天真爛漫なハーフエルフ姫との入れ替わり 作:おくらいりーOh9lawinー
「むちゅ……」
「はふっ……ぅあっ」
僕とエレンは、母親の子宮の中にいる双子のように縮こまり、互いに逆さになっていた。相手の秘所に顔を突っ込み、激しく互いの性器を貪る……僕はペニスを頬張り、エレンはヴァギナに舌を入れる。
「んっ……」
「エレン、どう……?ロイヤルオマンコは?」
「もう私のじゃないよぉ……」
「じゃあ、ロイヤルチンポ?」
「もーっ、マモルは意地悪なんだからっ」
「自分で言ってたじゃんか」
僕はペニスから口を離し、にやりと笑う。
「ふふ。お姫様のマンコじる、飲んでみる?」
「マモルのおバカ!」
言いながら、舌をせっせと動かし続けるエレン。
翌日2人して、舌が筋肉痛になった。
なんておバカな出来事を挟みつつ、エレンは先日の事件がよほど衝撃だったのか、いろいろな方面に顔を出し、少しでも僕の地位を盤石なものにしようと動いていた。
なんというか、仕草は似るというべきか、あるいは、体がその動きを無意識にさせる、というのか。
執務の机に座って書類と格闘しているエレンは、しょっちゅう髪をかきむしる姿が見られた。一方の僕は、そんな彼女の様子を見ながら、そっと彼女から預かっている自分の髪に触れる。
「ふー、これで一段落かなぁ」
最後にサインをしてーー婚約者ということと、入れ替わりが公然の事実となったので、体が馴染む方のサインでも公文書が通るようになったのだーーエレンがぺたっと頬を机にくっつける。
「お疲れ様です」
アンナが淡々と言い、書類が汚れる前にさっと拾って、待機していた部下らしき人に手渡す。僕は、ぐったりしているエレンにひょい、と近寄る。
「なんか最近、エレンは頑張ってるね」
「そうだよぉー、私、頑張ってるもん……」
「お疲れだね。おっぱい揉む?」
「吸う!」
宣言するなりぐわっと口を開いてしゃぶりついてくる。はむっ、と甘噛した瞬間に嬉しそうに目を閉じる様子は、もうまるっきりエレンである。
もっとも僕は、入れ替わった後のエレンの方をよく知っていて、入れ替わる前の彼女なんて、ほとんど遠目に目で追っていたくらいなのだが。
異世界。
トラックで轢かれでもしない限り、行けることもなければ存在することもないと思われていた、中世っぽさを残したファンタジー世界はある日突然隣人としてやってきて、国交を樹立した数ある国の一つが、妖精国ーーつまるところ、エルフの国であったわけだ。そこから世界を跨いだ交流が始まって、よりにもよって僕のクラスにエルフの姫が留学生としてやってきて、そして。
入れ替わった僕らは、拍子抜けするくらいに歓迎されて、受け入れられて、そのかわり世継ぎを生むように言われて今に至る。
ここ数ヶ月で駆け足のように辿った日々は、まさに狂乱と言うに相応しいだろう。
「むふー」
天真爛漫かつおてんばなお姫様は、今僕の体となって、下品にちゅぱちゅぱと音を立て、僕の胸を唾液まみれにしている。頑張って吸い付いているおかげか、乳首がだいぶ硬くなってきている。
「エレン、もういい?」
「出し惜しみはなし!」
「いや、この姿勢かなりきつくて……」
「ベッドに行く?」
執務室にはいつの間にやら、折りたたみ式のベッドが備え付けられていた。執務室をヤリ部屋に変えますと宣言するような備品がよくまあ経費で落ちたものだと思う。アンナからは、世継ぎを残すのは国民に対する義務です、とプレッシャーを掛けられた。
そのアンナが、外にいたスーツ姿のエルフから何かを受け取った。
しばらく待機するように、とアンナが指示し、咳払いでエレンの注意を引く。
「殿下。魔術省に作らせていた例の薬ですが……」
「できたの!?」
驚いた様子で、エレンが顔を上げる。僕の服の胸元を引っ張り上げたまま、アンナから薬を受け取る。
「あくまでサンプルです。どれほど効果があるか……」
