美容スキルでクラスの女の子を可愛くしたい【4/1第1巻発売】 作:pelca
「あっ…………」
弘世の温かな手のひらが両頬に添えられ、理央は施術が始まったことを理解する。
すりすりと撫でるようなその手は、想像以上に優しく、心地よかった。
それもそのはず、弘世自身も自分にスキルを使っているため、触れる手は驚くほどすべすべで滑らかだった。男とは思えないほど整った肌――けれど、手の大きさはしっかりと男のものを感じさせる。
「大丈夫そう? じゃあ、続けていくね」
「大丈夫……です。そのまま、お願いします」
どこか不機嫌そうな口調のまま、理央は施術を受け入れる。
この程度なら耐えられる、と高をくくっていたのだが――
「ひぁっ!?」
耳への施術が始まった途端、理央の反応は激変した。
これは誰にでも共通する現象であり、弘世としても想定内。理央だけが、その威力を予想していなかったのだ。
(な、なに……これ……!? まるで、頭の中をかき回されてるみたい……っ)
歯を食いしばり、声を堪えながら、理央は必死に弘世の指先に耐えていく。
耳の外側をなぞるように指が這い、続けて内側へ。繊細な動きで肌を整えていく。
けれど――もっと強く触れてほしい。そう思わせるほど、その指先は優しく、フェザータッチに近い刺激だった。
「っ…………ぁっ………んぅっ………………」
声を漏らすまいと目をぎゅっと閉じ、堪える理央。
気づかぬうちにベッドシーツを強く握りしめており、その様子は弘世にもはっきりと見えていた。
(頑張ってるなぁ、この子……)
正直、身を任せてしまった方が楽なのだろう。
でも、そういう姿は見せたくない――その気持ちもよくわかる。
これまで多くの人を施術してきたが、最後まで耐えきれた者は一人もいない。
髪の施術とはいえ、あの麻未ですら途中で崩れ落ちたのだから。
「じゃあ、次は首から肩にいくね」
「はぁっ……はぁっ……お、お願いします……」
顔の施術を終え、手は次の部位へ。
理央はすでに息を乱し、体温も明らかに上がっていた。
――もう、快楽に身を委ねる準備は整ってしまっていた。
「んっ…………」
(だ、だめ……声なんて出しちゃだめっ……。私の声で、男の人が喜ぶとは思えないけど……でも……っ)
自分に自信のない理央。
肌を晒し、気持ちよくなっている姿を見られて喜ばれる――そんな状況を、素直に受け入れられない。
だから、必死に堪え、全身に力を入れていた。
「首、結構細いんだね」
「なっ、いきなり何を……っ!」
身長は百六十センチ少々。葵より少し高いくらい。
その理央の長い首は、無駄な肉がなく、しなやかだった。
「いや、ただの感想。モデルとか、向いてるかもって思っただけ」
「わ、私にそんなの無理——ひゃんっ!? か、会話で油断させましたねっ!?」
弘世にモデルの基準など分かるはずもない。
けれど、ひびきが尊敬していたトップモデル・二階堂恋のような人物には、首が細く頭身のバランスが整った者が多かった。
理央の小さな頭と整った首筋を見て、素質があると感じただけだった。
「会話のせいじゃないよ」
「それに……わ、私、目つき悪いから絶対無理ですっ!」
「そうかな。鋭い目のモデルもいるし、メイクで雰囲気も変わると思うけど」
「わ、私がメイクしてないことを言いたいんですかっ!?」
「いや、ただ事実を言っただけだよ」
弘世がどんな言葉を返しても、理央は斜に構えて受け取る。
それは彼女の低すぎる自己肯定感のせいだ。
これまで男性に褒められたことがなかった理央は、戸惑いと動揺を隠しきれずにいた。
(な、なんなのこの人……。体は細いかもしれないけど、可愛くないし、モデルなんて……ありえない!)
