美容スキルでクラスの女の子を可愛くしたい【4/1第1巻発売】 作:pelca
――絶世の美少女が剛毛だったら……その人を好きになれるだろうか。
男ならその人の性的趣向によって『はい』という人がいるかもしれない。
しかし、それを喜ぶ女子はほとんどいないだろう。
その週の土曜日。
弘世と小春はひびきの家に集まり、とある人物がやってくるのを待っていた。
――ピンポーン。
チャイムが鳴り、ひびきが迎えに行く。
「こんにちは。今日はお願いします」
「こんにちは、霧乃っ!」
玄関前でペコリと綺麗なお辞儀をしていたのは学年一の美少女。雪のように儚いその美貌は一言喋るだけでも、はっと意識を奪われる――氷堂霧乃は今日、覚悟を決めてこの場所に来たのだ。
既に名前呼びしていたひびきは霧乃を招き入れ、自室へと案内した。
「こんにちは霧乃ちゃん」
「こんにちは霧乃」
部屋では小春と弘世が待っており、軽く挨拶をした。弘世はいきなりの名前呼びに
抵抗はあったが、施術するのは弘世なんだから少しでも仲良くしたほうが良いというひびきの案で名前呼びになっていた。
「こんにちは……えっと、小春ちゃん……に、弘世くん」
まだ名前呼びが慣れていない霧乃。
ひびきと一緒に部屋に入ると、まずはテーブルの前に四人一緒に座る。
霧乃をリラックスさせるためにひびきはハーブティーを用意し、その間に世間話に花を咲かせる。
十五分ほどだろうか。ひびきから「どう? やれそう?」と切り出した。ただ、霧乃は緊張していた様子とは裏腹に「今日は絶対にやるって決めてきましたから」と心配は不必要だった。
そこで一旦、弘世とひびきは部屋の外に出た。
その間に霧乃は服を脱ぎ、準備に取り掛かる。
なぜ、ひびきも一緒に部屋の外に出たのか。それは霧乃への最大限の配慮をするためだった。
「準備いいよー!」
中から小春の声が聞こえると、ひびきが弘世を連れて中に入る。
「ゆっくり……ゆっくりね!」
「はいはい」
弘世は目隠しをしていた。ついでに耳栓もしている。
耳元で喋らないとほとんど聞こえない。
最大限の配慮とは、唯一の男であり施術者である弘世が、霧乃の素肌を見ることなく、そして我慢できなくなった霧乃の声すらも聞こえないようにするというものだった。
ひびきと小春の体を施術してきた弘世は大体の体の構造がわかっていた。なので、見えなくても問題はない。それに今回はひびきも補助してくれる予定だ。
一方の霧乃は、既にベッドに横になっていた。
ただ、その姿を見た瞬間、ひびきが顔を赤らめた。
彼女の要望は『全身の永久脱毛』。
つまり、胸やデリケートゾーンも含まれる。それをするには下着を外す必要があるのだが、大事な場所はできれば見られたくない。そう思ったからか、その大事な場所には絆創膏が貼ってあったのだ。
(逆にエロいっ!)
