※この作品はR-18です。

TSF:保健の実技授業   作:おくらいりーOh9lawinー

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【恋人同士】

仕切りで作られたプライベートスペースに、2人で入った瞬間から抱き合っていた。がつん、と前歯と前歯がぶつかり合う。イヌのようにハッハッ、と短く荒い息を吐き出しながらまたキスをした。

 

たとえ誰であろうと問答無用で異性と入れ替えてセックスさせるこの保健の実技だが、何事にも例外はある。医師の診断さえあれば回避できるのはもちろんのこと、恋人同士であれば、それを申告しておくことで、ペアを優先してくれるのだった。

 

恋人と本番に挑む前に、正しいセックスを知っておきましょう、というのが学校側の主張だが、すでに経験済みのカップルも多いという話だった。

 

「はやく……したい」

「俺の体で?」

「ダイキの体でぇっ……」

 

恋人のユミは、そう言って身をくねらせた。

 

たとえ恋人同士でも、結局は赤の他人である。やろうと思えばーーいや、どれだけの男女にできるかは分からないがーーいくらでも出会いと別れを繰り返せば、特別な絆も結び直すことができる。

 

そういったやり直しができる恋人という在り方と違って、入れ替わりに関してはーー互いの肉体を相手に貸し合うという意味で、唯一無二の縁が生まれるような気がする。そう思うのは俺だけではないのか、女子の中には願掛けのように、好きな人と入れ替わることで、その絆を永遠のものにしようとしているやつもいるらしい。

 

授業で入れ替わりができるようになったように、入れ替わりだって少し金をかければ可能になるわけだが、やはりまだ世に浸透していないこともあって、まだまだ入れ替わりは希少な体験という絶対的なアドバンテージを保ち続けているというわけだった。

 

分け合うようにして薬を飲む。気の所為みたいな視界の暗転が終われば、目の前に発情して目を蕩けさせている男ーー俺の身体に入ったユミがハッと我に返って、目をギラつかせ始めていた。すでに体操着のズボンはペニスによって押し上げられている。

 

「俺」の手が伸びてきたと思ったら、視界の半分を遮るこの胸を鷲掴みにしていた。ぐにぐにぐにっ、とつねるような勢いでもみしだく。

 

「お前の胸、どう?」

「その……自分で揉むのと、全然違う……」

 

一応答えてはいるが意識はどこか上の空で、そのままベッドのうえに押し倒される。シャツがめくりあげられ、容赦なくブラがはぎ取られる。唇を尖らせた「俺」の顔が迫ってきて、乳首を口に含んだ。今度は、一心不乱に吸い始める。視界の中で、お椀のような形のおっぱいが無理に引っ張られて美しい形を無残に崩していた。

 

敏感な箇所に熱い吐息が何度も吹きかけられる。それだけでくすぐったい。多分、ユミとやるときの俺もこんな感じなのだろう。

 

倒れ込んだベッドのうえで、上体を起こす間もなくズボンとトランクスを下ろした状態のユミが迫ってくる。赤黒い勃起したペニスが天を衝かんと猛々しく狂っていた。その敏感なペニスをさらに刺激しないように、ユミは根元、皮の上からグイグイ下に力を込めて、狙いを再調整した。

 

俺はといえば、そのグロテスクさに目を奪われたのもあるし、何より口づけやこうして至近距離にいるだけで、体が発する男臭さ、のようなものにショックを受けていた。少なくとも俺が女子なら耐え難い臭いである。自分でシコったものの臭いですら結構キツいと感じてしまうのに、女子はこの臭いに気付きながら、それでも好き、で塗りつぶしてしまうのだと思うと、まったく感嘆の念しか起こらなかった。

 

「い、いくよっ」

 

ちょうどユミが調整を終えたらしく、こちらの足を片手でガッチリ掴みながら、グイグイと下半身を突き出すようにしてペニスを押し出してきた。俺は開脚して秘所を見せつけるようにする一方で、少し腰を浮かせて、少しでも入れやすいようにとサポートしてみる。

 

俺ではなくユミの体が、ユミの意思が男のモノを熱心に待ちわびていた。たとえゴム越しであろうと、男のそれを迎え入れて搾り取ってやろうと言わんばかりに、体全体が少し震えていた。男は挿入するときも震えているのだから難儀なものである。

 

やがて、異物が体のなかに入ってきたのが分かった。みちみちっ、と体をかき分けるようにして、どんどんと奥へと入っていく。ややあって、ずちっ、とその進行が止まった。喉仏をヒクヒクとさせながら、ユミが俺の方に抱きついてきた。

 

「入った……入ったよっ」

「うん」

「私、私の体に拒絶されなかった」

 

おかしな言い回しだった。でも、経験の浅い男がペニスをようやく入れたとき、なんとなく舞い上がるのは分かっていたから、俺は笑って流した。こちらの足を抱え込んで、ユミが腰を振り始める。

 

相手が恋人だからこそ、この倒錯したセックスも、普段と違ってなんだか面白い、で済むんだろうなあと他人事のように考える。

 

もしもこれが、普通の、例えば今日くじ引きで決まった相手との入れ替わりセックスとかだったら、男子側も女子の本能的な防御反応にのまれて、体を求めてくるのが自分の体だったとしても、拒絶してしまうんじゃないか、と思わせられた。それを潔癖症、で片付けるのは容易いだろうが、決してそうではないだろう。

 

ただ、とりとめのないことをつらつら考えるのもそこまでだった。俺は男で、今は入れ替わっていて、その入れ替わった相手は何度か体を重ねた恋人だという事実は、俺にとって興奮材料にはなるが拒絶にはつながらなかった。確かにいつもとは違う体ではある。でもその体も、お互いに俺のもの、私のものと宣言した、恋人のもので、それが本当に「俺のもの」になって、その状態で体を許すことに、俺は深く満足していた。

 

「やばっ、これ、ハマりそうっ」

 

 

自分の腰を振り、何度もこちらの股間に自分の股間を叩きつけながら、ユミが息も絶え絶えに言う。セックスにおいて、男が女を征服する快楽に、酔い始めているらしかった。

 

自分の体だからか、相手が自分の恋人だからか、その相手に抱かれることに、不思議と嫌悪感はなかった。よかったと胸をなで下ろすと同時にふと、悪魔のような考えが頭をよぎる。

 

恋人は、何も生涯で一人と決まっているわけではない。相手の同意さえ得られるのなら、自分に魅力があるのなら、いくらでも恋人の数は増やせるわけだ。

 

その誰もと体を交換して、セックスした時、今のように許容できるのだろうか。この人は良かったけれど、この人に体を預けるのは嫌だった、みたいなことも起こるのだろうか。

 

ぎゅっと抱きしめられた状態で腰をたたきつけられ、俺は体の刺激の方に引き戻される。そんな邪なことは考えさせないと、言わんばかりのタイミングだ。俺はふふっと笑い、足をユミの体に巻き付けるのと同時に、下半身に手をやって、性器を横に広げて男を誘ってみるのだった。

 

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