ファイアーエムブレム 娼俗の剣 作:どろまみれ
ケイオスの目論み通り、ベルン流れ者組による小隊は結成された。
いよいよ当日。4人はベルン郊外を出立し、離宮までの道程を往復するという警邏の任へと向かう。
南下しながら山道を登り、離宮の全景が確認できる距離になった頃。
ベルンという国が産んだ膿。治安の悪さを吐き出すかのように ―― 「学徒を狙った族」が山を降り、彼らへと襲いかかるのであった。
【進撃準備】
▲ケイオス/見習い魔導士(Lv.2↑)
属性:無 移動:5 体格:2
HP:10↑
力:2↑ 魔力:6↑
技:3↑
速さ:4↑
幸運:0
守備:1↑
魔防:5
魔導書:D
杖:E↑
装備:雑魔導書
重さ:7
フィアー/アロー/ライブ/フィンブルもどき
・フィンブルもどき
武器レベルD/射程1~2/威力6/命中80/必殺0
売りさばく前にしれっと奪っていたフィンブルの頁。魔力も熟練度も足りないケイオスでも扱えるようデチューンしたため全てがスケールダウンしている。
重さが増していないことと、威力がアローより上なのが利点。
▲ゲイル/見習い兵士(Lv.10)
装備:手槍、鉄の槍
▲マーク/軍師見習い(Lv.5)
装備:ライト、アロー
▲セシリア/ソシアルナイト・魔法使い(Lv.12)
装備:鋼の槍、サンダー、ウィンド
山道の途中。
狭く見通しの悪い道と斜面の境目。こちらが有利に立ち回れる場所を陣取ると、マークはここで迎撃する旨を全員へ伝えた。
ケイオス。ゲイル。そして
「族の人数はどんなもんよ」
「見えているのは合わせて8人かしらね。鎧は貧相だけれどきちんと全員が金属の武器で武装していて、斜面に弓兵を2人並べているわ」
「定石通りか~。でも離宮まで到着してしまえばこっちの勝利だ。あいつら、どうせ山を下りてこなきゃいけねーしな」
「そうだ。……他は、斧使いばかりだな」
「……」コクリ
「よし。最終確認。マークはセシリアの馬の後ろに乗って指揮。ライトとアローの信号でオレらが動く。戦闘の時はセシリア、守り気味に動いてくれよな」
「言われるでも無いわ。……あたしも
「うひひひっ。吠え面かかせてやるぜ、セシリア!」
「味方ではなく相手にかかせるんだな、ケイオス。……行くぞ」
【プレイヤーフェーズ】
蛮族どもは景気よく、歩みを止める事もなく、待ち伏せている路の角を飛び出してきた。
視認したこちらの背丈をみてぐひひと笑うと、大ぶりに斧を振り上げ、どかどかと駆けてくる。
間接攻撃から。ふたりはそれぞれの武器を持ち上げ構える。
「あたるぞ、ケイオス!」
「おうよ!」
<戦闘処理>
ゲイル:手槍×2
→蛮族2:(命中/6+6)
ケイオス:アロー
→蛮族1:(命中/7)
【エネミーフェーズ】
蛮族のぼろ布が魔法に裂かれ、槍を受け、それでも猛進を止めることはない。
彼らは、大きな身体ではない。栄養が足りている筋肉でもない。雄叫びはまるで獣のようで、一番槍にと飛び込んでくる。
「……騎兵でもないから追いつかれるか!」
「そのための隘路だろう。構えろ。攻撃は俺が受ける」
<戦闘処理>
蛮族1:錆びた斧
→ ゲイル:(命中/4)
反撃:ゲイル:鉄の槍×2
→ 蛮族1:(命中/9+9)
⇒ 蛮族1:戦闘不能
蛮族2:錆びた斧
→ ゲイル:(回避)
反撃:ゲイル:鉄の槍
→ 蛮族2:(回避)
「……ちっ。頭数!」
「大丈夫。オレが追撃出来るからな……っと!」
【プレイヤーフェーズ】
<戦闘処理>
ケイオス:フィンブルもどき
→ 蛮族2:(命中/12)
⇒ 蛮族2:戦闘不能
ゲイルと蛮族の男が組み合っている間に、間接距離からケイオスが魔法を飛ばす。
雑魔導書の頁が光る。物理的に刺す様な氷の嵐の断片が地面を伝い、這い、蛮族の側腹部から胸部までを引き裂いた。
「―― よしっ。次は?」
「待て。……セシリア達の側にも2人。足のある馬を狙いに行ったようだ。商品になりそうな女もあちらにいることだしな」
