※この作品はR-18です。

完全解呪のプリースト〜状態異常完治スキルで呪われた美少女を救うたび、俺への依存度がカンストしていく件〜【7/24第2巻発売】   作:pelca

50 / 115
第48話 屋敷潜入 ※

 ──指を挿れられた瞬間理解した。

 

 彼のスキルは本物だと。

 私のお尻の中に、魔力が注ぎ込まれているのがよくわかる。

 温かく、そして神聖な力……だからこそ、豚おじが言っていたことが真実味を増してくる。

 

 これが、女神様に祝福されている男の力だと言うのか……っ。

 

 彼の指が四つん這いになっている私の尻奥を刺激してくる。

 はじめての感覚。声を出さずにはいられない。それほど、触れられてはいけない場所を触れられている。

 

「ふんぐっ!? んぎゅっ!? うぎぃっ!?」

 我慢しようとしても、声が漏れる。

 こんな声、自分の口から出るなんて思わなかった。

 喉の奥から震えるようにこぼれるそれは、悲鳴でも、拒絶でもない。

 快楽に耐えきれず、勝手に漏れてしまう――そんな、いやらしい声だった。

 

 止めたくても、止まらない。

 頭の奥で何かがぷつりと切れ、理性が溶けていく。

 私はもう、どうにかなっていたのだから。

 

「こっ、殺せぇ……っ! うぎっ!? ごぉっ、ぐぅぅぅぅっ!?」

 

 自分でも尻穴がヒクヒクと収縮し、彼の指の動きに合わせて動いているのがわかる。

 正直、腸内洗浄していなければ、漏れていたかもしれないほど。

 

 私は「生きたい」と願ったはずだ。

 けれど、今のこれは――生き地獄そのものだった。

 恥ずかしさに、快感と気持ち悪さとが混ざり合い、息をするたびに涙がこぼれる。

 

 彼は今、どんな顔をしているのだろう。

 四つん這いになっている私からは、その表情は見えない。

 ただ、背中に感じる視線の熱だけが、はっきりと伝わってくる。

 

 もし、あの人が――卑しい笑みを浮かべていたとしたら。

 私はとんだ相手に、いちばん大事な場所を預けてしまったことになる。

 

 お腹の奥が、じんわりと熱を帯びていく。

 最初に感じたのは、確かに尻の奥への刺激だったはず。

 けれど、いつの間にかその熱が下腹部へと広がり、身体の奥底をじわじわと溶かしていくようだった。

 

 どうして――こんな感覚になるのだろう。

 いや、それよりも……なぜ私は、下着まで脱いでしまったのか。

 

 意識の片隅で、ようやくその事実に気づく。

 今の私は、尻穴だけでなく、それよりもはるかに大切な場所まで――彼の目にさらしている。

 

「がぅっ!? うぎっ? ふぐっ!? んぎゅっ!? おぐぅっ!?」

 

 しかし、既にはじまった治療を止めることなどできず、私の口からこぼれるのは声にはならない声だった。

 

 次第に、下腹の熱が強くなっていく。

 沸き上がるように広がるそれは、やがて頂点を越え――頭の中を真っ白に染め上げた。

 尻の奥に感じる刺激が、なぜか、心地よい。

 そんなはずはないのに、身体が勝手にそう感じてしまう。

 

 私は、神に仕える神殿騎士。

 清き誓いを立てた者が、この程度で屈していいはずがない。

 だが、だけど……こんなの、我慢できるわけ――

 

「うんぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜っ!?♡♡♡」

 

 次の瞬間、全身に電流が走ったかのような感覚に陥り、体中を快感が駆け巡った。

 尻穴の隣にある大事な部分から、熱いなにかが漏れる感覚に至りながらも、止めることなどできなかった。

 

 シーツを濡らしながら思考が快感に染められ、私は力を失い、そして意識が遠のいた。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 セイラの治療は一時間かかった。

 尻の穴に指を突っ込んで一時間だ。

 

