完全解呪のプリースト〜状態異常完治スキルで呪われた美少女を救うたび、俺への依存度がカンストしていく件〜【7/24第2巻発売】 作:pelca
「あ、あれ……?」
敵対関係ではないが、冒険者同様に確執のある関係。
それなのに、アリーシャは感謝を告げたあと一歩前に出ると、イリスに手を差し出し、握手をした。
確かにイリスの考えだと、冒険者だからといって差別しないし、教会での治療費だって下げようと尽力したこともあったとか。
だから相手は王族であっても、握手を返すのは頷けるが、アリーシャはどういった気持ちでしているんだろう。
「王都まではまだ少しありますから、アリーシャ様がよろしければ、私たちと共に王都へ参りましょう」
「よいのですか? 私としてはありがたいお話ですが……」
「はい。問題ありません。神殿騎士隊も同行していますが、その点だけ気になさらないのであれば」
「私の方は問題ありません。では――同行をお願いします」
結局、俺たちは王女一行と共に王都へと向かうことになった。
ただ、気になるのはセイラのことだ。
セイラは王家から離れたが、その身に流れるのは王家の血筋。
しかもそのせいで、先祖が呪いにかけられ、それがセイラにまで及んだ。
セイラの話では、呪いをかけたのは王族に近い誰か。
術者がすでに亡くなっているのか、それともどこかで生き延びているのかはわからない。
通常なら術者の死とともに呪いは解けるはずだが――『枯血呪』だけは、それに当てはまらない可能性がある。
◇◇◇
「――神殿騎士クローヴァー隊隊長のセイラだ」
「第三王女のアリーシャ・エインフィリアと申します。同行をお許しくださって、誠に感謝いたします」
「我々は彼らに同行しているわけではない。並走しているだけだ。王都へは異端者を移送する任務中だ。ゆえに、同行を許可する権限は我々にはない」
「そうでしたか――それでも、感謝いたします」
神殿騎士隊の代表として応じたセイラは、どこか普段よりも硬い表情をしていた。
王族との対面に、内心のざわめきを抑えようとしているのが伝わってくる。
「セイラ、大丈夫か?」
「シュウ……問題はない。私を心配してくれたのか?」
王家の馬車が出発の準備を整えるまで少し時間があったので、俺はセイラのもとへ歩み寄った。
「まあな。相手は王家だし、セイラがその血筋だって知ってる人は少ないんだろ?」
「王家に近い者なら覚えている者もいるだろうが……王女のように若い人は知らないはずだ」
「そうか。セイラの心が苦しくなっていなければいい。何かあったら、ちゃんと話せよ」
「ああ、助かる――なら……」
短いやり取りだったが、彼女の表情は少し柔らかくなった。
その夜、俺は近くの森の中でセイラと愛しあった。
他の女性ばかり相手をしていたので、セイラとはこの三週間の間で、はじめて肌を重ねた。
夜に煌めく月の光がセイラの美しいお尻に反射しそれが俺の欲情を掻き立てる。
大木に手をついて突き出すお尻を両手で叩くと彼女は喜んだ。
「あ゙あんっ!?♡」
白く艶のあるお尻に俺の手の跡が刻まれていき、その印を見てさらに興奮する。
セイラのこぼす愛液が肉棒を叩きつける接触音を増幅させ、静かな森に淫靡な水音を響かせた。
「シュ、シュウ……そっちだけではなく、こっちも……」
「お前、本当に好きだな」
「お前が、そうしたのだろう……っ」
セイラが自らの尻穴を指で広げる。
ヒクヒクと収縮するそのピンク色の穴に肉棒を近づけると、ローションなしで尻内に挿入した。
「あぐぅっ!? あぐぅっ!?♡ お゙お゙っ!? お゙お゙っ!? ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙〜〜〜っ!?♡」
腟内に挿入している時の数倍いやらしい声を上げるセイラ。
愛液にまみれた俺の肉棒は、彼女の美しいお尻を蹂躙し、その奥をたっぷりと満たしていった。
この日のセイラはとても積極的で、いつも以上に俺の下半身は暴れることとなった。
◇◇◇
捕えた野盗たちは、俺が<完全解呪>で『麻痺』を解除したあと、王女付きの護衛騎士たちによって順に尋問されていった。