「ううん、形になっただけでも一歩前進だよ!さすがは魔術省だね!」
「あの、それは一体……?」
婿入りした身である。この国の政に、外様が口を出すのは慎むべきだろう、という思いがあった。
一方で、王室の末席にいるエレンだけに、その義務を負わせるのは間違いだろうという気持ちもある。
だから、少しだけ。
そう、本当に少しだけ、疎外感を覚えることもあったが、それは呑み込まなければならないと思った。
そこに、エレンが何か薬を突きつけてきた。ただ、いつもの笑みは少し控えめで、どちらかといえば緊張と、外向けの笑みが仮面のように彼女の顔を覆っていた。
「……もしかしたらね、マモルと、私の関係を、本来の形に戻せるかもしれない薬が、できたの」
「それは、つまり……」
体を入れ替える薬、とでも言うべきものか。
「うん……たとえ私たちがうまくやっているとしても、そうは思わない人たちがいるって、前回思い知って……私も、マモルに迷惑をかけているっていう自覚があって……」
「それを言えば、お互い様だろ?僕はこうして、エレンの美しさを独り占めしてるわけだし」
僕は胸元で、ぎゅっと拳を握る。
「返せって言われても、そう簡単には返さないよ」
「マモル……」
エレンが口ごもる。
理屈では、エレンの方が正しい。歪みがあるのは現在の状況で、一旦はそれを解消した上で、改めて婚姻関係を上書きしたほうが筋なのは、事実だった。
エレンは挑みかかるような僕の視線を受けて、何とも言えない笑みを浮かべている。嬉しさを、噛み殺すような寂しそうな笑み。
アンナが一歩進み出る。
「まあ、マモル様のことですから、そう仰ることは予想していましたが」
「アンナ……」
「ですからここは、殿下がどうにかするべきですね」
「うん……うん?」
アンナが水差しを持って、構える。
「まず、殿下の口に薬を半分放り込みまして」
「むぐっ」
「エレン!?」
「次に、水を少々」
どぼどぼっ、と水差しの水が流し込まれる。そのままエレンを、こちらめがけて突き飛ばす。たたらを踏んだエレンが僕を巻き込んですっ転んだ。唇と唇が、触れ合う。
「あとは、水と一緒に薬を流し込むだけです」
簡単でしょ?と言わんばかりのアンナの声色が憎らしい。
エレンがディープキスの要領で、薬と水とを流し込んでくる。僕は仰向けになっているので、飲み込まざるを得ない。
ごく、ごくっ、と喉が鳴った。すぐに、視界が暗転した。
「また会おうね、マモル」
僕の声で、エレンが耳元で囁いた。
僕は、誰かの体の上にのしかかっていた。頭がひどくぼんやりとする。ごめん、と声をかけながら、ゆっくりと体を起こそうとして、相手の体に触れてしまった。ムニュッ、と柔らかな手応えが返ってくる。
「……えっ?」
それだけじゃない。久しく感じていなかった、股間の熱ーーズボンを押し上げてくるこの感触には覚えがあった。
恐る恐る、体を起こす。僕が押し倒していた相手はとうに目を覚ましていたようだが、こちらを待っていてくれたらしい。僕の動きに合わせて、ゆっくりと体を起こす。
金色の髪に、少し長い、尖った耳。ふふー、と笑う無邪気な顔。その彼女が、髪をなでつけながら、照れて笑う。
「はじめまして。マモル」
「……エレン」
僕は自分の体で、エレンと再会した。
「そっか。戻っちゃったのか、僕ら……」
「うん。でも、これが本当の私たちなんだよ?」
エレンがふわっと笑い、僕に抱きついてくる。今までは胸がジンとなるだけで済んでいたのに、体がかあっと熱くなり、血流が一箇所に集中していくのがわかる。
「そう言えば、マモル。自分の体で、したことなかったんだよね?」
「あ、うん、だけど……」
「今までマモルには、ずっとしてもらってたから。私も……マモルに抱かれてみたい」
エレンがスルスルっと肌着を脱いで、裸体をさらす。その美しさに、生唾を飲む。