 現在セイラは、尻を丸出しにしたままうつ伏せの状態で倒れている。

 シーツには、治療の余韻を映すかのように水滴が広がっていた。

 彼女のお尻から太ももにかけて、じっとりと濡れた痕跡が残り、熱気と湿り気が空気に微かに漂っている。

 

 これを、あと二日続けなければならない。

 『淫染呪』の時と比べれば、三倍の時間がかかることになる。やはり、死に関わる呪いというのは、とてつもない時間を必要とするらしい。

 

 そして今、俺は初めて自分の力が抜け落ちていく感覚を味わっていた。

 スキルも魔法と同じく体内の魔力を大量に消費するらしく、身体は酷く重く、頭もぼんやりとしていく。

 

 欠乏感ではない。だが、確実に、魔力は奪われ、体は疲労で支配されていた。

 それでも、倒れずにいられるのは、イアシスでの生活で鍛えられた成果なのかもしれない。

 

「このままにしてはおけないから、とりあえずパンツ履かせるからな……?」

 

 意識を失っているセイラに向かって、俺は静かに問いかける。

 その間に、脱いでいたパンツをそっと履かせ、彼女をテーブル前の横たわる位置まで慎重に移動させた。

 びしょ濡れのままシーツの上で放置しておくわけにはいかない。放っておけば、体が冷えて風邪をひいてしまうかもしれないからだ。

 

「…………ん、んぅ………………」

 

 それからおよそ二十分後——。

 セイラがゆっくりと瞼をあけた。

 

「セイラ、お疲れ。今日の治療は一旦ここまでだ」

「あ……う……っ……あぁぁぁぁぁっ」

 

 俺の声が耳に入ると、視線が顔へ向き、直前の出来事を思い出したように頬が真っ赤になった。

 

「……一応聞くが、明日も続けられるか?」

「こ、ここまでされたら、やらないわけにはいかないだろう……っ」

「一応、意思の確認はしておかないとな」

「ぐっ……貴様……私のお尻を、あそこまで辱めておいて……どうしてそんなに冷静でいられるのだっ!」

 

 セイラは俺の態度を責め立てるように言ったが、答えは一つしかない。

 

「俺はただの興味本位でやってるわけじゃない。お前の呪いを解きたくて、真剣にやってるんだ。だから冷静なのは当然だろ?」

「く、ぅ……っ……くそ……もし貴様が異端者なら、叩き斬っていたのに……っ」

「それじゃ解呪できないだろ」

「だからもどかしいのだっ! ああ、これから私はどうやって生きていけばいいのか……」

 

 時間とともに、セイラの真っ赤な顔は徐々に落ち着きを取り戻していった。

 

 セイラが目を覚ましたのを見届けて、俺は立ち上がり、部屋を出て玄関へ向かう。

 

「――あり、がとう」

「え?」

 

 背中越しに、セイラの小さな声が届いた。

 

「あっ、明日もよろしくと言ったんだ! 遅れたら許さんぞ!」

「わかってるよ。じゃあ、明日も同じ時間に」

「ああ……」

 

 スカートの裾をきつく握るセイラを横目に、俺は彼女の家を後にした。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 ――日が落ちかけ、街を朱に染める夕暮れ時。

 

「――エリナ、頼んだぞ」

「はいっ」

 

 グレンの声に、金色の髪がふわりと揺れた。

 いつもの銀髪は今、ウィッグによって柔らかな金色に変わっている。

 神官服の代わりに身につけているのは深紅のドレス。

 それは、これから潜入するブルドグの屋敷で開かれるパーティーのための装いだった。

 

 グレンは彼女の姿を見つめ、息を整えて言う。

 

「危険を感じたら、必ず合図を出すんだ」

「そうだ、すぐに突入する」

「リシア、ガロ、ありがとうございます。大丈夫です――心得ています」

 

 きっぱりと答え、エリナは小さく頷いた。

 その瞳には、緊張の奥に宿る強い覚悟が見えた。

 

