美容スキルでクラスの女の子を可愛くしたい【4/1第1巻発売】 作:pelca
──物心がついた時には、お屋敷のような大きな家に家族と一緒に住んでいた。
家にはいつもお母さんとおばあちゃん、それに使用人がいて、お父さんやおじいちゃんなど男たちは皆仕事でたまに帰ってくるくらい。それでもちゃんと可愛がってもらっていたと思う。
裕福な家庭の中ですくすくと育った私。
──体に異変が起きたのは小学校低学年の時だった。
『寒い……寒いよぉ……』
朝、ベッドの上で目覚めると全身が冷たくて、風邪をひいたのだと思った。
その日は学校を休み、療養することになったが、体の寒気は一週間経過しても治らなかった。
そんな私が苦しんでいた時、久しぶりにおじいちゃんが家に帰ってきた。
私の体を見て、すぐに普通ではないと感じ取ったらしく、冒険者ギルドの会長権限を行使して人を呼び、私に『鑑定』を施してくれた。
『氷気』——それが私のギフトだった。
体の寒気を治すためには、このギフトをコントロールできるようにならないといけないとわかり、その日から私の特訓が始まった。
ただ、意識してしまえば、それほど難しいものではなかった。
私には才能があったようだ。
『氷気』コントロールできるようになってからは、逆に寒さに強くなってしまった。
人よりも体温が少しだけ低くなってしまったようだけど、生活にはなんら支障はなかった。
――次に大きな変化が起きたのが、ちょうど中学生になった時だった。
「え……え…………? なんで……こんなに、毛が?」
最初は産毛だった。
産毛なんて誰でも生えているし、産毛を剃ってるという友達もあまりいなかった。
しかし私の産毛は止まらなかった。
「背中……? 脇……足まで……なんで……なんで……っ」
産毛だったものは、もう産毛ではなくなっていたのだ。
だから私は全身の毛を剃りはじめた。
この頃、同じ中学校のクラスメイトも毛を剃るのが当たり前だと聞いていたため、私も同じことをしているだけだと思い込んだ。
けど、次第に私は人とは違うのだと理解していった。
――私は人の視線が怖くなった。
毛の剃り忘れがないか、剃り残しはないかと常に気にして、会話しているだけでも肌が見えている場所の毛穴を見られてるのではないか……私を見る全ての視線が、そうではないかと思うようになってしまった。
だから、私は人との交流を避けていくようになった。
それが原因だろうか。
『――ねえ霧乃。私の友達があんたに男を取られたって言ってるんだけど、どうしてくれるわけ?』
そんなの、知らない。
男子ともほとんど喋ったこともないし、誰に好かれているという情報も知らなかった。
人の視線が怖くて、普通の恋愛などできないと思っていたから、そういうことも避けていたのだから当然だ。
そうクラスメイトの女子に言われたが、いじめがあったわけではない。
勝手に孤独になった人間の居場所がさらになくなっただけだった。
「剃らなきゃ……剃らなきゃ……剃らなきゃ……」
他のことはどうでも良かった。ただただ毎日、自分の毛のことばかり考えていた。
服装だって、半袖やスカートなどを着られるわけもなく……着ても必ずタイツを履くようにしていた。
――チクっ。
剃り残しの毛がタイツに引っかかった時、絶望するようにタイツを破り捨てた。もちろんその日は出かけなかった。
体操着やスクール水着を着る授業の時は体温が低くて調子が悪いと言い訳し、できる限り休ませてもらった。休んでいる間もジャージなどの上着を着てやり過ごすのが私の日常となった。
――高校生になってからも、同じような日々が続いた。
私は可愛いらしい。中学生の頃から次第に理解していった容姿。
この容姿だったからか、最初は仲良くしてくれる人たちがいたが、私が仲良くなろうとはしなかったため、すぐに省かれ一人になるようになった。
「――氷堂さん、一人で大丈夫? 俺が話聞いてあげよっか?」
優しそうな笑みを見せながら、孤独な私――その体を狙う男子が寄ってくるようになった。
