美容スキルでクラスの女の子を可愛くしたい【4/1第1巻発売】 作:pelca
「――ひびき、一応、見てもらってもいい?」
経緯をすべて説明し終えた弘世は、最後の確認のため、ひびきに『叶者探索』のスキルを使ってもらっていた。
対象は、テニスコートで真剣にラリーを続けている――早瀬美咲。
「……うん、うん……弘世が光ってる。悩みの中身までは見えないけど、これは相当長い間、抱えてきた悩みだってことだよね」
「そっか……確認できたなら安心したよ。俺、余計なことしてないかなって、ちょっと不安だったから」
「弘世は心配性だねぇ。でも、そこがいいところでもあるんだけどね」
そう言って、ひびきは軽く背伸びし、チュッと弘世の頬に唇を触れさせる。
そして、そのまま軽やかに背を向け、離れていった。
今回、弘世は信頼関係を築き切れないまま、美咲にギフトの話を切り出してしまった。結果――信じてもらえなかった。
最終的には施術を受ける決意をしてくれたとはいえ、最後の一押しが欲しかったのだ。
だからこそ、こうしてひびきに確認してもらった。
もちろん、美咲との約束通り、悩みの内容はひびきにも一切話さなかった。
◇ ◇ ◇
美咲は毎日、部活で分刻みのスケジュールをこなしていた。
最後の高体連を目前に控えているのだから当然だ。
だから空き時間といえば、部活が終わった夜しかない。
連絡先を交換していた弘世と美咲は、互いの予定をすり合わせ、平日の部活後に会うことになった。
「あ、高梨くん。夜遅くまでごめんね」
「ううん、平気。ダンジョ――いや、なんでもない。ただ暇つぶししてただけだから」
制服姿に着替えた美咲が、校庭の端から手を振る。
――さすがに、ついさっきまでダンジョンのモニタールームにいたなんて言えるはずもない。
「そう? ならいいけど……じゃあ、こっち来て」
美咲が先導して向かったのは、暗くなったテニスコート。
周囲は電灯の光だけが頼りで、それがなければ闇に沈むほどだ。
「……誰もいないからいいけど、本当はダメなんだからね」
そう言いながら、ナンバーロックの鍵をカチャリと開け、部室棟の一角へ。
そこは女子テニス部の部室――以前、葵に案内された女子バスケ部の部室に似た構造だ。
「えっと……」
「いいから、入って」
「……わかった」
軽く背中を押され、弘世はそのまま中に押し込まれた。
中は、部活終わりの制汗剤の香りがふわりと残る空間。
さらに、女子特有の甘い匂いが混じり合っている。
「あんまりクンクンしちゃダメだからね?」
「わ、わかってるって……」
(とはいえ、自然に入ってくるものは防ぎようがないんだよな……)
「ん〜……じゃあ、あそこのソファで」
部室は四畳ほど。部員数を考えると休憩用には手狭だが、着替えスペースとしては十分だろう。
限られた空間を少しでも快適にしようと置かれた二人掛けのソファがあった。
美咲が先に腰を下ろし、弘世も隣に座る。
「……なんか、今になって緊張してきたかも」
室内はオレンジ色の電球一つが灯るだけ。
薄暗く、昼間とは違う静けさと密室感が漂っている。
男子と二人きりになるのは初めて――美咲の胸は、緊張と期待で小さく波打っていた。
「今からでもやめていいよ。早瀬さんが嫌がることはしないって約束する」
「うん……高梨は優しいね。……恥ずかしいけど、自分が変われるなら、頑張ってみたい」
そう言って、美咲はゆっくりとスカートの裾を持ち上げる。
左太ももの付け根――大きなホクロが現れ、同時に白い下着まで視界に入った。
位置的に、それは避けようのないことだった。
「うぅ……自分から見せるって、すごく恥ずかしい……」
「大丈夫? あとは施術を始めるだけだよ」
「……やる。お願いします」
弘世はしっかりと彼女の意思を確認し、スキルを発動させた。
「――『ホクロ除去』」
白く淡い光が両手に宿り、その手をホクロの位置へとそっと添える――
「ひゃんっ!?」
そこは鼠径部とほぼ変わらない場所。
敏感な人にとっては、それだけで反応してしまう箇所だった。
「あ……いや……続けて?」
「……わかった」
美咲は口元を押さえ、弘世に続行を促す。
弘世はそのまま、淡々と、しかし確実に太ももをさすり続けた。
<ホクロ除去>
方法:対象部位をさする
効果:ホクロを除去
反動:一定時間、体が火照り、敏感になる
――今までのスキルと大きな違いはない。
つまり、このまま六分間、太ももをさすり続ける必要がある。
「……本当にスキルなんだね」
光る手を目にして、美咲はようやく言葉ではなく目で信じられた。
「……じんわり温かい……これ、六分だっけ?」
「うん。何度も言うけど、嫌になったらすぐ言って」
「わかってる。ありがとう」
(……高梨、真剣な顔してる……。全然いやらしいこと、考えてないのかな。太ももだって異性に触られるのはじめて……それに私、こんなにパンツを見せちゃってるんだよ?)