「ふう……じゃあデコルテの部分、いくね」
「…………はい」
首から肩、そして腕を終え、そのまま下へ――。
派手なブラジャーのすぐ上を指先が撫でていく。
「んんっ……んっ…………」
鎖骨の下、胸のすぐ近く。
そこは、ほんの少し動かせば直接胸に触れられてしまう場所。
その“ぎりぎり触れない”距離が、理央にはもどかしさを生む。
さっきよりも、声を抑えるのが難しくなっていた。
(あぁ……このまま、胸を……触られちゃう……。するっと、ブラの中に……)
もちろん、弘世が確認もなく触れることはない。
けれど、理央の想像は自然とそこへ向かってしまう。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ…………」
顔を歪め、もはや平常心ではいられない。
火照る肌、過敏になった感覚――焦らされて、触れてほしいという欲求が芽生えてしまっていた。
「じゃ、じゃあ……お腹と脚、やっていくね」
「…………下ってことは……胸、じゃないんですか……?」
弘世は意図的に胸を飛ばした。
だが、理央はそれを問いただしてくる。
「本当にやるの? デリケートな部分は、一応最後に回すようにしてるけど……」
「葵と一緒になるって決めたんですっ! 葵の全身、くまなく触ったんですよね!? なら、私も同じように……っ!」
葵と並ぶためなら、胸だって触らせる。
顔を真っ赤に染めながら、理央は弘世を見上げて言い切った。
「わ、わかったよ……。でもデリケートなところは、みんな後にしてるから……順番通りでね」
「……わかりました」
(わ、私は……なにを言ってるの……? まだ数回しか会ってない先輩に、こんな……。葵のためって言い訳してるけど……やりすぎなんじゃ……)
理央の中で、疑念が膨らんでいた。
たった一人の親友――葵と心が離れてしまわないようにと必死になり、こうして体を許している。
けれど今はもう、ただ触れてほしいという気持ちの方が、強くなってしまっていた。
そして、お腹と脚を終えると――いよいよ、あの瞬間が訪れる。
「もう一度聞くよ。本当にいいの?」
「っ……さっきも言いました。私は葵と一緒じゃなきゃだめなんです! だから………………ほら、これで触りやすくなりました……ね?」
上半身だけ起き上がった理央は、涙目になりながら自らブラのホックを外した。
そうして見えたのは桜色が美しい胸部だった。
「小塚さん……」
「やってください。私、絶対に負けませんから……絶対に……っ」
そう言いながらも顔は紅潮しており、息だって乱れている。
そして、焦らされた分だけ、胸の突起は硬く膨れ上がっていた。
「じゃあ、このまま後ろからする? それとも寝ながらする?」
「う、後ろからにしてください……っ」
(顔なんてもう見れないよ……後ろからじゃないと……無理っ)
もう弘世の目を見れないでいた。
少し前まではキッとした目線を向けていたものの、抵抗できていたのは口調だけ。
弘世が理央の背中に密着する形で体を包むと両手を前に回す。
理央は自然と弘世の腕を掴んでおり、胸の施術がはじまるのを待っていた。
「それじゃあ――」
「あ゙あんっ!?」
触れた瞬間、もう理央は我慢ができなかった。
弘世の指が胸の先端に触れるとあまりの気持ちよさに抑えていた声は次々と漏れていった。
揉んではいない。これはそういった施術だ。
しかし、同じ部分をリズムよくさすっていくうちに、何度も突起に触れる。
ビンビンになったそれがどんな状態になっているのか弘世だってわかっている。
理央が掴む弘世の腕の力が強くなっているのも、その証拠の一つだった。
「あぁっ……あんっ……いやぁっ……こ、こんなのっ……ちがっ……わたしは……気持ちよくなんて……あんっ!?」
焦らされた分だけ、一気に快感が押し寄せ、その波は止まることなく何度も繰り返される。
理央は頭を仰け反らせ、すぐ横にある弘世の息遣いから背中に伝わる体温までを感じていた。もう、完全に体を預けているといっても良い状態になっていた。
(だめだめっ……声を抑えないとだめっ……気持ちよくない、気持ちよくないっ……こんなの気持ちよくなんて――)
「あ゙っ……あ゙あっ……んぅっ……きもちっ…………」
「大丈夫? もうやめておく?」
「やめっ……ないっ! つづ、けて……っ」
「わかった」
Dカップほどのその膨らみは、弘世がさする度に持ち上がり、たゆんと揺れる。
下を覗くと自分の胸がまさぐられているのが良くわかる。
(こんなの気持ちよくない……気持ちよくない……私は、葵と違って……あんな声を上げたりなんてしない…………あれ、私って、葵と同じになりたいんだよね……ってことは、葵みたいに我慢する必要は…………ない?)