震える手で、ズボンを脱ぎ捨て。僕はせっかく起こした体で、エレンの体を押し倒す。彼女の足の間に体を割り込ませて、荒い息で彼女の髪を、くすぐる。
「マモル?」
「なに?」
「優しく……してね?」
もう限界だった。この体はさんざん彼女の体を知っているはずなのに、いつも以上に興奮していた。ペニスで彼女の体を貫くと、んっ、とエレンが声を詰まらせる。
「エレン?」
「ちょっと……入ってきたものに、驚いただけ」
マモルはすごいなあ、とエレンがつぶやく。
「今までこうやって、私のこと、受け止めてくれてたんだね」
愛おしそうに、こちらの頬に手を添える。僕は無我夢中で、彼女の唇を貪った。はっ、はっ、と息がどんどん荒くなる。ペニスは縮こまることを知らず、彼女のなかでどんどん膨張し、増長する。でもその傲慢を、エレンは受け止めてくれていた。
男としての初めての性行為だった。でもそれも、エレンが慣らしてくれている。僕は彼女の太腿を抱え込み、一心不乱に腰を打ち付ける。たちまち執務室が喘ぎ超えで満たされる。
「エレンっ、エレンっ」
「マモルっ、すごいよおっ、マモルぅ」
「僕、僕はもう……」
「うん、いいよぉっ、出してぇっ」
ブルブルッ、と体が震える。エレンが逃すまいとがっちり体を引き寄せてくる。僕はそのまま彼女に精を放とうとして。
「……ん?」
「あれっ」
くるっと視界が変わった。苦しげに顔をゆがめている「僕」が目の前にいた。僕はそんな彼の頬に手を添えていて。
「あれ……戻った?」
「ちょ、ちょっとアンナ、これどういう……あうっ」
とエレンは情けない声を出しながら、僕の中に子種を注ぎ込んだ。
「言ったでしょう。それはあくまでもサンプルだと」
とアンナがやれやれ、と言わんばかりの態度で説明する。
「一応もとに戻れるようになるのですが、どうやら時間制限付きみたいで」
「じかんせいげん……?」
エレンが宇宙を見つめるネコのような目で言う。
「はい。3分毎に魂が体を行き交うようになります」
「ウルトラマンじゃないんだからっ」
「というかそれって、却って混乱を招くのでは?」
「ご心配なく。3日もすれば薬は排出されて、入れ替わった状態が維持されます」
要するに、とアンナが眼鏡を押し上げる。
「お二方の体と魂が相性が良すぎて、定着したそれをまた元通りにするのは、かなり時間がかかるわけです」
「もとに戻れると思ったのにぃ!」
と、エレンが地団駄を踏む。
「ううう、また、マモルに、迷惑かけちゃうよ……」
「そんなことないって」
僕はエレンを抱きしめる。
「僕はこんなかわいくて、きれいな娘になれてさ。しかも結婚までできてるんだから。これ以上の幸せ者は、そうはいないよ」
「……マモルのばかっ、すぐに私を甘やかすんだから」
めちゃくちゃにしてやる、と言いながらエレンが再び僕を押し倒す。
「もう絶対、ゼッタイマモルを手放したりなんかしないんだから!マモルは永遠に、ずっと、私だけのものだからね!」
「そりゃもちろん……れっ?」
視界がクラッとした。はっと我に返ると、僕はまた、エレンを押し倒していた。
「うお……」
「なんか、酔いそう……」
「試作品の薬なら、まだたくさんありますが」
「「しばらく、いらないかな……」」
僕はエレンの手を引っ張って、彼女を体の上に乗せた。狙いを読んだらしいエレンが、僕の手をしっかり握って、僕に跨って腰を振る。ずちゅ、ずちゅ、と自重で竿に貫かれるエレン。
「でも、男としてエレンを抱けたのは、正直うれし……あれっ」
また視界が移動している。僕の体の下で、笑っている僕がいる。
「うんうんこんなプリチーな女の子を抱けるほど、幸せなことはないよねっ」
「んはっ、やあっ、んんんっ」
「……この、バカップル」
僕らは執務室で、男としてエレンの中に注ぎ込んだり、女としてエレンに注ぎ込まれたりした。結局のところ、普段のじゃれ合いと大差なかった。