でも、私は知っていた。中学校でも似たような経験はあったから。
「ご、ごめんなさい――!」
「ちょっと待ってよ!!」
ダッシュで逃げるも私はすぐに追いつかれてしまう。
だから、ごめんなさいと思いながら、ギフトの能力を発動した。
小さな小さな氷の突起を地面に生成――男子はそれに躓いて転び、足の遅い私を追ってくることはできなかった。私が小学生の時からギフトを使えることを知らない男子は何が起きたのか理解できないようだった。
――ある時、ネットでこんな記事を見つけた。
『冷え性は女性の毛深さと関係する一つのバロメーター』
体が冷えると、寒さから守るために毛が生えて断熱材とする。そんな内容の記事だ。
本当かどうかなんてどうでも良かった。
それを見つけてしまった私は、自分が授かったギフトを恨むようになった。
ギフトのせいで低くなった体温。
それが原因で毛深くなったのだと。私はそう信じて恨んだのだ。
『――霧乃ちゃん? 悩み事があったら言うのよ?』
私の様子を心配してかお母さんがたまにこうして声をかけてくれている。
ただ、毛深いことが恥ずかしくて、家族にも言えなかった。
お母さんは私と顔が似ているのに、体は全然違った。
すべすべの肌に毛なんて全く生えていない。あと、胸がとても大きい。
医療脱毛や永久脱毛という言葉は既に知っていた。
でも、私は家族だからこそずっと言えずにいたのだ。
『氷堂霧乃…………』
転機が訪れたのは高校一年生の後半に差し掛かった時だった。
廊下を歩いている時、私の名前が聞こえたので近づいてみると、可愛い子が近くに立っていた。
私のことを綺麗だと言ってくれて……最近は女の子からはそういった言葉も聞くことはなくなったから、少し嬉しくなってしまった。
明るい彼女が眩しくて、どこか他の女子生徒とは違った雰囲気を感じた。
それによく見るととても綺麗な肌をしていた……毛穴がない。
綺麗だということを伝えてみると、彼女は私の言葉をそのまま受け取って喜んでくれた。他の女の子ではこういうことはなかった。
『霧乃のアレ。絶対上から目線だよね。自分より可愛くないってわかってるからあんな簡単に他人を褒められるんだよ』
廊下にいた時、教室の中から聞こえてきた声だ。
貶す気など微塵もなく、自分の気持ちを素直に伝えただけなのにマイナスに捉えられてしまう。
そんな女の子との会話にすら苦労していた私だったけど、彼女は違った。他の女の子を褒める言葉を使えなくなっていたはずなのに、彼女には伝えられたのだ。
仲良くなりたいと思った……だからなのか、その機会は思わぬ驚きを加えて叶うこととなった。
いつも通りに一人でどこか自分のお弁当を持って食べる場所を探しに屋上へと行った時だ。彼女――林道ひびきちゃんに声をかけられ、一緒に昼食を食べることになった。
そこには彼女の友達が二人一緒にいて驚いてしまった。しかも一人は男の子。
警戒はしたけど、私を見る目が他の男子とは全然違っていた。いやらしくないというか……とにかく嫌ではなかった。
すると、突然ひびきちゃんが大声を出し、私なのか彼なのかを光っていると言ったのだ。最初は意味がわからず、皆の話を聞いていると、飛び出した言葉が――
『――――『脱毛』』
『嘘――――っ!?』
新しいスキル・覚えた・脱毛。
そのキーワードだけで、私は震える思いをした。
そして、私の願いが簡単に見破られてしまった。それはひびきちゃんのスキルだったけど、そのあと小春ちゃんの痣が消えたという写真も見せてもらって……。
『ごう、もう……なんです。私……』
いつの間にか吐き出してしまい、涙を流していた私は小春ちゃんに背中を撫でられ、決意を固めた。
他人の家にお邪魔するなんて小学生以来だった。
その頃の友達はもう繋がってはいないけど、それだけ久しぶりだったからか、とても緊張していた。
そして、スキルのことをよく聞き、男の子に肌を触れられるということからか、私にとても気を遣ってくれて、目隠しや耳栓までしてくれた。
