異世界迷宮でTS転生した俺に男の娘奴隷ハーレムを!! 作:毛のないおじさん
洞窟の中は暗かったが、ところどころに置かれたロウソクのおかげで、なんとか輪郭が見えていた。
そこに鑑定を全開でかければ、壁と盗賊の見分けはつく。
根城には見張りもいなかった上、誰も起きていない。
油断というより、頭目を失って、そこまで気がまわらなかったのだろう。
あるいは今までは襲撃する側だったせいで、襲撃される想定をしていないのかもしれない。
いずれにせよ、寝ている盗賊達を殺すのは簡単だった。
洞窟が広くなっていた場所で、まとまって寝ていた盗賊達。その首を静かに、しかし確実に落とす。
洞窟の中は血の匂いが広がっていった。
盗賊 Lv5、盗賊 Lv3、盗賊 Lv8……。レベルの低いものばかりだ。やはり主力はすでに村で倒れたらしい。
洞窟はまだ奥があるが、十を数えたあたりで盗賊は見つからなくなった。
まだいる可能性はあるが、あとは奥にどれだけ宝があるかだな。
オレは慎重に洞窟を進んだ。
引き続き鑑定をしながら奥へ行くと、盗賊ではない表示が浮かんできた。
ロズアード 〈♂・18歳〉 村人 Lv2
レベルも低いし、村人? なんでこんなところへ?
そう思っていると、そいつは話しかけてきた。
「盗賊を殺したのはあなたですか?」
男とは思えない、高い声だ。声だけならアニメでメインヒロインができるほどの可愛さがある。
しかし、この暗い中でよくオレの接近に気づいたな。内心では動揺し、隠れるか少し迷ったが、堂々と答えることにした。
「そうだ。お前は盗賊の仲間か?」
「いいえ。……奴隷です」
ふむ……。下働きということか? まあ盗賊が奴隷を連れていてもおかしくは……いや待て。
「奴隷なら、主人を殺したら殉死するはず。ということは、お前の主人はまだ生きているということか?」
「いえ。……正確に言うと、私は村を襲われ、性奴隷として連れてこられました。奴隷契約は結んでいません」
「なるほど性奴隷として拐われ……いやそれもおかしいだろう。お前、男だろう?」
「……気づいて下さったのですか? はい、私は男です。ですが、女と間違われて拐われました」
「そんな事あるか……? 確かに可愛い声だが……」
暗くてよく見えないんだよな……。まあこれだけ可愛い声なら、女と間違える可能性もあるか……?
「まあいい。とにかく、盗賊は他にいるか?」
「いいえ。この奥には略奪した物があるだけです」
「そうか」
ふーむ。
誘拐された村人がいるとは考えてなかったなあ。
しかもこいつが実は盗賊の仲間という可能性も捨てられない。
だいたいなんで男が性奴隷なんだ? ホモで構成された盗賊団とでも言うのか? それとも声フェチでもいたのか? いや確かにオレも声の可愛さにドキッとしたけど……。
「よし。ちょっと灯りを持って案内してくれ」
もしこいつが盗賊の仲間だったとしても、前を歩かせれば盾にできる。
オレはそう思って、近くの壁からロウソクを取った。囚われの村人……ロズアードに持たせようと近づくと、光が薄くその姿を浮き上がらせた。
すると、そこには美少女(♂)がいた。
ロウソクに照らされたロズアードは、どこから見ても美少女だった。
大きな瞳。長いまつげ。整った鼻梁。薄い唇。白い肌に手足はスラリと伸びていて、どこか艶やかさを感じる。
狼人族を示す犬耳、犬尻尾がついているのもさらに可愛さを上げている。
ボロを着ていても、薄汚れていても、男は女の魅力にあふれていた。
「あの?」
「あ……ああ。いや、驚いた。男には見えないな」
オレがそう言うと、ロズアードはうつむいた。
……ああ。そうか、見た目が美少女で声も可愛いから、盗賊達は間違って連れて来てしまったのか。
しかも見た目はとんでもない美少女だ。男でも構わず性奴隷として生かされたということか。
先ほどは盗賊達をホモ扱いしてしまったが、取り消しだ。ここまでの美少女(♂)なら、オレも抱きたくなる気持ちがわか……。
その時、オレの脳裏に雷が光った。
男がダメで、女が違うなら、男の娘でハーレム作ればいいじゃない。
なにせこれだけの美少女だ。精神が男の俺でも抵抗なく抱ける。
それに、見た目が美少女でもこいつは男だ。体が女のオレとセックスできる。
完璧では?
