※この作品はR-18です。

産めよ増やせよ地に満ちよ   作:かりん2022

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起きたらあらゆる意味で全部終わってた

子供が出来た。とりあえず、1ヶ月分の食料物資と出産セットを買い込む。

早くも力が腹に吸われるし、けつゆるゆるだしで買い物すら碌にできず、通販で買うしかなかった。玄関先から受け取った荷物を中に運ぶときに失敗して大人用オムツを買う悲しみ。

そうして色々と物を揃えるのに数日かかった。

 

なんとかやることを終え、横になって脳内掲示板で愚痴を書く。これは勇者達の商売道具であり、勇者の他、勇者の家族や協力者も接続できる。暇つぶしならこれが一番だ。

 

『フライングしたバカがいると聞いて』

『どうして異世界移動解禁までのあと1週間が待てなかったの? 猿?』

『まあ待て、出産のモデルケースになってくれたんだ、じっくり見守ろうじゃないか』

『何故いい男を独り占めにした』

『夜神当主筋を兄弟丼かぁ』

『どうしてそんな事になるんですか?』

『弟の告白無視って兄にセフレ志願したら譲られてシェアされた』

『クソワロタ』

『弟思いのお兄さんですね……』

『ついでにお付き合い断ったらセフレ宣言させられた。訴訟』

『でも俺ら、変なのに捕まると困るからって満18歳のエイプリルフールまではつまんない男に見える認識阻害掛かってたわけじゃん? よくそんな凄い所から好きって言ってもらえたな』

『夜神は調査系に特化した名門だから、一部認識阻害突破してんの』

『はぇぇ女神様の加護を? 凄い』

『良い男だよ。弟の方振ったのは一途で家庭的なタイプだったからだし、兄の方も優しくてすごく良い男』

『ああん羨ましい! ずるい!』

『良い男はセフレを兄弟で共有したりしないと思う(小声)』

『でもお前、ワンナイトしてくださいってお願いしてくるクズだしね……』

『まさか妊娠するとも思わんだろうし』

『そうなんだよね。むしろ名家の子を勝手に孕んでごめん的な。それはそれとして勝手にフライングした子だから子供手当はお預けになるし、ケツゆるゆるにされたし、力は抜けるし、ぬおー! 誰か看病に来てくれー!』

『こっちも予定があるんだよなぁ! そもそもお前、呪術界に潜入し続ける話はどうなったんだ。お前が任せろっていうから、皆撤収準備してたんだぞ』

『認識阻害切れるから、どちらにしろ撤収だけどな。上層部のジジイ共のエロ被害多すぎる。俺らのママン世代だいたいそれだし』

『まさにそのエロジジイの息子で我慢できないエロ猿の弟が通りますよ。代わりに僕が学校通って情報集めます。看病にも行くので、電話したら鍵開けてください。というか、掲示板の前にまず家族に電話でしょうよ……』

 

 持つべきものは弟だ……。助かる、月詠。アホな兄ですまぬ……。

 私は掲示板への接続を切り、丸くなる。

 出産まであと2週間。既に腹は大きくなって存在と重さを主張している。

 産むの怖いな。帝王切開か? それ誰がするんだろう。

 

 うとうとしていると、ぎゅうっとお腹が痛くなった。

 お尻がゆるゆるしてるので腹痛でぎゅっとなると中身が出る。

 怖い怖い怖い。超惨め。そこで電話が鳴る。

 

「月詠? もう動けない、立てない。お腹痛い。漏らした。ドア開けんの無理。植木鉢の下に鍵入れてある……助けて」

 

 お腹が痛くてギュッて丸くなって、それから私の意識は落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピーポーピーポー。

 サイレンの音がする。体が揺れる。意識が遠くなる。

 

 

 

 

 

それから、夢現で何度か食事をした気がする。

月詠だろうか。弟は神様です。ありがとうありがとう。

後たまにすごく気持ちいいエッチな夢を見た。

 

 

 

「ん、んん……知らない天井だ」

 

 えっ まじで知らない天井なんですけど。

 月詠が運んでくれたなら拠点の医務室でないとおかしい。

 そして拠点の医務室に点滴なんて上等な設備はない。あと、せっかく閉じてきた尻になんかふっといの入ってるのなんで?