ひびきが心の中で突っ込んだ。
学年一の美少女が絆創膏で大事な所を隠している事実。女子であるひびきから見てもエロかったのだ。そして、今度は自分に絆創膏を貼って弘世に見せてみようかな、とも考えた。
「あ、あの……私にも目隠しお願いできないでしょうか? 可能なら耳栓も」
「良いよ! 持ってくるからちょっと待ってて!」
「え!? ひびき!? どこ!?」
弘世の今の姿を見て、霧乃は同じ状態を求めた。
ひびきが一階へと降りていくとぱっと弘世の手を離した。そのせいで弘世はその場で動けなくなり、ゾンビのように両手を前に出して、あたふたすることになった。
その様子を小春と霧乃は笑っていた。
「じゃあ、弘世。こっち」
霧乃も目隠しと耳栓をして準備が完了すると、ひびきは弘世を誘導しベッドに座らせた。
「霧乃、大丈夫? 始めるよ」
「大丈夫です……お願いします」
それを聞くと、ひびきは弘世に合図。施術が始まる。
「――スキル『脱毛』『肌質改善』」
今回『肌質改善』も一緒に使ったのは毛穴収縮の効果があるためだ。
脱毛によって毛がなくなっても、その部分の毛穴が残る。それなら毛穴はない方が良いとの判断で使うことになった。
白く淡い光が弘世の両手に宿る。
ひびきがその手を誘導し、霧乃の足首に当てた。
「っ…………」
一瞬霧乃がピクッと反応したが、そのまま続けた。
霧乃の左手は小春が掴んでおり、仰々しいが安心させるためだ。
(大丈夫、大丈夫……弘世くんは優しい。弘世くんは優しい……)
目隠しの中でさらにぎゅっと目をつむっていた霧乃は弘世の手の温かさを感じていた。
<脱毛>
方法:対象の部位をさする
効果:永久脱毛、脱毛調整
反動:一定時間体が火照る、敏感になる
『脱毛』のスキルは、肌をさすることで施術する。『肌質改善』と一緒だ。だから、最低限の接触で問題ない。
そして弘世によれば、この『脱毛』は、どれだけ脱毛をするかを選べるとのことだった。完全になくすのか、ちょっと残すのか。そういったようにも選択できるが、霧乃は全部いらないとのことだった。それは言葉の意味のまま、全部だ。
(や、柔らかい……っ。というか、目も耳も塞がれてるから、手の感触がより繊細に伝わる……)
弘世は視覚遮断された影響で、より霧乃の肌感を感じてしまっていた。
霧乃はモデル体型でとても痩せている。しかしその肌は女性らしく、とても柔らかかった。まさに理想的体型だ。今日のファッションだって、ジーパンに黒のタートルネックニット。それだけで芸能人かと思うようなスタイルだった。
「ぁ……っ……ん…………」
施術が太ももに入ると、今まで静かだった霧乃の声が漏れるようになってきた。
弘世は真面目に施術している……が、ひびきと小春はなんだか霧乃の様子を見て、ムラムラしてきたのだ。
絆創膏に目隠しに耳栓。今の状態は一種のプレイにも見えていた。
二人は互いに役割を果たしながらも、なんだか変な気持ちになっていたのだ。
「……先に上半身やろっか」
このまま行くとまだ序盤なのにデリケートゾーンに触れる事になる。さすがにそれは早いと感じた。だから小春に耳打ちしてもらい、太ももの際を残し、上半身をさすることとなった。
「温かい……」
霧乃の呟き。
肩から指先にかけて、両手で挟み込むようにさすっていく。ただ、問題があった。
「んっ…………あっ…………そこっ……」
脇だ。
脇のこちょこちょが苦手な人がいるだろう。
霧乃はしっかりと苦手だったようで、体をくねらせながら、弘世の拷問に耐えていた。
人はデリケートゾーンや脇に特に毛が生える。脇には剃ってきたような毛の感触があった。弘世は取りこぼしがないように入念にやるつもりだ。
くすぐったいような、気持ち良いような。訳のわからない感覚が今の霧乃に伝わっていた。
(我慢っ……私は我慢して、毛をなくすんだ……っ。だから、このくらいの——)
「——あんっ!?」
「だ、大丈夫!?」
さすがの弘世も今の霧乃の声の大きさは耳栓を貫通していた。
「つ、続けてください……っ」
「続けてだって、弘世」
「わかった」
一瞬手を止めたが、弘世は施術を再開。
霧乃は恥ずかしかったのか、頬や耳が赤くなっていた。