「ほー。この道を通らないなら、高台経由か。つーか、それって追いつけんの? 遠回りすぎんだろ」
「いいや。どちらかというと俺たちと引き離すのが目的とみる」
「お、マークもそう当たりを付けたみたいだぜ」
「異論はない。このまま迎撃する。相手に首領や伏兵が居るかどうかも確かめねばな」
見晴らしの悪い角に潜みながら。ゲイルは右に鉄槍、左に手槍を構えた。
距離をおいた崖上側にも対応するつもりなのだろう。頼もしい。
ふたりで装備を整え、蛮族の動きをみつつ、マークからの信号を待つ。
空に向かってアローがひとつ。どうやらセシリア達の戦闘も始まったようだ。同時に、こちらにも、来る。
【エネミーフェーズ】
<戦闘処理>
蛮族3:鉄の斧
→ ゲイル:(命中/6)
反撃:ゲイル:鉄の槍
→ 蛮族3:(命中/8)
先頭を勢いよく飛び出してきた男の斧を受け止めて、ゲイルの手甲が金属質に軋む。
素早さに勝るゲイルは、反撃の手をわざといちど止め、男の動きを見た。
眼を絞る。
その後ろ……奥に居る、追って来た、2名の弓兵。そこを目掛けて。
「―― ふぅッ!!!」
反撃の2手目とばかりに、豪腕を振るう。
目前の男の頭の横を、一陣の風が通り過ぎた。
<戦闘処理>
反撃:ゲイル:手槍
→ 蛮族4:(必殺/9*3)
回収紐はなびかず、一直線。手槍は蛮族の喉笛を貫き、鮮血を飛び散らせた。
隣を併走していた弓兵のもうひとりがぎょっと目を剥いて足を止め。ゲイルの目前で組み合ったままの男も、釣られて後ろを向いてしまった。
呆れるくらいに庶民で、蛮族だ。進軍中に足を止めた。魔法兵がいるのに後ろを向いた。
ケイオスが構える。もう1枚、氷の嵐を模倣する。
【プレイヤーフェーズ】
<戦闘処理>
ケイオス:フィンブルもどき
→ 蛮族3:(命中/12)
⇒ 蛮族3:戦闘不能
ゲイル:手槍
→ 蛮族5(必殺/9*3)
⇒ 蛮族5:戦闘不能
目前の蛮族を狙ったケイオスはともかく。ゲイルは
足を止めた近場の弓兵である。急所を狙うのは、ゲイルにとって造作もなかったようだ。
手槍を回収していると、最後の1人。
これまでの蛮族らと比べると体格の良い、両手に斧を持った男が追って出た。
「―― てめぇらぁ、ガキ共がぁ!! オレの仲間を、よくもぉ!!」
こちらに敵意を向けた、ぼろぼろの歯を剥き出しにした男を見ながら、ケイオスは思う。
遅いな。そうやってふんぞり返っておらず、さっきの部下と同時に襲いかかってきさえすれば。
わざわざこちらを追って来た。移動に時間を費やした。
蛮族のお頭らしき男に向かって、ゲイルとケイオスは息を合わせて突貫する。
「……ふぅっ!!」
ゲイルが鉄槍を振るい ―― 蛮族頭の動きは早い。
「……奔れ、氷嵐の断片!!」
ケイオスが最後の氷魔法を起動し ―― 蛮族頭の布鎧は、部下のものよりも上等だ。
そして最後に。
ベルン離宮の山間に、エトルリアの娘が放つ雷が轟いた。
「―― うてよ、招雷ッッ!!」
<戦闘処理>
ケイオス:フィンブルもどき
→ 蛮族頭:(命中/10)
ゲイル:鉄の槍
→ 蛮族頭:(命中/6)
セシリア:サンダー
→ 蛮族頭:(命中/20)
⇒ 蛮族頭:戦闘不能
【戦闘終了】
――
――――
マークと一緒に崖上の戦闘を片付けてきたのだろう。
準備万端のセシリアが撃ち放った渾身のサンダーによって、蛮族のお頭は斧を一度も振るう事なく焼き焦げていった。
絶命を確認してからしばらくすると、離宮へ向かったマークが戻ってくる。
連れてきたベルンの正規兵に蛮族の身柄を引き渡し。馬が居るので死体の片付けを多少は手伝い。
―― その後。ケイオス達は離宮に住まう人物らから、食事会への参加を求められた。
「……は?」
ケイオスが困惑の声をもらしたのも無理はない。
たかが学徒にとっては拒否権もない。
離宮に住まう人物とは、つまりはベルンの王族なのだから。