。この服だって、変態の先輩に無理やり着させられているだけだ。
そう叫びたいのに、高木の言葉が呪いのように頭の中で反響する。
『前から女の子っぽかった』――。
僕の過去すらも、今のこの無様な姿を肯定するための材料にされていく。
(僕は、男だ)
それなのに、フリルのついたこんな服を着て、体の奥にバイブまで挿入したまま、昔の友だちと再会している。
もし知られたらどうなる?
絶対、軽蔑される。
絶対、笑われる。
「へ、変だよね……やっぱり、男なのに、こんな……」
すがるように、否定を求めて口を開いた。
誰かに「おかしい」と言ってもらえれば、まだ自分に戻れる気がした。
けれど、高木は笑って首を振る。
「変じゃないって。最近はジェンダーレスとか普通だしさ。雪兎が自分らしくしてるなら、俺はいいと思うよ。それにお前って昔から変に繊細だったろ? 無理して男らしくしてる感じ、正直バレバレだったし。今のほうが自然だよ」
自然。
彼は僕を「自然だ」と言った。
足元の地面がぐらりと揺らぐ。
僕が必死に守ろうとしていた「男としての自分」は、他人から見れば最初から脆く、女としての僕のほうが「正解」だったとでも言うのだろうか。
――ブブブ……。
その時、体内のバイブがゴロリと動いた。
「っ、ぅ……!」
「ん? どうした? 顔、赤いぞ?」
高木が心配そうに覗き込んでくる。
優しい。彼は本当に、ただの善意で心配してくれている。
だからこそ、怖かった。
「――そういや、高校はどうなんだ? まだギター続けてるのか?」
高木の口が動いている。笑顔で、懐かしそうに。
けれど、その言葉はもう、僕の鼓膜を滑り落ちていくだけで、意味を結ばない。
ドクン、ドクンという自分の心臓の音と、股下で暴れる機械の振動音が、世界を埋め尽くしていく。
「あ、ぅ……」
返事をしなければ。普通に、友人として。
でも、言葉が出てこない。
スカートの中で、バイブが子宮口を小突くたびに、頭の中が白く明滅する。
(バレる。……バレたら、終わりだ)
高木の善意が、笑顔が、逆に僕を追い詰める。
彼は「僕」を見ているつもりで、何も知らない。
このスカートの下で、バイブが震えていることも。僕が男のくせに、こんな格好で快楽に耐えている変態だということも。
(怖い……)
知られたくない。
昔の僕を知っている彼にだけは、今のこの恥ずかしい姿の「中身」を絶対に見られたくない。
平気な顔をして嘘をつき続けるのが、こんなに苦しいなんて。
(……先輩)
助けて、なんて言葉は違う。
でも、今の僕をありのまま直視できるのは、あの人しかいない。
あの人の前なら、隠す必要なんてない。全部知った上で、僕をそこに立たせてくれる。
嘘をつかなくていい場所へ、早く逃げ込みたかった。
(早く……戻ってきて……!)