そうして、両腕、首、デコルテ、お腹。背中全体まで行い。残すは胸、お尻、デリケートゾーンとなっていた。
「霧乃ちゃん。このまま……胸やるよ?」
「はぁ……はぁ……っ……お願い、します……っ」
霧乃の体は既に、催淫効果のある薬を飲まされたかのように火照っており、刺激に敏感になっていた。じっとりと汗も滲み出ていて、顔も紅潮している。
特に背中が敏感だったのか、その叫びはもう耳栓など意味を為さなかった。
揉み込むマッサージならまだ大丈夫だったろう。しかし、優しく触るという行為が霧乃にとっては逆に効いてしまったのだ。
そして、ついにやってくる胸の施術。
霧乃の要望で先端以外の全てをさすることになっている。
弘世は意を決して、両乳房をさすりはじめた。
「っ……あっ、あっ……これ…………おかしく……っ」
(無心だ……俺は無心でやるんだ……っ)
霧乃の胸はそれほど大きくはなかった。弘世の手の感覚ではBかCか……。ひびきたちと比べると半分以下くらいではあるが、とても柔らかい感触が手に伝わった。
(私……男の子に触られてる……大事なところは触られてないけど……ほとんど触られてる。これ……だめだ……私、変になる……声、出ちゃう)
恐らく、施術者が女性だったら、こんな感情にはならなかっただろう。
それに加え、スキルの反動により気持ちよさが押し付けられてしまう。
「あっ……あっ……♡ あっ……あっ……♡」
ついには霧乃は、弘世の手が気持ちよくてどうしようもなくなっていた。
声が抑えられず、もどかしい気持ちになる。
(触ってほしい、触ってほしい、触って欲しい……っ)
乳房の先端を避けて施術されているため、焦らされているような状態になっていた。一種の生殺しである。
「霧乃ちゃんがんばれっ」
耳元で小春が応援する。しかし――
「ひゃん!?」
耳に息が吹きかかったせいか、それだけで霧乃の体が反応してしまった。
「き、霧乃ちゃんごめんなさいっ」
まさかそうなるとは思わず小春も驚く。
なんとか胸の施術を終えた弘世。以前から感じていたことだが、スキルの同時発動は、相当に疲れる。二倍まではいかないが、体内の魔力がごっそりと抜けている感覚があるのだ。
一方の霧乃も満身創痍だった。
息は乱れ、全身が火照り、ついには自らの胸あたりを両手でさすっていた。
しかし、まだ自我を保てているのか、先端には触ろうとはしない。
その様子をひびきと小春は見ており、我慢しているんだろうなぁと思っていた。
「次は……お尻、だけど……頑張って……霧乃」
胸とはまた違う。
なぜなら、穴のギリギリまでさすらなければいけないからだ。つまり、穴を広げるようにして弘世はさすらなければいけない。
「はぁっ……はぁっ……お願い、します……っ」
うつ伏せになった霧乃。背中をしている時にも見えたが、きゅっと引き締まった小さなお尻が見えた。
何も見えない弘世はひびきの誘導で、霧乃のお尻へと手を置く。
「んぅっ!? …………やって……ください……っ」
「弘世、いいよ」
ビクンと反応した霧乃。
彼女の言葉を聞いて、ひびきは弘世にスタートを促した。
(これはっ…………俺もどうにかなりそうだ……)
弘世の指は、霧乃のお尻の穴のギリギリを親指でさすっていた。
万が一がないように、ひびきが弘世の手首を一緒に持って動かしている。
「あっ……あっ……だめぇっ……広がってるのぉ……っ♡」
お尻には絆創膏はしていない。なぜしていないのかと言われれば、貼るイメージがなかったから、としか言えなかった。霧乃も今になって貼ればよかったなんて思っていた。
ただ、もう遅い。弘世には見られてはいないが、本当に際の際を触られている。誰にも見せたことのない、大事な場所。
(もう……お嫁にいけないかも……こんなにまさぐられて……おかしくならないほうがおかしいよぉっ)
霧乃は枕をぎゅっと掴み、ただただ耐えていた。
そして徐々に腰が浮き、いつの間にかお尻を突き出すように四つん這いになっていた。
弘世もそれに気づき、なんとか彼女の動きに合わせた。
「お゙ぁっ……お゙ぁっ……だめえっ……広がるっ……広がってるのぉっ♡」
ギリギリをさすられ、絶世の美少女が出してはいけない声を出していた。
(た、耐えた…………)
なんとか、お尻まで終えた霧乃。
