※この作品はR-18です。

TSF:保健の実技授業   作:おくらいりーOh9lawinー

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保健の実技授業外伝:「他者変身で異性の体を知ろう!」

 

保健の授業の実技は、異性の体を知るために重要である。

 

他の学校ではどのようにして異性の体を体験させるかと言えば、入れ替わりなどを駆使して平等性を確保するらしい。でも、初体験が異性の体、という男女も珍しくなく、「処女を捨てる前に童貞を捨てることになった」とか、「童貞のまま処女を卒業してしまった」とか、それはそれで不満があるらしい。

 

一方の僕らの学校はと言えば、また違ったやり方で異性の体を体験することになっているのだが、これまた不評が絶えない。

 

まず男女の中から、代表者を選び出す。凄絶なじゃんけん大会の後に、男子は僕、女子は図書委員の猿渡さんと決まった。髪を短いおさげにしていて、いつも俯きがちのぱっとしない彼女が教壇の上に立った時、マジかよ、と叫ぶ男子がいた。もちろん鉄拳制裁を喰らったが、猿渡さんの表情は変わらない。というよりも、何を考えているのか考えが読めなかった。

 

一方の僕も、登壇と同時に女子の方から嘆息が聞こえてきた。まあ、もっと絵になる男子は他にいるのだから、当たり前と言えば当たり前かもしれない。相手を選べないセックスというのは、この通り賛否両論のあるものなのだ。

 

この後は、男女に分かれてそれぞれ別の教室に移動する。僕と猿渡さんは髪の毛を提供し、それぞれの性別のグループに戻る。ただ直前で、彼女が眼鏡を押し上げながらこんなことを呟いていた。

 

「私のこと、滅茶苦茶にしていいから」

 

クラス全員に、赤い薬が提供される。その薬を飲めば、準備は万端だ。くらっと目まいが来て、男子は無事、イケニエになった猿渡さんの姿になっていた。

 

クラスの半数、十数名の男子全員が同じ女子、全員猿渡さんになっているというのは、傍から見ても中から見ても異様でしかないのは言うまでもない。が、これはこれでメリットがあるらしく、単純に、男子がそれぞれなりたい女子の元に行って好き放題なられたら、それこそ管理が面倒だとか、入れ替わりで全員が一斉に入れ替わっているとしても、それもそれで管理が面倒だとか、主に、管理の面で一元化できるという素晴らしさがあった。

 

「あっちは今頃全員お前の姿かあ」

 

と、猿渡さんの一人がぼそっと僕に呟いてきた。全員、一旦はセーラー服に着替えた後、簡単な女子の体についてのレクチャーがあって、それから実践となる。

 

ちょうど目元まで垂れてくる前髪が鬱陶しい。眼鏡を押し上げてから、それから頻繁に前髪を掻き上げなければならない。あいつちゃんと髪切れよ、という不満の声が、数人の猿渡さんから聞かれた。

 

保健の先生が、大きな鏡を持ってきた。列になるのか円を描くように座るのかは先生次第である。今回は、横一列になっている。その向きに合わせて鏡が展開される。

 

「お前ら、自分の姿を見失うんじゃないぞ」

 

と、腰に手を当てた猿渡さんが言う。鏡の中の猿渡さんは、無言でこちらを見返してくる。少し離れたところでもうじゃれ合っている猿渡さんが複数いたし、セーラー服の上からおっぱいを持ち上げて歓声を上げている猿渡さんもいた。普通なら顰蹙もの、というよりもセクハラ事案だが、保健の授業に限って言えば、これが予習になる上に実技としては満点なのだからおかしな話だ。

 

要するに、異性の体を知る保健の実技というのは、「普通の倫理観」とはおよそ真逆の立ち位置にある。

 

「いいか、まずはセーラー服を脱いで、下着姿になってみろ。全裸になるのはそれからだ」

「服を脱がなきゃ、全裸になれませんね」

「おお、ハルキっぽい」

 

誰かがぼけて、誰かが突っ込む。どっと笑うのも猿渡さんだ。声も全員同じだけど、微妙に発声が違って、そこで少しだけ違いが生まれる。皆がいそいそと服を脱ぐ中、微妙な顔をして佇んでいる猿渡さんがいた。

 

「どうした?」

「いや、その……全裸より着崩した方がエロいと思うんですけど」

「それはいつか、お前にパートナーができた時に頼め。この授業では全裸にならんと説明もできん」

 

猿渡さんが、羞恥心も見せず、待ってましたとばかりに脱ぐ。脱ぎ捨てる奴、一応セーラー服を畳もうとするやつ、豪快に床に散らかすやつ、警察が押収したときのように床に並べ始める奴。こんなところでも性癖が現れる。

 

「んじゃ、ゆっくりと胸を触ってみるぞ。いいかぁ、言うまでもないが女子はお前らと違って敏感で、繊細な生き物だ。ガシガシやったりすると痛めつけることになるから、優しくしてやれ」

「優しくしてね……ってやつですか」

「そうだ」

 

