完全解呪のプリースト〜状態異常完治スキルで呪われた美少女を救うたび、俺への依存度がカンストしていく件〜【7/24第2巻発売】 作:pelca
白を基調とした風を受けてひらひらと舞う衣――それは定められた者だけが纏うことを許された聖衣だった。
プラチナブロンドの髪を揺らすその少女は、顔を火照らせ、息を乱しながらも、必死になって森を駆けていた。
「でも、逃げたところで、既に私の体は――――あ゙っ!? ……あ゙っ……あ゙ひっ……あ゙ひっ…………」
すると走っている中、突然口調が変化し、呂律が回らず、それでいて両の瞳の焦点が徐々に定まらなくなる。
「あ゙ぅっ」
そのせいか、地面にあった小石に引っかかり、転んでしまったのだった。
「あづい……あづいっ…………」
言いながら、少女はいつの間にか持っていた大事な杖に手を伸ばしていた。
そして――
「――――早く、男の子を食べないと…………お゙お゙ぅっ」
地面に這いつくばりながら、その杖の先端を濡れた自分の下半身へと挿入したのだった――。
◇◇◇
あれからさらに二年が経過した。
俺は見た目年齢で十七歳になっており、身長も伸び、顔つきも男らしくなっていった。
しかし、顔は前世と同じはずなのに、どこか違う。
おそらくは、この村にきて、剣の稽古や魔物刈りを繰り返してきた結果が、この顔つきなのかもしれない。
――ドスン。
「こんなもんか」
目の前には叫び声だけで<石化>スキルを使う、ニワトリが巨大化し、黒くなったような見た目を持つブラックコカトリスが倒れていた。
空中から地上へと落とし、今まさに剣を使って首を斬り落としたところだった。
「シュウ……
「さすがに<石化>スキル持ちはやべえだろ。スキル使わなかったらどうなってたかわからないし」
「ん……まだミゼットから聞いてなかったのか」
「え……」
なんだよ。この期に及んでまだ俺に言ってないことがあったのか?
マジでやめてくれよ。
「お前を見つけた時から、既にそのスキルと、女神様の加護がついておったぞ」
「……女神の加護?」
思い出されるのは、五年前のこと。
俺が前世で死んだ時に聞こえたあの声のことだ。
あれが女神ではないかと思っているが、確かめようもないことだ。
「シュウ、お前は女神様の加護によりあらゆる状態異常が効かん。故にあのブラックコカトリスがいくらスキルで<石化>して来ようとも、お前には効かない」
「は、はぁ!? なんだよそれ!」
この世界に来てから五年、はじめて聞いたことだった。
そういえば、ババアが意味深なことを言ったり、ケリュネイアだってそれっぽいことも言っていたような気もしなくもないけど、結局はっきりと言われたことはない。
「だから、状態異常系の攻撃をしてくる相手は気にせんでもいい」
「マジかよ……でも、どちらにせよ、あんな空高く飛んでる相手を落とすのって苦労するじゃん? なら、最初から――」
「そのために魔法を教えたんじゃろうが」
そう。あれから二年。
最初の三年は剣術だけを学んでいたが、いつかの時のために、俺は魔法を学んでいた。
魔法は体内にある魔力を感じて、外に放出し、具現化する不思議な力で、今の俺はジジイに魔法を教わったことで、下級の風魔法と光魔法を使えるようになっていた。
当初は使えないと思っていたのだが、俺にも一応、適性はあったようだった。
故に体に風魔法を纏わせる<エアブースト>では素早く動ける他に空高くジャンプすることができるし、風を纏わせた斬撃を飛ばす<エアスラッシュ>を使えば、地上からでも空飛ぶ相手を狙えるのだった。
「そうなんだけどな。でもあれって相手の飛ぶスピードが速すぎると場所を間違えちゃうし、斬撃だって当たらないじゃん」
「それはお前の修行不足よ」
「もう二年もやってるのに……」
「ふん。たった二年の間違いじゃろう。こっちは魔法を使うようになってから六十年じゃぞ」
「クソ年季入ってやがる……」
二年と六十年じゃ魔法一つとっても腕は違うか。
ケリュネイアだって、ただの<ヒール>があり得ない威力だったし、実際そう言ったジジイの<エアブースト>でのジャンプや<エアスラッシュ>の斬撃は確実に相手を捉える。
「もっと研鑽するんじゃな」
「ったく、デカい魔物を倒せるようになったってのに、まだまだなのかよ……」
「とりあえず、今日は鶏肉の鍋じゃな。コカトリスの肉は筋肉が多く硬いが、ゆっくりと茹でればいい出汁もとれるんじゃ」
こうして、俺とジジイは、今日の戦闘訓練を終え、ブラックコカトリスの肉を一部斬り取って持ち帰るのだった。
と、森からの帰り道だった。
ガサゴソと音がして、草木が揺れたのだ。
俺は警戒し、剣を構えた。
すると、そこから這いつくばって出てきたのは、魔物――ではなく、白い服を着たプラチナブロンド――白金色の髪をした少女だったのだ。
「――っ! お前、大丈夫か!?」
明らかに正常ではないと感じた俺は、咄嗟に彼女に近づこうとした。
「シュウ! 近づくな!」
「え――――」
しかし、ジジイは何かを見抜いたのか、俺を止めようとしたのだが、既に少女の前に来てしまっており、俺は彼女に手を伸ばしていた。
「……とこ……」
「え?」
「おどごぉっ!!」
「んむっ!?」
人間とは思えない動きで、四つん這いになりながら俺に飛びついてきた少女は、奇乳とも言えるほどの爆乳を押し付けながら、無理矢理に俺の唇を奪ったのだった。
「なっ……んっ!? ちょ……んぅっ!?」
「おどごっ、ん゙ぅっ! んぢゅぅっ、ん゙っ! ん゙ぅっ、ん゙ぅっ!!」
酷いディープキスだった。
相手のことなどまるで考えない、自分よがりなキス。
それなのに、なぜかいやらしく、人の欲情を掻き立てるようなキスだった。
俺でなければ、虜になっていたかもしれない。
でも、俺は本当のキスを知っている。
マリーだって、アミリアだって、こんなキスはしない。
本当のキスは、もっと相手のことを考えたキス。故にこのキスはまったく気持ちの良いものではなかった。
「――離せっ!!」
「ん゙ぁうっ!」
さすがに俺の力には勝てなかったようで、彼女の唇を離すことができた。
引き剥がした彼女を見ると、瞳は焦点が定まっておらず、俺を見ていないことに気づいた。
やはり、どこかおかしい……。
「やれやれ……まさかこんなことになるとは……」
「お゙っ…………」
そう言って近づいたジジイ。首の後ろにトンっと手刀を入れると、少女は簡単に意識を失い、動かなくなった。
「シュウ、そやつの腹を出すのじゃ」
「はっ、何言って――」
「いいから服をめくるんじゃ!」
「わかった……!」
ジジイからの意味のわからない指示。
故に俺は一度は断ろうとしたのだが、ジジイの顔は真剣だった。
女の服をはだけさせることに抵抗はあったが、今回はジジイの指示。
俺はそれに従って白い服をめくり、腹を露出させた。
すると、なんとそこには――
「――――淫紋?」
前世のエロ漫画でも見たようなピンク色の紋章が下腹部に刻まれてあったのだった。