宵の口のATMコーナーは無人だった。
パーカーのフードを目深に被った麻幌はサッと店内を見回し、手近なブースに駆け込んだ。
うらぶれた路地裏のどん詰まりにひっそりと建っているせいで、このATMコーナーは極端に利用者が少ない。そもそも表通りに銀行の支店があるので、そちらへ足を運んだ方が何かと都合が良い。
極力人目に触れないよう生活を送っている麻幌にとっては、このATMコーナーは欠かせない存在だ。手持ちの現金が底を尽いてしまった為、こうしてこっそりと預金を引き下ろしに来た。
ライトグレーのパーカーと黒のデニムパンツの後ろ姿からは、男性にしては小柄、女性にしては中背という身長程度しか分からない。だぼっとしたパーカーは体の線を覆い隠しているが、袖口や裾からは甘ったるいミルク臭が仄かに滲み出していた。
手早く引き下ろしを済ませると、麻幌はホッと息を吐いて財布をパーカーのポケットに捩じ込んだ。
踵を返そうとした刹那、ATMに貼られた後方確認用のミラーシールにぬうっと黒い影が映り込んだ。
ぎくりと全身が強張る。
狭い店内の室温が急激に下がったような気がした。
影は黒っぽいスーツを着た長身の男性のように見えた。
だが、ゆらゆらと不安定に揺れる体は異様に細長く、頭部がミラーシールに映っていない。麻幌との距離感を考えれば、頭が天井に達する大男という事になる。
麻幌は口内に溜まった唾をゆっくり嚥下した。間違いなく、後ろにいるのは人間ではない異形の化生だ。
魔除けの数珠は肌見放さず身に着けているが、どこまで効果があるのか定かではない。
電車の淫夢に攫われかけた一件の直後、お祓いをしてもらった寺の住職に問い合わせてみたが、強力な化生には魔除けが効かない場合もあるそうだ。力が及ばず申し訳ないと電話口で謝罪された麻幌は途方に暮れた。
暫くは再び電車の淫夢を見るのではないかと怯えていたが、拍子抜けするほど毎晩ぐっすりと安眠出来ている。深夜にアパートの部屋の前をうろついていた足音もぱったり聞こえなくなった。
外に出れば相変わらず誘蛾灯のように異性を引き寄せてしつこくつきまとわれるが、いざ麻幌に近づいてきた男は顔色を悪くして逃げ去るのだ。その際、背後から犬の唸り声が何度か聞こえた。
電車の淫夢から助けてくれた犬の影が何故かボディーガードをしてくれているらしい。
しかし相手も化生である以上、どこまで信用していいのか分からない。
もしかしたら助けてくれた『お礼』に味を占めたのだろうか。
人間の男や電車の淫夢を見せてきた化生には恐れられている様子だったが、背後の大男は犬の影を上回る強力な化生という事だ。犬の影は出し抜かれたのか、それとも……。
背中から冷たい汗が噴き出す。麻幌はパーカーの胸元を握り締め、身を縮こませた。
ミラーシールの中の大男はゆらゆらと左右に揺れながら、不意に上半身を屈めた。まるでフードに隠れた麻幌の顔を覗き込もうとするかのように頭を近づけてくる。
歪んだ鏡面に大男の頭部が映り込み、麻幌は悲鳴を漏らしそうになった。
――のっぺらぼう。
黒い背広の上の頭部は青白く、茹で卵のようにつるんとしていて毛髪も顔のパーツも一切なかった。
無貌の大男は首を傾げると、蜘蛛の足を思わせる長い両腕を伸ばした。
視界の左右から白い手袋を嵌めた異形の両手が現れる。
「……っ!」
人間離れした大きさの手はゆっくり麻幌の両腕を掴むと、有無を言わさぬ強さで胸元から引き剥がした。
恐怖に震えるばかりの麻幌の眼前で、更に信じられない事が起こった。
ミラーシールに映る大男の背中から十数本の触手がゆらりと伸び出したのだ。黒々とぬめるそれらは不気味にくねりながら麻幌へ殺到した。
「い、や……ッ」
パーカーを被ったままの首元に、背中でまとめて拘束された両腕に、腹部に、デニムパンツを穿いた左右それぞれの足に絡みつき、ぎちぎちと締め上げる。
まるで頑丈なゴム製の蛇に巻きつかれているようだ。
痛みと息苦しさに顔を歪めると、大男が空いた両手をパーカーの胸元へ伸ばした。
「やめっ……!」
きっちりと閉めていたファスナーを一気に引き下ろされる。
パーカーの下は紺色と白のボーダーのゆったりとしたトレーナーだ。厚手の布地を豊かに押し上げるバストの両サイドにはスリットが入っていて、服を着たまま胸を出す事が出来るデザインになっている。
一段と濃いミルク臭がむわりと広がった。
妊娠もしていないのに母乳が出る体質になって以来、毎日搾乳しないと胸が張って痛くて仕方がない。搾乳の度に服や下着を脱いだり着たりする手間を省きたくて、最近はもっぱら授乳用のウェアや下着を愛用している。
身をよじると豊満な二つの膨らみが重たげに揺れた。大男が無造作に両手をスリットの中へ突っ込んだ。
「ひぁッ」
ブラジャーのカップごと両の乳房を鷲掴まれる。細長い指でぎゅうぎゅう揉み潰され、下腹部がカッと熱くなった。
一瞬で絶頂に至り、麻幌は弱々しく痙攣した。カップの内側で母乳がどぷりと溢れ出る。
乳房を揉みしだきながら胸元をまさぐっていた両手がブラジャーのカップに付属するスナップボタンに気付いた。
授乳用のブラジャーはカップの部分に大きな穴が空いており、スナップボタンで留まっているカバーを外すとブラジャーを着けたまま授乳できる仕様になっている。白手袋を纏った細長い指がパチン、パチン、とスナップボタンを外し、左右のカバーをべろんと捲った。
「やだっ、やめてぇ……!」
締めつけるものがなくなった双乳がぶるんッと弾む。
大男はトレーナーのスリットを大きく広げ、カップの穴から乳房を引っ張り出した。
カップの枠に絞り上げられた双球がスリットから押し出される。
Iカップの淫乳は今にもはちきれんばかりで、仄かに赤らみ、たぷんたぷんと波打っている。たわわな半球の頂きには真っ赤に潤んだパフィーニップルが実り、陥没乳首の窄まりから乳汁を垂れ流していた。
大男の両手が乳房を掬い上げ、ゆるゆると捏ね回す。でっぷりと熟れた豊乳は異形の掌にも余るほどで、大男は重量感に満ちた弾力を味わうかのようにねちっこい手つきで垂乳を揉みくちゃにした。
「あッ、ひぃん……んっ、ふぅ、あァ!」
電車の淫夢でスペンス乳腺を開発されて以来、乳房への刺激に殊更弱くなった。腋窩からバストの両サイドにかけてのラインに触れられると喘ぎ声が甘く引っ繰り返る事に大男も気付いたようだ。
「あ――ッ! いあっ、ひぁあぁ――ンッ!」
スペンス乳腺を撫で上げるように乳房を絞られ、麻幌は甲高い悲鳴を上げて失神した。
単調な愛撫を延々と繰り返され、容赦のない連続絶頂にびくびくと身悶える。
ぷっくりと膨らんだ乳輪の先端から練乳のように濃厚な乳汁が流れ落ちる。大男の白手袋はぐっしょりと濡れていた。
左右のパフィーニップルへ黒い触手が伸びた。母乳に濡れて艶光りする媚丘の縁をスリスリと無でさする。
「ンッ……ぅ、くッ」
羽根が掠めるようなフェザータッチに子宮がわななき、麻幌は身をくねらせた。