 そしてエリナは一人、酒場のマスターを通して約束した仲介役との待ち合わせ場所へ向かう。

 

 

 

「――ついて来てください」

 

 低い声とともに、黒服の男が短く告げた。

 サングラス越しの無表情。

 エリナはその後ろ姿に従い、静かに馬車へ乗り込む。

 背後では、グレンたちが距離を取りながら尾行を続けていた。目的地は――西地区の外れ、ブルドグの屋敷。

 

 やがて辿り着いたその屋敷を見上げた瞬間、エリナは息を呑む。

 

「ここが……」

 

 眼前にそびえるのは、まるで城のような壮麗な建築。

 鉄格子のようにも見える大門には金細工が施され、敷地の奥には噴水まで見える。

 教会の資金源だけでは到底賄えぬほどの豪華さだった。

 

(さすがは大司教クラス……とはいえ、いくらなんでも稼ぎすぎでは……?)

 

 呆れと警戒を胸に、エリナは唇を結ぶ。

 その背後で黒服が恭しく一礼した。

 

「――中へどうぞ。あとはご自由にお楽しみください」

「はい……ありがとうございます」

 

 男はそれ以上何も言わず、足音を消して去っていく。

 扉の前に取り残されたエリナは、小さく息を吸い――意を決して中へ踏み入れた。

 

 中はまさに、社交パーティーの華やかな喧騒そのものだった。

 煌びやかなシャンデリアの光がきらめき、会場にはドレス姿の女性と燕尾服の紳士たちが談笑している。

 香水とワインの匂いが入り混じり、甘くむせかえるような空気が漂っていた。

 

「おや、初参加の方ですか?」

「え、ええ……」

 

 声をかけてきたのは、小柄でちょび髭を生やした男。

 その目は妙にギラついている。

 

「私は商人のバルボと申します。実は私も初参加でしてね。少々緊張していたところなのです」

「バルボ様……私はリエナと申します。同じくはじめての参加で……」

「ははっ、それは奇遇ですね。よければご一緒に? 他の方々も紹介しますよ」

「……はい。お願いします」

 

 エリナ――いや、リエナと偽名を名乗り、微笑を浮かべてついていった。

 その途中、ウェイターが銀のトレイを差し出す。

 

「お客様、こちらワインになります」

「ありがとうございます」

 

 受け取ったグラスの液面に、赤い光がゆらめいた。

 しかし――エリナの瞳が僅かに鋭く光る。

 

(この場で提供される飲み物……信用できませんね)

 

 こっそりと小声で詠唱をはじめる。

 

「<ピュリフィケーション>」

 

 淡い光がグラスを包み、液体は一瞬で澄みきった透明に変わる。

 その水を口に含みながら、周囲を観察した。

 

「――皆様、こちらリエナ様は私と同じ初参加の方です。ぜひ仲良くしてあげてください」

 

 案内された先には、四人の男女がいた。

 だが、その顔を見た瞬間――エリナの体が硬直した。

 

(ジ、ジルベ……!?)

 

 そこにいたのは、衛兵の一人――ジルベだった。

 冒険都市ハレスの検問を担う人物。庶民の彼が、こんな豪奢な場にいるなどありえない。

 

(なぜ……どうしてあなたがここに……? 私の変装は……)

 

「はじめまして。俺はジルベだ。よろしくな、リエナ」

「は、はい……っ」

 

 笑顔を取り繕い、他の三人とも形式的に挨拶を交わす。

 幸い、バレてはいない――エリナは小さく胸を撫で下ろした。

 

 そうしてしばらく六人で談笑を続けていった。

 

 だが、このままでは何の証拠も掴めない。

 エリナは思い切って話を切り出した。

 

「――あの、大司教様は本日お見えにならないのですか?」

 

 ブルドグの姿は、いまだ見えていない。

 

「大司教様は忙しいようだ。何か用でも?」

「いえ……ただ、信徒の一人として、お会いできれば光栄だと思いまして」

「ははっ、それはもっともだ」

 

 軽い笑い声が混じる。

 エリナはその場を取り繕うように微笑んだ――が、次の瞬間。

 

「あっ……」

「どうされました? もしかして、お酒を飲みすぎたのでは?」

 

 女性の一人が突然ふらつき、隣の男の胸に崩れ落ちた。

 男が支えながら、周囲を見渡す。

 

「これは……酔いが回ったようですね。少し休ませてきます」

 

 そう言って、女を抱きかかえたまま奥の通路へ消えていった。

 

(……まさか、本当に何か仕込まれていた!?)