多分、私は既におかしかったのかもしれない。
局部を隠すのが絆創膏しか思いつかなくて……でも見られるのは恥ずかしいから何もつけないわけにはいかなくて。
そうして始まった施術。
近くにひびきちゃんたちがいたからか、彼の手は優しく思えた。
ただ、聞いていた通りに、私の体には快感が襲ってきた。
全身をやるつもりだったので、大事な部分を避けてもらっていた。
それが逆に私の体を高ぶらせることになるとは思わなかった。
『あっ……あっ……♡ あっ……あっ……♡』
気付いた時には私は気持ち良すぎて喘いでいた。
乳首も下半身も触って欲しくて、どうにかなりそうだった。
『あ゛っ! あ゛ぁっ! だめっ、だめだめだめぇっ♡ ん゛っ……ん゛んっ♡ 許してっ……許してくだひゃいっ♡ ……きます……何かがきますぅっ! わたし、わたしぃぃぃっ!?』
緊張していたせいもあっただろうか。それともやっぱり、その緊張で朝からたくさんお水を飲んでいたせいだろうか。私は盛大にお漏らしをしてしまったのだ。
気持ちよくて気持ちよくて。その開放感に全身が震えた。
色々なものを失ったけど、恐らくこの時だったのだろう。私の性癖が歪んでしまったのは。
そうして、四週間に渡る施術が終わり、少し日にちが経った日の朝。
『凄い……本当に、本当なんだ……っ。もう、悩まなくても良いんだ……っ』
毎日少しずつ生えてくる全身の毛がなくなっていて、さらに『肌質改善』のスキルの効果であった毛穴すらほとんど見えない状態になっていた。
自分が生まれ変わったように感じ、世界が違って見えた。
『――いたっ……くない?』
一応だ。本当に一応、体のどこかに毛は生えていないかとカミソリで体を剃っていたところ手元が狂って肌を傷つけてしまったのだ。
でも、おかしかった。
痛いはずなのに痛くなくて、カミソリの刃で傷ついたはずなのに、なぜか傷跡もなかったのだ。
「…………?」
よくわからなかったが、私は気にしないことにした。
そんなことよりも毛が生えていないことが大事なのだから。
そして、私はひびきちゃんにお願いをして、彼――弘世くんにも私の全部を見てほしいと思い、家に誘った。
誰にも一部の区画に入らせないように手配し、お風呂場で私の大事な部分を広げて、おしっこしている様子を見せてしまった。
私の恥ずかしい姿を見せた責任を取ってほしかったのもあり、私は言った。
『――舐めてもらえますか?』
彼はそれを受け入れ、おしっこしたばかりの私の大事な部分を舐めてくれたのだ。
――この人は私の望みを何でも受け入れてくれる人なんだと、この時、本当にそう思った。
そのままお風呂場で私の初めてを奪ってもらい、部屋に戻って二回戦……。
まさか私がこんなにえっちなことを経験することになるなんて思わなかった。
しかも数回会っただけの男の子と。
それなのに、どこか愛情のようなものを感じていて、多分、えっちをした瞬間から好きになっていたんだと思う。
そうして変わった私は四人で一緒に過ごすようになり、あのクリスマスの日を境に、その絆は力の解放と共に私の中で強く燃え上がることになった。
――弘世くんが死ぬ。
判断は一瞬だった。
『——貫いて!!』
空気中の水分を瞬時に集め氷柱を生成し、落ちてきた看板へと飛ばした。
弘世くんを救えた時はほっとした。
ただ、私はそれだけでは終わらなかった。
『こんなところで弘世くんを失うわけにはいきませんから。私、これからは弘世くんのこと、絶対に守ります』
小学生の時に私の体に宿ったギフト。このギフトのせいで毛深くなってしまったのではないかという確信のないネット記事に惑わされて悩んでいたが、もうその必要はなくなった。
やっと、私がこのギフトを授かった理由がわかったのだから。
――とある日。
私は、再び弘世くんをお家に呼んでいた。もちろんボスであるひびきちゃんには承諾済み。
そしてこの日は新たな取り組みを行うべく、再びお風呂場に二人一緒になって入っていた。
