天真爛漫なハーフエルフ姫との入れ替わり 作:おくらいりーOh9lawinー
いつもどこでもセックスしているというのは、誇るべきなのか非難されるべきなのか。シモの管理のできない男というのは鼻つまみ者であるのは確かだ。
しかしそれが、元はお姫様で。
そのお姫様は長年世継ぎを生まねばならないとかいう重圧に色々と思うところもあったらしくて。
そう思うと、今楽しそうにセックスしている姿は、臣下たちが望む姿ではあるのだろう。涙を潤ませ、殿下が幸せそうで嬉しいです、と歓喜の涙をこぼすくらいは当たり前なのかもしれない。
とはいえ、僕の方はいつ求められてもそれに応じるというのはなんというかお互いのためにならないように思える、というより、なんだか気分ではないときも大いにある。そんな時、僕はエレンがやらないような姿を彼女に見せつけることで、焦らしたり興奮させたりするわけだった。
彼女はペニスを曝け出していた。今にも暴発しそうなほどに、ピクピクと痙攣するそれを握っている。僕はM字に足を開いているけれど、エレンが暴走してもちゃんと逃げられるように距離を取っている。
いわゆる相互鑑賞と言うやつだった。お互いに手が届く距離で、相手をジロジロ見ながら、手を出すわけでもなく自分の性器に集中する。
とんでもない羞恥だった。相手の顔、股間、手元、と順繰りに見ながら、太腿を戦慄かせ、それから、指をねちっこく秘所の中にめり込ませる。
「ひどい……ひどいよぉ」
エレンが泣き言を漏らす。
「私の体なのにぃ。私の体で、指をそんなに激しく出し入れしてっ。好き放題にしてぇっ。私そんなにエッチじゃないのにぃ」
「それ君が言う?」
「何度だって言うもん。私そんなにエッチじゃないのに、マモルが私の体を使ってるから、えっちな女の子みたいになってるっ」
そしてそれは、不名誉なことで、自分のイメージの崩壊というか、名誉毀損というか、エレンにとってはそういうものらしい。
「……ふん、マモルのばーか」
「あ、え、マモル?」
僕はエレンをマモル、と自分の名前で呼びながら、指にこびりつく蜜を広げてみせる。
「どうせマモルはキモいから、そうやって私のカラダを見ながら、一人でシコシコするしかできないもん。マモルなんかに私のカラダ、貪らせてあげないもん」
「むーっ、むーっ!」
怒り狂ったようにエレンが自分のペニスをしごき始める。まあ、自分の最も敏感な箇所なので、さすがに痛みを感じるまでゴシゴシ力を入れたり、力加減を間違えたりということもあるまい。
でも、改めて男子のペニス、その亀頭を見ると、赤黒く変色しているように見えて、なんだか腫れ上がっているようにも見える。
その腫れ上がっているものを赤黒いカラダの中に押し込んで、互いに擦り付け合いながら気持ちよくなろう、というのがセックスなのだから、僕らは本当にどうしようもない存在なのかもしれない。
僕は膝を立て、少し楽になるように、額で上体を固定するように四つん這いになって、股間に両手を当てる。はあ、はあ、と今にも過呼吸でぶっ倒れそうになっているエレンの視線を感じる。視姦というのはこういうのを指すのかもしれない。
お尻がふるふると揺れる。胸が床にへばりつこうとするように、少しだけ伸びる。元の自分の体でお互いにオナニーできるやつは特殊だと思っていたが、相手が自分の体であろうとなかろうと、要は、自慰行為そのものがえっちで、裸そのものもまたえっちなのだと今になってわかる。
「姫様の体がこんなにエッチなんてね」
僕はとりあえず、適当に言葉責めしてみる。
「どうせお姫様には活用できないだろうし、僕が有効活用してあげますよ。んっ、そのためにはもっと、もおっとオナニーして、ステキな体にしておかないとね」
「ひっ、ひどいっ。その体も、責任も、私のものなのに。本物のエレンは私なのにっ」
「あははっ、誰がそれを信じるっていうんですか?まあ、入れ替わったカラダ同士のよしみで、ちょっとはエッチなサービスをしてあげてもいいですけどね」
「返してぇっ、私のカラダ、返してぇっ」
言いながらペニスをビンビンにするカレン。僕もまた、股間がどんどん濡れてくるのがわかる。ヘンタイカップルと言われても仕方ないなぁ、と本当にそう思う。
本当に、僕らに子供ができた暁には、一体どんな未来が待ち構えているのやら。
「……エレンの体ってさ、本当にエッチだよね」
何度言ったかわからない、言葉責めの言葉であり僕の本心を、エレン本人に投げつける。ううう、とエレンがうつむきがちに肩を揺らす。
「そんなこと、……ないもんっ」
「いやエッチだって」
具体的には何が、何のことを指してエッチだと言っているのか、僕らの会話を盗み聞きしている人間がいたらツッコむかもしれない。そうされたら、僕は言葉に詰まる。エッチ、と相手に使う言葉は、なんというかそれほどまでに抽象的で、便利だったりする。
「マモルぅ……」
エレンがまつ毛を震わせながら、こちらを見上げる。
「なに?」
「やっぱりその、ちょっとだけ……しない?」
「やだ」
「なんでえ!?」
悲鳴じみた声が聞こえてくる。
「今日はオナニーの見せ合いっこの代わりに、セックスはお休みだって自分で言ってたでしょうが」
「でもしたくなっちゃったの!」
「なんのためにしごいてるんだよ。ほら手を動かす!」
「やだぁ!せっかくいつでもしてくれる相手がいるのに、一人寂しく竿をしごいてるなんて!」
「君、今彼女のいない男子の8割を敵に回したと思ったほうがいい」
付き合っている男女が少数で、人数的にはもっとカップルが誕生してもおかしくない、フリーの男女が場を占めていたとしても、結局のところ最後の決定権は女子にある。どんなに男子が相手を好きだと思っても、叶わぬ願いというものは多い。それが世の理であるような気がする。
「じゃあもういい。マモルがちんぽが欲しくなっても、絶対突っ込んであげないから。マモルは指と恋人してればいいんだよ」
と、エレンをからかいすぎた(それはない)のか、拗ねてしまった。それにしても、ちんぽが恋しい状況というのも、ずいぶん特殊に思えてしまう。好きなタイミングで恋人とセックスできる男というのはそういないし、贅沢なものなのだと伝えたいけれど、なかなか伝わらないものである。
「人のアソコを、自分のペニスがすっぽり入るように調教しておいて、よく言うよ」
「知りません。私はちんぽを入れたいの。今すぐ。私がムラッとした時に、マモルはオマンコを私に差し出すべきなの」
「傲慢にもほどがある」
まあ、それも信頼の裏返しなのだと自惚れておこう。
僕とエレンはとりあえずお互いの体を見ながら自分の体を最後まで慰めて、しっかりティッシュで性器と指とを拭っておいた。エレンのジトッとした目がしばらく僕を追いかけてくる。
「ま、マモル?」
僕はそっと、彼女を後ろから抱きしめる(というより、胸を押し当てるようになってしまったが)。
「頑張ってくれたら、ご褒美として、この体を無茶苦茶にしていいから」
「ホント!?」
「……エレンの体だけどね」
とはいえ、これで少しやる気を出してくれたのだから、なんというか、男というのはチョロいものなのだと思わせられて、僕はまた複雑になるのであった。