 

 エリナの心臓が早鐘を打つ。

 目を凝らすと、周囲でも次々に同じような異変が――。

 女性たちが次々と倒れ、男性が支え、奥へと運ばれていく。

 

(――やはり、このパーティーは女性を陥れるための……っ)

 

 エリナは覚醒を促す魔法の詠唱に入ろうとした――瞬間、視界が揺れた。

 

「――あ……ぅ……っ」

「リエナ? 大丈夫か?」

 

 ジルベが手を伸ばし、エリナを支える。

 

(ワインは浄化したはず……なのになぜ……ダメ、意識が……ここで倒れたら……ジルベ、あなた……)

 

 視界が白く染まり、最後に見たのは、

 自分を支えるジルベの――嗤うような笑みだった。

 

 

 ◇◇◇

 

 

「――エリナ、大丈夫だろうか。少し遅すぎる気がする」

「グレン、気持ちはわかるけど……もう少しだけ待ちましょう。まだ合図は来ていないわ」

「ぬぬ……俺もそろそろ限界だ。中で何か起きていなければいいが……」

 

 夜の帳が下りはじめた頃。

 ブルドグの屋敷の門前で、『銀の刃』の三人が息を潜めていた。

 

「今になって思うが、今回の潜入はやや短絡的だったかもしれない。もし正体がバレたら……神殿騎士がギルドに押しかけてくる可能性もある」

「不祥事がまだ公になっていない段階なら、ブルドグは神殿騎士を動かせるかもしれない……下手をすれば、私たちが逆に罪を着せられるわね」

 

 沈黙が落ちる。

 教会の力の恐ろしさを、三人とも嫌というほど知っていた。

 いくら強い冒険者であっても、集団で敵に回すような相手ではないのだ。

 

「エリナ……どうか、無事でいてくれ……」

 

 グレンがそう呟いた時――

 

「やっと、見つけましたっ!!」

 

 背後から、慌ただしい足音とともに声が響いた。

 振り返ると、イリスとメディナが息を切らして駆けてくる。

 

「イリス、それにメディナまで……どうした、なにかあったのか?」

「グレン様っ、大変なのです!」

 

 イリスは切迫した面持ちで続けた。

 

「メディナ様が地下施設に潜入した際、聞いてしまったのです! 衛兵のジルベが――あのジルベが、地下施設を利用していたことを! そして今、あなたたちは魔族ドロテイアに狙われています!」

「なっ……ジルベが!? 嘘だろ……」

「それに、魔族が直接私たちを――?」

 

 イリスの言葉にグレンとリシアが驚きを返す。

 

「ええ、確かに聞きました。ですから、今すぐここを離れてください! ブルドグの屋敷の近くともなれば、ドロテイアがいてもおかしくありません!」

「だが、エリナが中に……!」

「エリナは今、変装して潜入してるんだ」

 

 状況を把握したイリスは、エリナを脱出させるべきだと、進言しようとした。

 

「でも今は危険です、撤退を! 皆様の命が――」

 

 しかし、イリスの言葉を別の声がかき消した。

 

「――あらぁ……? 獲物は四人と聞いていたけれど。ふふ、少し違うようねぇ」

 

 通りの向こう。

 夜の灯りを背に、薄紫の肌と白の髪が妖しく光る。

 その額には、鋭く伸びた二本の角。

 

 ――魔族ドロテイア。

 

 彼女は楽しげに微笑み、唇を舐めた。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。