 

「何処ここ?」

「病院だよ」

「燈矢? 燈矢!?? 何でここに!?? あ、イタタ」

「あんまり動くな。ほら、飲み物」

 

 吸飲みにジュースを入れられ、飲む。

 美味しい。

 

「なんか食える? 意識ははっきりしてそうだな」

「すっごくお腹空いてる」

「よし、おかゆ持ってきてもらおう」

 

 すぐにおかゆがくる。おかゆというか、いろんな具も入ってオシャレなリゾットみたいな?

 

「美味しい美味しい」

「少しずつな」

 

 燈矢が優しく給餌をしてくれる。私は思うのだが、日本人にとって、食事を与えるのは最大限の愛情表現だと思う。

 何が言いたいかというと、とっても幸せ。

 うとうとと眠気が押し寄せてくる。

 

「んん……」

「眠い? もうちょっとだけ食べたら寝ていいよ」

「うん……って、そうじゃなくて、ここ何処? どうしたの? なんで燈矢がここに?」

「ああ、電話したら助けてって言われてさ。住所調べて駆けつけたら具合悪そうで、すぐ救急車呼んだの」

「きゅ!??」

「実際危なかったらしくて。もっと早く助けを求めろよ」

「そ、そうだったのか。ありがとう、燈矢」

 

 ちゅ、とキスをされる。ゆっくりと唇を味われる。

 

「いいよ。ゆっくり休んで」

「燈矢……?」

 

 いや、今キスする要素あった? なんなんだ、この溢れ出る余裕は。

 

「あ、起きてる?」

「無関係な兄貴は帰ってて」

「無関係じゃないだろ……」

 

 病室に入った蒼矢さんが寄ってきた。なんだあのえぐいディルド。

 

「まず、話をしようか。分かってたみたいだけど。君は妊娠してます」

「げっあっ あー。はい……」

「戸惑ったのかもしれないけど、分かった時点で相談して欲しかったかな」

「ご迷惑はお掛けしません。この子は私が育てます」

「うん、授乳ぐらいはさせてあげるよ。ただ、教育は我が家でやるし、名目上の父親は僕にしてもらう」

「俺だろ!」

「我儘を言うな、燈矢。それにあくまでも名目上だから君が永遠を抱くのは自由だよ」

「他の奴が永遠を抱くのも自由になっちゃうじゃん」

「えっ 全然自由じゃないんだけど」

「自由だよ。それに、僕がしっかり躾けてあげるからね。君は優しくしちゃうだろ」

「そりゃ妻には優しくするだろ」

「勝手に話進めないでくれますか? 妻にはならないって。子供も私のだから」

「先は長そうだね。じゃあ、燈矢。処置を手伝ってもらえるかな」

「うん」

 

 布団を取って、浴衣みたいな服をはだけられる。

 

「足、抱えられるかな?」

「待って何が起ころうとしてるの」

「出産準備だから頑張ってね。拡張するんだよ」

 

 何か操作をされると、お尻に入ってる中に何かから液体が散布される。

 

「は?」

「怖くないから。ほら、扱いてやるよ」

「いや、いいってここ病院、あ、あ、ああっ♡」

 

 小刻みにだし入れされ、ついに。

 

 ずるっ……

 

 

 お尻に入ってたのこれか! ふっと!

 

 かなり太いそれを抜かれて、漏れた中身を片付けられて、軽く洗われて、次のを入れられる。なんなの? なんのプレイなの?

 

「は、入んない。やらぁ♡」

「大丈夫」

 

 キスされて、体を触れられ、扱かれて、イカされて、体の力が抜けたところで押し込まれる。

 ヒクヒクプルプルしてるところで衣服を整えられ、布団を被せられる。

 

「頑張って産んだら、いっぱいエッチしような♡」

「ご家族への挨拶も済ませてるし、戸籍も女の子に移してあるし、引っ越しも終えてあるし、後は出産して籍入れるだけだから」

「引っ越しも!?」

「月詠に頼んだから、心配すんなよ。それより」

「それより!?」

「永遠には選択肢があります。1、俺の貞淑な妻になる」

「いやです」

「2、兄貴のお嫁さんになってうちの一族の上層部の玩具になる」

「いやです」

「3、うちの一族の肉便器になる」

「どんどん酷くなってくるのなんなの?」

「4、淫らで男なのに子供産んだ誰でも咥え込む男って評判でなんの守りもなく放流される。子供は俺の養子になる」

「5番。私はシングルファーザーとして頑張って子育てする」

「あのさ。意地張るなよ」

「5番」

「……はぁ。これが最後だ。俺のものになれ。これ以降はどんなに永遠がおねだりしても愛妾にしかしない」

「そもそもおねだりしないから。5番。荷物はマンションに帰しておいてね」

「……そうかよ。まあ特別サービスで子供が生まれるまでは面倒見てやるよ」

「ありがとう。ごめんね」

 

