完全解呪のプリースト〜状態異常完治スキルで呪われた美少女を救うたび、俺への依存度がカンストしていく件〜【7/24第2巻発売】 作:pelca
──指を挿れられた瞬間理解した。
彼のスキルは本物だと。
私のお尻の中に、魔力が注ぎ込まれているのがよくわかる。
温かく、そして神聖な力……だからこそ、豚おじが言っていたことが真実味を増してくる。
これが、女神様に祝福されている男の力だと言うのか……っ。
彼の指が四つん這いになっている私の尻奥を刺激してくる。
はじめての感覚。声を出さずにはいられない。それほど、触れられてはいけない場所を触れられている。
「ふんぐっ!? んぎゅっ!? うぎぃっ!?」
我慢しようとしても、声が漏れる。
こんな声、自分の口から出るなんて思わなかった。
喉の奥から震えるようにこぼれるそれは、悲鳴でも、拒絶でもない。
快楽に耐えきれず、勝手に漏れてしまう――そんな、いやらしい声だった。
止めたくても、止まらない。
頭の奥で何かがぷつりと切れ、理性が溶けていく。
私はもう、どうにかなっていたのだから。
「こっ、殺せぇ……っ! うぎっ!? ごぉっ、ぐぅぅぅぅっ!?」
自分でも尻穴がヒクヒクと収縮し、彼の指の動きに合わせて動いているのがわかる。
正直、腸内洗浄していなければ、漏れていたかもしれないほど。
私は「生きたい」と願ったはずだ。
けれど、今のこれは――生き地獄そのものだった。
恥ずかしさに、快感と気持ち悪さとが混ざり合い、息をするたびに涙がこぼれる。
彼は今、どんな顔をしているのだろう。
四つん這いになっている私からは、その表情は見えない。
ただ、背中に感じる視線の熱だけが、はっきりと伝わってくる。
もし、あの人が――卑しい笑みを浮かべていたとしたら。
私はとんだ相手に、いちばん大事な場所を預けてしまったことになる。
お腹の奥が、じんわりと熱を帯びていく。
最初に感じたのは、確かに尻の奥への刺激だったはず。
けれど、いつの間にかその熱が下腹部へと広がり、身体の奥底をじわじわと溶かしていくようだった。
どうして――こんな感覚になるのだろう。
いや、それよりも……なぜ私は、下着まで脱いでしまったのか。
意識の片隅で、ようやくその事実に気づく。
今の私は、尻穴だけでなく、それよりもはるかに大切な場所まで――彼の目にさらしている。
「がぅっ!? うぎっ? ふぐっ!? んぎゅっ!? おぐぅっ!?」
しかし、既にはじまった治療を止めることなどできず、私の口からこぼれるのは声にはならない声だった。
次第に、下腹の熱が強くなっていく。
沸き上がるように広がるそれは、やがて頂点を越え――頭の中を真っ白に染め上げた。
尻の奥に感じる刺激が、なぜか、心地よい。
そんなはずはないのに、身体が勝手にそう感じてしまう。
私は、神に仕える神殿騎士。
清き誓いを立てた者が、この程度で屈していいはずがない。
だが、だけど……こんなの、我慢できるわけ――
「うんぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜っ!?♡♡♡」
次の瞬間、全身に電流が走ったかのような感覚に陥り、体中を快感が駆け巡った。
尻穴の隣にある大事な部分から、熱いなにかが漏れる感覚に至りながらも、止めることなどできなかった。
シーツを濡らしながら思考が快感に染められ、私は力を失い、そして意識が遠のいた。
◇◇◇
セイラの治療は一時間かかった。
尻の穴に指を突っ込んで一時間だ。
現在セイラは、尻を丸出しにしたままうつ伏せの状態で倒れている。
シーツには、治療の余韻を映すかのように水滴が広がっていた。
彼女のお尻から太ももにかけて、じっとりと濡れた痕跡が残り、熱気と湿り気が空気に微かに漂っている。
これを、あと二日続けなければならない。
『淫染呪』の時と比べれば、三倍の時間がかかることになる。やはり、死に関わる呪いというのは、とてつもない時間を必要とするらしい。
そして今、俺は初めて自分の力が抜け落ちていく感覚を味わっていた。
スキルも魔法と同じく体内の魔力を大量に消費するらしく、身体は酷く重く、頭もぼんやりとしていく。
欠乏感ではない。だが、確実に、魔力は奪われ、体は疲労で支配されていた。
それでも、倒れずにいられるのは、イアシスでの生活で鍛えられた成果なのかもしれない。
「このままにしてはおけないから、とりあえずパンツ履かせるからな……?」
意識を失っているセイラに向かって、俺は静かに問いかける。
その間に、脱いでいたパンツをそっと履かせ、彼女をテーブル前の横たわる位置まで慎重に移動させた。
びしょ濡れのままシーツの上で放置しておくわけにはいかない。放っておけば、体が冷えて風邪をひいてしまうかもしれないからだ。
「…………ん、んぅ………………」
それからおよそ二十分後——。