乳輪の外縁をくるくるとなぞる動きに合わせ、乳房を捏ねる手つきもひどく優しいものに変わった。凝り固まった乳腺を揉みほぐされ、もどかしい焦燥感と狂おしい解放感が沸き起こる。
「はぅ……っ、……ぁひッ」
麻幌はまともに声も出せず絶頂を繰り返した。大男の手中で桃色の双球が小刻みに跳ねる。
パーカーのフードを被り、トレーナーのスリットから淫らなまでに豊満な乳房だけを剥き出しにしてよがる姿態は倒錯的だった。乳輪はチェリーパイのようにぷるんと膨れ、揺れる度に赤い残像を浮き上がらせた。
「――あ、っ、おぅ……ッ!」
執拗な双乳への加虐に耐え切れず、麻幌は大きく仰け反って痙攣した後、意識を手放した。
弛緩した体を異形の両腕が易々と抱きかかえる。黒い触手が蠢き、麻幌を万歳の姿勢で固定した。
触手がトレーナーの裾をグイッと引き上げる。パーカーを巻き込んでトレーナーが裏返り、麻幌の頭部と両手をすっぽりと覆い隠した。
抜けるように白い女體が照らし出された。
スレンダーなようで、ぶるんぶるんと重量感たっぷりに弾むIカップの爆乳が凄絶に第一印象を裏切っている。肩紐とカップの枠部分だけが取り残されたブラジャーがサイズを強調し、ほっそりとした腰のくびれも際立たせていた。
デニムパンツに包まれた下半身は程良く引き締まり、悩ましいヒップラインを描いている。大男の両手が誘われるように柳腰に巻きつき、女らしい肉感の桃尻をいやらしく撫で回す。
気を失ったまま麻幌がくねくねと白い腹を踊らせる。淫乳が波打ち、甘ったるい乳汁を飛び散らせた。
触手が左右のカップの枠に絡みつく。上方へ引っ張ると二つの膨らみが根元から絞り上げられ、ばるんっ! と縦に揺れた。
「――ふ、ぐぅッ」
麻幌はくぐもった嬌声を漏らした。カップの枠を引っ張られては乳房を激しく揺さぶられ、下腹部がキュ――ッと快感に締めつけられる。
デニムパンツの尻がへこへこと振れる。パフィーニップルはつっついたら弾け飛びそうなほど腫れ上がり、ぷるんぷるんッと揺れていた。
触手が動きを変え、肩紐と繋がる枠の上部分を引き下ろした。カップの位置がずれてたわわな膨らみがひしゃげ、枠の上部分が乳輪を押し潰す形で引っかかった。
「ひッ、ぁ――んおアぅッ!」
ビクンッビクンッと麻幌はのたうった。
女體が鮮やかに紅潮し、乳臭さが混じった汗の匂いがむわりと広がる。
圧迫されたパフィーニップルから母乳が滲み出し、うねる女の腹を濡らす。新たに伸びた触手が枠の布越しに乳輪をくりくりと弄り出した。
「あっ、ひぎ、んぃぃうァ……ッ!!」
焦らしに焦らされ続けたパフィーニップルを責め抜かれ、麻幌は悲鳴を上げた。
乳輪を更に潰され、陥没乳首の窄まりをほじくられる。窮屈な状態でスペンス乳腺を押し込むように乳房を揉みしだかれ、きつく巻きついた触手に痛みを感じるほど搾られる。
「あ――ヒッ、おッ、ン……あぁァァァ……っ」
ぶしゅっ、ぶしゅるっ、と音を立てて母乳が垂れ落ちた。
膝がガクガクと震え、アンモニア臭と共にデニムパンツの股間に濃いシミを作った。
失禁した麻幌は咽び泣き、ずるずると脱力した。しかし崩れ落ちる事は許されず、それどころか陥没乳首を直に捏ね回されて絶叫した。
「や……ぁ、らめぇぇぇぇぇぇ!!!」
ぷるんと熟れた乳輪ごとグリグリと転がされ、陥没していた乳首を力尽くで引きずり出された。肉紅色の乳首が勢いよくそそり立ち、母乳を噴き上げる。
触手が枠の布地をゴムのように引っ張り、おもむろに放した。バチンッ! と音を立てて乳首が強打される。
「――ッ、ぁ、……」
麻幌の体が大きく跳ね、がくりと力を失った。
再びバチンッ! と乳首を弾かれ、電流を流したように麻幌が痙攣する。ふくよかな乳房が痛々しく打ち震え、滑らかな背がしなる。
「あ、ぉ、アぁ、ぅおッ、ん、アぁ、ぃひ!」
触手が枠を伸ばし過ぎるあまり、ついにブラジャーの布地がちぎれた。
ぱつんッと背中のホックが弾け飛んだ。用を成さない紐に変わり果てたブラジャーを触手が放り投げる。
拘束を失った双乳がぽよんぽよんとたわんで落ちる。散々責め苛まれたにもかかわらずIカップの乳房は張りのある美しい球形を誇り、肉々しい乳輪と乳首を勃ち上がらせていた。
荒い呼吸に合わせて上下する豊乳に誘われるように大男の両手が左右の果実を包み込む。広い掌と長い指で膨らみをゆるゆると握り潰され、乳輪ごと乳首をギュウッと捻られ、麻幌は母乳を迸らせて失神した。
ねっとりじっくりとした搾乳は凄絶な連続絶頂を齎し、袋状になったトレーナーの布地の中で麻幌はすっかり酸欠状態に陥った。
「は、ぁ――ふ、ぅぐ……ッ!」
呼吸の異変に気付いた大男が触手を操り、トレーナーを一気に引き裂いた。
「かっ、ひ……ごほっ、はっ……は、ぁ……」
麻幌は激しく咳き込んだ。
ようやく楽に息が出来ると安堵したのも束の間、パーカーを羽織っただけの上半身に硬直する。
「あ、え……ちょ……ひゃあン!?」
全開になったパーカーの前身頃から曝け出された爆乳を見せつけるようにわざとらしく揉みしだかれる。
人間には有り得ないサイズの手が、たっぷりと母乳を漲らせて豊熟した乳房をいやらしい緩慢さと力加減で揉捻し、無理矢理実らせられた乳首を触手の先端でクチュクチュと飴玉のように舐られる。
「んあァ、ああァァァ……ッ!!」
麻幌は頭を振って泣きじゃくり、逃げるように天を仰いだ。
背中を反らした為に自ら胸を張る姿勢になってしまい、嘲笑うようにより激しく乳房を揉みくちゃにされる。
「ぃやっ、やらぁ、やらのぉ!」
もがけばもがくほど双乳は跳ね回り、異形の手が愉しげに媚肉を蹂躙した。
快感と絶望に打ちのめされた麻幌がぐったりと項垂れる頃、触手がデニムパンツのホックを外した。
麻幌が泣き腫らした両目を見開いた時には、既に太腿まで引き下ろされていた。
「あ……っ」
隠す事を許されない卑猥な豊乳の谷間越しに、濡れて光る生白い太腿と、水色のフリルとレースに飾られたショーツが見えた。
ブラジャーに不自由する為、せめてショーツぐらいは可愛らしいものを使いたいと選んだデザインだ。……布地の面積が狭い上に、両側で紐を結ぶタイプというチョイスに、今は後悔しか覚えない。
失禁と潮噴きを繰り返した陰部はびしょ濡れで、少ない布地が張りついて無毛の恥丘や尻たぶがすっかり透けている。触手にぬるんと尻を撫でられ、麻幌は息を呑んだ。
「は……は、んっ……」
形の良い尻たぶを緩慢に愛撫される。
動きを揃えて、左右の乳房を強弱を付けて揉み潰され、乳汁を滴らせる乳頭部を舐め回された。悪寒のような快感が背骨を伝い、麻幌は歯を食い縛って気絶することを堪えた。
触手に誘導され、ATMに両手を突く姿勢を取らされる。やや前傾になり、背後の大男へ尻を突き出すようなポーズだ。
重力に従って下向いた乳房は優美な椀形を保ち、重々しく揺れ動いている。パーカーを肩の下まで落とされ、明かりに照らし出されたみだりがわしい動きを覗き込むようにのっぺらぼうの頭部が顔の横まで迫ってきた。