相手が男だからか、触れるまでもなく一瞬で解呪できてしまった。
俺もその場に立ち会ったが、野盗たちはなかなか口を割らない。
そこで護衛騎士に代わって、俺が尋問を申し出た。
「死にたくなかったら答えろ」
「答えると思うか? ――俺たちは下っ端の下っ端。組織にすら属してねえ」
「組織……?」
なぜか俺には簡単に口を割った。
つまり、彼らは何者かの命令を受けてアリーシャを襲ったということか。
セイラのことを思えば、この世界では貴族や王族が命を狙われることなど珍しくはないのだろう。
だが、目の前の連中はどう見てもただの野盗。多少腕が立つ程度に見える。
「どちらにせよ、俺たちは依頼に失敗した時点で終わりだ。――『暗殺教団』の依頼は絶対だからな」
「……『暗殺教団』、だと?」
その名を聞いた瞬間、木陰に立っていたメディナの肩がわずかに震えた。
彼女のジョブは暗殺者であるアサシン――この『暗殺教団』と、彼女の過去に何らかの繋がりがあるのかもしれない。
ブルドグに捕まる前のことを、俺は何も知らない。
「お前たちは、その『暗殺教団』に取り入るために動いていた……そういうことか」
「そんなところだ……もう、いいだろ」
「……ああ」
俺は短く息をついて、再び<麻痺>をかけ、彼らを静かに動けなくした。
だが――翌朝。
野盗たちは、全員死んでいた。
腹部には黒い紋章のような呪印が刻まれており、それが焼け焦げたように光を失っていた。
昨夜、誰も彼らに触れてはいない。
任務の失敗が呪いによって教団に伝わり、そのまま命を絶たれたのかもしれない。
イリスに<鑑定>を試みてもらったが、死者への<鑑定>はババアや現聖女クラスでなければ難しいという。できないわけではないが、今回はうまくできなかったそうだ。
王女を狙うほどの相手。
もし『暗殺教団』が本当に動いているのだとすれば、この先、俺たちは出くわす可能性があるかもしれない――。
◇◇◇
王都までの道のりは、そこからさらに二週間近く――合計でほぼ一ヶ月にも及ぶ長旅だった。
ハレスの街よりも遥かに高くそびえる外壁。
重厚な鉄門には魔法の紋章が刻まれ、近づくだけで威圧感がある。
その奥行きは背伸びしても見通せず、まるで城塞都市そのものが生きているようだった。
検問は滞りなく終わった。
冒険者ギルドで取得したカードを見せ、馬車の荷を軽く確認されるだけで通過できた。
ドロテイアに身分証はないので転移魔法で通っていたが、イリスとアリーシャは顔パスで、兵士たちは恭しく頭を下げていた。
「――皆様、短い間でしたが、本当にありがとうございました」
王都の門をくぐったあと、アリーシャは深々と頭を下げた。
リゼットや護衛騎士たちと共に、王女一行はここで俺たちと別れる。
彼女の背を見送りながら、ひと月にわたる旅の終わりを実感した。
「さて、最初はどうする?」
イリスに尋ねる。
「そうですね。旅の疲れもありますし、まずは宿を取りましょう。行動は明日からにしましょう」
「助かるよ。王都の宿って、さぞかしベッドがふかふかなんだろうな」
ベッドも飯も、もう贅沢なものしか思い浮かばない。
旅での野宿生活を思えば、それだけで幸せに感じる。
「明日は私と一緒に教会学校へ行きましょう。アラスター枢機卿からの推薦状を見せる必要がありますし――学校とは別に、シュウ様にはハラマリア様を紹介したいと思います」
「ハラマリア……今の聖女ってヤツか?」
「はい。シュウ様のような方にお会いできるのを、きっと楽しみにされています。私も……とても楽しみです」
イリスの声音には、敬意と憧れが入り混じっていた。
どうやら現聖女というのは、ただ名ばかりの存在ではないらしい。
「――シュウ。一ヶ月の旅、世話になった」
セイラが歩み寄り、小さく言葉をかける。
「こっちこそ助かったよ」
「私は団長への報告などで、しばらく王都に滞在する……だから……」
「時間があれば――会おう」
耳元で囁くと、セイラの頬がかすかに赤く染まった。
「じゃあ、まずは宿を見つけにいこうか」
俺たちは神殿騎士隊と別れ、モグモの案内で王都へと繰り出していく。
長い旅の終わりと、新しい日々のはじまりを感じながら、俺たちは王都での物語の一歩を踏み出した。