※この作品はR-18です。

天真爛漫なハーフエルフ姫との入れ替わり   作:おくらいりーOh9lawinー

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婚前旅行とスピーチと

 

さあっとシャワーを浴びる。初めは冷たい水が出ていたのも、しばらくすれば体温に近い温かいお湯が流れ出す。またたく間に、狭いシャワールームが湯気に包まれる。

 

僕とエレンは裸で、抱き合うようにしてシャワーを浴びていた。僕の股からはポタポタと愛液が滴っていたし、エレンの方は僕の裸を見て、早くも股間を大きくしていた。

 

お互い無言で、互いの性器に手を伸ばす。もう片方の手で互いを引き寄せて、口づけする。彼女の指が僕のあそこを探り、僕の指が彼女のペニスをしごく。

 

 

エレンの体でオナニーをしてから、確実に僕は変わりつつあった。なんとなく、この体が借り物であるという感覚が薄れてきた。

 

いや、借り物なのは事実なんだけど、それはそれとしてこの体も自分のものなのだと、納得できるようになったというか。

 

ペニスを通して、本来の自分と繋がらなくても、自分は自分だと納得できるようになったとでもいうべきだろうか。

 

エレンが腰を落として、こちらの股にスリスリとペニスをこすりつける、いわゆるスマタで我慢しながら、そっと囁く。

 

「水着姿、楽しみにしてるからね」

 

 

 

僕とエレンは、婚前旅行というか、ちょっとしたお出かけとして、プライベートビーチを借りて、そこで海水浴を楽しむことにしていた。

 

元来エルフは貞操観念が強く、他人に肌を晒すことを厭う。水着の授業でもずっと見学通しだったエレンの姿を思い出される。

 

そんなエレンが僕と行きたがったのがこの貸切海水浴で、僕は本来の体の主の代わりに、水着を買わなければならなかった。

 

とは言え人間界でエルフが水着を買っていたら噂になるということで、わざわざ既製品を、販売員の方を呼び寄せて買うといういかにも王族らしいやり方で購入した。一点ものではないのに、販売店側はよく引き受けたものである。

 

 

ちなみに水着はそれぞれ、スク水、ワンピース風と、ビキニとを購入したのだが、エレンの強い要望もあって、今回持ってきたのはビキニである。

 

「まともな感性のエルフなら卒倒しているデザイン」というのはアンナの言葉である。

 

 

 

先にシャワーを浴びるという変則的なスタイルで体を清めたあと、薄い緑色のビキニをまとう。肌にフィットする感覚も、ブラにも似た上半身の水着の部分にも慣れたものだ。更衣室の鏡の中のエレンに頷いて、僕はビーチに飛び出した。

 

「よく似合ってるよ!」

 

キラキラした目でエレンが言う。パラソルの下、レジャーシートの上でくつろいでいたエレンが飛び起きる。

 

「ホントに?」

「わかるでしょ?ほら、私の……」

「ああ、たしかに勃ってますね殿下。ホントにお猿さん」

 

僕は彼女をいなしつつ、レジャーシートの上に座り込む。音もなく、アンナが近寄ってきた。

 

「ボディーガードはお二人を邪魔しない位置で護衛についています」

「そうなんですか?」

「ええ。……それで、マモル様には、これをつけていただこうかと」

 

取り出されたのは、日焼け止めだった。

 

「え?それって何?」

「うつぶせになればいいですか?」

 

一人状況を理解できないエレンをよそに、僕はレジャーシートの上にうつ伏せになる。

 

「妖精国と違って、人間界の日差しは少々エルフの肌には毒だと言うことで、日焼け止めを用意しました。これからマモル様の体に塗るわけですが」

「アンナがぁ?ええー、将来の夫である私がやりたい!」

「まあそうおっしゃると思っていましたが。……念入りに、塗り込んでくださいね?」

「うんっ」

 

エレンの弾んだ声が聞こえる。僕の体をまたいで、日焼け止めをすくい取ってはペタペタと、体中に塗り込み始めたエレンの動きが肌から伝わってくる。

 

「やっぱりマモルって、スタイルいいよね」

「殿下の努力の賜物でしょうよ」

「もう入れ替わってだいぶ経つんだから、これはマモルの努力の証だと思うけどなあ」

 

それはそれとしてえっちで助かる、と性欲にまみれた元エルフが何か言っているが、無視することにする。

 