「ひッ……ン、アッ!」
両脇から回された大男の両手が再び垂乳を鷲掴む。器用に触手を使ってスペンス乳腺を愛撫しつつ、たわわな膨らみの弾力を味わうように揉みしだく。
「あ、ぁ、ひぁ、ハッ、あ――ぁあっ!」
異形の無貌が至近距離に迫ってくる恐怖は、あっさり快楽に押し流された。白手袋の指先でゆっくり乳輪をなぞられ、乳首をコロコロと転がされるだけで母乳が飛沫き、陰部から滂沱の愛液が流れ落ちる。
下腹部が痛いほど疼き、太腿が戦慄する。麻幌はATMに突っ伏し、潮を噴き散らした。
絶頂の余韻に浸る間もなく、ひたすら両胸を揉まれ続ける。尻たぶとショーツの布地を掻き分け、くぱくぱと物欲しげにひくつく肛門がとうとう異形に見つかってしまった。
遭遇する怪異によって立て続けに第二の蜜壺として開発された肛門は、愛液よろしく腸液の涎を垂らして肉棒を欲していた。入り口付近をうろついていた触手がのっそりと潜り込んでくる。
「ハ――ぁあァんッ!!!」
直腸の奥深くまで容易に触手を咥え込んだ事に驚いたのか、大男の動きが止まった。
麻幌は涙の膜が張った瞳を天井に向け、白らかな背筋をしならせた。
後から後から溢れてくる腸液が潤滑油となり、挿入された触手はみるみるS状結腸の手前まで到達する。麻幌が「んぅッ」と喉の奥で声を漏らした瞬間、ぬぽんと最奥が突破された。
「――……ッ!!!!」
皮一枚隔てたポルチオを突かれ、麻幌はたっぷんッと双乳を飛び上がらせた。
触手がうっそりとポルチオを小突く。子宮が打ち震え、直腸が収縮して触手を食い締める。
大男が微かに身動いだ。
するりと触手が肛門から引き抜かれる。麻幌が面食らっていると、他のものに比べて恐ろしく太い触手が尻たぶを割り開いた。
「え――」
一息にS状結腸まで貫かれ、乳房が跳ね上がった。
かひゅ、と呼吸が詰まる。
電車の淫夢で味わった黒魔羅にも並ぶ圧迫感とサイズのこれは――陰茎だ。
ずぷんッ、ずぷんッと、腰に響く深さでS状結腸からポルチオを抉られる。衝撃にゆっさゆっさと揺れる乳房を荒々しく揉まれ、乳頭部を力任せに捻り潰される。
麻幌は全身を震わせ、乳汁と潮を放射した。
「ひゃ、あ、ハッ――ぁう、あっ、ああ――」
抽送は止まるどころか加速し、容赦なく子宮の裏側を突き上げる。ガクガクと揺さぶられる女體にまとわりつくパーカーは腰の辺りまでずり落ち、デニムパンツも足元で蟠っている。
触手がショーツの紐を解き、腰回りから取り払った。露わになった下半身に触手が絡みつく。
デニムパンツを完全に脱がされると、両足を肩幅まで開かされた。限界まで尻肉を押し広げられて、深々と陰茎を呑み込んでしまう。
「ん、ぃひぁァァァ……ッ!」
脱げかけたパーカーの他には靴下とスニーカーだけというあられもない姿になった麻幌は、短い黒髪を振り乱して啜り泣いた。
「いや、も、やらぁ……ぬいて、ぬいてってばぁ……あ、ァ、あ――ひぁんッ!」
叱りつけるように陰茎をポルチオに打ちつけられ、言葉を失って大きく喘ぐ。
触手がつるんとした恥丘を撫で回し、その麓で硬くいきり立つ陰核に気付いた。怪異の度重なる凌辱によって鋭敏になり、ずっと放置されていた陰核を踏み潰される。
「ぁ、や、ァァァ――――!!!!」
麻幌は絶叫し、意識を喪失した。
しょろろろ……と水音が響く。小水を漏らして脱力した麻幌の体を支えながら、大男は彼女を横向きにした。
右手をATMに突いて寄りかかり、左足を高く持ち上げて交接部を照明の下に晒す体勢だ。大男は麻幌の後ろから右手と触手を使ってIカップの乳房を揉みしだき、左手を麻幌の左足の下から回して陰部に伸ばした。
白手袋を纏った異様に長い指が陰核をつまむ。指の腹で愛撫し、捏ねくり回し、時折爪弾く。
ゆるゆると陰茎を抜き差しし、柔々と乳房を弄ぶ。中火で炙るような刺激に、麻幌はぶるりと身を震わせて薄目を開いた。
「あ……う、んぅ……ッ」
優しくも重みのある力で胎の裏を突かれ、麻幌の唇から熱の籠もった吐息が漏れた。
高ぶり続ける快感に両の乳房ははちきれんばかりに膨らんで、揺さぶられては艶めかしく母乳を滴らせる。
触手が水分を吸って重くなったパーカーを肩まで引き上げ、ファスナーを首元まで閉める。麻幌が困惑していると、冷たく濡れた布地越しに乳房を押し包まれた。
スペンス乳腺をなぞり、やんわりと膨らみを握り潰される。ブラジャーの保護を失ったバストのウエイトと弾力性を堪能するかのようにたぷたぷと揺すられ、また揉まれては潰される。
「ふっ、んン……ッ」
分厚い布地を押し上げて主張する乳頭部は円を描くように愛撫され、乳房に圧力がかかるタイミングに合わせてキュッとつまみ上げられる。残酷なほど焦れったい愛撫に、麻幌は弱々しく喘いで身をよじった。
黒光りする極太の肉棒を咥え込んだ肛門は真っ赤に花開き、溢れる腸液が抽送の毎にぐぷぐぷと泡立つ。慎ましく閉じた陰裂は愛液を垂れ流しながらひくつき、大男の左手に躙られる陰核は赤々と熟れて凝っている。
肛門近くまで引き抜かれた陰茎が鈍重に直腸を押し進み、ごぽんッとS状結腸を突き破った。
硬いゴム状の亀頭部が皮一枚向こうのポルチオを深く抉る。子宮にめり込む勢いで切っ先を突き立てられ、麻幌は反り返って腸壁をきつく収縮させた。
「は、ひぃあぁ――……ッ、……」
生殖能力は持っていないのか、大男が射精する様子一向に見られない。
それ故に陰茎のピストンは絶え間なく、麻幌は丸々と迫り出した胸乳と対照的になだらかな腹、スラリとした左足を揺さぶられ続ける。
絶頂から下りる事を許されず、思考回路はとっくに焼き切れていた。麻幌はぼろぼろと涙を流し、陶然と頬を染めて虚ろに視線を彷徨わせる。
陰茎の律動が緩やかになった。
ショーウィンドウのマネキンを動かすように触手が麻幌の体勢を変える。正面に立つ大男と向き合う形でATMの操作パネル上に座らせ、機械に背中を押しつけて凭れさせた。
限界まで開いた両足はV字に固定され、真っ白な恥丘から異形の陰茎に犯される肛門まで剥き出しだ。麻幌の自重で陰茎の雁首がS状結腸の先に潜り込み、スニーカーの爪先がピンと上を向いた。
「ふあっ、ぉあアアぁぁぁぁ……ッ」
ビクビクと戦慄する麻幌の胸元を白手袋の両手が覆い、乳袋《ちぶくろ》の盛り上がりをもったりと捏ね回す。ライトグレーの布地の下で豊乳がたわたわとひしゃげる様はあまりに淫靡だった。
腫れ上がった乳頭部が湿った布地に磨り潰される感覚に、白い喉がひくりと震える。
不意に陰茎が直腸から引き抜かれた。喪失感はほんの刹那で、満開の肛門へ触手が一本二本と挿し込まれる。
「ひィ、ぎぁッ!?」
括約筋がギチギチと押し広げられ、肛門は貪欲に二本の触手を呑み込んだ。S状結腸まで貫かれると、麻幌は白目を剥いて気絶した。
潮を迸らせながら痙攣する麻幌のパーカーの裾から陰茎の触手が滑り込む。揉みしだかれて波打つ乳房の谷間を通り抜け、襟元から頭を出すと麻幌の口に亀頭部を突っ込んだ。
「ぅ、んグッ!」
