必然ながらデート以降女の子の姿で過ごす時間が増えた。
当初はかすみさんの前では男の姿でいたが、それすらしなくなった。
かすみさんから「らんまくん、女の子の時の方が楽しそう。ずっと女の子でいれば」と言われたからだ。彼女はきっと俺が恋していることも気がついているはず。ひょつとしたら、あかねにそのことを伝えていることだって考えられる。嘘なら否定できるが事実なのだから、もし問い詰められれば「本当だよ」と答えるしかない。水を被ると女に、お湯を被ると男に、俺の体の不思議を理解してくれた彼女のことだ。俺の恋もわかってくれる時はくるだろう。
そんな訳で、同窓会からほんの2週間足らずで、俺の生活は激変したと言っていい。
バイトのデリバリーも女の姿でしているし、無差別格闘流の鍛練も女の姿でしている。さいわい俺の武道の腕は男としてはほぼ最強レベルに達していたが、まだ女としては成長の余地があったから、鍛練にも身が入った。
これまで未知の領域だったおしゃれは、足を踏み入れたばかりだから学ぶべきことは限りなくある。
服のコーディネート、メイク、そしてヘアーアレンジも試したいことばかり。
五寸釘くん(最近くんづけで呼んでいる)は、どんな服が好きなのだろうか?どんな髪型がにときめくのだろうか?そんなことを頭に浮かべながら、毎日鏡の前に向かっているのだ。
そりゃ、かすみさんに「女の子の時の方が楽しそう」と言われる訳だ。
もちろん変わったのはそれだけじゃない。口調が優しくなったし、読む雑誌は格闘技専門誌から女性ファッション誌に変わった。食の好みも微妙に変化した。大嫌いだったサラダが好きになってきたのには、さすがに自分でもびっくりした。
そしてもうひとつ大事なことも….
そう、エッチ関係だ。
八宝斎師匠という強烈なキャラクターに日々接してそれを反面教師としていたため、健全な男性としては性欲は強くない方だった俺だが、女性としての性欲が最近目覚めたのだ。
ただそれが恋するゆえだとわかっているから、無理に抑えようとしていない。
では、どうして発散しているか。
残念ながらひとりでしている。
こればかりは仕方ない。
初めては、デートの翌日。五寸釘くんの顔が目に浮かんで眠れないでいると、手が自然とあそこをさわっていた。びっくりするくらい気持ちが良かった。男より女の方が敏感なことは知っていたがこれ程とは…その時、気がついた。
以来今日まで毎日ひとりで。
そして今日も……
午後11時、朝の早いかすみさんはもう眠っている。
布団に入り、まず目を閉じる。
自然と五寸釘くんの顔が目に浮かぶ。
目の下の隈に目を奪われがちだが、よく見ると顔はそこそこ整っている。
俺はその顔に見つめられている自分を想像する。
それだけで今の俺には十分刺激的だ。
仰向けで、足をM 字に開いて
リラックスして
深呼吸。
ゆっくり吸って、ゆっくり吐いていく。
クリトリスにふれる。
普段から愛用している男物のパジャマの下を脱いで、白のショーツの上から。
もう敏感でそれだけで腰がはね上がる。
何度かそれを繰り返す。
自分の指をあいつの指と考えながら。
そして次は胸。
まず右から
下から上にやさしくやさしく
ふくらみを包みこむ。
指で乳首を弄ってみる。
先っちょを押し込んでぐりぐりする。
気持ちいい♡
どこからか「早乙女くんは女になりたい、女になって恋をしたい、女になってキスをしたい…」そんな声が聞こえる。
今度は左の胸。
同じように
ゆっくり楽しむ。
はじめてのデートでのキスの感触を思い出しながら、妄想の中でもキスをする。
「アーアー♡アーアー♡♡」
その自分の声につられてさらに高まる俺…
もう胸じゃ足りない。
ふたたびクリトリスに戻る。
ショーツを脱ぎ、今度は直接刺激する。
上からぎゅつと押し潰す感じ。
一番気持ちいい場所探す。
いきそうになったら一旦手を止めて。
指で下から上に弾く。
スマホのように
何度も何度もリズミカルに。
気持ちいい♡
「ハーハー♡♡ハーハー♡♡♡」
吐息が洩れる。
たまらない。
でもまだダメ….
自分にいいきせる。
何度も何度も
リズミカルに下から上にフリック。
もう一度深呼吸する。
ゆっくり吸って
ゆっくり吐いて。
頭の中が真っ白になってきた。
今度は乳首みたいに指で挟んで弄ってみる。
そう、クリトリスを。
人差し指と中指で挟んで
引っ張ったりくるくるしたり。
挟んで引っ張ってくるくるする。
どんどん高まる。
挟んで引っ張ってくるくる。
「イヤーン♡♡♡」
甲高い声…
なんていやらしい。
それは俺の声。
限界が近い。
中がぴくぴくしてきた。
あーあ、しあわせ♡
「早乙女くん、僕が見てるからイッてごらんー」
そんな五寸釘くんの声が聞こえた気がした。
「イクーーイク、イク♡イクー♡♡♡♡」
イッちゃた。
俺、イッちゃつたわ。
まだ半分は男なのにクリトリスでイッちやわ。
でも、うれしい♡♡
─そう、これはいつか五寸釘くんを受け入れるための準備─
そんなことを思いながらしずかにしずかに深い眠りの中へ落ちていく俺だった♡♡♡♡♡♡