異世界迷宮でTS転生した俺に男の娘奴隷ハーレムを!! 作:毛のないおじさん
オレの性奴隷のロズアードとの夜明けも二回目だ。今回はちゃんと寝る前に体を拭いたおかげで気分もいい。
まずはローズの朝立ちを一コキして鎮め、朝の支度を始める。服を着て顔を洗い、朝食をとる。
今日は一日レベル上げの予定だ。水と弁当もしっかり持っていく。
一階層の探索は問題なく進んだ。
まあデュランダル持って挑んでいるんだ。問題なぞ起こるはずもないな。
通路を右に曲がり左に曲がり、突き当たりならば隠し扉になっていないか下へ動かしてみる。
そうやって奥へ奥へと進んで行くと、違和感のある小部屋へたどり着いた。
その小部屋への入り口は、他の部屋と同じく下へスライドする扉を開けて入った。だが普通の小部屋は前後左右と四つの扉があるのに、入り口とその正面の二つしかないのだ。違和感の正体は扉の数だった。
まあそんな部屋もたまにはあるか、と気にせず進もうとしたのだが、ローズが声をかけてきた。
「ボスに挑むのですね」
「え?」
「ここは待機部屋というところでは? 私も話でしか知らないのですが……」
待機部屋。ボスがいる部屋の一つ手前の部屋。
……ここがそうなのか? 原作でも待機部屋でのやりとりは何度かしていたが、どんな部屋なのかはすっかり忘れてしまった。
「まあそれならそれでいいか。たしかニードルウッドのボスはウドウッド……倒すとリーフを落とすはずだ」
「そうなのですか?」
「ああ。弱点や注意する事は何だったかな……? まあ毒は無いはずだし、普通に斬り殺せばいいな」
オレの迷宮の知識は原作由来だし、敵のデータが全て頭に入っているわけではない。また、ローズも自分で迷宮に入っていなかったし、深い知識はないようだ。
早いうちに探索者ギルドで色々調べる必要がありそうだが、しかしまだレベル上げや金稼ぎは必要だしなあ。
物知りの奴隷がいれば任せられるんだよな……。オレも次はそんな奴隷が欲しいが、見た目に妥協したくはないし……。
「ええい、出たとこ勝負だ。行くぞ!」
「はい、ユウ様!」
部屋の中に入ると、どこからか煙が中央に集まってくる。やがて煙が晴れると、そこにはウドウッドがいた。
先手必勝!
デュランダルの一撃を加えるが、ウドウッドは倒れない。反撃の枝がオレを打ち据える。
防具を何もつけていないオレに激しい痛みが走る。
「ぐぅ……っ!」
歯を食いしばり、もう一度攻撃する。
デュランダルが当たれば痛みが多少引くが、さらなる反撃がオレを痛めつける。
「なんとぉー!」
気合一閃、三度目の正直。ウドウッドを倒すことに成功した。イテテテ……。
「ユウ様!」
「大丈夫。手当て。手当て。手当て」
心配したらしく、ローズが駆け寄ってきた。オレはあえてスキル名を口にしながら使う。
まあ正直、ボス戦もそこまで心配いらなさそうだ。多分五、六発までなら耐えられる。十発もくらえば多分死んでただろうが、デュランダルで戦う限りはオレのほうがはるかに強い。
オレは余裕の笑みを浮かべながら、ローズの頭の犬耳をなでなでした。
「あうぅ……」
原作ヒロインは犬耳が垂れていたが、ローズの耳はピンと上を向いているタイプだ。オレはこっちの方が好きだな。
赤くなるローズの顔を眺めながら、オレは満足するまで耳を撫で回した。
「これがリーフか……本当にただの葉っぱだな」
「本当ですね」
ジョブ設定を開くと、薬草採取士のジョブが増えている。
これをセットして……。
「生薬生成」
「え?」
「ふーん。これが毒消し丸か。ローズ、いざという時のために半分ずつ持つぞ」
「あ、はい……」
毒消し丸を受け取りながらローズがはてなマークを頭に浮かべている。突然、リーフが毒消し丸になってびっくりしたのだろう。
オレはそんなローズを見ながら、毒消し丸を口に含んだ。
「毒になると、自力で飲めない事もあるからな。そういう時は、こう」
「んむっ……あぅ……!」
オレ達は口移しで相手に毒消し丸を飲ませる練習をした。何回も。
はてなマークが浮かんでいたローズが、だんだんとハートマークを浮かべてきたのが楽しかった。