意識を引き戻された麻幌は両目を白黒させた。
二つの乳袋で極太の陰茎を挟み込み、こするようにズリズリと上下に動かされる。同時に口いっぱいに頬張らされた亀頭部で喉の奥まで突かれ、思わずえずいた。
陰茎の動きに合わせ、直腸を占領する二本の触手が互い違いのピストンでポルチオを突く。暴力的な快楽から逃れようと麻幌は身をよじったが、結果的により鋭角な打撃を浴びて激しく爆乳を弾ませただけだった。
陰茎の動きが加速する。口蓋垂を押し潰す勢いで亀頭部が喉を突き上げ、ぶるっと震えた直後、鈴口から大量の体液を吐き出した。
「んむぅ……!?」
精液にしてはサラサラとしていて無味無臭の、冷たい水のような体液を流し込まれる。麻幌は首を振って陰茎から口を離そうとするが、ぐっと後頭部を押さえられ深く咥える羽目になった。
「ンン――ッ!」
ドクドクと溢れる異形の体液を嚥下してしまう。口の端から精液のように白い雫が零れ落ちた。
麻幌が缶コーヒー一本分の体液を飲み干すと、陰茎はのっそりと口の中から出ていった。
噎せ込んでいると、下腹部がずくんと熱くなった。
「ふぅ! は、ぁ……ッ!?」
両目を見開いた拍子に涙の粒が転がり落ちる。強い酒を一気に飲んだように全身が火照り、ドッと汗が噴き出した。
大男の両手と触手が静止し、まるで麻幌の変化をつぶさに観察しているようだった。
麻幌はATMの上でのたうち回った。大男の両手と陰茎の触手がパーカーから離れ、解放された双乳がぼいんぼいんと跳ね回る。
「は――ひぁアッ!!!」
汗みずくの女體が海老反りになった瞬間、短い黒髪がざわざわと伸び始めた。みるみる肩を通り過ぎ、豊かに背中を覆い、腰の辺りまで流れ落ちる。
艷やかな濡羽色のロングヘアを振り乱し、麻幌は雌猫のように甲高く啼いた。突き出された胸元で二つの乳房が飛び跳ねながら、ググンッと隆起する。
ずくんずくんと子宮が脈打っている。回る視界で火花が散り、麻幌はぐったりと四肢を投げ出した。
頬に流れた黒髪を触手が耳まで掻き上げる。豊かに烟る睫毛が打ち震えた。
麻幌の髪は前髪以外すっかり腰の下まで伸びていた。胸元の膨らみは一回り近く肥大化し、呼吸に合わせて揺れ動きながら浮き沈みしている。
大男が右手を伸ばし、パーカーのファスナーをジーッ……と引き下ろした。
鳩尾まで胸元がはだけると、桜色に上気した両乳房がばるんッ! とまろび出た。
――明らかにIカップよりも大きくなっている。
より豊満かつまろやかに追熟した一対の果実は、ぎりぎりJカップに収まるかどうかという肉感だ。乳輪のサイズや厚みは変わらないが、バストが膨張したせいで乳首が再び埋没している。
まさか、まだ胸が大きくなるなんて――。信じられない気持ちでJカップの淫乳を前に呆然とするしかない。
ぐいと引き起こされ、M字に開いた両足の間から大男に向かって爆乳を見せつけるようなポーズを取らされる。思わず赤面して顔を背けると、肛門に挿入されたままの二本の触手が腸壁を左右に押し開いた。
「ひぐッ!?」
体の変化は頭髪と胸部だけでなく、アナルの柔軟性も飛躍的に上昇した。くぱぁ……と拡張された肛門に陰茎の亀頭部が押し当てられかと思うと、滑らかに入り込んできた。
「――ッ、か、は……っ!」
止め処なく溢れる腸液が滑りを助け、陰茎はあっという間にS状結腸を潜り抜けた。熱く滾る子宮をズンッと穿たれた麻幌は、爆乳を振り飛ばして全身を震わせる。
無垢な恥丘の麓から潮が噴水のように撒き散らされる。二度三度噴き上がり、麻幌の肢体は脱力しても顫動していた。
むっちりとした重量を感じさせながらうねる垂乳を異形の長い指が鷲掴む。グラマラスな手応えを味わうように揉みしだき、指の間からはみ出したパフィーニップルを指の腹でぷにぷにとつつき回す。
「あ――んぃ、ヒぁッ」
チェリーパイのようにぷるんとした乳輪を撫でては弾かれ、陥没乳首の窄まりから乳汁が飛沫く。麻幌はカクカクと恥丘を前後させ、しなやかな腸壁で三本の触手を締め上げた。
大男の手が動きを変える。スペンス乳腺を指圧しながら先端へ向かって乳袋をねじり、絞り出したバフィーニップルを強く引っ掻いた。
「ふぅ――……ッ!!!」
麻幌は目を瞠り、全身を突っ張らせた。
乳房を左右にねじられては乳輪をカリカリと刺激され、気が狂いそうな快感に乳頭部が焼け落ちそうだ。
かと思えば、つきたての餅を捏ねるようにたっぱんたっぱんと掌に膨らみを打ちつけられ、Jカップの肉感を意地悪く愛で抜かれる。
勃起した陰核を数本ががりで触手にしゃぶられると、麻幌の瞳がぐるんと裏返った。
大男は暫く爆乳を揺すり続けていたが、触手を操って麻幌の体を引っ繰り返した。
ATMの操作パネルに膝を立て、機械上部に両手を突いて四つん這いじみた前傾姿勢を取らせる。パーカーのファスナーを全開にして肘の辺りまでずり下ろすと、引っかかりを失った双乳がぶるんッと雪崩れ落ちた。
触手でしっかりと体を支えながら、大男は仰け反ると、上半身をあり得ない角度まで折り曲げていく。無機質な頭部が麻幌の足の間へ潜り込み、甘酸っぱい女の香りを撒き散らす陰部にぴったりと無貌の面を密着させた。
つるりとした金属のような、冷たく硬質な感触が陰核や陰裂の肉襞を押し潰す。ぞわぞわとした悪寒と快感が脳天を走り抜け、麻幌は大きく息を吸い込んだ。
「あぁぁ……んアっ、うくぅ……ッ」
重く蕩ける乳房を大男の手が掬い上げると、牛の乳搾りの要領で揉み潰す。水鉄砲の如く母乳が噴き出し、放尿感にも似た絶頂に襲われる。
高く突き出した桃尻を三本の肉棒が押し広げ、ずちゅんずちゅんとポルチオめがけて直腸を滅多刺しにする。激しい揺れに垂乳がしなり、陰部が大男の頭部でこすれ、麻幌は上擦った悲鳴を漏らした。
「あ、んむっ、ふぼぁッ」
二本の触手が口腔へ押し入り、ぐちゃぐちゃと粘膜を掻き回す。愛撫というには無作法で息苦しく、麻幌は顔を歪ませて咽び泣いた。
女體を突き動かすリズムは激しさを増し、勢い余って体液にぬめる膝が滑った。麻幌の上体が崩れ落ち、胸から両の太腿にかけて大男の頭部を抱え込むような姿勢になる。
乳頭部ごと乳房が押しひしがれ、肛門から突かれる下腹部を外側からも圧迫され、麻幌は一気にオーガズムに達した。母乳混じりの小水が大男の頭部を濡らしていく。
痛いほど双乳を揉み上げられる。
休む間もなく陰茎でS状結腸を貫かれては揺さぶられ、麻幌は背中を丸めて身悶えた。桃尻がわななき、太腿で大男の頭部を挟み込む。
数え切れない抽送の末、ずぷんッと陰茎がポルチオを打ち据えた。一瞬の間を空けて亀頭部から冷たい体液が放出される。
「んぶぉッ!?」
凄まじい量の体液が腸を遡り、胃から食道へと逆流する。麻幌の口から白い吐瀉物が溢れ、触手を外へ押し出した。
「おごっ、かひゃ、げほっ……はぁ、うあッ」
腸内に放り出された体液はどんどん喉元まで込み上げ、しばらく嘔吐が止まらなかった。胃が空っぽになるまで吐き通し、麻幌はぐったりと項垂れた。
ずるずると触手が蠢動し、麻幌の体を空中に抱え上げる。
