※この作品はR-18です。

異世界迷宮でTS転生した俺に男の娘奴隷ハーレムを!!   作:毛のないおじさん

2 / 21
2話 英雄

村はすでに盗賊と村人の乱戦になっていた。

そんな中をオレは進み、手近な盗賊から切り捨てていく。

オレは原作主人公のように剣道を習った経験はないが、技術がないのは盗賊たちも同じようだ。

とにかく当てる事を念頭にコンパクトに振り回していけば、盗賊どもは一刀のもとに切り捨てられていく。

一人、また一人と殺していくうちに、オレは一番レベルの高い盗賊にたどり着いた。

 

「な、なんなんだテメエは!」

 

おそらく盗賊の頭目だろうそいつの下には、死体になった村人が転がっている。

原作でも亡くなってしまった、なんか強い人だろうか。名前忘れたけど。

ともあれ、この盗賊も殺さなければ。オレは切りかかった。

 

ギン!

 

頭目は持っていた鉄の剣でオレの攻撃を受け止めた。

さすがのデュランダルでも、どうやら武器破壊はできないらしい。残念。 

 

「くそっ、くらえ!」

 

今度は頭目がオレに切りかかり、きれいに胴へ攻撃が入った。ニヤリと頭目は笑った。

痛い。

昔、そう学生の頃、野球の打球が体に当たった事を思い出す。試合中によそ見をしていたら、こっちにボールが飛んできたんだよな。あの時も痛かったな。そんな事を思い出す。

 

だが、その程度だ。

 

ボーナス防具のおかげだろう。頭目の剣の一撃は、オレに痛みは与えたが、それで終わりだった。

お返しと頭目の胴を横薙ぎにすれば、デュランダルは頭目の着ている鉄の鎧を素通りした。鎧はそのままに、頭目の体だけを半分にする。

そういえばデュランダルって防御力無効だっけ。こんな感じになるんだな。

 

「そんな……攻撃が完全に入ったのに……」

 

体が上半分だけとなった頭目は、そう言って動かなくなった。

 

「お頭がやられた! なんだアイツは!」

「クソ、逃げるぞ!!」

 

まだ動ける盗賊達は全員逃げ出していく。

追撃するのも面倒なので、オレはそれを見送った。

ああ疲れた。

初めての殺し合いを終え、大きく息を吐いたオレはその場に座り込む。

ついでにキャラクター画面を開き、ちゃんとセカンドジョブに英雄がセットされているのを確認する。

よしよし、このためにわざわざ介入したんだからな。骨折り損にならなくて良かった。

 

「※※※※※」

 

気がつくと、村長らしき人物が隣に立ってオレに話しかけていた。

 

「言葉がわからない」

「失礼、ブラヒム語の話者でしたか」

 

原作と同じようなやりとりだな。たしかこんな感じのシーンがあった気がする。

 

「お礼を申し上げます、騎士様。この度は村を救っていただきありがとうございました」

「……オレは騎士ではなく、ただの旅の者だ。ユウと呼んでくれ」

「そうなのですか? ……わかりました、ユウ様。いずれにしても、お礼をさせて下さい。どうぞ私の家へ」

「わかった、世話になる」

 

道すがら、村長から様々な話を聞いた。

この村はレオノ村という名前だということ。

近くの街はドルセアといい、2時間ほどで着くこと。

迷宮はこの村の近くにないが、ドルセアの近くにあること。

街なら奴隷商もあること。

原作と同じく、この国は皇帝が治める帝国ということ。

……そういった様々な事を、旅の者ということで、ずいぶん親切に教えてもらえた。

 

一通りの情報が聞け、村長の家に着いた。

これから夕飯も出すので、今日はゆっくり休んで良いそうだ。

そう言うと、村長は戦いの片付けがあるからと出ていった。

 

 

「はぁ〜〜〜」

 

用意された部屋で横になると、オレは大きく息を吐いた。

原作のように最初の盗賊襲撃イベントを乗り切り、英雄のジョブを手に入れた。

片付けが終われば盗賊共の装備はオレのものになり、礼金も手に入るだろう。

ここまでを見れば、順調に進んでいる……と、言えるだろう。

 

性別が変わった事を除けば、だが。

 

ムニムニ、と自分の大きな胸を揉んでみる。

どう考えても、自分の体だ。自分は女になったのだと、現実が突きつけてくる。

 

「はぁ〜〜〜〜〜〜」

 

セックスとは、ちんちんをおまんこに入れることだとオレは思う。

キスでもクンニでもフェラでも、セックスの最中に行われる行為だが、それがセックスではない。

本質は入れることなのだ。

ゆえに……ちんちんがなくなった今、オレはセックスできない。

 

ハーレム……作りたかったな。

女の子を取っ替え引っ替え好きにするような人生……欲しかった……。

 

「どうすっかなぁ……」

 

女として、男の性奴隷を買う?