そして、それは一つの光をオレに示した。つまり、
ハーレム、作れるんじゃね?
確かに美少女姿の男は少ないだろう。普通の美少女よりもっと希少かもしれない。
だが、それがなんだと言うのだ?
金を集めて世界をまわれば……いるのではないか? 美少女(♂)が。
やる気が出てきた。あきらめる必要なんて、なかった。
オレは、この異世界迷宮の世界で、男の娘ハーレムを作るのだ!
「あの?」
「あ……ああ。いや、大丈夫だ」
ロウソクを持って奥を調べると金貨と銀貨、黄色の魔結晶が置いてあった。
あとは食料があるくらいで、大して金にならなそうだ。
こんなところだろう。
オレはロズアードを連れて洞窟を出た。
「さて……ロズアード。これからどうする? 生まれた村には戻れるのか?」
「……いいえ。襲撃を受けた時にはかなり死者が出ていました。もし戻れたとしても、私を受け入れる余裕はないと思います」
「では?」
「奴隷として生きていく他ないと思います」
そうか。おそらくそうだろうと思ったが、やはりこの世界は楽ではないな。
そして、好都合だ。
「なら、オレの奴隷にならないか? 少なくとも食事は良いものを出す。オレと同じ物をお腹がいっぱいになるまで食べられるぞ」
これだけの美少女だ。
欲しい。ぜひ欲しい。初めての奴隷になって欲しい。
そう思って口説くと、ロズアードは随分驚いたようだった。
原作では奴隷は大した物を食べられないのが普通のようだったからな。良い食事というだけで、かなりの好材料だろう。
「それは……もう精液入りの食事はとらなくて良いということですか?」
ん、んん〜。
思ったよりずっと酷い生活だったんだな……。ちょっとひいた。
「もちろんだ。仕事は家事全般と、一緒に迷宮に来てもらう。もちろん迷宮で使い捨てるつもりもない。武器と防具も持たせる。それと……」
オレは唾を飲み込んで、出来るだけなんでもないように、もう一つ告げた。
「あとは、オレの夜伽を務めてもらう。仕事はそのくらいだな。どうだろう?」
いいと言え。OKしろ。オレの奴隷になれ……!
そんな気持ちで見つめていたが、ロズアードは戸惑った顔で疑問を返した。
「なぜ、それほどまで……。私は盗賊のおもちゃにされました。大事にされる価値などない人間です……」
ヤりたいから好条件で釣ってるだけだよ。
という内心は言わず、オレは優しく説得する。
「オレの故郷の偉い人は言っていた。どれだけ汚れようとも、最後にオレの側にいればいい、とな。過去に縛られる必要なんてないという意味だぞ」
だからいいと言え! OKしろ! オレの奴隷になれ!!
強く見つめると、ロズアードの目が揺れるのが見えた。考えているのだろう。
どうだ……?
「……ありがとうございます。私をあなたの奴隷にして下さい」
よっしゃぁぁ!!!
オレは内心ウッキウキで洞窟を出た。
盗賊を根絶やしにした後、オレは外で待機していた狩人と合流し、村へ戻った。顛末を村長に報告し、礼金を受け取る。
なんだかんだで、現金は20万ナール、盗賊の持っていた武器、黄魔結晶がオレの物となった。ちょっとした財産になったな。
「ユウ様。この度は村を救っていただき、ありがとうございました。このご恩は決して忘れません」
「なに、村長。こちらも色々と便宜を図ってもらい、助かった。これから大変かもしれんが、頑張ってくれ」
「はい。それではお達者で」
これから馬車を出してもらい、街へ行く。
迷宮の上層へ行けばもっと金が稼げる。
そうなれば奴隷を増やしてハーレムだ。
オレは明るい未来を想像して、村を後にするのだった。