僕はいつの間にか、周囲の人混みの中に、あの背の高い姿を必死で探していた。
この居心地の悪い「日常」から、僕をさらっていってほしかった。
無意識のうちに、僕は自ら進んで、あの共犯者の元へ戻ることを願っていたのだ。
「お待たせ。……おや、お友達かい?」
スッ、と。
背後から、聞き慣れた包容力のある声が響いた。
肩に温かい手が置かれる。
「あ……」
振り返ると、そこには優雅に微笑む響也先輩がいた。
その瞬間、嵐のように荒れ狂っていた僕の思考が、嘘のように静まり返った。
僕は考えるよりも先に、身体が動いていた。
サッ、と先輩の背中側へ半歩下がり、そのジャケットの裾をギュッと掴んで隠れたのだ。
まるで、怯えた子供が親にすがるように。あるいは、か弱い彼女が彼氏に守ってもらおうとするように。
「えっ? あ、初めまして……。俺、雪兎の中学のツレで、高木って言います」
「初めまして。雪兎がお世話になったね」
先輩は完璧な紳士の笑みを浮かべ、僕を背中に庇うようにして立った。
僕が掴んでいる裾の上から、先輩の手が優しく重ねられる。
その体温を感じただけで、どうしようもなくホッとしている自分がいた。
「か、彼氏さん……っすか? うわ、すげぇイケメン……」
高木が目を丸くして、僕と先輩を交互に見る。
僕が何か言う前に、先輩はさらりと答えた。
「あぁ。自慢のパートナーだよ。……悪いけど、少し彼女を借りてもいいかな? これから行くところがあってね」
「あ、そうなんですか! そりゃお邪魔虫っすね、すみません! じゃあな、雪兎! また!」
高木は気を利かせたように手を振って、雑踏の中へ消えていった。
「彼女」と呼ばれたことを、何の疑問も持たずに受け入れて。
そして、「お幸せに」という残酷な祝福を残して。
僕と先輩、二人だけが残された。
周囲の喧騒が戻ってくる。
「……ふぅ……」
高木の姿が見えなくなった瞬間、僕は安堵のあまり大きく息を吐き出した。
膝から力が抜けそうになるのを、先輩の袖を掴んだまま必死に支える。
(よかった……バレなかった……)
胸を撫で下ろす。
高木は僕を「彼女」と呼び、先輩を「彼氏」だと思って帰っていった。
訂正する時間はあった。追いかければ、まだ間に合うかもしれない。
けれど、そんなことはどうでもいい。
(音が……振動が、聞こえなくてよかった……)
僕が気にしていたのは、スカートの中の秘密だけ。
男としての尊厳を守ることよりも、この恥ずかしい機械音を聞かれなかったことのほうが、今の僕には何倍も重要だったのだ。
「……ゆき?」
先輩が、不思議そうに僕の顔を覗き込む。
「……なんでも、ないです。助けてくれて、ありがとうございました……」
僕は小さく呟いて、握りしめていた先輩の袖に、こつん、と額を押し付けた。
この大きな背中に隠れていれば、誰も僕の中身を暴こうとはしない。
その「守られている」という感覚に、僕は無意識に頬を緩ませていた。
先輩は何も言わず、満足そうに目を細めて、僕の手の上に自分の手を重ねた。
そして、優しく僕の髪を撫でながら、信じられないことを口にした。
「いい友達だね。……俺が連絡した甲斐があったよ」
「……え?」
僕は思わず顔を上げた。
先輩は何事もなかったかのように、涼しい顔で微笑んでいる。
「連絡……って、どういう……」
「君の中学の卒業アルバムを見せてもらってね。彼なら君のことを理解してくれると思って、あらかじめ話をつけておいたんだよ」
先輩は、まるで僕のために良いことをしたかのような口調で続けた。
「『昔から可愛い子だったから、女の子として生きていくことにしたんだけど、まだ自信がなくて不安がっている。だから、彼女を肯定してあげてほしい』ってね」
「な……っ」
言葉が出なかった。
高木が偶然ここにいたわけじゃなかった。
あの「自然だ」「似合ってる」という言葉も、先輩がそう言うように仕向けたからだったのか。
「ほら、彼はすぐに受け入れてくれただろう? もう君を否定する過去なんて、どこにもないんだよ」
先輩の指が、僕の唇をなぞる。
「これで、昔の友達も君を女の子として認識した。……もう『安心』だね」
ゾクリ、と背筋が凍った。
僕が安堵して掴んでしまったこの袖は、救いの糸などではなかった。
これは、僕の過去も、人間関係も、すべてを絡め取って逃がさない、蜘蛛の糸だったのだ。
けれど、もう遅い。
