※この作品はR-18です。

美容スキルでクラスの女の子を可愛くしたい【4/1第1巻発売】   作:pelca

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第110話 スキル『口歯改善』

「高梨くんが、私の歯を……? 本当に……?」

 

 弘世は自分の持つギフトと『口歯改善』のスキルについて綾に説明をした。

 すると綾は、信じられないものを見るように弘世を見返し、徐々にその涙が消えていった。

 

「反動のこともある。だから最終的には委員長が決めてほしい」

 

 もちろんこのスキルで一番危険である反動のことも説明した。

 しかも指を口の中に入れられるのだ。歯医者ならまだしも相手は同じクラスの男子生徒。普通であれば、躊躇ってしまうものだった。

 

「――やる。やりたい。私には水泳が必要なの。四週間後の大会に出られるなら……やってみたい!」

 

 綾は躊躇わなかった。

 それだけこれまで水泳にかけてきた情熱が強かったから。

 

「わかった。なら、今度は俺が委員長を救う番だね」

「高梨くん……」

 

 綾は陸哉からの拳を庇って助けてくれた。

 逆に今度は弘世が綾を助ける番だった。

 

 

 ◇◇◇

 

 

「早速ってことだけど……ここ、大丈夫?」

「うん。もう皆帰ったみたいだし、私しかいないから大丈夫だよ」

 

 やってきたのは室内プール場に隣接された女子更衣室だった。

 その中心にあった背もたれのないベンチに座り、二人は向かい合っていた。

 

(水着のままするんだ……いいのかな)

 

 水泳をするために生まれたようなしなやかなボディライン。

 肩にはしっかりとした筋肉が付き、近くで見れば相当に鍛えてきたのだとわかる体型だった。

 

「どうかしたの?」

「い、いや……じゃあ始めるけど、いい?」

「うん。お願い――」

 

 競泳水着姿のままの綾は目をつむり、ゆっくりと口を開ける。

 弘世は彼女の口に手を近づけて、スキルを発動した。

 

「――『口歯改善』」

 

 淡い光に包まれた弘世の両手の指が綾の口内へと侵入していく。

 

「ん、ぅ……へ、へんな感じ……っ」

「ごめんね。きつかったら止めるから、ちゃんと言ってね」

「ぁ、ふ……」

 

 綾は指を口に入れられてから、やっと思った。

 人の指を咥える行為は、少し変態的行為ではないかと。

 

 だから綾は顔を赤らめ、先ほどまでは見れていた弘世の目を見ないよう、視線を横に流した。

 

 綾の歯はほとんどがなくなっていたせいか、指通りが良かった。

 歯肉をなぞり、次第に弘世の指に綾の唾液が絡みついていく。

 

(私の口の中大丈夫かな!? 高梨くん、嫌じゃないかな!?)

 

 今になって気付いたのは、自分の口の中のこと。

 お昼に軽く磨いて以降、歯を磨いていない。口の中は臭くないのか、唾液がついて嫌じゃないのか。色々なことが綾の頭の中を巡っていった。

 

 しかし、そんなこともすぐに忘れてしまう。

 綾の口内に、反動が襲ってきたからだ。

 

「ぁっ……ん、ふぁ……ん、ん……っ」

「だ、大丈夫?」

「はふ……だ、だいじょう……ふぅ……っ」

 

 大丈夫そうではないが、本人が大丈夫と言っているため、弘世はそのまま続けた。

 反動を受けて、口の中が気持ちよくなっているのだと理解した。

 なぜなら、いつしか綾は自ら舌を動かし、弘世の指を舐めるようにちゅぱちゅぱと吸い取っていたからだ。

 

(なに、これ……キャンディーみたいに高梨くんの指が恋しい……ダメ、私……吸っちゃダメなのに……これが、反動なんだ……でも、止めちゃったら私の歯は……あぁ、変……私、変になって……)

 

「ん、ちゅぷ……ん、んっ……ふぁ……美味しい……ん……もっと……もっと……」

「…………っ」

 

 弘世の指が赤ちゃんのように吸われていく。

 はじめは弘世だけが指を動かしていたのに、今は綾が頭まで動かし、弘世の指の先端から付け根までを吸って離して吸って離してを繰り返していた。

 綾の表情はとろけていて、もう正常とは言い難かった。

 

 この行為は、弘世にとっても快感だった。

 指を舐められる気持ちよさはなんとも言えず、他の女子にもされたように、擬似的に自分の下半身を舐められているような気分にもなるのだ。

 

「あと、もう少し……」

「ぁふ……ちゅぱ……ん、んぅ……はぁ、ふぅ……♡」

 

 綾の目の焦点はもう定まっておらず、ただただ必死になって弘世の指を美味しそうに舐めていた。

 やがて弘世の手を掴み、自ら引き寄せるようにしてむしゃぶりついた。

 

 ――施術、完了。

 

「委員長、委員長? 終わったよ」

「ん……ぁ、う……あひ?」

「そ、そろそろいいかな……?」

「っ!? はっ、私っ!? ご、ごめんなさいっ!」

 

 正気に戻った綾は急いで弘世の指を口から離した。

 施術が終わってからも数十秒ほどずっとちゅぱちゅぱしていた綾は自分のしていたことに恥ずかしくなる。

 

「反動だからしょうがないよ。だから気にしないで」

「こ、こんなの、気にしないなんてできると思う……?」

「…………どうだろう。あはは……」

「もう……こんなの、おかしくなっちゃうに決まってる……私、反動甘くみてたよ……」

「恥ずかしいことさせちゃってごめん。でも、必ず委員長の歯は直してみせるから、あと五回分頑張ろう」

「……うん。わかった」

 

 

 ◇◇◇

 

 

 施術が終わったあと、着替えで自分を待たせるのは悪いので、綾は弘世を先に帰した。

 

 そうして一人、女子更衣室に残った綾だったが――

 

「ん、ぅ……ちゅ、ちゅぱ……ん……はぁ、はぁ……自分のじゃ、ダメ……」

 

 綾は自分の指をしばらく舐めていた。

 先ほどの『口歯改善』の反動がまだ残っており、どうしても口が寂しく何かを舐めていたかったのだ。

 

「はぁ、はぁ……顔が熱い……高梨くんの指、舐めたくなっちゃってる……私、おかしいよ……」

 

 同じ指のはずなのに、自分と弘世の指とでは舐める感覚も、味も、太さも違っていた。

 

「これをあと五回もするんだよね……あはは……私、大丈夫かな。でも――歯が治るまでは、ちゃんと泳ぐための努力はしておかないと」

 

 四週間後の大会。歯が完全に治るまでは満足に練習はできないだろう。

 そんな中で、練習を積み上げてきた相手に勝てるかどうかはわからない。

 だから復帰した時に後悔しないよう、綾は陸でできるトレーニングを開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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