両腕に引っかかっていたパーカーを剥ぎ取られると、スレンダーな細身に絶妙なバランスで豊かなJカップの双球を戴く肢体が露わになった。靴下とスニーカーを履いたままの両足が横一文字に開脚し、しなやかな両手を頭上でまとめて拘束される。
やや楕円形に膨らんだ豊乳が重たげに弾む。深い谷間や乳房の下部は汗に蒸れ、瑞々しい水蜜桃のようにぬらぬらと光っていた。
窮屈そうに並んだ乳袋の上に影が差す。上半身を起こした大男は麻幌と向かい合った。
大男は身を屈め、幼女のようなパイパンの下にひっそりと綻ぶ陰裂へ両手を伸ばした。三本の剛直をずっぽりと咥え込んだ肛門に比べて頑な印象の肉襞を左右にくつろげる。
割り開かれた陰裂からは、トロトロと泥濘む媚肉が垣間見えた。長い指が肉襞の重なりを掻き分け、隘路の奥に処女膜がちらりと覗く。
大男は動きを止め、初々しい膣内を注視するかのように無貌の面を近づけた。
白手袋を纏った右手がゆっくりと陰裂の中へ潜り込む。麻幌の頭が小さく揺れた。
人差し指、中指、薬指が腟内へ侵入し、処女膜に触れないぎりぎりの位置まで慎重に這い進む。親指と小指でふっくらとした恥丘を押さえると、大男は緩慢に右手を動かし始めた。
「くッ、ぅああ……ッ」
麻幌は目を閉じたまま喉を反らし、身をよじって淫乳を波打たせる。
しとどに溢れる愛液を掬って指に絡め、大男は処女らしいきつさの蜜壺をグチュグチュと撹拌する。三本の指が内壁をねっとりと撫で回した。
人差し指の腹が処女膜の手前、膣の浅い部分を掠めると、柳腰が大きく跳ねた。
親指が恥骨を真上から強く押し込んだ。腟内では人差し指と中指で圧迫され、電撃のような快感が脳髄を駆け抜ける。
「んぁあァ――ッ!?!?」
麻幌は瞼を押し開いて悲鳴を上げた。膣が異形の指を食い締め、乳房が高々と跳躍する。
性感帯を探り当てた大男の右手は、優しくも粘着質な手つきで恥骨に向かって指圧し続ける。下腹部で行き場のない熱が渦巻き、麻幌は緑の黒髪を乱して泣きじゃくった。
大男は更に二本の触手で陰核を挟み込み、根元から扱くように押し潰した。
「あっ、ぇ、らめぇぇぇぇぇ――っ!!!」
ゴリゴリと陰核をしだかれる。更に肛門に挿入されたままの陰茎が二本の触手と共にピストンを再開し、無情にS状結腸からポルチオを突き上げた。
「ふあァァァあァァァ……ッ」
リズミカルな律動がアナルから胎を穿ち、重い膨らみを痛みを感じる強さで揺さぶられる。振り上がるパフィーニップルから母乳が飛び散るほど、媚肉に埋もれた乳首が火傷しそうに腫れぼったい。
浅い部分の性感帯と陰核を甘く苛まれ、脳内はフラッシュを焚いたように真っ白に焼き尽くされた。壮絶な快感に何も考えられない。
生娘の裸身がよがり狂い、振りみだく豊艶な乳房へ大男が左手を伸ばした。
ボリュームのある動きで跳ねる右乳房の頂きをつまむと、乳輪をぐにぐにと上下に扱く。乳袋を揺すられながら乳頭部だけ責められ、麻幌は声にならない叫びに喉を震わせた。
「は、ぁ……あひぃ……」
充血したパフィーニップルから乳首がぷるんッ押し出される。外気に触れて打ち震える乳首を捻り上げられ、絶頂を上り詰めたまま意識が遠ざかった。
右乳房に触手が巻きつき、大男の左手から預かるとスペンス乳腺を絞り上げるように揉み出す。大男は続いて左乳房へ指先を向けた。
同じように乳輪をつまむのかと思えば、手全体で乳房を押し包んだ。Jカップのはちきれそうな膨らみをもったりと揉みしだき、まあるく捏ね回す。
「ふ、くぅ……ッ!」
麻幌は肩を縮め、膣と直腸で侵入者を締め上げた。更なる加虐を強請るような感触に、凌辱はいっそう丹念で激しくなる。
突き上げられては弾む左乳房をもどかしく揉み込まれ、麻幌は涙に滲む瞳を開いた。
「んっ、ンぁ、うぅおッ」
乳首がそそり立つ右乳房には触手が幾重にも絡みつき、揉みくちゃになって母乳を搾られていた。乳頭部も数本がかりで嬲られ、乳汁を噴く度に凄まじい快感が迸る。
左右のギャップに、余計に左乳房の愛撫を物足りなく感じてしまう。放置されたパフィーニップルは熱く疼き、背筋をぞくそくと震わせる。
「は――あ、ぁ……」
麻幌は唇をはくはくと動かし、泣き濡れた睫毛を下向けた。
「あ……ぉ……ぱぃ……おっぱい、さっきみたいにぃ……なんれ……?」
何故左も同じように触れないのかという期待と失望の入り交じった質問に、大男は膨らみから左手を離した。
麻幌が瞬いた刹那、左の乳輪をギュッとつまみ上げられた。
「ン、おぉッ!?」
女の裸身がびくんと跳ねる。
大男の左手が乳輪を荒々しく扱き、陥没乳首を一息に引きずり出した。
「お、ぅ、アアァああああぁぁぁっ!!!」
麻幌は声の限り泣き叫んだ。母乳と潮が雨のように床を濡らす。
鋭敏な乳首をニチニチと指先で捏ねられ、かと思えば張り詰めた乳腺を蕩かすように乳房を揉みほぐされる。左手と触手で左右それぞれの乳房を好き放題にされ、麻幌はえずくように泣いた。
「や、やぁ、も、ゆるぃてぇ……」
汚れなき女體はすっかり快楽漬けとなり、気絶して現実逃避する事も出来なくなりつつあった。白い裸身は痙攣しっ放しだ。
ずろろ……と、肛門から陰茎と触手が引き抜かれた。
「え……」
同時に大男の右手指が膣から出ていく。双乳と陰核も解放された麻幌は、くったりと脱力した。
休息する暇は与えられず、触手が動き出して体の向きを反転させた。
大男に背中を見せる形で後ろ手を捕らえられる。前傾気味に尻を大男へ向けて突き出し、膝を曲げた両足は肩幅より広く広げるよう促された。
どろどろに解れた肛門と陰裂が大口を開けている様が背後から丸見えだ。美しいバストラインを誇示しながら垂れ下がる乳袋はたわわに熟れ、まさに実りを味わんと大男の両手に掬い上げられた。
「んぅ、ッ」
張りのある膨らみをふにゅんと握り込まれ、ダイナミックな指使いで揉みしごかれる。ぷっくりと浮き上がった乳頭部を引き伸ばされてねじられると、乳汁が宙に白い流線を引いた。
「ふあァ……」
麻幌の口端から涎と一緒に鼻にかかった甘い声が零れた。黒髪の瀑布が流れる背中が弓形を描くと、特大のボウルを二個並べたような乳房が反動で揉みくちゃになる。
照明に皓々と艶めく爆乳を異形の両手が我が物顔で弄玩する。裸身を搦め捕る触手がバストを強調するように膨らみの根元を縛り上げた。
尻の割れ目を開帳されると、潤んだ蜜壺へひやりと外気が忍び込んだ。子宮が収縮して直腸と膣が締まり、それだけで絶頂に追いやられた。
ぬらぬらと光る女の股間へ陰茎の触手が滑り込む。亀頭部のエラや硬質なゴムで出来ているかのような太い茎で前後にこすられると、麻幌は天を仰いで喉を震わせた。
「あッ、お、んァあぁアァッ!!」
チカチカと視界が明滅する。
恥丘の頂き――恥骨の真上から肛門にかけて激しく摩擦され、堪らず失神しては衝撃に意識を叩き起こされる。陰核は濁流に翻弄される川底の小石と成り果て、麻幌は舌を突き出して悶絶した。
