美容スキルでクラスの女の子を可愛くしたい【4/1第1巻発売】 作:pelca
「――あれ?」
最後の施術が終わってから数日後。
人気アイドルグループ『SPICE MIX』のリーダーである南雲美波《なぐもみなみ》は、朝のベッドの中で体の違和感に気付いた。
体を起こしてみる。
鍛え上げられた腹筋だけを使うと、いつもは走る痛みが全くなかった。
「…………」
ベッドから降りて立ち上がる。
腰に触れながら等身大の鏡の前に立つと、くるっと一回転。痛みはない。
屈伸をして、天井に両手を上げて伸びをする。痛みはない。
ジャンプしたり、壁に向かって倒立。痛みはない。
「これ、治ってる……ってことだよね?」
確かめるように呟く。
まだ実感がないが、あれだけ痛かった痛みが今はなくなっていて、色々な動きを試したが、全く痛みは感じなかった。
それよりか、前よりも体が軽く、スーッと姿勢が伸びている気がした。
「……凄い……嬉しい……っ。えっちなことばっかり考えてたけど……本当に嬉しい……っ」
瞳が震わせながらスマホを持った美波。
すぐにメンバーの本堂清与《ほんどうきよ》と緒方瑠依《おがたるい》に連絡し、次いで弘世や二階堂恋にも連絡をした。
◇ ◇ ◇
「――弘世くん。本当にありがとう」
この日、弘世は一人で美波の家に訪れていた。
その場には美波、清与、瑠依の三人がいて、美波が弘世に向けて感謝の言葉を告げていた。
「治って良かったです」
「うん。これで長期離脱もしなくて良くなる。まだちゃんとダンスしてないけどね」
「私からもありがとう、ぐーみんを治してくれて」
「私も〜。というか、きーよんと私もやってもらったからね〜」
えっちな目的でしてもらってはいたが、弘世はちゃんと清与と瑠依にも『姿勢改善』のスキルを使っていた。その結果、二人の姿勢も十分に改善され、どこか以前よりも綺麗で女性らしく見えるようにもなった気がしていた。
「それでね……弘世くんって、私たちのファンにはなってくれた?」
施術期間中、ファンにしてみせると豪語していたのは美波だ。
ただ、家に来てすることと言えば施術だけ。それだけでファンになる弘世ではなかった。
「えっと……すみません」
正直に伝えた。
「思ったけど、やっぱりライブで歌とダンス見せないといけないんじゃない? 私たちのファンだって、それがあってファンになったわけだし」
「そうだね〜、じゃあ今度弘世くんとその友達を次のライブに招待しようよ〜」
「あ、それ良いね! そうしよう!」
弘世からすると、目の前の三人からはまだアイドルといった凄みを感じない。気軽に接してくれる一歳年上の可愛い女の子という感じだ。
もちろんテレビで見かけたこともあったが、実際にライブは見たことがないので、そういった本物の実感は湧いていなかった。
「海莉喜ぶと思います」
「もー、弘世くんを喜ばせたいのにーっ」
頬を膨らませる美波。
すると彼女は自然に距離が縮める。
「えっと……」
「ねえ、私が治るの、待っててくれたんだよね?」
もし、この先のことをするとしても、腰が痛いままの美波では満足にできない。
その美波を差し置いて清与と瑠依とするわけにはいかなかった。
このことはもちろんひびきにも伝えており、ゴーを出されている。
『SPICE MIX』の三人だって、正直もう限界だった。
弘世に体中をまさぐられ、手だけなのに感じたことのない快感を刻み込まれている。その後は自らを慰めるしかなかった。
だけど、今日この場に来てくれたということは、弘世だってそのつもりできてくれたのだと、三人も感じ取っていた。
「俺……ただの一般人ですよ?」
「そういうの良いから」
「ファンを敵に回したくないです」
「恋ちゃん先輩とはしたのに」
「ま、まあ……」
一応、抵抗は見せる弘世。
覚悟を決めてきたとはいえ、意思確認は必要だ。
「私たち三人って、結構可愛いと思うんだけど……それでも弘世くんの心は動かないかぁ〜」
「ちゃんとした気持ちを向ける相手は決めてるので」
「でも、こういうことには付き合ってくれるんだ?」
「ぁ……」
美波は弘世に前から密着し、右手で股間に触れる。
