※この作品はR-18です。

美容スキルでクラスの女の子を可愛くしたい【4/1第1巻発売】   作:pelca

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第62話 俺の魔力低すぎぃぃぃぃ!?

「エコア、次は階層とフロアの設計をしたいんだけど、どうすればいいかな?」

 

 ダンジョン・コアの守護者を名乗る金髪のエルフ・エコア。

 彼女が本当にダンジョンの知識を持っているなら、今後は冬月沙織ではなく、エコアに制作を任せていくべきだろう。

 

「はい。まずは、マスターである弘世様の魔力量とギフトを基に、ダンジョンを構成していきます。自由に設計できますが、私の提案としては、最低でもスキルの数と同じだけの階層を作るのが望ましいです」

「ってことは、俺のスキルが八つだから、最低でも八階層必要ってことか」

 

 現在、弘世が保有しているスキルは以下の八つ。

 

『肌質改善』『脂肪燃焼』『脱毛』『髪質改善』『育乳』『感度改善』『姿勢改善』『体臭改善』。

 

 エコアの言うとおり最低でも八階層は必要だろうが、それだけでは物足りないと感じる冒険者も多いかもしれない。

 

 一般的に、最低ランクであるFランクのダンジョンですら十階層は存在するのだ。

いくら強力な魔物を配置しても、それだけでは短時間で攻略されてしまう可能性がある。

 ただスキルの効果を配布するだけでは、運営とは言えない。

 

「だったら、各スキルの効果が得られる部屋にたどり着くまでに、十階層はほしいよね」

「でしたら、いっそ八十階層にしてみますか? ゲートに入った直後に選択式の別ゲートを用意することも可能です」

「そんなことまでできるの!?」

 

 選択式といえば、丸バツクイズのような扉を思い浮かべる。

 

「はい。ただ、この世界の人々が求めるエンタメ性を重視するなら、最初から得られる効果を明示せず、最奥の部屋に到達するまで効果の内容がわからない、という形式のほうが好まれると思います」

「ふむ……たしかに。俺のスキルは人によって求める効果が違うし……。一つだけ難易度が高いと、欲しい効果が手に入らない人も出ちゃうもんな」

 

 悩みは人それぞれだ。

 だからこそ、一部の効果だけが極端に取りづらくなる設計は避けるべきだ。

 

「それならさ、効果が出るまでに通わなきゃいけない回数を変えてみたらどう?」

 

 口を開いたのはひびきだった。

 

「たとえば、医療脱毛でも何度も通ってようやく効果が出るじゃん? だから、五階層まで辿り着いた人は十回通って効果を得られる。十階層まで行けた人は一回でOKとかさ。……でも、入場料で稼ぐなら一回で終わるのは微妙かも?」

「おーっ、さすがひびき!」

 

 美容に詳しくない弘世には思いつかない発想だった。

 ただ、それが実現できるかどうかは、エコアに確認しなければならない。

 

「エコア、できそう?」

「そうですね……不可能ではありません。一度作ってみましょうか」

 

 そう言うと、エコアは壁に向かって手をかざした。

 

「――――!」

 

 その瞬間、壁に八つのホログラムモニターが浮かび上がり、映像が映し出される。

 同時に、地面がゴゴゴと小刻みに揺れ始め、モニターには『マスタールーム』のような部屋が次々と構築されていく様子が映し出されていた。

 

「な、なんか魔力が吸われてる感じがする……!」

 

 弘世は自分の体を見ながらそうつぶやく。

 

「すごい……ダンジョンってこうやって作られていくんだ」

「私たちのは、少し特殊かもしれませんけどね?」

「あばばばばっ」

 

 数分後、ダンジョンの拡張が完了したのか、エコアは手を下ろした。

 

「終わった?」

「…………」

 

 エコアは無表情のはずなのに、どこか言いにくそうな顔をしているように見えた。

 

「どうかした?」

「……大変申し上げにくいのですが……結論から言いますと、マスターの魔力では三階層までしか構築できませんでした……」

「えええっ!? 俺の魔力、低すぎぃぃぃぃっ!?」

 

 まさかの事態だった。

 ダンジョンの主である弘世の魔力が足りず、八十階層どころか三階層が限界という結果に。

 この二年間、頻繁にスキルを使っていたはずだが、魔力量はさほど増えていなかったらしい。

 

「これ、魔力が回復すればまた作れるの?」

「いいえ。その人が持つ魔力の“資質”に依存しているため、一時的な回復ではどうにもなりません。ただし、マスターのご友人に協力していただければ、あるいは……」

「それって、みんなの魔力をもらうってこと?」

「“もらう”というより、“マスター登録”に近いです」

「サブマスターって感じかな」

「はい、そうなります。それでも足りない場合は……ダンジョンの拡張は諦めるしかありません」

 

つまり、選択肢は一つ。

 

「――みんな、協力してくれる?」

「もちろんっ!」

「うんっ」

「私にできることがあれば!」

「あばっ!」

「ぜひとも!」

 

 全員が快く頷いてくれた。

 

「でもさ、私が一番魔力少ないと思うから、多い人から順番にやったほうが良くない?」

「ひびきちゃんの言う通りですね。となると……麻未ちゃん、でしょうか?」

「あばぁっ!? 氷堂先輩も結構あると思いますけど……」

「いえ、麻未ちゃんに勝てる人なんてこの世にはいませんから。麻未ちゃんです」

 

 断言する霧乃だが、海外の冒険者の情報まで知っているわけではない。

 ただ今まで麻未を見てきた限り、そう判断したのだろう。

 他の面々も、同様に納得しているようだった。

 

「なら……私がやります」

「麻未様、と仰いましたね」

「あばっ」

「では、こちらへ――」

 

 麻未はエコアの前に立つ。

 だが、その瞬間、エコアが弘世に行った登録の儀式を思い出してしまった。

 

「あれ、これってまさか――」

「んむっ!?」

 

 エコアは麻未の顔を両手で包み、そのまま口づけをした。

 

「んっ……んちゅっ……んんっ……ちゅぱっ……んぅっ……はぁ…………じゅるり。これで登録完了です」

「あっ、あばぁ…………」

 

 麻未の唾液を取り込むことで、サブマスターとしての登録が完了したようだ。

 顔を紅潮させ、目をぐるぐる回している麻未とは対照的に――大きな変化が現れたのはエコアの方だった。

 

「お゙ぅ゙っ!?」

「エコア!?」

 

 突如として、エコアが奇声を上げ、立ったまま痙攣し始める。

 

「この、魔力量はっ!? あ゙っ……体がっ……私の体がっ……お゙ぐっ!?」

 

 弘世の声も届かず、彼女の痙攣は止まらない。

 

「イ゙ッ……イ゙ッ……イ゙ッ、グゥゥゥゥゥゥッ!? ………………お゙っ……お゙お゙っ…………っ」

 

 そしてついに、白目を剥きながらビクンと大きく痙攣し、そのまま床に崩れ落ちた。

 

「エコアァァァァァァっ!?」

「ま、魔力……多すぎぃ………………」

 

 何が起こったのかは不明だが、エコアは絶頂したように見えた。

 

「……とりあえず、エコアが回復するまで休憩しよっか」

 

 弘世の施術や性行為で数多くの絶頂を見てきたひびきは、冷静にそう言った。

 床に腰を下ろし、カバンからお菓子を取り出すと、もぐもぐと食べ始めたのだった。

 

 

 

 

 

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