立て続けに潮を迸らせた麻幌の頭が後ろへ落ちる。
弛緩した女體をいっそう貪らんと大男の上半身が覆い被さろうとした刹那、怒りに満ちた獣の咆哮がビリビリと空気を震わせた。
大男が動きを止め、ATMコーナーの出入り口を振り向く――疾風の如く駆け込んできた黒い影がスーツの喉笛に食らいついた。
異形の長身がよろめき、触手がのたうち回る。一瞬で大男の喉笛を食いちぎった影は巨躯を翻し、あっさりと麻幌の体を奪取した。
黒い毛布のような影にくるまれた麻幌をそっと床に横たえる。大型の狼犬を思わせる影は大男に向き直り、赤口から牙を剥き出しにして低く唸った。
大男はぐらぐらと長身を左右に揺らしながら両手を振り上げた。長い両腕と触手の群れがATMを打ち据えたが、惨たらしく破壊されたのは機械だけだった。
「鈍間が」
冷ややかな男の声が天井から降ってきた。
年若い青年の声は、淡々と独りごちる。
「ネットで生まれた異邦の怪異もどきまで現世に引き寄せるなんて……垂乳女の末路は本当に哀れだ」
仄かな憐憫を滲ませたのも束の間、天井に伏せていた犬の影はゆらりと身を起こした。
「山の怪であり土地神でもある湯孕の寵愛を受けた垂乳女は一種の神嫁だ。豊饒の気を宿す垂乳の一滴は、怪異にとって極上の甘露となる。垂乳女の破瓜の血を浴びた者は、神嫁を妻として貰い受けることが許される……垂乳女の命が潰えるまで」
触手が天井に殺到する。しかし一歩先に跳躍した犬の影は、大男めがけて
「哀れで
鋭い牙がのっぺらぼうの頭に突き立てられる。
大男が身悶え、触手の群れが荒れ狂って敵対者を引き剥がそうとするが、犬の影は前脚でスーツの長身を抑え込むと大男の頭部を貪り食った。
蜘蛛の足のような手足がビクビクと痙攣するが、暫くして動きを止めた。パキパキと乾いた音を立てて大男の長身と触手が崩れ去る。
冷たく吹き込んできた夜風に燃え滓のような破片が散らされ、跡形もなく消えた。
「やれやれ……スレンダーマンなんて不味くて食えたもんじゃないな」
犬の影は首を横に振り、そろりと麻幌を顧みた。
毛布のような影がフッと解けて青白い裸身が晒された。浅い呼吸を繰り返す麻幌の顔色は良いとは言い難い。
静かに麻幌へ近づいた犬の影は、苦々しい口調で「遅くなってすみません」と呟いた。
「厄介な仕事を頼まれてしまって――万が一の時のために守りは付けていたんですが、ネットから現世へ乗り込んでくる化生がいるとは思いもよらなくて……隙を突かれて後手に回ってしまいました」
裸身に絡みつく長い髪とより豊かに変貌した胸乳に、悔しそうに牙を噛む。
「媚毒を仕込むなんて……糞っ、湯孕の真似事でもするつもりだったのか?」
微かな嘆息が落ちる。犬の影は麻幌の腹部を見遣り、グウッと喉を鳴らした。
「……体内の媚毒を掻き出さないと」
麻幌の足元に回り込んだ犬の影は赤い舌をだらりと垂らした。
「麻幌さん」
熱情の籠もった、苦悩に満ちた青年の声が囁く。
「本当に、すみません。応急処置とは言え……無断で、貴女に触れます」
犬の影は麻幌の両足の間に頭を伏せると、異形の陰茎のサイズにすっかり押し広げられた肛門に長い舌を潜り込ませた。
「んッ!」
麻幌の腰が小さく跳ねた。
犬の影は器用に舌を閃かせ、腸内の残滓を舐め取る。S状結腸の窄まりを労るように愛撫され、麻幌は裸身をくねらせた。
「ふ、は――ひ、ぁ、うぇ?」
バター犬よろしくアナルを舐られ続けるうちに麻幌の頬に赤みが戻った。冷えていた女體が熱を帯び、下腹部で甘く燻る快感に瞼を持ち上げる。
「あっ、え、ちょ……なんで! 待っ……ァんッ!」
じゅるりと腸液と愛液が混ざり合った蜜を啜られた。肉厚でザラザラとした舌で陰裂の肉襞や陰核を柔く巻き締められてしゃぶられると、麻幌は軽く気を遣った。
「あ、ぁ、ああ……」
ごぼっと大量の腸液が異形の残滓を押し流す。絶頂感につられて尿意が込み上げ、とっさに足を閉じて両腿で犬の影の頭を挟み込んだ。
「やだ、もれちゃうから、みないでぇ……ッ」
「麻幌さん」
ひどく優しい声に名前を呼ばれた。
耳障りのいい、腰に響くような、深みのある落ち着いた青年の声。麻幌さん、と再び甘く囁かれ、思わず呆ける。
「大丈夫です。……俺しか見ていないから」
もう恐ろしい化け物はいないから安心していいのだと慰められ、麻幌はプツンと糸が切れたように絶頂した。
「――……っ!!!」
反射的に手を伸ばし、犬の影の頭を抱え込むように縋りつく。麻幌は肩を震わせ、子供のように小水を垂れ流した。
「ハッ、はぁ、ひ、ぅ、あぁ、ふぅあッ」
羞恥と安堵と快感が一緒くたに押し寄せ、麻幌は泣きながら肩で息をした。
濡れた頬を舐められた。くすぐったさにふわふわとした感覚のまま視線を上げる。
電車の淫夢に現れたものと同じ犬の影だ。全体的にのっぺりとしているのに荒い毛並みの手触りがあり、ぞろりと並んだ牙と長い舌をそなえた柘榴色の口が生々しい。
ぺたりと座り込んだ麻幌よりも大きな巨躯、一噛みで頭蓋を砕けそうな顎。しかしどこにあるのか定かではない目は、心底優しく麻幌を見つめている。
「頑張りましたね、麻幌さん。今は少しでも媚毒を体外に排出した方が良いんです。取り込んでしまった分は手遅れですが……」
犬の影の視線が胸元まで下がり、サッと逸らされた。心なしか耳がぺったりとしょげている。
「びどく?」
「奴が貴女に摂取させた体液です。催淫性の毒で……あ、精液ではないので妊娠の可能性はゼロですから安心して下さい。催淫効果も一時的な筈ですから」
「……喋れるんだ」
「前回は猿猴のテリトリー内でしたから、発語能力を封じられていたんです。きちんと説明できないままですみませんでした」
猿猴という化生が電車の淫夢の正体らしい。猿のような姿をした河童で、人間の女を犯して子を孕ませる性質を持つのだそうだ。
「今回貴方を襲った化生は、海外のネットで創作された都市伝説が実体化したものです。電脳世界を徘徊しているうちに貴女の存在を嗅ぎ取って、スマホかパソコンを介して現実世界に潜り込んできたんでしょう」
「ね、ネットから……?」
「現代の魑魅魍魎は当たり前のようにネットにも巣食っていますよ。むしろネットを使って人間を食い物にしている連中の方が多いぐらいだ」
人外も情報化社会に適応しているらしい。思わず感心しているとくしゃみが漏れた。
「すみませんっ、気が回らなくて」
ふわりと肩に温かいものが掛かけられた。いつの間にか毛布のような影を羽織っていて、床にも同じものが敷かれている。
犬の影の気遣いに胸が熱くなる。律儀にそっぽを向いたままの彼にいざり寄り、麻幌は「あの」と口を開いた。
「貴方は、なんで……わたしを助けてくれるの?」
伏せていた耳がぴくりと動く。逡巡するような間を置いて、青年の声が答えた。
「これは仮の姿で……一応、俺は人間です」
「え」
「麻幌さんは憑き物筋を知っていますか? 有名なのは狐憑きですが……憑き物筋は、代々化生に取り憑かれた家系のことです」