「あの……弘世くん。前に好きな人のなら……飲めるって言ってましたよね?」
「うん、飲めると思う」
彼は間髪入れずに回答した。
「なら……私の……お願いできますか?」
「…………わかった」
そして私はもう一つお願いをした。
「弘世くんのも欲しいです。いつものじゃなくて……おしっこの方です」
「ど、どういうこと?」
さすがに動揺していた弘世くん。とても可愛い。
いつもなら、彼の性を吐き出させるのだが、今日は違う。吐き出させるのはおしっこなのだ。
「霧乃はそれで嬉しいの?」
「はい♡ 弘世くんがおしっこを飲めるように、私も弘世くんのものが欲しいんです……あなたのものなら何でも……」
「霧乃って三人の中じゃ一番変態だよね」
「はい……嬉しい言葉です♡」
変態と言われるのは、嫌じゃなかった。むしろ好きだ。
そしてそれを受け入れてくれる彼のことが大好きだった。
白くて細い体が彼の手によって汚されること、そして彼を汚すことは、これ以上ない私が興奮することだった。
「しゅきぃ…………♡」
その日、私は新たな境地へと一歩踏み出した。
「――あら霧乃ちゃん。その男の子は……」
事を終えて弘世くんを見送る時だった。運悪く玄関前でお母さんと遭遇してしまった。
「あっ……ええと。霧乃さんとはお友達をさせてもらっています。高梨弘世と申します」
弘世くんは丁寧に挨拶をした。
「まさか霧乃ちゃんがねえ……少し前から明るくなったのはその子が理由かしら」
「も、もうっ。いいからどっか行ってて!」
「何よちゃんと紹介してくれても良いじゃない。ふふ……弘世くんだったわね。次遊びにきた時は私ともゆっくりお話しましょう?」
「えっと……はい」
正直、お母さんはとっても綺麗だ。
四十歳ほどだけど、どう見ても二十代にしか見えないし、私より胸が数倍大きい。顔は似てるのに胸は似ていない。そして、私から見ても大人の色気が凄い。
普通の人なら、お母さんの容姿にメロメロになってしまうだろう。
それにちょっと天然なところもあって隙が多い。そんなところも魅力的に見えるのだからズルいのだ。
「霧乃って、家族の前だと少し子供っぽくなるね」
「も、もう……恥ずかしいです……」
「今日したこと以上に恥ずかしいことなんてあるのか……」
弘世くんに突っ込まれたけど、家族のことについてはまた別の話だ。
――そんなことがありつつも、私たちは一年の終わりがすぐ目の前に迫っていた。
「弘世くんは、やっぱりおっぱいは大きい方が好きなんですか?」
「えっ? 校門の前で話すことじゃ……」
「き、霧乃ちゃん!? あなたがこれ以上のステータスを手に入れたら私たちの存在価値がなくなる! 霧乃ちゃんのおっぱいは弘世くんも大好きだから大丈夫!」
「えっと、ひびきちゃんや小春ちゃんのことではなくて……」
「……?」
私は見ていた。
弘世くんがお母さんのおっぱいに目線が行っていたことを。
男の子はおっぱいが大好きだ。貧乳の私が勝つにはどうすれば良いのか……。
答えは見つからない。
そんな事を考えていると――
「――弘世ー! 小春っ! 霧乃〜〜っ!!」
大切なお友達のひびきちゃんが、手を振って学校の玄関から走ってきた。
あの明るい笑顔が私を救ってくれて、今いるこの場所に導いてくれた。
ひびきちゃんがいなければ弘世くんとも小春ちゃんとも出会っていない。
だからこそ私はこの居場所を守りたい。
今まで一人で良かったと思っていたけど、この場所は違う。
――私の力は、皆を守るためにある。
この場所を守り、ずっと関係を続けていくために密かにギフトの特訓をしようと決めた。
第一章はこれで本当のおしまいです!
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
次回、キャラ紹介や設定などの紹介です。
それが終われば、二章に入っていきます!
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