……せっかく作った毒消し丸がなくなってしまったが、練習に使ったから仕方ない。……はずだ。
さてボスを倒し、その気になれば二階層の探索へ向かえるわけだが。
オレは一階層をうろついての雑魚狩りを続けることにした。迷宮の二階層からは魔物が最大二匹現れるからだ。
二匹くらいならオレが十分に引き付けられるとは思うのだが、万が一、防具のない状態でローズの方に行かれるのは困るからな。
金は稼ぎたいが、そこまで慌てているわけじゃない。
そう思って一階層をウロウロとまわっていたが、時間が経つにつれ問題が浮かび上がってきた。
「この先で他の人が戦っています」
「くっ……どんどん増えてきたな……」
朝はそうでもなかったのだが、だんだんと他の探索者が増えてきたのだ。
原作でそうだったように、基本的に探索者同士は共闘しない。見つけた魔物は早いもの勝ちだ。
そうなると一本道で戦闘をしているパーティーとも遭遇するし、そういった人達は平気で五分くらい戦う。ボス部屋にだって何組も待っているし、時間と共に効率が悪くなってきた。
「なあ、ローズ。昨日はここまで探索者が多くなかったよな?」
「そうですね。ひょっとしたら探索終了宣言でも出たのかもしれません」
「あー。たしかに」
探索終了宣言。つまりその階層の全てを探索し、魔物が集中する部屋はなくなったということ。
初心者にとってモンスターハウスは最大の危険と言えるだろう。それがなくなったから、探索者が増える。ましてここは一階層。レベルの低いものしか来ない階層だ。とても筋が通った説明に思える。
「うーむ」
「二階層へ向かいますか?」
「いや……そうだな。今日はもう、ゆっくり散歩するつもりでまわるか」
「わかりました」
慌てる必要はない。
今日はもう最悪戦えなくてもいいか、というくらいの気持ちで迷宮をまわることにした。
そしてそういう気持ちで歩けば、案外とちょうどいいくらいの頻度で魔物と戦いになった。
気の持ちようが大事だな。
「ユウ様、この先は戦闘しているようです」
「おっと、じゃあ戻って別の道に行くか」
戦闘時間は他の探索者達よりオレたちの方が圧倒的に短い。
なので、誰かが戦っていたらオレたちは基本的に引き返すようにしていた。
「後ろからも来ていますね」
「む。まあ挨拶してすれ違うか」
さすがに他の探索者と全く接触しないわけにもいかず、すでに何度かは探索者とすれ違っている。
最初は盗賊と接触しないかと警戒を強めていたが、どうやら一階層で盗賊と会うことはないらしい。
なので、次も挨拶だけですれ違おうと考えていたのだが。
「おい、お前達。女二人で迷宮に潜るのは辛かろう。僕のパーティーに入れてやる」
……なんというか、お約束みたいな事を言い出す奴がいた。
耳が尖っているところを見ると、エルフだろうか。
裕福そうな装いの、とんでもない美少年だ。顔だけならローズにも匹敵している。
だがそいつは護衛役らしい二人を連れ、いかにもボンボンといった風のガキに見える。性格の悪さが表情に出ていてマイナス百点だぞ。
鑑定すると護衛の二人は30を超える高レベルの探索者と僧侶。ボンボンはレベル1の魔法使い。装備はダマスカス鋼やらスキル付きのロッドやらだし、おそらく貴族か名家のガキなんだろう。身代わりのミサンガまでつけてやがる。一階層なのに。
……力がある家だとこんなアホガキでも生きていけるんだなあ。そして対抗するためにはこちらも力をつける必要があると。
まあ日本でも、法律が何もかもから守ってくれるなんてことはなかった。
どんな世界でも、生きるなら力が必要だな。
「おい、聞こえないのか。ボクが話しかけているんだぞ」
「必要ない。そこを通してくれ」
「なんだと……? ボクの親切を無視するつもりか!」
なんだコイツ? 沸点低すぎだろ。
こんなアホが今までどうやって生きてきたんだ……? と思ったが、横の二人が一歩前へ出た。
マジかよ。こんなアホの言う事に従ってるのか。
だからアホが治らず、そのまま成長しちゃったのか。物語のカマセ悪役みたいだぞ。
「ふん! ボクは怒ったぞ!