それでも僕は、その糸を振り払うよりも、もう一度強く握りしめてしまった。
「さぁ、行こうか。……俺の可愛いゆき」
僕はもう、抵抗する気力さえ残っていなかった。
ただ、人形のように頷いて、先輩に連れられていくだけだった。
駅前の喧騒を抜け、僕たちはホテル街へと続く路地を歩いていた。
先輩に手を引かれながら、僕は足元の影を見つめていた。
(……このまま、ホテルに行くんだ)
言葉がなくてもわかる。
このデートの行き着く先は、いつもの行為だ。
先輩は優しく僕の手を握っているけれど、その指先からは、僕を絶対に逃がさないという所有欲が伝わってくる。
(また、中に出される……)
想像するだけで、背筋が冷たくなる。
今まで何度も注がれてきた。いつ「妊娠」してもおかしくない状況だということは、知識の浅い僕でもわかる。
もし、赤ちゃんができてしまったら。
男としての「僕」が、本当に終わってしまう。
(……嫌だ。それだけは、まだ……)
恐怖が、僕を突き動かした。
せめて、それだけは防がなきゃいけない。
僕は勇気を振り絞って、繋がれた手をギュッと握り返した。
「あの、先輩……」
「ん? どうしたんだい?」
「きょ、今日は……その、ゴム、着けて……ほしい、です」
蚊の鳴くような声で提案する。
怒られるかもしれない。そう思って身構えたが、先輩は意外にも穏やかに微笑んだ。
「いいよ。ゆきがそう望むなら」
「えっ、ほんとですか……?」
「あぁ。……ただし、自分で買うんだよ。俺にはそんなもの必要ないからね」
先輩が顎でしゃくった先には、コンビニの看板が光っていた。
…………。
……。
自動ドアが開く音が、やけに大きく響く。
僕は一人で……入ろうとして、背後にぴったりと気配を感じて振り返った。
「せ、先輩? 外で待っててくれないんですか……?」
「まさか。君が俺のために一生懸命選んでくれる可愛い姿を、見逃すわけにはいかないだろう?」
先輩は楽しそうに目を細めている。
拒否権はない。
僕は泣きそうな顔で、先輩に見守られながら陳列棚の前へと立った。
(ど、どれだ……?)
棚には色とりどりの箱が並んでいる。
コンドームなんて、まじまじと見たこともない。
パッケージには『極薄』『たっぷりゼリー』『スタンダード』などと書かれているが、サイズの違いなんてわからない。
ゴムなんだから、たぶんどれも同じだろう。伸びるはずだ。
――ブブッ。
不意に、バイブが跳ねた。
「っ、んぅ……!」
短く漏れた声に、近くで雑誌を読んでいたサラリーマンが振り返る。
先輩は僕の腰に手を回し、「早く選んで?」と耳元で囁く。
僕はパニックになり、目についたピンク色のパッケージ(『スタンダード・Mサイズ』と書かれた一般的なもの)をひっ掴んだ。
「こ、これで……いいですか?」
「ふふ。……うん、それがいい。君が選んだものなら、最高だ」
先輩は意味深に口角を上げたけれど、止めることはしなかった。
それが「サイズ違い」だと知っていて、わざと言わなかったのだと気づくのは、もう少し後のことだ。
レジに向かう。
店員は若い女性だった。
商品を出すと、彼女は手際よくバーコードを読み取る。
隣には、優越感に浸った顔のイケメン彼氏(先輩)。そして、真っ赤な顔で俯くゴスロリ姿の僕。
「一点で、よろしいですか?」
「は、はい……」
顔から火が出そうだった。
可愛い服を着た女の子が、彼氏に見守られながら、これから使うゴムを買っている。
まるで「早くセックスしたい淫乱な彼女」みたいじゃないか。
店員さんの視線が、生温かいものに見えて仕方がない。
「ありがとうございましたー」
逃げるように店を出ると、先輩が愛おしそうに僕の頭を撫でた。
「よく頑張ったね。……さぁ、早く行こうか。待ちきれないよ」
…………。
……。
ホテルのベッドの上。
先輩の屹立したペニスを前に、僕は箱を開けた。
「ほら、着けてくれるんだろう?」
「は、はい……」
先輩に促され、僕は震える指でゴムを先端に当てた。
裏表もよくわからない。
とりあえず、丸まっている方を外側にして、先端に押し当てる。
「くっ、きつい……これ、どうやって……」
下ろそうとするけれど、ゴムの輪が小さすぎて、カリの部分で引っかかってしまった。
爪を立てて無理やり広げようとするが、ビクともしない。
先輩のモノが大きすぎるのだ。
(……これで、いいのかな?)
