※この作品はR-18です。

異世界迷宮でTS転生した俺に男の娘奴隷ハーレムを!!   作:毛のないおじさん

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11話 半端者

「その者は『半端者』なのです」

 

見慣れぬ鑑定の表示に驚いていると、後ろから奴隷商人が話しかけてきた。

 

「半端者?」

「はい。一見すると女に見えますが、その、男のシンボルも股間にありましてな。おかげでなかなか買い手がつかず……」

 

そう説明してもらってピンときた。

つまり、このコはいわゆるフタナリ。半陰陽とかインターセックスと呼ばれるような、男性器と女性器の両方を持つコなのだろう。

そしてそういう『異端』に対して世間は敏感だ。買い手がつかないと奴隷商人が嘆いたのも仕方がないのだろう。見た目は良いのになあ……。

 

とはいえ一口にフタナリなどと言っても、様々な場合がある。女性らしい丸みのある体なのに陰茎みたいのも生えてるとか、男性らしいがっしりした体なのに乳房も膨らんでるとか、あるいはどちらともつかない中性的な体だとか。

ましてやここは異世界。膣や陰茎などが全て揃っている完全な両性具有なんてこともあるかもしれない。奴隷商人に了承をもらい、本人に確認することにした。

 

 

――自己紹介をお願いします

 

リゼル、十五歳です。

 

――あなたの体のことを詳しく教えてください。男性器も女性器も両方あるのですか?

 

――……乳房はあります。ですが陰茎と睾丸があります。

 

――膣は?

 

ありません。

 

――答えくれてありがとうございます。オレに買われる場合、夜伽も仕事に入りますが大丈夫ですか?

 

……それが僕の仕事なら。ただ、経験がないので……。

 

――つまり、童貞?

 

はい。

 

――オナニーの経験はありますか? 頻度は?

 

たまにします。……三日に一度くらいです。

 

――どうやってしていますか?

 

えっと……こう、陰茎を握って前後させています。

 

――なるほど。意気込みなどはありますか?

 

夜伽はわかりませんが、迷宮には潜った事があります。必ずお役に立てると思います。

 

――ありがとうございました。

 

 

ついインタビュー形式で聞いてしまった。

しかしおかげで必要な事は聞けたと思う。リゼルは男性主体の体に乳房がある、ということか。

 

……なるほど、半端者。そう呼ばれる理由はあるわけだ。

でもオレの場合、むしろついててお得なんだよな。

 

考えをまとめていると、リゼルが必死な様子で売り込んできた。

 

「お願いします。僕は必ず役に立ちます!」

「……どうしてそんなに売り込むんだ?」

「僕は……見返したいのです。半端者と呼ばれないように! そのために沢山の知識も蓄えました!」

 

リゼルは真っ直ぐにオレを見つめてきた。

その目は元々の雰囲気と合わせ、もはや睨んでいるという程に力強かった。

良いね。やる気があるのは大歓迎だ。

 

「リゼル。オレの求める人材は、第一が女の見た目をした男だ。第二にオレに忠実であること、第三に迷宮に共に入れること」

 

リゼルは黙っていた。

まあ半端者と呼ばれ、性自認が男なのに女性のような体でもあるんだ。コンプレックスがあるのはわかる。

でも。

 

「リゼル。オレは今年から迷宮に入り始めた」

「そうなのですか?」

「そして今は、七階層の攻略を行っている」

「えっ……」

 

リゼルは絶句していた。

原作で七階層を攻略していた探索者は十年かけて登ってきたと推測されていたが、やはりそれくらいかかるのが普通なのだろう。一年で七階層まで上がる探索者は滅多にいないはずだ。

 

「オレはいずれ迷宮を征伐するつもりだ」

「!」

「そうなれば、どんな格好をしていようと関係ない。誰もがお前を一人前の、いや優れた探索者として見るだろう」

「……はい」

「まだしばらくは他人を見返すことは難しいだろう。だがオレに従えば、いずれはお前の願いはかなう」

「……」

「いま、よく考えてくれ。お前はオレと一緒にいられるのかどうか」

 

リゼルからすれば俺の提案は満点ではなくとも、悪くはないはずだ。

性転換薬のような物がない限りはリゼルの体はそのまま。ならばリゼルの目標である『見返してやりたい』、つまり社会的な評価を上げるには何らかの実績をあげるしかない。そのためには迷宮に挑むのはわかりやすい一事だ。