 燈矢が、冷え冷えとした目で私を見た。ごめんて。

 私はハーレムと逆ハーを作るのでね。一途で家庭的な男は残念だけど無理なのだ。

 

 そして、更に1週間後。

 

 

 ついに陣痛が来た。お腹の中の何かがブチッとちぎれる。

 

「痛い痛い痛い痛い痛い!!」

 

 お腹がギューっとなる。

 お医者さんからGOサインが出た直後、お尻のディルド? アナルプラグ? が抜かれ、お腹に更に痛みが走る。なんかめちゃくちゃでかいのが来る!

 

「あ、あ“ー!!!」

 

 なんとか排泄を終え、下を見ると白い膜のようなものに包まれた塊が見えた。

 お医者さんがビリビリと破くと、中から赤ちゃんと水が出てくる。

 

「ううー! う“う“ー!」

 

 お尻がすごくビリビリする。

 触診と検査をされ、ぐったりと眠る。

 

 起きて、検査をした後、赤ちゃんと面会できた。

 赤ちゃんの目が魔法陣浮かんでて美しすぎてビビる。人間の目じゃないだろ。

 魔力の関係か……? このボディの遺伝子は髪の色弄ったのと魔力の素を胎児の時に埋め込んだだけなんだけど。魔力の素、いいのを厳選して埋め込んでくれたって話だし、だからかな……。

 指導のもと、赤ちゃんを胸に誘導。おっぱい出るんか……。

 なんとか授乳していると脳内DMが来た。

 月詠である。

 

『すみません。学校無理です。僕も拠点に避難済みです』

『えっ何? 藪から棒に……』

『圧が強くて……。このままだと、まず間違いなく僕が人質にされます。そもそも、夜神には認識阻害効きづらいですし、貞操も危ないです。僕もフタナリじゃないか身体検査されたし……。僕は逃げればいいですが、雫さんも危ないかもしれません』

『えっ』

『赤ちゃん連れてくのは更に夜神を荒ぶらせるので得策ではないという事になりました。マーキングはしてるので、本当に危なくなれば避難させられます。とにかく、呪術界の魔法文明受入決定まで情報収集頑張ってください。兄さんが寝ている間に認識阻害解けて、予想以上に反応が強くて、揉めた結果みんな避難しました』

『えっ 私1人って事? 勇者の家族もみんな避難したの?』

『はい、避難済みです。天空都市マギカテラは魔力災害の対処に伴い、先行して選抜家族に協力を要請して、フタナリ処理と魔力の適応実験をしていて、事故を防ぐために興味を削ぐ認識阻害を掛けていたと、カバーストーリーも伝えました。永遠もその対象ってのも通知済みです。妊娠の負担が想像以上だったのもあって、今すごく揉めてます』

『スパイってばれたまま潜入操作しろと? 赤ちゃん抱いて?』

『そうです』

『私も逃げちゃダメ? 尋問怖いんですけど?』

『揉めっぷりが酷かったので、お互い、かなりヘイトが溜まって疑心暗鬼になってしまってます。なんとかヘイトを消化してください。そもそも火元は兄さんなんですし。それに伴い、転移装置ですが、命の危険がない限りオフになります』

『生贄って事!?』

『そうです。無理やり聞き出した事なら信じてくれるかもしれないし、サンドバック頑張ってください』

 

 ぴゃあああああああああ!!

 赤ちゃんを抱っこしてオロオロしていると、燈矢が来た。

 苛立った様子だったが、赤ちゃんを見て僅かに微笑む。

 一緒にきた看護婦さんが赤ちゃんを連れて行き、私達はベッドに腰掛けた。

 

「話があるんだ。永遠」

 

 私の方にはないですね……。




マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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