重い溜め息を漏らし、ゆるりと犬の影が麻幌と向き直った。
「俺は
「犬神?」
「山犬、送り犬……実際には狼に近い化生ですね。大昔、犬飼家の先祖が山で死にかけた際、犬神に命を救われた代償として末代まで依代となる事を約束させられたんだそうです」
多くの憑き物筋同様に犬飼家は財を成したが、周囲から忌避されて縁談に恵まれず、何度も絶えかけたそうだ。
「犬飼の血を引く者は、今では俺一人です」
ひどく冷めた声で、犬の影……一玻璃は告げた。
「先代の母から引き継いだ遺産で生活には困らないんですが、事情があって家業も継がなくちゃならなくて」
「家業」
「……拝み屋です。拝むというより、俺の場合は物理的に人外を排除する荒っぽいやり方ですけど」
一玻璃は化生に脅かされている依頼者から退治の仕事を引き受け、犬神の能力を使って化生を片付けているらしい。
「別の依頼で追っていた猿猴の夢の世界で偶然貴女を見つけて……貴女をオモチャにする奴の仕打ちに腹が立って、その……」
「それだけの理由で助けてくれたの?」
「望まずに化生に取り憑かれて、好き勝手に体を作り変えられて、他人には理解してもらえなくて……すみません、貴女の境遇を分かったような気になって、一方的に同情したんです」
一玻璃は乾いた笑いを零した。
「貴女を助ければ、昔の自分も救われるような錯覚をしていたのかもしれません。すみません、気持ち悪いですよね。ストーカーみたいに貴女の周りをうろついて、ボディーガード気取りで……はは、本当に送り犬そのものだ」
山犬の頭が項垂れた。寂しげな声が「これからは姿を見せませんから、安心して下さい」と微笑む。
「ただ、遠くから守る事は許してくれませんか。麻幌さんがいけ好かない化生の慰み者になる姿なんて、見ていられない」
「ねえ……犬飼君? 一玻璃君?」
彼個人の名前で呼ぶと、山犬のしっぽがブワッと膨らんだ。
「へ、は、はい?」
「一玻璃君でいいか。声の感じからして、たぶんわたしより年下だよね?」
「……麻幌さん、お幾つでしたっけ」
「二十六」
「あー……俺は二十一です」
「良かった。成人してた」
麻幌はふふっと笑い、上目がちに一玻璃を覗き込んだ。
「一玻璃君、巨乳好きなの?」
「ハイ!?」
「いつもチラチラ胸ばっかり見てくるから」
巨乳など軽く超えて爆乳と呼ぶしかない両乳房を見せつけるように両腕で挟み込む。
まろやかな乳袋が潰れて谷間がよりいっそう深くなった。噎せ返るような乳臭い女の香りに、一玻璃の巨躯が緊張する。
ハッハッと獣じみた息遣いに紛れて、苦しげに吐き捨てる言葉が聞こえた。
「俺は……心まで犬にも化生にも成り下がりたくありません。欲望のまま貴方を弄ぶ連中と同列なんて真っ平だ。か、らかわないでくれ」
麻幌は瞠目し、赤面して俯いた。
「ごめんなさい。そんなつもりじゃ……なくて」
「……俺は人間だけど、半分は化生なんです。理性なんて紙より薄っぺらい。わざわざ自分から危険な目に遭おうとしないで下さい」
こんな時まで麻幌の安全を優先する年下の青年の思いやりに、嬉しいやら気恥ずかしいやらで麻幌は耳まで赤くなった。
胸の高鳴りは下腹部の疼きに変わり、垂乳女の全身を甘やかに上気させる。麻幌はおずおずと両手を伸ばし、一玻璃の首に抱きついた。
山犬の鼻先が淫乳に埋もれる。一玻璃の獣毛が一斉に逆立った。
「麻……幌さんっ!?」
「わたしがいいよって言えば、無理矢理にはならないよね?」
「は……」
「触っていいよ、一玻璃君。助けてくれたお礼に、好きなだけ……触って」
奇しくも、一玻璃が意識のない麻幌に触れた時の声掛けに対する応えのような台詞だった。
一玻璃がまさしく狼のように唸り、麻幌の上にのしかかった。
影の毛布が滑り落ちて、薄紅色を纏った女體が山犬の眼前に現れる。ほっそりとした首筋に涎の滴る舌を這わせ、一玻璃は呻いた。
「……麻幌さん」
「はい」
「こんな誘い文句、俺だけにして下さいね」
麻幌は小さく笑った。
「うん。一玻璃君だけよ」
山犬が柘榴色の大口を開けて乳房にむしゃぶりついた。
牙で傷つけないように細心の注意を払いながら頬張り、舌を使って膨らみから乳頭部まで丹念に愛撫する。切羽詰まったような仕草に滲む一玻璃の優しさに、麻幌の理性はぐずぐずに溶け崩れた。
「あ――ンッ、あ、い、ぁ、ひあ、ひばりくん……っ」
知ったばかりの彼の名前を呼びながら山犬の頭を抱き寄せる。
一心不乱に母親の乳を飲む子犬のように乳輪ごと乳首に吸いつかれ、母乳が溢れて止まらない。
揺れる腰を無意識に一玻璃の巨躯に押しつける。一玻璃は左右の乳房を代わる代わる可愛がり、口元を母乳まみれにさせた。
時折首筋を舐められ、脈打つ喉笛を甘噛みされた。怖がるどころが本当に子犬にじゃれつかれているように声を立てて笑う麻幌に、一玻璃はしっぽをちぎれそうな勢いで振っている。
「麻幌さん」
肌を伝う低い声に、麻幌は堪らなくなって目を瞑った。
「な、に?」
「……上書きしてもいいですか」
「うわ……?」
「貴方の中に、化生が入り込んだでしょう? 媚毒の残滓は掻き出したけど、まだ奴の気配が残っているから……」
何かを強請るように口元を舐め回される。従順に口を開くと、ぬるりと山犬の舌が入り込んできた。
麻幌が経験した中で一番優しくて幸福なキスだった。
「犬神の精気を注げば、上書きされて虫除けになると思うんです。……嫌なら、いいんですけど」
「いいよ」
一玻璃が喉を鳴らした。薄く目を開くと、驚きに固まる眼差しの奥から凄まじい熱が迸る。
熱い。
幸せで焼死しそうだ。
「嫌じゃないから。一玻璃君がしたいように……してほしい」
一玻璃は火傷しそうな息を吐き出した。
「背中、上にしてもらえますか」
腰砕けな体をなんとか引っくり返して四つん這いになると、一玻璃が素の口調で「ヤベェ」と呟いた。
二十一歳なら大学生の可能性が高い。年下の純情な男の子に悪い遊びを教える淫売になったような気分だ。
ずしりと山犬の巨躯が覆い被さってきた。尻の割れ目にゴリッとした固いものが当たっている。
「麻幌さん、お尻、もうちょっと上げて」
「ん、こう?」
尻を突き出し、片手で割れ目を開いてみせた。
くぱぁ……と開花した肛門から艶めかしい紅色の潤みが覗き、奇跡のようなパイパンの向こうでJカップの双乳が悩ましく揺らめいている。頬を染めた麻幌とはっきり目が合い、とろんと笑いかけられた。
一玻璃は天井を見上げた。
「……すみません。終わった後も、麻幌さんをオカズにしてもいいですか……?」
「ふ、は、そんなの、黙ってればいいのに」
「公認してもらえると心置きなくシコれるので……」
麻幌は小首を傾げた。
「好きなだけ、どうぞ?」
「麻幌さんって、天性のファムファタルですね。化生を狂わす魔性の女過ぎます」
「えぇ……?」
「でも、俺が守るから――可愛い人間の女の貴女のまま、俺に狂って」
背筋が痺れるような悦びに息を呑んだ瞬間、ずちゅんとS状結腸まで貫かれた。
――今までで一番巨根だなんて聞いていない!