だがボクは寛大だ。奴隷を置いて立ち去るなら、お前の命は助けてやる」
「は?」
クソガキは怒ったと口で言いながら、ニヤニヤ笑っていた。
なるほど。最初から力尽くでローズを奪うつもりだったのか。
どうやるのかはわからないが、奴隷契約を書き換える方法でもあるのだろう。そのために怒ったフリをして、オレをここから追い払いたいと。
そーかそーか。なるほどな。
「殺されたいのか?」
低く、深く、オレは告げた。
オレの本気の殺意を見てとった護衛が前を固める。
ゴミガキはともかく、護衛の二人は強いのだろう。二人を無視して殺すのは無理……か。
体が燃えるように熱くなるが、ただ怒りに身を任せても切り抜けられそうにない。
オレは頭だけは冷静にキャラクター再設定を開きながら、二人に向けて口を開いた。
「あんたらも、護衛なんだろう? 余計な争いは避けたほうがいいんじゃないか」
「ふん。一階層をうろつく探索者程度に遅れはとらん」
「ほう。だが、すでにそのガキは一度死んだぞ」
オレはクズガキを指差した。
そっとアイテムボックスを操作しながら。
護衛達は慌てて後ろを振り向くが、何も変化がないと見て、またこちらを向いた。
そしてその間にオレはギルドで買っておいたアイテムを口に含んでいた。
「つまらない脅しは……」
MP全開放。
ハラリ。
身代わりのミサンガが、切れて落ちた。
「なっ……!?」
オレは死にたくなる気持ちを抑え、強壮丸を全て飲み込んだ。
……ふぅ。
MP切れによる躁鬱のジェットコースターをなんとか乗り越え、平気そうに振る舞う。……もう少し強壮丸を飲んどこ。
「もう一度聞くが、護衛のあんたらは余計な争いを避けたほうがいいと思わないか?」
「きっ、貴様……何をした?!」
「ん? 何か証拠でもあるのか? オレが何かした証拠が」
「そんなもの……インテリジェンスカードを見せろ!」
「ふーん? インテリジェンスカードを見ている間に護衛対象が死なないといいな?」
オレが煽ると護衛の二人は動けなくなった。
……まともな思考を持っていて助かる。こちらとしても、これ以上やり合うのは得にならない。多少の恨みを買うのは構わないが、本格的な殺し合いまではな。オレの憂さ晴らしには十分なった。
「逃げるんなら追わないぜ。人殺しが好きだと勘違いされたくないんでな」
「くっ……」
「おい、お前達。アイツをにがすのか?!」
ギャアギャアとボケガキが喚くが、護衛は引きずって下がっていった。
……手段のわからない即死攻撃を受けても騒げるとは、一周まわって大物だな。未練がましくローズをずっと見つめていたぞ。
ふう。
三人が視界から消えたところでようやく一息つけた。
「ユウ様!」
「ん?」
ローズがオレの胸に飛び込んできた。強くオレを抱きしめる体が、少し震えている。
……それはそうだろう。また盗賊の性奴隷の時のような扱いを受けるかもと思えば、恐怖におびえるのは当然だ。
「怖がらせて悪かった」
「はい。もしもユウ様になにかあってはと、目の前が真っ暗になりました」
「ん?」
「え?」
「……また扱いの悪い奴隷生活を恐れたのではなく?」
「そんな事より、ユウ様の方が大事です。昨日申し上げた通り、私はユウ様が幸せであれば受け入れます」
「お……おお……」
どうやらローズは思っていたより数段覚悟を決めていたらしい。
「すまんな。オレのローズが奪われると思い、熱くなった。全然冷静ではなかったな」
「ユウ様……」
「これからはもっとスマートに切り抜けるよう心がける。……今日はもう帰るか」
「はいっ」
宿屋に戻ったオレ達は、体の熱が抜けるまで何度も抱き合った。
体の中にローズを感じる。
誰にも奪わせないためにも、強くならないとな。