よくわからないけど、精子が出るのは先端からだ。
なら、この出口さえ塞いでおけば、中に出されることはないはずだ。
根元まで被せなくても、機能は果たしている……はず。
そう自分に言い聞かせ、僕はゴムを亀頭の先に帽子のようにちょこんと被せただけの状態で手を離した。
「……できました」
「……ゆき? それで終わりかい?」
「え? は、はい。……ちゃんと、着けました」
先輩が面白そうに喉を鳴らして笑う。
僕は不思議に思いながらも、怒られていないことにホッとした。
これで大丈夫。妊娠しない。
「そうか。ゆきがそれでいいなら、俺は構わないよ」
先輩が僕の腰を掴み、ゆっくりと引き寄せる。
「ん……入っ、て……」
ゴム越しの挿入。
けれど、先端にしかゴムがないため、挿入した瞬間にゴムの縁が僕の入り口に引っかかり、めくれるような感覚があった。
「あ、あっ、んぁ……!」
「どうだい? ゴムがあると、安心かい?」
「はいっ、なんか、すごい、守られてる、気がしっ、てぇ……!」
安心感からか、僕はいつもより大胆に腰を振ってしまった。
ゴムがあるから、中に出されても平気だ。
その絶対的な安全地帯にいるという感覚が、普段なら恐怖で強張ってしまう僕の奥底を、とろとろに解きほぐしていく。
だが、その安息は一瞬で終わっていた。
数回ピストンしただけで、先端に引っ掛けていただけのゴムは、あっさりと外れて僕の膣内へと迷子になってしまったのだ。
もちろん、快楽に酔いしれる僕は、そんなことになっているとは気づかずに。
絶頂が近づく。
先輩の腰の動きが激しくなり、最奥を執拗に叩く。
いつもなら「妊娠する」と怖くなるその刺激も、今はただのきもちのいい快楽だった。
「あっ、あぁっ、いくっ! 先輩、き、きちゃう……!」
昂りとともに、僕の身体は勝手に反応していた。
注がれる瞬間に、合わせてイくこと。
何度も繰り返された行為によって、僕の身体にはそんな恥ずかしい条件反射が、無意識のうちに刷り込まれてしまっていた。
普段なら妊娠の恐怖で強張ってしまうその反射も、今はゴムがあるから許される。
そう誤認した僕は、喜んで快楽の引き金を引いた。
「いく、いきますっ……中に、ぜんぶっ……!」
「あぁ、いいよ。たっぷりと出してあげる」
「あっ、イくっ! イきますぅぅぅーーーッ!!!」
僕は大きく背中を反らし、言いつけ通りに絶頂を報告した。
その言葉を合図にするかのように、先輩のペニスが最奥を穿つ。
ドクンッ!!!
膨大な熱量が解放された。
「んんぅぅぅっーーー!!!」
びゅくん! びゅくん!! びゅるるっ!!!