うつ伏せから、仰向けへ。エレンがゴクリと生唾を飲んだのが分かる。視界いっぱいに、エレンのシリアスな顔が広がる。

 

「えと……どこまで塗ればいいのかな?」

 

エレンの水着はサーフパンツとでも言うのか、比較的ゆったりとしたもので、ぴっちりとした海パンと違ってボディラインがわかりにくくなっていたが、それでも勃起しているのが一目でわかった。男子が水着の授業を嫌う理由の一つだが、このお嬢様にとってはそんなの関係ないのだろう。

 

「とりあえず、日に焼けそうなところは塗りたくってください」

 

アンナの非情な声が聞こえる。僕は少し、ビキニの紐を緩めて、待ちの姿勢。ローションを手に垂らしたエレンが荒い息づかいで、ペタペタと体を触り始める。

 

「女の子の体って、なんでこんなに柔らかいんだろうね」

 

エレンが呟くように言う。

 

逆に言えば、男が女になってしまうデメリットは、たとえ好きな人と新たな縁で繋がれていたとしても、その柔らかな感触は決して感じることができないということだ。自分の体を自分で触るのでは、やはり感覚が違う。好きな人の体を自分の体として独占する瞬間から、僕は彼女を愛撫するという特権を失ってしまうのである。

 

「くすぐったいよ」

 

僕は身を捩る。身につけている布地が、本当に頼りない。何とか日焼け止めを塗り終えてからも、エレンは僕の髪を何度も撫でた。

 

「ほら、エレン。君が来たがってた海だろ?」

 

僕は立ち上がり、彼女の手を引く。うん、と曖昧に頷く彼女は、予想通り前かがみになって、恐る恐る足を踏み出した。しかしそれも、いざ海水に浸かってみると、ひゃっ、と声を上げながら、その感覚に夢中になっていた。

 

「どうですか殿下、初めての海は?」

「うん、なんか臭くて、ベタベタする……」

 

でも、気持ちいいかも、とエレンは僕に抱きついてくる。そっと耳元で囁く。

 

「ありがとね、マモル。いつも、ワガママを聞いてくれて」

「……別に。これくらい」

 

正直に言えば、僕のほうが謎に思っている。どうしてエレンは入れ替わりをすんなりと、ポジティブに受け入れたのか。もう一生戻れないかもしれない自分の体を惜しいと思わなかったのか。

 

どうして、接点のなかった僕にこうまでも好意を示してくれるのか。

 

わからないなら、聞けばいいのだろうけど、なんとなく、踏み込めない。でも彼女がころころと表現する愛情を疑ったことはない。エレンはそういう魅力的な女の子だった。たとえ僕の体になっていたとしてもだ。

 

「で、ん、か?」

「ちょ、ちょっとふざけただけじゃない!」

 

囁きついでに耳を甘噛みしてくるような、油断すればすぐにえっちな事をやりたがるとんだハレンチエルフでもあるけれど。

 

「まったく。いっつもそんな風に振る舞うなら、僕も誰かさんの体で公開オナニーでもしましょうかね」

「だ、ダメだからねっ!私の裸を見せていいのは、私にだけっ。マモル、浮気は許さないからっ」

 

またエレンが抱きついてくる。ゴツゴツと角ばった、骨と肉とが体に伝わってくる。海の中で抱き合う男女。残念ながら、男の方は冴えないけれど。

 

「エレン」

「なに?」

 

僕は、珍しく自分から彼女の唇を奪った。目を丸くしたエレンが、ゆっくりと目を閉じる。潮風で少しばかり、かさかさになった唇を、唾液で湿らせる。んっ、と互いに息を呑んで、ゆっくりと離れる。

 

腰のあたりまで、水位があった。僕らの下半身を隠していた。正直それがあってもなくても、とっくに何度も体を重ねている僕らのことだから、同じ事をしただろうと思う。どちらともなく相手の水着に手を突っ込み、無理矢理に布地を広げて、互いの性器に触れた。海水パンツの中でペニスを弄び、ビキニの下で、秘所に指を入れられた。

 

「僕ら、お似合いかな?」

「お似合いだよ」

「普通じゃないかも」

「それでいいの」

 

互いの肩に顎を乗せて、ペッティングを楽しむ。猛り始める体を、寄せては返す波が、適度に熱をさらっていく。

 

「エレン」

 

彼女の目を覗き込む。瞳が潤んでいた。僕も多分そうだった。

 

「しよっか」

「うんっ」

 