「か、彼女からも反動でおかしくした体はちゃんと収めてこいって言われてるので……」
「………………え、彼女いたの!? そんなこと今まで言わなかったじゃん!」
「そ、そういえばそうかも?」
聞かれなかったから言わなかったのだが、言っても言わなくてもこの状況は変わらなかっただろう。
「いてもおかしくないけど……彼女さんって、最初に顔合わせした時の誰かだよね? 海莉ちゃんではなさそうだし……名前忘れちゃったけど、あのピンクの子かな?」
「そうです」
「わー、あの中じゃ一番可愛かったもんね」
「ありがとうございますっ」
ひびきを褒められて嬉しくなる弘世。
「へえ……てことは彼女公認なんだ……私たち以外にもたくさんの人を虜にしてきて、悪い男の子だねえ……」
「望んでそうなったわけじゃ……」
「でも〜、役得だよね〜」
「それは否定しません。ひびきと付き合えたのだって、このギフトがなければできなかったと思いますし」
だからこそひびきも、弘世のギフトを最初に使われたのが自分でなければ、どうなっていたかわからないとして、反動による弘世を求めてしまう行動を許容している。
「まあ、そんなこと言っても、男の子って彼女以外の人でも興奮しちゃうって知ってるんだから。ほら」
「あっ、ちょっと……」
弘世の下半身をにぎにぎしていた美波は、ニヤリと笑っていた。
「きーよん、るいるい。弘世くんをベッドに連れて行こう」
「おっけーリーダー」
「はーい」
そして三人に腕をとられ、寝室へと向かうことになった弘世。
部屋に到着すると、三人は服を脱ぎだし、すぐに下着まで外した。
「あっ……」
「え、なに? ……あ、そっか。今までは水着だったもんね。私たちの裸見るのははじめてだっけ」
「そうですよ……」
「アイドルの裸……どう?」
ベッドの上で迫られる弘世。
ぶるんと露出した綺麗な胸は、三人ともそれなりに大きい。
弘世はいつぞやのひびき、霧乃、小春のことを思い出した。ちょうど人数も三人だ。
「綺麗、です」
「よくできました」
すると美波が率先して、弘世の服を脱がしはじめ、他の二人も協力して服を脱がしていく。
そうしてパンツ一枚になった弘世の下半身は、既にテントを張っていて――。
「なんか濡れてる」
「こういうものなんです、男は」
「へえ……」
顔を赤らめながらも、美波はしっかりと弘世の下半身を見つめていた。
「ぐーみん、私はじめてだから全然わかんないんだけど」
「私も〜。とりあえず舐めれば良いのかな?」
「わ、私だって動画でしか……弘世くんっ!」
「な、なに!?」
性行為の経験がない三人は、ここにきて戸惑いはじめた。
「どうして欲しいか、どうすれば気持ちいいのか教えて? 今日はお礼なんだから」
「弘世くんは色々知ってるだろうし、ね」
「お願いします〜」
三人に言われ、弘世は一旦体を起こした。
「俺のやり方が合っているかわかりませんけど、最初はキスから……それから徐々に色々なところに触れていく感じかと」
「キ、キス……っ」
キスの経験すらない美波は既に裸になっているのに、緊張が増していった。
「ぐーみんからしなよ。ね、るいるい?」
「うん。じっと見てるから」
「えっと…………うん」
一番最初のキスの順番を決めた三人。美波が弘世の顔に近づく。
美波の赤い髪が揺れ、弘世の瞳に綺麗な顔が映った。
「南雲さん。じゃあ……」
「名前で……呼び捨てで呼んで」
「み、美波……」
うるうるした瞳が近づき、そして弘世は美波とキスをした。
「んっ…………はぁ」
柔らかな唇が重なり、彼女の甘い香りが弘世の鼻腔をくすぐる。
ほんの軽くキスをすると、すぐに唇を離す。
「しちゃった……♡」
「はい……。あとは、キスも舌を絡めてすると気持ちいいので、えっちの時はそれが良いと思います」
「じゃあ、弘世くんから、して……?」
レクチャーしながら、今度は弘世から美波の顔に触れて、引き寄せる。
弘世も手慣れたものだ。これまで数多の美少女と性行為をしてきた経験から、それなりに扱いがわかっていた。
こうやって初めての相手とすることだって、何度も経験している。