セイラがゆっくりと瞼をあけた。
「セイラ、お疲れ。今日の治療は一旦ここまでだ」
「あ……う……っ……あぁぁぁぁぁっ」
俺の声が耳に入ると、視線が顔へ向き、直前の出来事を思い出したように頬が真っ赤になった。
「……一応聞くが、明日も続けられるか?」
「こ、ここまでされたら、やらないわけにはいかないだろう……っ」
「一応、意思の確認はしておかないとな」
「ぐっ……貴様……私のお尻を、あそこまで辱めておいて……どうしてそんなに冷静でいられるのだっ!」
セイラは俺の態度を責め立てるように言ったが、答えは一つしかない。
「俺はただの興味本位でやってるわけじゃない。お前の呪いを解きたくて、真剣にやってるんだ。だから冷静なのは当然だろ?」
「く、ぅ……っ……くそ……もし貴様が異端者なら、叩き斬っていたのに……っ」
「それじゃ解呪できないだろ」
「だからもどかしいのだっ! ああ、これから私はどうやって生きていけばいいのか……」
時間とともに、セイラの真っ赤な顔は徐々に落ち着きを取り戻していった。
セイラが目を覚ましたのを見届けて、俺は立ち上がり、部屋を出て玄関へ向かう。
「――あり、がとう」
「え?」
背中越しに、セイラの小さな声が届いた。
「あっ、明日もよろしくと言ったんだ! 遅れたら許さんぞ!」
「わかってるよ。じゃあ、明日も同じ時間に」
「ああ……」
スカートの裾をきつく握るセイラを横目に、俺は彼女の家を後にした。
◇◇◇
――日が落ちかけ、街を朱に染める夕暮れ時。
「――エリナ、頼んだぞ」
「はいっ」
グレンの声に、金色の髪がふわりと揺れた。
いつもの銀髪は今、ウィッグによって柔らかな金色に変わっている。
神官服の代わりに身につけているのは深紅のドレス。
それは、これから潜入するブルドグの屋敷で開かれるパーティーのための装いだった。
グレンは彼女の姿を見つめ、息を整えて言う。
「危険を感じたら、必ず合図を出すんだ」
「そうだ、すぐに突入する」
「リシア、ガロ、ありがとうございます。大丈夫です――心得ています」
きっぱりと答え、エリナは小さく頷いた。
その瞳には、緊張の奥に宿る強い覚悟が見えた。
そしてエリナは一人、酒場のマスターを通して約束した仲介役との待ち合わせ場所へ向かう。
「――ついて来てください」
低い声とともに、黒服の男が短く告げた。
サングラス越しの無表情。
エリナはその後ろ姿に従い、静かに馬車へ乗り込む。
背後では、グレンたちが距離を取りながら尾行を続けていた。目的地は――西地区の外れ、ブルドグの屋敷。
やがて辿り着いたその屋敷を見上げた瞬間、エリナは息を呑む。
「ここが……」
眼前にそびえるのは、まるで城のような壮麗な建築。
鉄格子のようにも見える大門には金細工が施され、敷地の奥には噴水まで見える。
教会の資金源だけでは到底賄えぬほどの豪華さだった。
(さすがは大司教クラス……とはいえ、いくらなんでも稼ぎすぎでは……?)
呆れと警戒を胸に、エリナは唇を結ぶ。
その背後で黒服が恭しく一礼した。
「――中へどうぞ。あとはご自由にお楽しみください」
「はい……ありがとうございます」
男はそれ以上何も言わず、足音を消して去っていく。
扉の前に取り残されたエリナは、小さく息を吸い――意を決して中へ踏み入れた。
中はまさに、社交パーティーの華やかな喧騒そのものだった。
煌びやかなシャンデリアの光がきらめき、会場にはドレス姿の女性と燕尾服の紳士たちが談笑している。
香水とワインの匂いが入り混じり、甘くむせかえるような空気が漂っていた。
「おや、初参加の方ですか?」
「え、ええ……」
声をかけてきたのは、小柄でちょび髭を生やした男。
その目は妙にギラついている。
「私は商人のバルボと申します。実は私も初参加でしてね。少々緊張していたところなのです」
「バルボ様……私はリエナと申します。同じくはじめての参加で……」
「ははっ、それは奇遇ですね。よければご一緒に? 他の方々も紹介しますよ」
「……はい。お願いします」
エリナ――いや、リエナと偽名を名乗り、微笑を浮かべてついていった。
その途中、ウェイターが銀のトレイを差し出す。
「お客様、こちらワインになります」
「ありがとうございます」
受け取ったグラスの液面に、赤い光がゆらめいた。
しかし――エリナの瞳が僅かに鋭く光る。
(この場で提供される飲み物……信用できませんね)
こっそりと小声で詠唱をはじめる。
「<ピュリフィケーション>」
淡い光がグラスを包み、液体は一瞬で澄みきった透明に変わる。
その水を口に含みながら、周囲を観察した。
「――皆様、こちらリエナ様は私と同じ初参加の方です。ぜひ仲良くしてあげてください」
案内された先には、四人の男女がいた。
だが、その顔を見た瞬間――エリナの体が硬直した。
(ジ、ジルベ……!?)
