完全解呪のプリースト〜状態異常完治スキルで呪われた美少女を救うたび、俺への依存度がカンストしていく件〜【7/24第2巻発売】 作:pelca
「おいジジイ。これはどういうことだ」
少女の下腹部に刻まれてあった、いわゆる淫紋のような絵。
まさかとは思いつつ、俺はジジイにその答えを求めた。
「先ほどのこやつの行動から見るに、恐らく『発情』系の呪いにかかっておる。詳しくはミゼットに診せないとわからんが、おおよそ正しいじゃろう」
「マジかよ……」
俺の想像する淫紋と似たような効果だったらしい。
淫紋は人を発情させたり、隷属させたりするイメージがあるが、本当にそのままらしい。
「とりあえず、村に運ぶぞ」
「ああ、そうしたいのは山々なんだが……」
「ム……」
俺はずっと気になっていたことがあった。
そしてジジイも今になってやっと気づいたようだった。
視線は少女の着ていた服の下。その部分から何やら棒のようなものが伸びていたのだ。
「……ジジイ、いいよな?」
「まあ、今回ばかりはしょうがないじゃろう」
ジジイの承諾をもらい、俺は彼女の服の裾をゆっくりとめくった。
するとそこには、とんでもない光景が広がっていた。
「はっ、はぁぁぁぁぁ〜〜っ!?」
杖のような物の先端がパンツを押しのけて、自身の股間にぱっくりと入っていたのだ。
あまりの意味不明な光景に、俺はただ驚くことしかできなかった。
「これも『発情』の呪いが原因じゃろう。……シュウ、抜いてやるんじゃ」
「はっ、俺が!?」
「お前しかいない」
「いや……マジかよ…………」
まさかこの異世界にきて、こんなことをするとは思ってもいなかった。
見ればこの少女はエグい爆乳を持っていて、顔だってとても可愛い。
先ほどのような発情状態になければ……なぜこんなことに……。
「お前、恨むなよ……じゃあ、ゆっくりいくぞ……」
そうして俺は彼女の股間から杖を抜き取った。
「お゙ぅっ」
抜いた瞬間、意識を失っている彼女の体がビクンと震えた。
抜き取った杖の先端を見ると、ぬるっとした体液が付着していたのだった。
「――ババア、悪いがこいつのこと診てくれないか?」
「ん……狩りは終わったのかい――って、なんだいその子は!」
ジジイと共に教会に運び込むと、そこにはババアとアミリアがいて、すぐに近寄ってきた。
ただ、様子がどこかおかしい。
治療室の寝台に少女を寝かせると、ババアは<鑑定>を施すまでもなく一言。
「……この子、聖女候補じゃないかい。なぜこんな場所へ……」
「は、聖女候補?」
「ああ、この国で一人しかいない聖女――次の聖女として選ばれているのが、この子だよ」
先ほどの光景すら驚きだったが、俺が驚く内容はそれで終わりではなかったようだった。
巫女がいるのに、聖女もいると来た。
この世界には、まだまだ俺の知らない役職があるらしい。
「ミシア教会のペンダントに聖杖……聖女候補で確定だね」
「マジかよ……どっちかって言うと性女なんだけど……」
胸につけた鹿のような絵が刻まれた銀色のペンダント。そして股間に挿入されていた杖は聖杖らしい。
聖杖は名前からしてかなり神聖なもの。股間に入れて本当に大丈夫だったんだろうかと心配になってくる。
だが、とりあえずは、だ。
「ババア。まずは、こいつの腹を診てくれ」
俺は聖女候補の服をめくった。
「これは……『発情』系の呪いだね」
「ああ、ジジイも同じことを言ってた。こいつ森の中で這いつくばってたんだが、俺を見つけるなり、キスして来やがって――」
「キキ、キスぅ!?」
状況を説明したのだが、先に反応したのはアミリアだった。
「多分、呪いの影響なんだろう。強制的に異性を求めるっぽい」
「そこまでになっているとはな……目覚めさせると、また同じことが起こるかもしれん」
「じゃあ、眠らせておいた方がいいのか?」
「そうなるが……ひとまず<鑑定>で診てみよう」