「――んっ……んちゅ……これっ……息っ……んはぁ……んっ、んっ……」
「鼻で息して……そうしたら……ずっとキスできるから……」
言いながら二人は艶めかしい音を出してキスを繰り返す。
舌を絡ませ、唾液が分泌され、二人の細胞が絡み合う。
そうして、美波とのキスを終えると、清与と瑠依ともすることになり、全員がキスを済ませた。
「普段は俺からしないんですけど、皆さんはちょっと今までの人とは少し毛色が違うので……俺がしますね」
「え、そうなんだ」
今日はまだスキルを使っていないため、強引に襲われるようなことはなかった。
そして、今までの子たちよりも性知識に疎そうなところがあったので、弘世から色々教えることにしたのだ。
「じゃあ美波、寝てもらって」
「う、うん……」
ベッドに寝転がると、弘世が美波の上に覆いかぶさる。
そのまま体を倒し、上半身が密着。ふにゅっと美波の胸が当たる。
「じゃあ――はじめて行くよ」
「お、お手柔らかに……っ」
「――スキル『肌質改善』」
弘世はいつものスキルを使いながら、美波の首筋に舌を這わせていった。
その後、弘世は美波への責めを清与と瑠依にも一緒にして、絶頂へと導いたあとに、ついには最後まで致した。
美波のあとは他の二人も同じようにして弘世の手によって快感への階段を上らされれ、全員が下半身から大噴射することになった。
◇ ◇ ◇
さらにその数カ月後のことだ。
「みんなーっ! ぐーみん復活ーっ!!」
「うおおおおおおおおお〜〜っ!」
復帰ライブが決まった『SPICE MIX』は、無事に三人一緒になってライブを果たした。
約二万人を収容するとあるアリーナは満員御礼。
弘世たちは言われていた通りに、関係者席に特別に招待されていた。
ただ、その場には海莉はいなかった。
関係者席は上の方の席だが、海莉はスタンディングである最前席でライブを見ていた。
「きゃ〜〜〜っ! ぐーみん待ってたよー!!」
声を出してペンライトを振る海莉は楽しそうに声を上げていた。
すると美波がどこかに向かって投げキッスをした。
方向は関係者席の方だった。
「弘世、ちゅー飛んできたよ」
「こ、こっちじゃないんじゃないかな」
「どんどんモテちゃうのどうにかしたいな〜」
「モテるっていうか、スキルの反動だし……。それに、大体がひびき案件というか」
「だって、目の前に悩んでる女の子いたら助けてあげたいじゃんっ!」
弘世の言う通り、今までのほとんどがひびき経由の施術案件だ。
最終的に性行為をしてしまうとわかっていながらも、ひびきはそういった子たちを見過ごせなかった。
「まあ、今更だけどさ」
ひびきは嘆息しながらも、弘世の話を受け入れた。
「あ、そういえば、美鳥ちゃんから連絡きた?」
隣に座っていた小春が言った。
今日一緒に招待してもらったのは弘世、ひびき、小春、霧乃、陽鞠、海莉だった。
ちなみに陽鞠は海莉に突き合わされ、最前列の席でライブを観ていた。
「ああ、『トレジャーネクスト』の慰労会があるから、参加しないかってあれ?」
「そうそう。私と霧乃ちゃんは一緒に行こうと思ってるんだけど、ひびきちゃんは?」
『トレジャーネクスト』とは、冒険者専門の芸能事務所。その社長をしているのが、宝来美鳥の父親だ。今回小春たちは所属する冒険者や関係者が参加する慰労会のパーティーに招待されていた。
「ん〜、どうしよっかなぁ」
「なんかSランク冒険者の人も来るって話んだよ」
――ガタっ。
「あれ、弘世くん興味ある?」
Sランク冒険者という言葉を聞いて、弘世が反応した。
「えっと……誰なのかはわからないけど、興味は……ある」
「誰が来るのかは私も聞いてはいないんだけどね」
「ちなみに麻未ちゃんも誘う予定ですよ」
「へえ……」
Sランク冒険者に、Sランク相当の冒険者。麻未と霧乃は少し前から冒険者登録をし、家族権限でできるだけ情報を秘匿してダンジョンに挑みはじめていた。
「弘世が行きたいってなら、私も行こうかな〜」
「よし、じゃあ美鳥ちゃんに連絡しておくねーっ」
こうして、 『トレジャーネクスト』の慰労会に参加することになった一同だった。