今になって気付いたこと。
理央は葵と一緒になりたい。それは心から繋がるということ。
なら、弘世を嫌い、体を嫌々委ねていることは、葵とは全く違うのではないだろうか。
「でも……それでも……っ」
(気持ちいいって言ったら……だめ……だめっ……だから……私は……こんなに気持ちよくされても……我慢しなくちゃ――)
しかし、体は言うことを聞かなかった。
抗えるはずもない。今まで誰一人として抗えず、絶頂を迎えてしまうスキルだ。
理央がどんなに心で抵抗しても、その時は訪れてしまった。
「ゔぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙〜〜〜〜っ!?」
全身に快感の電撃が走り、野太い声で大きく叫んだ。
仰け反った頭はそのまま、弘世の肩あたりに置き、ビクンビクンと体を震わせた。
痙攣しながら動かなくなると、理央は喘ぎ声の残り火のような音を漏らした。
「あ゙っ…………あ゙っ…………」
はじめて男の人の手で絶頂させられ、もう何も考えられない。
なぜこんなことになっているのか、どうでもよくなっていた。
だから、次に訪れる快感のことも、今は何も考えられなくて。
「まだやる部分はあるけど……続ける?」
コクリ。
口で反応できなかった理央は軽く頭を縦に振った。
弘世は理央の頭を枕に置き、そして残っていた下着をゆっくりと脱がせていった。
そこには粘性のある透明な液体が、びっしりと布についており、理央がどれだけ感じていたかがよくわかった。
「あああああっ……恥ずかしいっ……恥ずかしいっ……」
両手で顔を抑えた理央は今までで一番顔が真っ赤になっていた。
胸だけではない。それ以上に大事な下半身まで、嫌いな男の人に見られた。
これ以上ない羞恥であり、屈辱でもあった。
そうして、今一度確認する。
「小塚さん、いいんだね?」
コクリコクリと頭を振る。
それを見ると弘世は理央の太ももに触れ、股を大きく広げた。
(だめ……これだめっ……私、なんでこんな格好っ……ああ、見られてる……男の人に見られてる……アソコがぐしょぐしょになってるの、見られてる……っ)
弘世は近づき、そして右手を添えた。
「いくよ――」
弘世は他の人にもやったように、理央の濡れた下半身に手と指を滑らせた。
その、瞬間だった。
「あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙〜〜〜っ!! ごれだめええええええ〜〜〜っ!?」
理央はあまりの気持ちよさに叫ぶ以外の選択肢がなかった。
部屋中に響き渡った絶叫。頭には気持ち良いという感情だけが埋め尽くされていた。
「許じでっ! 許じでぐだざい゙ぃっ! ぎもぢい゙い゙がらぁっ!! わだじの負げでい゙い゙がらぁっ!!」
「やめる?」
「や゙め゙な゙い゙っ! ごのま゙ま゙っ! 葵どっ、一緒に゙! …………あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙〜〜〜っ!!」
弘世の手と下半身が擦れる事により淫靡な水音が鳴り響く。
どんどん溢れてくるそれが、さらに気持ちよさが増すきっかけとなり、理央に快感が襲いかかる。
もう、気持ち良すぎて、今にも理央は意識が飛びそうだった。
「ごっ、ごべんなざい゙〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
そして、なぜか謝りながら、その後は何度も絶頂を繰り返し――
涙を飛ばしながら盛大に下半身から透明な液体を撒き散らした。
◇ ◇ ◇
理央が意識を失うようにベッドへと崩れ落ちたあと――。
弘世は静かに理央の身体を仰向けに戻し、背面の施術を丁寧に終えてから、ようやく一息ついた。
しんと静まり返った部屋の中に、わずかに空調の音だけが流れる。
それから約十分後。
「……ん……ぅ……」
理央がゆっくりと意識を取り戻す気配を見せた、その直後――。
ガチャリ。
突然、ドアノブが回る音がして、扉が開いた。
開いたドアの向こうから、ひとつの影がゆっくりとベッドへと近づいてくる。
その人物を見た瞬間、理央の表情がぴくりと揺れる。
――それは、彼女がよく知る人物だった。