軽くタオルで体を拭いて、レジャーシートの上に横たわる。意図してないのに体を少しくねらせた感じになって、エレンの息が荒くなる。

 

男だから、なんとなく、男をドキッとさせられる姿勢がわかる気がする。それはエレンに覿面なはずだった。アンナは新たなビーチパラソルを立てて、あらぬ方向をぼんやり眺めていた。その気遣いがありがたい。

 

「エレン」

「なぁに?」

「優しくしてね」

「うんっ」

 

彼女がこちらのビキニを取り去った。海水パンツをまたたく間に脱ぎ去る。エレンが覆いかぶさるように抱きついてきて、乱暴に唇を奪った。全然優しくないがっつきぶりに、笑いがこみ上げそうになる。

 

乳房の上で、丸く円を描くようにして、もみほぐされる。その手つきはやはり男のもので、僕がエレンになって自分でするのとは違う愛撫だった。太ももが持ち上げられ、僕は腰を浮かせた。ゆっくりと開かれた股の間に、膝頭が置かれる。ジリジリと、勃起したペニスが迫ってくる。

 

そして、貫かれた。ぐぐっ、と体重がかかればかかるほどに二人の距離が近づいていく。やがて、ペニスの根元まで受け入れたくらいで止まった。男を受け入れると、体は串刺しのような感じになって、少し違和感がある。内側から広げられている、という他ない独特の感じだ。

 

「しあわせだよ」

 

エレンが僕の胸に顔を埋めて、何度も頬ずりする。そんな彼女の髪を撫でる。残念ながら女子の髪と違って、わしわしとした感じで、硬い。腰を掴んで引き寄せられる。主導権はいつも、彼女の方にある。何度も何度も腰を叩きつけられて、僕は自然と声を上げている。エレンのほころぶ顔が、視界いっぱいに広がる。

 

「マモル、大好きっ」

 

エレンが呟くように言って、僕の中で精を弾けさせた。

 

 

「ハーフエルフの謂れは、古いものです。かつて、我々の世界を恐怖に陥れた魔王がいました。その魔王を打ち破った人間の勇者。それに協力し、世界を救ったエルフと、勇者との間に生まれたのが、ハーフエルフという新たな種族だったと言われています」

 

僕はゆっくりと顔を上げる。無数のフラッシュが、顔に降りかかる。エレンの笑みを思い出しながら、僕は笑みを深めてみせる。

 

「古来より、エルフは二つの魔法を得意としました。神に近しい姿なき自然のものに力を借りる、精霊魔法。そしてエルフ自身の魔力を扱う、魔法。前者の精霊魔法の中には、術者と特定の相手の体を入れ替える魔法があったとされています。しかしそれは、悪用のしようがない、神秘的な契約でもありました。昔から、エルフたちにとって、入れ替わりは慶事でもあった、ということです」

 

関係者席で、エレンは僕を見ているのだろう。いつものような無垢な笑顔で。

 

彼女が、彼女自身の体で励む公務の姿をついぞ見たことはなかったけれど、僕は彼女の体を借りて、ドレスにティアラ、メイクも決めて、それらしくこなしてみせる。

 

「私はこの度、留学先の世界で、自分と入れ替わることができる殿方と出会うことができました。そして、その人の人となりを知るうちに、私はその人とともに歩んでいきたいと思うようになりました。ハーフエルフ代表としてではなく、一人のハーフエルフとして、その殿方と共に人生を歩むことで、同時に友好の架け橋になれることは、私にとって何よりの幸せでもあります」

 

スピーチが終わった。それを察したカメラマンたちが、再びフラッシュを焚く。このあと、質疑の時間に移ることになっている。とはいえ、皆が真っ先に聞きたいことは、だいたい分かる。

 

だから最後に、こう付け加えた。

 

「みなさんは、私がどちらなのかーーハーフエルフのエレンなのか、それとも入れ替わった人間界のいち男子なのか、知りたいと思われるでしょう。しかし、少なくとも、私たちにとっては、その質問はあまり意味のないことです。なぜなら、二人は入れ替わることで、互いをより深く知り合うことができたからです。エレンも、その男子も、二人で一人になれる、一心同体の存在なのです。私たちはどちらでもあるとだけ、お伝えします」

 

私たちは、幸せです。

 

エレンの一番好きな顔、あの笑顔を思い出して微笑んでみせた。最後の言葉を、控室のエレンも口にしているであろうと思いながら、言葉を結んだ。

 

そう。

 

僕は、幸せだ

 

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