……想像したが、却下だ。

例え体が女でも、オレは男だ。

男とセックスするなんて死んでも嫌だね。

 

女同士……もなぁ……。

セックスできないのに女の性奴隷買ってもなぁ……。

なんか違うんだよなあ……。

 

……あーあ、この世界で何しようかなぁ。

 

もちろん、強くなって迷宮を討伐すれば、貴族に叙せられるらしい。

だが、それはあまり魅力的ではなかった。

貴族になったところで貴族の仕事がある。働かないで済むようにはならない。

贅沢ができる? ……残念ながら文明レベルは日本の方が高い。日本の食には敵わないだろうし、娯楽の種類は比べるのも馬鹿らしい。

 

目的のないまま、その日の金銭だけ稼いで生きるしかないのか。

何のために異世界に来たのか……。

 

トントン。

 

嘆いていると扉がノックされた。

どうしたのかと扉を開けると、真剣な顔の村長がいた。

 

「ユウ様、相談があるのですが、よろしいでしょうか?」

「……どうかしたのか?」

「はい。実は盗賊の生き残りから聞き出したのですが、奴らの根城はこの村のすぐ近くにあるそうなのです」

「ほう。それは、困ったものだな」

「はい。それで、ですが……」

「……オレに根城を襲撃してほしい、と?」

 

村長は無言で頷いた。

頭目が死んだとあっては、生き残りはおそらく他の場所へ逃げ出すだろうが、確実ではない。もしも再度の襲撃があれば、次はこの村が耐えられるかわからない。

そして今なら盗賊退治を頼めるオレがいる、と。

 

「騎士団は動かないのか?」

「動いてはくれるでしょうが、それでも、すぐとはいきますまい。もし騎士団が来る前に何かあれば……」

「なるほどな。……しかし村長、それはオレにメリットがないのではないか? オレはすでにこの村を一度救っている。この村から十分な謝礼をもらう権利があると思うが? そして、この村にはそれ以上の余裕はないだろう?」

 

今回はオレも英雄のジョブを得る目的があった。

だが、これ以上は盗賊と戦うメリットがない。

なので、わざわざ根城へ行くのは断ろうと思ったのだが……。

 

「おっしゃる通り、我々はこれ以上の十分な謝礼を支払えません。しかし」

 

と、ここで村長は一つ息を吸った。

 

「盗賊達は財貨を貯めているようです」

「ほう?」

「騎士団が動けば、根城にある財貨は騎士団が押収します。時間はかかりますが、おそらく確実にそうなるでしょう。

あるいは奴らは逃げ出すかも知れません。その時は財貨を持っていくでしょう。

もしユウ様が財貨を狙うなら、今がよろしいかと」

 

なるほどな。村にとってもこれ以上金をかけずにリスクを減らせ、オレにとってもさらなるボーナスが狙えるということか。確かに最大戦力であろう頭目はすでに倒している。乗せられるのは少々気分が良くないが、それ以外は悪くない提案だな。

 

……どうせ目的もないしな。

盗賊に人権はないし、盗賊は財布だ。誰かそんな事を言っていた気がする。

オレはサブクエストを受けるくらいの気持ちで、軽く頷いた。

 

「では村長。少し打ち合わせようか……」

 

 

深夜を過ぎ、夜明け前。

森の中、光の差さない中をオレと村人は歩いている。

あたりの光源は、村人の持つロウソクだけ。日本で暮らしていた頃は経験しなかった、夜の闇だ。

 

「……そろそろ着くはずです。灯りを消しますね」

「わかった」

 

森の中、オレは狩人の村人と一緒に進んできた。

なにせ敵の根城を襲撃するのだ。夜明け前の、敵が一番寝ているだろう時間を、闇に紛れて奇襲するのが一番だ。

そう村長に提案し、こうして根城までの案内をつけてもらったというわけだ。

 

闇に目を慣らしながら、音の立たないようにゆっくり進む。

やがて木々の間から篝火が見えてきた。

 

盗賊共の根城だ。

捕虜にした盗賊が言った通り、自然にできた横穴を使っている。

 

「では行ってくる」

「お気をつけて」

 

狩人はここで待機し、万が一の時は村へ報告へ戻ることになっている。

 

オレはデュランダルを構え、根城の中へ飛び込んだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。