さらに言えば、果たしてリゼルは、この先、探索者に買われる事があるか? 答えは今までは売れ残りだったということから推測できる。

だから今オレに女として扱われても、我慢した方がいいはずだ。

 

「…………」

 

まあどうせ奴隷なんだし、本当はわざわざこんなことを聞いて考えさせる必要はないのかもしれない。この世界の奴隷の扱いは、ローズがどういう生活だったかを思えば明白だ。

それを思えば、かえって残酷だったかもしれない。了承してしまえば、主人の命令でしかたなく女装をしている、とは言い辛くなってしまう。

 

「…………」

 

それでもこんなことを聞いてしまったのは、オレの逃げだな。

奴隷を使う罪悪感から逃れたいという、浅ましい精神のあらわれなんだろうな……。

 

「あの」

「……ん、決まったか。どうする?」

 

リゼルは深呼吸をして、俺にはっきり言った。

 

「僕のご主人様になってください」

 

 

 

「それでは、よろしいでしょうか」

 

奴隷商人がそう切り上げ、オレ達は応接間に戻り商談に移った。

 

「たしか相場で言えば、若い男は十六万ナールだったと記憶している。あっているか?」

「ええ、ええ、おっしゃる通りです。では、その値段で……」

「つまり、売れ残るような者はもっと安くなるわけだ」

 

オレは奴隷商人を遮って、値下げするように仕向けた。

……まあ正直なところ、十六万ナールでも全然良いんだけどな。原作リスペクト的に、一応は交渉しておこう。

奴隷商人は十六万という高値で売れなかった事に肩を落としながら、値下げした金額を提示した。

 

「では四万ナールで」

 

安すぎない?

 

え、いきなり四分の一になったんだけど。こういうのって端数をちょっとずつ争う感じじゃないの?

急に値下げされると逆に色々心配なんですが……?

だが商談で動揺を見せるのは悪手。日本の漫画で教わった。

内心を抑え込み、なんとかオレは冷静に声を出した。

 

「……ふむ」

「まだ高いですか。では三万でいかがでしょうか?」

 

違うそうじゃない。

なんでさらに値下げしたんだよ。オレは不満の声を出したわけじゃない。

そんなにこのコの価値は低いのか?

 

「……確認だが、その『半端者』という問題以外は大丈夫だよな? 迷宮で戦えるんだよな?」

「え、ええ、もちろんデスとも……」

 

目をそらすな汗をかくなはっきり話せ。

 

うーん……てっきりフタナリが文化的にNGだから売れ残っただけだと思ったのに。能力に心配な部分が出てきたか。でも他に候補もいなさそうだし。何よりやっぱり見た目がいいんだよな……。

 

ええい、男は度胸だ! オレは決めたぞ!

 

「わかった、三万でいい。ただ女物の服をつけてくれ」

「ありがとうございます。では今後ともお付き合い出来るよう、二万一千ナールにサービスさせていただきます」

 

あ、三割引きスキルつけてたっけ。

 

 

奴隷に対する義務だとか税金だとかを一通り聞かされた後、奴隷商人はリゼルを連れて戻ってきた。

女物の簡素な貫頭衣をつけて出てきたリゼルは、やはり可愛かった。

だがその凛々しい目は困惑の色をたたえ、落ち着かない様子で地面をあちらこちらと眺めていた。女性物の服に戸惑っているのだろう。

 

「可愛いぞ」

「……!」

 

赤くなったリゼルもかわいかった。

 

 

「よし。では改めて、オレは最上優。このあたり風に名乗るとユウ モガミだな。自由民で、遠くから旅をしてきた。このあたりの常識がないことは自覚しているから、何かあったらちゃんと指摘してくれ。

で、こっちが」

「奴隷のロズアードです。ユウ様からはローズと呼ばれています。よろしくお願いします」

「リゼルです。よろしくお願いします」

 

改めて見ると、二人とも本当に可愛いよなあ。

客観視すると美少女二人と普通顔のオレで、ずいぶんバランスが悪いな。まあ胸のデカさだけはオレもなかなかだから、むしろちょうどいいのかもしれん。

 

ともあれこれで狼人族のローズ、ドワーフのリゼルが仲間になった。

ガンガン迷宮を登っていくとしよう。

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