するとババアは手をかざし、<鑑定>スキルを発動させた。
一瞬のうちに<鑑定>が終わると、厳しい表情を見せた。
「……これはただの『発情』じゃないね。――『淫染呪』。粘膜接触した相手を強制的に『発情』させて呪いを伝染させる、とんでもない呪いだよ」
「ミ、ミゼット様……! なら、シュウは……っ」
「アミリア、忘れたのかい? この子に状態異常は効かないよ」
「そ、そうでした……シュウが発情した獣みたいになって、村の女の子を襲いまくるのかと……」
「いや、マジでそうなっててもおかしくなかった。村ではじめて接触したのが俺で良かったとも言えるな……」
伝染病はマジでヤバい。
前世の知識からもそれはよくわかっているが、今回の『淫染呪』は、この世界特有のものだ。
こんなものが蔓延してしまえば、発情した男女がセックスマシーンの如く国をピンク色に染めてしまうだろう。
こいつにキスされても俺が気持ちよくならなかったのは、状態異常が効かなかったからなのかもしれない。そうでなければ、俺も今頃は……。
「じゃあ、俺が治すしかないか……」
「そうだね……とりあえずは薬師から眠り薬をもらってくるから、しばらくこの子が暴れないよう見ていてくれるかい?」
「ああ……手足縛ってもいいよな?」
「聖女候補を縛るだなんて、とんでもないことだけど、今回ばかりは目をつむろう」
「助かる」
そうしてババアは教会の外に出ていき、村の薬師の家へと向かった。
ジジイはここは俺に任せてブラックコカトリスの肉の処理をしにいった。
治療室に残ったのは、俺とアミリア。
「……ねえ、本当にキス、されちゃったの?」
「ああ……不本意だがな」
「こんなに可愛い子からのキスだよ? 嬉しくなかったの?」
「アミリアが嫉妬なんて珍しいな。こいつの目はガンギマってた。だからそういう雰囲気じゃなかったよ」
そう、こいつは理性を失った獣だった。
そんな相手に対して嬉しいもなにもなかった。
「もう……キスなら私がたくさんしてあげるんだから、この村にいるうちはあんまり他の子としちゃだめだよ……ほら、マリーさんとも」
「もうマリーとはしてないよ。未だに誘われはするけど……」
実は未亡人のマリーは、俺の童貞を奪った相手だ。
彼女は夫を失っており、一人で子供を育てている人。
この村に来てから三年が過ぎた頃だろうか。
俺は彼女の『腰痛』を治療することになり、何度もお尻を揉んだ。
前世で六花を失った喪失感が、ずっと胸の奥に残っていた。マリーもまた、夫を亡くしてから、深い孤独を抱えていた。
そんな俺たちは、心のどこかで同じ傷を抱える者同士だったのだ。
寄り添うように互いの温もりを求め、触れ合いの中でその寂しさを少しずつ溶かしていった。
そして――大人の女性としての魅力に抗えず、マリーの優しい手ほどきを受け、俺は童貞を卒業したのだった。
「ふーん。あの人、私よりいい体してるもんね。大人の魅力ってやつ? 私も大人になったらあんな魅力出るのかな」
「アミリアはそのままでいい。ほら、こっちに――」
「ぁ――」
なんとなく、そんな雰囲気を感じ取った。
アミリアはもじもじとしていて、顔がほんのりと赤くなっていたから。
故に俺はアミリアを抱き寄せ、軽くキスをしたあと、治療室の外に出した。
「――ふう、こんなもんか」
俺は持ってきた縄を使い、聖女候補とやらの手足を拘束した。
ただ、見栄えが酷い。
悪いことをしていないのに、なぜか人を誘拐監禁したような気持ちになるのだ。
「……ババアが戻って来る前に、<完全解呪>の治療方法でも確かめてみるか」
アミリア以降、あれほど濃厚な接触治療はなかったとはいえ、おそらく今回はそれに近い治療方法になる気がしている。
どんな指示をされるのか、俺も少しだけ恐ろしい。
俺は手をかざし、集中した。
そして、導き出された『淫染呪』を解呪するための指示とは――。