恐らく小春では我慢できなかったことだろう。霧乃はおかしくなってはいたが、最後は踏みとどまっていた。
「霧乃ちゃん、最後だよ」
「はい……お願いします」
仰向けになり、一番大事なデリケートゾーンの施術に入る。
絆創膏のみが貼られている霧乃の大事な部分が見え、今や足を開きとても恥ずかしい格好になっていた。
「弘世、やるよ」
「うん」
耳栓越しに言われ、今日最後の施術に入った。
――ただ、霧乃がとんでもない痴態を晒してしまうのは、この後のことだった。
「それ、以上は……わ、私……っ……だめっ……だめですっ! ……我慢が……我慢が……っ」
異変は終盤だった。
どこか小春の時と近い雰囲気を感じた弘世だったが、生憎何も見えないし、耳もほぼ聞こえない。
ひびきもここまできたら途中でやめない方が良いと言う判断で弘世に続けてもらったのだが──
「あ゛っ! あ゛ぁっ! だめっ、だめだめだめぇっ♡ ん゛っ……ん゛んっ♡ 許してっ……許してくだひゃいっ♡ ……きます……何かがきますぅっ! わたし、わたしぃぃぃっ!?」
「霧乃ちゃん頑張って! あとほんのもう少しだか────ぁ」
腰を浮かせながらびくびくと体を震わせていた霧乃。小春が最後に叱咤しようと耳元でそう言ったのだが、その言葉は最後まで続かなかった。
「わぁ!? 何!? 何が起きたの!?」
「あ…………」
弘世の顔に何か温かくうっすらと黄色がかった透明な液体がぴゅーぴゅーと勢いよくかかったのだ。
ひびきは説明にとても困ったのだが、落ち着くと弘世はその匂いと温かさから自然となんだったのかを理解した。
◇ ◇ ◇
「わ、私……もうお嫁にいけないよ〜〜っ! でも……ありがたいよぉ……っ」
全ての施術が終わり、霧乃は服を着ていた。
そして、泣いていた。幼児退行も追加されて。
ひびきと小春は苦笑いしながら、恥ずかしさで涙する霧乃の背中を優しく撫でていた。私も似たようなことの経験者だよ、と。
最後の最後だった。
色々と我慢できなくなった霧乃は、盛大に漏らしてしまったのだ。その勢いによって絆創膏が外れ、弘世の顔にまで飛んでしまっていた。
だから現在の霧乃はひびきの家のシャワーを借りたあとだった。
弘世も顔だけ洗っており、少し気まずい状況だ。ベッドシーツも霧乃がシャワーに入ってる間にひびきが取り替えて、現在は綺麗なものが敷かれている。
ひびきも小春もこれはしょうがないと思っていた。
実際に『肌質改善』をデリケートゾーンにされたひびきは、その気持ちががよくわかっていたし、途中で止めるとスキル発動に影響があるかもしれない。
だから、霧乃がこうなるのはしょうがないのだ。
「霧乃……あと七回くらい同じことやる必要があるけど……大丈夫?」
「あはは……大丈夫、です……決めてますから……最後まで、お願いします」
痴態を晒してしまったけれど、ここで止めるわけにはいかない。
ずっと自分を悩ませてきた剛毛をなくすためなのだから。
「なら、次は私と小春、交互に付き添いしよっか」
「うん、そうしよう」
「…………皆さんには頭が上がりません……本当にありがとうござ――」
「霧乃っ、まだ早いよ。願いが叶ってからちゃんと聞かせて?」
「えっと……わかりました」
普通に考えれば、ひびきたちは霧乃にここまでしてあげる義理はないのだ。
そのはずなのに、これから週二回時間を作って協力してくれる。
霧乃からすれば、大きな恩を感じるに決まっていた。
ただ、色々なものを失ってはいるが、背に腹は代えられない。
「あと……弘世くん。ご、ごめんなさいっ! 私、私……あぁ、やっぱり恥ずかしいですっ! でも、目隠しとか耳栓とか……配慮してくれてありがとうございます」
顔を両手で覆いながら恥ずかしがる霧乃。でもちゃんとお礼も言いたかったのだ。
ひびきたちが配慮してくれたと言っても、そうさせたのは霧乃だ。
だから、まだあまり仲良くなっていない自分に対しては十分すぎる配慮だった。
「えっと……うん。大丈夫、気にしてないよ……それに、ちゃんと願いは叶うはずだから……期待しててっ!」
「……は、はいっ!」
弘世の力強い言葉に、霧乃は同じく力強く返した。
そうして、これから週二回の施術が続いていくのだった。