下世話な感想はすぐに木っ端微塵になった。焼けた鉄の棒のような長大で無骨な陰茎に粘膜を食い荒らされる。
「ひ――ぁ、お、や、ぃば、ひ……ばりく……ぁあッ!」
ずちゅずちゅと巨大な亀頭部をポルチオに打ちつけられ、ずっしりと重い陰嚢が尻の上を転がる。影の毛布を握り締めて嵐のような律動を耐えていると、耳元で山犬の荒い息に押し込められた声が震えた。
「麻幌、さん」
心臓を撃ち抜かれた。
「――ッ、ふあァァァァァァっ!!!」
「く、ぇ、うわっ」
子宮が震えて腸壁が食いちぎらんとばかりに一玻璃の陰茎を締め上げる。
一玻璃がグルルと唸った。打ち震える肩口に鼻先を寄せ、黒髪の香りを嗅ぎながら囁く。
「麻幌さん……イキました?」
「ふ、ぁ、は……んアぁ……」
「というか軽くイキっ放しですね。……耳が弱いんですか?」
麻幌は訳も分からず首を横に振ってひんひん泣くしかない。一玻璃の声を聞くだけで下腹部が熱くて仕方ないのだ。
「麻幌さん? 平気ですか?」
黒髪を掻き分けて項を舐め回される。
軽く腰を揺すられるだけで張り詰めた乳房が弾み、一玻璃の一部である敷物に乳頭部がこすれて気持ちいい。
そう、ひたすら気持ち良いのだ。一玻璃の宣言通り、彼の体の下でただの女になって甘えて喘いでいる。
その事実が――堪らない。
「麻幌さん」
「う、ぇ、あッ、んぃ、やっ、ひあ、ひばりくんッ」
「俺に名前呼ばれるのが好きなの?」
「ふぅ、あ……んあぁ」
「麻幌さん。――麻幌さん」
従順な肛門が一玻璃の陰茎をよりきつく、縋るように咥え込んだ。
山犬の口が獰猛な笑みを浮かべる。麻幌の目には獣性と入り交じる情愛が映っただろう。
「ああ、もう……本当に可愛い人だな」
囁きと共に山犬の舌が耳の中に差し込まれた。ちゅぷちゅぷと耳殻を舐られ、麻幌は啜り泣いては一玻璃の名前を繰り返す。
「麻幌さん、動きますね」
先程よりもゆったりとしたピストンで重くボルミオを突かれた。絶頂から下りられず獣の陰茎を届かない胎内へ引きずり込もうとする麻幌の蜜壺に、一玻璃は嬉しそうに白い肩を食む。
「ふは、マジで、俺でよがってくれるんですね」
「ら、ぇ、だって、き、もちよ、くてっ、ンッ、あ、あぁぁ、やぁあッ」
「気持ち良いなら嫌じゃないでしょう、麻幌さん」
「んぇ、あァ……」
「気持ち良すぎて辛いから嫌なんですか? ……出来れば酷い事はしたくないんだけどな」
穏やかで深い抽送に、ジワジワと蛇に絞め殺される小鳥になった気分だ。実際には蛇ではなく狼なのだが。
「麻幌さん」
脳味噌が煮立って鼓膜が溶け落ちそうな声が笑って呼ばう。なんとか肩越しに顔を向けると口の中にザラつく舌が滑り込み、麻幌の舌に絡みついた。
濃厚な接吻に息も出来ない。夢中になって舌の動きで応じると、ぐりぐりと亀頭部をS状結腸にねじ込まれた。
「ん――ッ!」
全身がわななき、腕の間で乳房が飛び跳ねる。その様子を上機嫌で視姦されていると感じ、腸壁がますます陰茎を巻き締めた。
「は……麻幌さ、……」
劣情を押し殺した声が耳朶を掠め、項に噛みつかれた。快楽に流されるまま脱力した麻幌を押し潰さないよう踏ん張り、一玻璃が強く亀頭部をポルチオに突き立てる。
山犬の亀頭部がぼこんッと隆起すると、熱い精液を迸らせた。
「はぅあぁ!?」
「……ぐッ」
膨らんだ亀頭部はS状結腸に嵌まり込んだままドピュドピュと射精し続ける。麻幌は恍惚とした表情で小刻みに痙攣し、一玻璃は牙を噛み合わせてじっと耐え忍んでいる様子だった。
溢れる精液は麻幌の腹をぽっこりと膨らませた。漸く射精が終わっても尚、亀頭部は膨らんだままだ。
腹が苦しい。ジンジンと鈍い熱が下腹部に居座り、これは己の雌だと主張する。
「すみません、暫くこのままです……」
ぼそぼそと謝罪された。どこか恥ずかしげな空気を感じて一玻璃を振り仰ぐと、山犬の耳は情けなく垂れていた。
「ふ……一玻璃君、謝ってばっかり」
気が緩んで笑うと、額に浮いた汗を舐め取られた。
「そうですね。麻幌さんには強く出られないというか……大事にしたいから」
獣臭い吐息ごと囁かれて腰はすっかり粉々だ。ひくつく肛門が更に精液を搾り取らんとするように締まると、一玻璃は思わず呻いた。
「……積極的なお誘いは嬉しいんですが、これ以上は麻幌さんの負担になるので控えましょう。念の為に人払いの目眩ましを掛けていますけど、長居をすればそのうち誰かに見つかりますから」
麻幌はコクコクと頷いた。一玻璃以外の衆目に晒されるなど耐えられる訳がない。
麻幌の顔色から感情を読み取ったのか、一玻璃は首筋に頭をすり寄せてきた。爆ぜた柘榴に似た赤口が微笑む。
「俺がついてますから」
「……うん」
何年ぶりになるか分からない胸キュンという感覚を噛み締めた。
一玻璃は麻幌にぴったりと寄り添って話し続ける。
「落ち着いたら、ひとまず麻幌さんのお宅まで送り……いや待てよ、奴が麻幌さんのお宅のネット回線を介して実体化した可能性もあるのか?」
「え、それって家に帰らない方がいいって事?」
「奴の怪異としての容量を考えると、スマホじゃなくてもっと大型のパソコンを媒体にして現世へやって来た可能性が高いんです。麻幌さん、自宅にパソコンありますか? それで怪談や都市伝説に関するサイトを閲覧しました?」
「仕事で使ってるノートパソコンが……あの、湯孕に襲われてからオカルト関連やお祓いの相談サイトとか色々調べ回ってたから……その時にどこかで?」
「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている――ネットの向こうにいた奴に運悪く目をつけられたんでしょう。しばらくネットを使う時には注意が必要ですね。とりあえず、パソコンは買い替えた方が得策です」
全身から血の気が引いた。
一人暮らしのアパートの部屋のドアを開けた瞬間、無貌の大男が待ち構えているイメージを思い浮かべてしまい、涙が込み上げてくる。
「やだ! もう嫌、あんなっ……あんな……」
S状結腸に突き刺さったままの陰茎をぐりぐりと押し込まれた。強烈な快感に恐怖が霧散する。
「ひっ、あンッ、ふ……ひば……く……」
「今、貴女の中にいるのは俺ですよ」
腹の奥に精液を塗りたくるように掻き回され、麻幌は背を反らして口をぱくつかせた。
一玻璃は嫉妬とも怒りともつかない激情を漂わせながら、朗らかな声で麻幌に笑いかける。
「麻幌さん、しばらく俺の家に泊まって下さい。何からも――絶対に、俺が守るから」
麻幌は熱く鼓動を打ち鳴らす垂乳を震わせ、涙の露を纏った睫毛を伏せた。
微かに首肯する。
桃の花より匂やかな唇が、庇護者の皮を被った捕食者の名前を呼ぶ。恋い焦がれるような、飽くなき愛欲に溺れる女の瞳を覗かせて。
「お願い……助けて、一玻璃君」
応えるように獣の影が覆い被さってきた。
温かい闇に沈みながら、麻幌はうっとりと笑った。