いちいちツッコミ待ちの発言が来るけど、大体は受け流される。鏡の前で裸になった猿渡さんが、大きく股を開いて、一斉に自分の乳房を撫で回し始める。円を描くように指の平を使うもの、乳房をつねるようにする者、胸をぐにぐに揉み始める者……まあ色々である。

 

「感じてきたら、少しずつ体が温かくなるはずだ。そしたら、その熱くなってきた体の芯を探るように、秘所に指を入れてみろ」

 

鏡の中で、また合図とともに一斉に猿渡さんが動き始める。見せつけるように豪快に股を開くものもいれば、腕を一本膝で挟み込むようにする慎ましい猿渡さんもいる。既に腰が抜けそうになって小刻みに体を震わせている猿渡さんもいる。あっ、と左の方の猿渡さんが、自分の股間を隠すようにしていたけれど、遅かった。どうやら女の子に乱暴した結果、やりすぎておもらししたらしい。ぴゅーっと小水が噴水のように吹き上がる。待って待って待って、と慌てているけれど、もう手遅れだ。少なからず笑いが起こっている。

 

胸を揉みながら、股間に手をやった。つるりとした感触がなんとも頼りない。今頃女子の方は全員僕の姿になって、多分手でしごいて男の射精というやつを堪能しているのだろう。じゃんけんで負けた結果なのでどうこう言うつもりはないが、本人の前で本人同士がカマ掘る、みたいなマネをしないならまあ好きにしてくれ、と思う。

 

手首全体でスナップをつけるようにして、指を割れ目に埋めていく。それから、おへその方に押し返すようにして指で掻き回す。皆、裸足になった足が微妙に床から浮き上がっている。

 

「ま基本的に女子の体の繊細さは、愛撫と自涜で十分に理解できたと思う。要するに、お前ら男子と違って女子は砂糖菓子でできているようなもんだ。イった奴から自由時間だ。必要ならローターや電マを貸出するが、まあ、女子同士でしかできない楽しみ方をやってもいい。ただし、体を貸してくれた猿渡に顔向けできる程度にしとけよ」

 

はーい、と声が重なるのは、なんだか小学生に戻ったような感じがする。僕はそっと腰を浮かせて、鏡の端を確保した。

 

予想通り、早く自由時間を確保しようとした連中が、自分の体に乱暴して強引に潮噴きを始めた。正確にはさっき言ったような失禁に近い感じだった。それをイった、と誤解した連中が、嬉々として自由時間を楽しみ始める。

 

大人しく胸を揉んでいる程度はまだかわいい方で、他の猿渡さんを捕まえて無理矢理自分の秘所を舐めさせるシックスナインや、腰と腰を突き出して、足を絡めあう貝合わせ、自分たちにペニスがあると思い込んでいるのか大きな胸と胸をぎゅうっとぶつけ合うように正面から抱きしめ合って、ヘコヘコ腰を振りながら舌を絡めている二人の猿渡さんやら、いわゆるレズパコの姿勢をとる猿渡さんと、本人の尊厳破壊としか言いようのない、この世の天国なのか地獄なのかよくわからない光景が広がっていた。そこに油を注ぐように、ペニスバンドやらディルドやらも配られるので、もうやりたい放題だった。

 

ただおかしなことと言えば、結局みんなペニスバンドやらディルドやらを使いたがる方に回ることだった。誰もが、本物のペニスを失ってせめて代用品でもつけて安心しようとしているかのようだった。誰もがペニスを惜しんでいた。本当の意味で女子になったことを堪能している元男子というのは少数のようだった。

 

僕は愛撫に時間をかけすぎたらしく、そのまま実技の授業は終わった。やっぱり自分の体だよなぁ、と体操服に戻ったクラスメイトが呟く。

 

教室に戻ると、もう女子は戻ってきていた。男子が猿渡さんを見て、ニヤニヤと笑みを浮かべている。その笑みにサディズムが感じられて、正直嫌だった。猿渡さんは、いつも通り窓辺の席で、ちらっと男子たちを一瞥して視線を窓の外へと戻した。

 

一方の僕はと言えば、なぜかみょーに女子たちから視線を向けられていた。ちらっ、ちらっと女子たちが視線を向けてきて、かあっと顔を赤らめて視線を逸らす。

 

 

 

その視線の意味は、二度目の他者変身の時間と、自分の体での実技の時間で判明した。

 

 

 

 

二度目の授業ではクラスのお調子者である高崎が選ばれて、いやー女子はみんな俺の体のトリコになるね!と息まいていたのだが、

 

「あのさぁ、高崎のチンコ、小さくね?」

「というか、前園のチンコが単純にデカすぎるんじゃ?」

 

という不評を買っていた。おかげで僕は「デカマラエゾノ」とかいうあだ名をつけられるわ、高崎から目の敵にされるわで散々だった。

 

なお、さらに次の時間の本番、自分の体でペアを作ってセックスしよう、という実技の時間だったのだが、前述の「デカマラゾエノ」のせいで一目見たいという女子から希望が殺到したのは本当に勘弁してほしかった。

 

誰を選んだか。

 

もちろん猿渡さんを選んだのは、言うまでもないことだろう。

 

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