如何にして、世界中の父親と娘(10歳~18歳)が■■■■するに至ったか 作:サリオン
「………………は?」
いきなり目の前に楕円形の鏡が2つ、宙空に出現したように見えた。
いや、そうではない。
鏡面の向こうにはこちらとはまったく異なる景色が映っており、東南アジア系の中年男性、女の子が佇んでいた。
鏡ではなく、SFに出てくるようなエアウインドウだ。
『……きゃぁああああああああっ!!??』
「……粧裕ッ!!!!」
粧裕の叫びが聞こえ、オナニー中の娘を映し出す罪深いモニターに自らかぶりついた。
娘の視線の先にも総一郎と同じ鏡面───────エアウインドウが2つ浮いているではないか。
この時初めて、総一郎はこの奇妙で不可解で驚愕すべき怪奇現象が自身にも娘にも隣でソファに独特な座り方をするLにも発生していたことに気づいたのである。
「りゅ、竜崎……な、なんだこれは……!?」
「………………さぁ? ……としか言いようがありませんね……知られざる超科学技術による空中ディスプレイや
他のモニターでも同じようなエアウインドウが人々の前に出現し驚愕、困惑する様が映し出され、その中にはここキラ対策本部の別室で松田が腰を抜かしている様も視界に収め、
「───────どうやら、紛れもない現実ですね……」
と、Lは、自らのほっぺたに血が出るほど爪を立てて、原始的な手法ではあるが、この現象が現実に起きていることであると認めざるを得なかった。
端末を素早く操作して、他の国々の生放送のテレビ、ライブカメラの映像に切り替え、世界同時多発的に発生した現象であると認知した。
「───────このような超常現象の実在が認められた以上……キラ候補の洗い出しは振り出しに戻ったようです……何よりも───────キラ───────などと言っている余裕はありませんね……」
モニターが次々と世界中で連鎖的に発生する兇状を映し出した。
世界と様々な所で事故や災害が発生し、不吉な黒い煙が立ち昇っていた。
突如として目隠しされたようなものだ。
車の運転事故だけでこの現象の発現から10秒以内で世界中で何百万人もの死傷者を叩き出した。
また、エアウインドウは、己のものだけではなく、周辺の人々のエアウインドウもまた可視化され、群衆の中に置いては、360°の視界が完全に覆われ、立ち往生を余儀なくされ、ただの歩くという活動だけで、世界中で将棋倒しによる死傷者が毎秒何十、何百人と発生していた。
最もこの瞬間、夜にあたるエリアでは、この現象そのものに気付かず、安らかな睡眠に耽っていられているのであるが……
「……触っても手応えはなし……常に視界の前方に浮いたまま……距離も一定……念じても無駄……カメラ映像に写り……電子記録媒体にも記録はできる……部屋を暗くしてもそれ自身が発光……超常的な現象ですが、幻覚ではなく、紛れもない物理現象……」
Lは驚愕すべきもこの不可解な現象の法則を理解すべくあらゆる検証、考察を進めていく。
「……私がここにいることを知る者は、捜査本部の5人とワタリだけ……無数の人工衛星で地球をスキャンして、ホログラム映像をリアルタイムに投影……あるいは、脳に直接映像を送り込む……?」
ガチャッ
「局長!! 竜崎!! いてっ!!」
松田が入ってくるなり、何かに蹴躓き、
「ぬがぁあああっ!!」
総一郎がエアウインドウを使って、愛娘の破廉恥な姿を松田からガードする。
ちょうどエアウインドウが夜神粧裕の映るモニターの数mmにくるようにしていた。
モニターからは『え? え? なにこれ!? なにこれ!?』と粧裕の声が聞こえ、
「粧裕ちゃん!? 局長!! 粧裕ちゃんの声がっ!?」
「み、見るなぁあああああああああっ!!!!」
と、総一郎が必死に松田から愛娘の痴態をエアウインドウを使って隠していた。
人はなんだかんだ言って、だれもが順応する生き物なのだ。
Lももはや不可解な現象よりも、そこに映る東南アジア系の男性と少女の方に注目したのである。
一体この2人は何者であろうか……?
どのような関係にあるのであろうか……?