美咲は施術に備えて、新しい下着に履き替えていた。
部活で汗を吸ったままの下着では匂いが気になったし、さすがにそんな状態を見せる勇気はなかった。
「ん……これ……あっ……ごめ……ちょ、ちょっと肩貸して……っ」
「わ、わかった」
反動が強まり、背もたれでは支えきれなくなった美咲は、弘世の肩を両手で掴み、顔を寄せる。
距離は一気に縮まり、互いの体温と匂いが交じり合う。
(早瀬さんの匂い……制汗剤の香りに、少し汗の匂い……太ももだって……)
(高梨の匂い……やっぱり落ち着く……肌、ほんとに綺麗……)
お互い、同じように意識しながらも、施術は続く。
しかし、美咲の我慢は限界に近づいていた――
「んっ……んっ……こ、これ……こういうこと、だったんだ……んっ♡」
肩を掴んだまま小刻みに揺れ、ポニーテールもふわりと揺れる。
「傍から見れば、変態なこと、してる……みたいっ……そっか、そっか……高梨は、色々な女の子に、こういうこと……んっ……してきたんだ……あっ♡」
息が荒く、体が熱を帯びる。
室内は風もなく、暑さが逃げない。
「ごめ……ちょっと楽な格好、させて……っ」
美咲はリボンを外し、シャツのボタンを外していく――谷間と白い下着が視界に入った。
「んっ……これっ……まだ……? 体……熱くて……あっ♡ 変に……なるっ……どうしよう……こんなの、はじめて……高梨……わたし……んっ♡ 熱い……熱いっ♡」
鼠径部すれすれを往復される感覚は焦らしにも似て、白い下着には小さく染みが広がっていた。
(触りたい触りたい触りたい触りたい触りたいっ)
美咲はその衝動を抑えるため、肩を強く掴み、歯を食いしばる。
そして――目の前の耳に視線が吸い寄せられた。
理性が飛び、美咲は右耳を――
「んあっ――」
「は、早瀬さん!?」
強めに咥え、はむはむと舐めはじめる。
弘世は驚きつつも、施術を終わらせるべく手を動かし続けた。
「あむ……んむ……んっ……んあっ……んっ、んっ……♡」
(耳ってこんなに柔らかいんだ……高梨の耳……美味しいな……思いの外、小さい……私の口でも、簡単に咥えられちゃった……)
唾液を絡ませ、舌と歯で舐め噛み、夢中でしゃぶる。
――弘世の手は止まった。施術は終わっていた。
「――さん、早瀬さん?」
「ん、ん……♡ もうちょっと……あむっ……んぅ……♡ ん……んぅ………………え?」
「施術、終わったよ……?」
気づいた瞬間、美咲の顔は真っ赤に染まる。
「あっ、ごめ……こんなつもりじゃ……だって、高梨の耳が……じゃなくて! 何か咥えないと耐えられなくて……っ」
「大丈夫。気にしないで」
「た、高梨……」
弘世の右耳は美咲の唾液でベロベロになっていた。
強めだったせいで少し痛かったが、弘世は笑顔でやり過ごす。
「あぁ……私、なんてことを……でも、こういうことなんだ……っ」
下着と谷間を見せ、耳を咥えていた――誰が見ても乱れているとわかる姿。
「これ……あと五回もやるんだよね……?」
「うん。続けられそうかな……?」
「……やる。途中でやめたくない。……私、本気で変わりたいって思ったから」
「わかった。じゃあ次の予定も合わせよう」
帰る準備ができた弘世は先に出ようとする。
美咲は見送ろうと立ち上がったのだが――
「早瀬さんは、まだ座ってて」
「なに言って――わっ」
「言わんこっちゃ――」
「んぅっ!?♡」
立ち上がった瞬間、足がふらつき、バランスを崩して弘世に倒れ込む。
衝撃と同時に快感が走り、ビクンと反応してへなへなと女の子座りに崩れた。
「こういうこともあるからね」
「……うん。でも、これじゃ当分動けない……」
「俺の気が回らなかったね。夜も遅いし、送ってくよ。その足じゃ危ない」
「……助かる。ありがとう」
そうして、二人はしばらく部室で会話を続けた――。