熱い。
お腹の奥が焼けるように熱い。
でも、これはゴム越しの熱だ。僕の身体には一滴も入っていない。
そう信じ込んでいる脳みそは、その灼熱さえも愛おしい快感へと変換してしまう。
(あぁ、すごい……中に、いっぱい、出てる……)
ゴムがパンパンになるくらい、先輩のが注がれてる……。
僕はビクビクと痙攣しながら、先輩の背中に爪を立て、恍惚の表情で絶頂の余韻に浸っていた。
意識が真っ白に弾けて、世界がふわふわと回っている。
「はっ、はぁ……。でる、でてるよ、ゆき……」
「あ、う……」
びゅく……びゅく……。
まだ出てる。
ゴム越しのはずなのに、どうしてこんなに熱さが伝わってくるんだろう。
それに、長い。
先輩の精液は、いつまで経っても止まることなく、僕の奥底へ溢れ続けている。
(……あ、れ?)
絶頂の空白から、意識がゆっくりと浮上する。
まだ先輩の腰は押し付けられたままだ。
トクン、トクン、と脈打つたびに、熱いスープのようなものが広がっていく感覚がある。
重い。
ゴム袋に溜まっているにしては、感触があまりにも生々しい。
まるで、子宮に直接注ぎ込まれているような――。
僕は薄目を開けて、自分の股間を見下ろした。
先輩のペニスは根元まで埋まっている。
その結合部から、白濁した液体が溢れ出し、太腿を伝ってシーツを汚していた。
(……白い?)
ゴムを着けているなら、精液は中に留まるはずだ。
こんな風に、外まで溢れてくるはずがない。
……ゴムは?
僕がさっき、先輩のモノの先に着けたゴムは、どこにいったの?
「――っ!?」
瞬間、背筋が凍りついた。
ゴムがない。
いや、中で外れている?
ということは、今、僕のお腹の中で脈打っているこの熱さは。
「うそ……」
全部、生なのか。
「あ、だめ……先輩、ぬいて……ゴム、外れてるっ……!」
僕はパニックになって先輩の腕を掴んだ。
けれど、先輩は心地よさそうに息を吐くだけで、腰を引こうとしない。
それどころか、まだビクビクと収縮を続ける僕の中へ、ダメ押しのように腰を押し込んでくる。
「はっ、くぅ……! いい締め付けだったよ、ゆき……」
「なんで……なんで……!」
ドクン、と最後の一波が注がれる。
僕の子宮は、それを一滴も漏らすまいと、喜んで飲み干してしまった。
「うそつき……うそつきっ!」
僕は涙目になって、先輩の胸を叩いた。
「避妊するって、言ったのにっ! 僕、ちゃんと着けたのにっ……!」
「嘘なんて言っていないさ。君の着け方が可愛すぎて、直すのが勿体なかっただけだよ」
「っ!? ひどい、ひどいよぉ……!」
僕が泣き叫ぼうとした、その時だった。
――チュッ。
先輩が覆いかぶさり、僕の唇を塞いだ。
そして、まだ硬さを残したままの肉棒を、ぬるりと動かした。
「んぐっ!? ふ、うぐぅっ!?」
たっぷりと中に出された精液が潤滑油となって、グチュグチュといやらしい音を立てながら、敏感になったばかりの粘膜を擦り上げる。
「んー、っ……ぷはっ! や、やめてっ、もうおわりっ……!」
唇が離れた一瞬の隙に懇願するが、先輩は妖艶に微笑むだけだ。
「さぁ、二回戦だ。……せっかく種を撒いたんだ。奥まで届くように、よく耕さないとね」
「いやっ、だめっ、そんなのっ、うそつきぃぃぃっ――!」
ズプンッ!!!
「ひゃぅっ……!」
悲痛な叫びは、強烈な突き上げによって強制的に嬌声へと書き換えられた。
子宮いっぱいに満たされた精液を、栓をするように掻き回される感覚。
その圧倒的な背徳感と快楽が、僕の理性も、抵抗する気力も、すべてを白く塗り潰していく。
嘘つき。
そう思ったはずなのに、僕の腕は無意識のうちに先輩の背中にしがみつき、小動物のように震えながら快楽をねだり始めていた。