そこにいたのは、衛兵の一人――ジルベだった。
冒険都市ハレスの検問を担う人物。庶民の彼が、こんな豪奢な場にいるなどありえない。
(なぜ……どうしてあなたがここに……? 私の変装は……)
「はじめまして。俺はジルベだ。よろしくな、リエナ」
「は、はい……っ」
笑顔を取り繕い、他の三人とも形式的に挨拶を交わす。
幸い、バレてはいない――エリナは小さく胸を撫で下ろした。
そうしてしばらく六人で談笑を続けていった。
だが、このままでは何の証拠も掴めない。
エリナは思い切って話を切り出した。
「――あの、大司教様は本日お見えにならないのですか?」
ブルドグの姿は、いまだ見えていない。
「大司教様は忙しいようだ。何か用でも?」
「いえ……ただ、信徒の一人として、お会いできれば光栄だと思いまして」
「ははっ、それはもっともだ」
軽い笑い声が混じる。
エリナはその場を取り繕うように微笑んだ――が、次の瞬間。
「あっ……」
「どうされました? もしかして、お酒を飲みすぎたのでは?」
女性の一人が突然ふらつき、隣の男の胸に崩れ落ちた。
男が支えながら、周囲を見渡す。
「これは……酔いが回ったようですね。少し休ませてきます」
そう言って、女を抱きかかえたまま奥の通路へ消えていった。
(……まさか、本当に何か仕込まれていた!?)
エリナの心臓が早鐘を打つ。
目を凝らすと、周囲でも次々に同じような異変が――。
女性たちが次々と倒れ、男性が支え、奥へと運ばれていく。
(――やはり、このパーティーは女性を陥れるための……っ)
エリナは覚醒を促す魔法の詠唱に入ろうとした――瞬間、視界が揺れた。
「――あ……ぅ……っ」
「リエナ? 大丈夫か?」
ジルベが手を伸ばし、エリナを支える。
(ワインは浄化したはず……なのになぜ……ダメ、意識が……ここで倒れたら……ジルベ、あなた……)
視界が白く染まり、最後に見たのは、
自分を支えるジルベの――嗤うような笑みだった。
◇◇◇
「――エリナ、大丈夫だろうか。少し遅すぎる気がする」
「グレン、気持ちはわかるけど……もう少しだけ待ちましょう。まだ合図は来ていないわ」
「ぬぬ……俺もそろそろ限界だ。中で何か起きていなければいいが……」
夜の帳が下りはじめた頃。
ブルドグの屋敷の門前で、『銀の刃』の三人が息を潜めていた。
「今になって思うが、今回の潜入はやや短絡的だったかもしれない。もし正体がバレたら……神殿騎士がギルドに押しかけてくる可能性もある」
「不祥事がまだ公になっていない段階なら、ブルドグは神殿騎士を動かせるかもしれない……下手をすれば、私たちが逆に罪を着せられるわね」
沈黙が落ちる。
教会の力の恐ろしさを、三人とも嫌というほど知っていた。
いくら強い冒険者であっても、集団で敵に回すような相手ではないのだ。
「エリナ……どうか、無事でいてくれ……」
グレンがそう呟いた時――
「やっと、見つけましたっ!!」
背後から、慌ただしい足音とともに声が響いた。
振り返ると、イリスとメディナが息を切らして駆けてくる。
「イリス、それにメディナまで……どうした、なにかあったのか?」
「グレン様っ、大変なのです!」
イリスは切迫した面持ちで続けた。
「メディナ様が地下施設に潜入した際、聞いてしまったのです! 衛兵のジルベが――あのジルベが、地下施設を利用していたことを! そして今、あなたたちは魔族ドロテイアに狙われています!」
「なっ……ジルベが!? 嘘だろ……」
「それに、魔族が直接私たちを――?」
イリスの言葉にグレンとリシアが驚きを返す。
「ええ、確かに聞きました。ですから、今すぐここを離れてください! ブルドグの屋敷の近くともなれば、ドロテイアがいてもおかしくありません!」
「だが、エリナが中に……!」
「エリナは今、変装して潜入してるんだ」
状況を把握したイリスは、エリナを脱出させるべきだと、進言しようとした。
「でも今は危険です、撤退を! 皆様の命が――」
しかし、イリスの言葉を別の声がかき消した。
「――あらぁ……? 獲物は四人と聞いていたけれど。ふふ、少し違うようねぇ」
通りの向こう。
夜の灯りを背に、薄紫の肌と白の髪が妖しく光る。
その額には、鋭く伸びた二本の角。
――魔族ドロテイア。
彼女は楽しげに微笑み、唇を舐めた。